Lumis.Eterneさんの「沙織 ~美少女たちの館~」の感想

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誰得第50弾
誰得第50弾

「誰得シリーズ」も折り返し点を迎えました。ここで、ご紹介するのにふさわしい作品は
もう、これしかないでしょう。
というわけで、「フェアリーテール」の「沙織」です。

「沙織」という作品は、このような物語です。

  ある日、女子校生の沙織は下校途中の公園で、恋人同士のHを目撃してしまいます。
  彼女は、帰宅後そのときのことを思い出して「ムラムラ」してしまい「オナニー」をするのです。
  するとそこへ「怪しい仮面の男」が二人やってきて、彼女は連れ去られてしまいます。
  気がつくと、彼女は「怪しい洋館」の中にいました。
  そこで、彼女は洋館の女主人に誘われるままに、「不思議な部屋」に入り「不思議な幻想」を
  見るのです。

この作品は、ある種の「幻想作品」といってもいいかもしれません。アリスソフトの「夢幻泡影」という
作品をご存知の方でしたら、この作品にちょっと雰囲気が似ているといえばお分かりになるでしょうか。

主人公の「沙織」という少女は、基本的にまじめで清純な女の子です。しかしこの作品では、彼女の
心の奥深くに隠された「欲望」が容赦なくあぶり出されていきます。これは、沙織という一人の女の子を
通して、人間の本質を描き出そうとした作品のような気がします。とは言っても、それほど大それたもの
ではないと思いますけど。
沙織が「不思議な部屋」で見る幻想は以下のようなものです。

 ・実の兄妹の近親相姦。
 ・実の父と娘の近親相姦。
 ・女教師と生徒の情事。
 ・パトカーの中でオナニーする婦警。
 ・大学の先輩を奴隷調教。
 ・神社でレズプレイに溺れる巫女姉妹。

どれもかなり、背徳的な内容です。沙織は、このような幻想を見ていくうちに自分の「内なる欲望」に気づき、
いつしかそれを受け入れていくのです。

この作品は、当時としてもわりと挑戦的な作品といえるかもしれません。ただし、当時はある意味「ホンネ」の
時代というか、へんな言い訳をしなかった時代なんですね。ある意味、非常にゆるかったと言うか。
「ランドセル」を背負っている女の子は「小学生」です。父と娘あるいは母と息子は「実の親子」です。
女子校生は「女子高生」と書きました。「女子中学生」にだって「性欲」はあるのです。こういう「あたりまえ」
のことを「あたりまえ」に表現していた時代と言えるでしょう。
確かに、本作は「無修正」です。しかし、いわゆる「ヘア」は描かれていません。当時は、エロゲーの世界では
「ヘアはNG」、「タテスジはOK」のような「暗黙の了解」みたいなのがあったんじゃないでしょうか。
「もろ見え」ってけっこうあったんですよね。それじゃなかったら「隠しコマンド」でマスクが取れるとか。
つまり、私が言いたいことは「決してこの作品だけが問題」だったんじゃないっていうことです。


この作品について書くのであれば、やはり「沙織事件」について触れないわけにはいかないでしょう。
沙織事件の詳細については、wikiなんかを見てもらうのが一番早いし正確だと思います。
私はこの沙織事件についてはある種の「でっちっあげ」あるいは「謀略」に近いものだと思っています。
ただ、誤解しないでください、私は決して「謀略論者」ではありません。むしろ自分では「謀略否定派」だと思って
います。では、なぜあえて「謀略」などという多分に刺激的な言葉を使ったのかといえば、この沙織事件が
あまりにも「不自然」だからです。

この「事件」の発端は「中学生の万引き事件」です。大変残念なことですが、このような「不心得者」は日本中を
探せば「一人や二人」はいるでしょう。しかし、だからといって「エロゲー」に攻撃の矛先が向かうのは「明らかに」
不自然なのです。本来ならは、この事件は単なる「万引き事件」として粛々と対応すればよかったはずなのです。
本人が反省していて再犯の恐れが低いと思えば「説教して帰す」という対応もありうるでしょう。
また悪質だと思えば、「親を呼ぶ」なり「警察を呼ぶ」なりすれば、よかったはずです。それで終わりです。
事実、たとえば女子中学生が「化粧品を万引き」したとしても、決して「化粧品が攻撃」されたりはしないでしょう。
おにぎりが万引きされたとしても同様です。それなのになぜ「エロゲー」は攻撃されたのでしょうか。
それは、ある意味明らかです。つまり、この事件が起こる「ずっと前」から、エロゲーのことを「けしからん」と
思っていた「偉い」人たちがいて、この「万引き事件」はそういう人たちにとっては「単なるきっかけ」にしか
過ぎなかったからです。もし彼らが「そうではない」と言うのならば、彼らは「エロゲー」と同じように「化粧品」も
「おにぎり」も「文房具」も批判しなけれは「筋が通らない」のです。なぜならば、「エロゲー」にしろ「化粧品」にしろ
「おにぎり」にしろ、人々の「欲望」を刺激するという意味では「同じ」だからです。
私は何も、化粧品やおにぎりを批判しろといっているわけではありません。
私が言っているのは、「彼らの論理は破綻している」ということなのです。
つまり、彼らの「エロゲーは中学生の欲望を刺激するからけしからん」と言う理屈は、ほとんどすべての「商品」に
当てはまることなのです。何もエロゲーに限ったことではありません。つまり、彼らは「商品」というものの本質を
否定しているのです。このような「暴論」が当時まかり通っていたのは、まさに「異常」としか言いようがないでしょう。
彼らはせめて「エロゲーと一般のゲームをきちんと分けろ」と主張すべきだったのです。

ただ、この「沙織事件」はある意味で、そういう人たちの「欺瞞」をも浮き彫りにしてくれました。当時、地方で
「エロゲー批判」を熱心に行っていた「取りまとめ役」のような人たちの中に「東南アジアでの買春ツアー」に毎年参加
していた人がいたというのが報道されたときの「怒り」は今でも忘れません。彼らの中には、地元での会合で「12歳の
少女を抱いたときのこと」を自慢げに話していた人もいたそうです。私は、この人に「どの面下げてエロゲーを批判
できるのか」聞いてみたいのです。

ただ、私にも後悔の念は多分にあります。当時、「多くのエロゲーファン」と同じように、私に出来たことは
「ほんのわずか」です。具体的には、地元の「シンポジウム」に参加したくらいです。そのときは、私もある程度
思っていたことを発言しましたが、それで十分だったかと言うと、全くそうは言えないでしょう。
私は今でも、その時に「特攻服を着た人たち」から投げつけられた「罵詈雑言」の数々を忘れることは出来ません。
だから、私は「今度こそ後悔しないようにしよう」と思っています。今は、当時とは比べ物にならないほど
「エロゲーファン」にも発言の場があるのですから。とは言っても、無理をする必要はないと思います。要は、「自分に
出来ること」を「出来る範囲で」やればいいのだと思います。あとで「後悔」しないために。
私は今でも、「あの時」のことを思い出すと「居ても立っても」いられなくなるのです。
しかし、「製作者」は当時「世界中を敵に回してしまった」ような気持ちでいたのではないでしょうか。
それを考えると、胸が苦しくなります。

どうやら、「エロゲーをけしからんと思っている人たち」は、こういうものをなくせば「日本はよくなる」とでも思って
いるのでしょうか。中国は「イスラム圏」を除けば、世界でもっとも「ポルノに対して厳しい国」のひとつです。
この国では、「ポルノ販売」、「ポルノ所持」で死刑になった人はたくさんいます。しかし、私は寡聞にしてこの国が
日本よりも「治安が良い」と言う話を聞いたことがありません。


エロゲーの世界にとっては「沙織以前」・「沙織以降」と表現されるほど、この事件は大きな衝撃でした。
これをきっかけにして「ソフ倫」が結成され、エロゲーには「18禁シール」が貼られるようになりました。
その中で、エロゲーと一般のゲームとの「住み分け」がなされるようになりました。このこと自体は、私は「いいこと」
だと思っています。しかし、これはあくまでエロゲー側が自主的に行うべきことで、「不当な圧力」によってなされるべき
ではありません。私は、この点にもっとも「やりきれなさ」を感じているのです。


今回は、いつもとは違って「敢えて」少々「感情的」に書きました。もしも不快に思われた方がいましたら、お詫びします。
当時、私が感じた「衝撃」と「悲しみ」が少しでも伝われば幸いです。

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