Ryo@0371さんの「恋色空模様」の感想

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知性溢れる主人公と戦う女の子たちが織りなす、学園青春クライムサスペンスアクションラブコメディ!!
本作はヒロインたちとの出会いが描かれる日常編、
学園の廃校問題に主人公とヒロインたちが立ち向かう革命編、
物語が一件落着した後に、各ヒロインたちと結ばれる恋愛編の全3部構成となっている。

謎解きな部分は次へ次へと読み進めたくなる内容となっており、また学園廃校問題から見えてくる日本の教育社会の風刺も描かれている点も素晴らしい。
特にキモ(笑)教頭の教育者としての心の葛藤の描写は秀逸で、考えさせられる。
るちえ氏のモエーなイラストとは裏腹に、物語の下地はしっかりとしており、ストーリーの面白さにプレイ中は良い意味でギャップを覚えた。

だが、いかんせん恋愛描写がほぼ皆無で、ほとんどがナアナアで結ばれる。
廃校問題に立ち向かう革命編にもっと恋愛要素・ラブコメ要素を盛り込んでいれば文句なしに80点台以上の点を付けていたが…。
うーん、ヒロインとの恋愛は萌えゲーとして見れば妥当なのだろうか…?
とりあえず日常編・革命編はプレイする価値あり!!
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Ryo@0371さんの「恋色空模様」の感想へのレス

Ryo@0371さん、私の感想への投票ありがとうございました。
早速そちらの感想も読ませていただきました。

恋愛描写が少ないというのは、私自身もそう思いますし、文章量全体における割合として見た場合の客観的な事実といってもおそらく間違いではないでしょう。ただ、私は本作においてはこの部分もむしろプラス評価の要素として見ています。

本作の主題は、廃校問題に協力して立ち向かう主人公達の姿を描き、読み手に青春、青臭さ、爽快さを感じさせるという点にあり、恋愛要素はオマケに過ぎないと私自身は理解しています。この理解は、おそらく大部分の読み手が同様にされるのではないかとも思いますし、クルセイダーズ編に最も長い時間を割き、OPも変え、ここが肝であると読み手が分かるような構成を採っていることからも、製作陣の意図にも沿うものではないかと考えています。

そして、製作陣は、この肝の部分をブレさせないように、不明瞭にしないように、あえてクルセイダーズ編から恋愛要素、ラブコメ要素をそぎ落としたのではないかと推察します。私は、製作陣のこの姿勢が英断であったと思うのです。

これは私の主観的な印象なのですが、本作の原画を担当されたるちえ氏は非常に可愛らしい絵を描かれますし、また、本作のヒロイン達もそれぞれ萌え要素を兼ね備えた魅力的なキャラクターとなっているように感じます。それならば、普通の発想として、「それじゃあ萌えも混ぜるか」となってしまいがちです。しかし、本作の製作陣は主題をしっかりと意識し、萌え要素を出来る限り排除して、クルセイダーズ編の内容を主人公達が廃校問題に立ち向かうという一本に絞っています。そうであるからこそ、読み手である我々も、緊迫感を常に維持し、話に熱中することができるようになったのではないかと思うわけです。

仮に、クルセイダーズ編に恋愛要素・ラブコメ要素がふんだんに盛り込まれていた場合を想定してみましょう。おそらく、ちょっと話が盛り上がってきたなというところでラブコメ要素が挿入されると、我々の緊迫感はそこで一旦解消されてしまうであろうし、ヒロイン達とイチャイチャしていたところで、急に真剣な話に転換してしまうと、「もっとイチャイチャさせろや」となってしまうのではないでしょうか。つまるところ、廃校問題というシリアス要素と、恋愛要素・ラブコメ要素が相互に邪魔をしあい、結局どっちつかずになってしまう恐れが高いと思うのです。

この想定と似たような感想を、私はゆずソフトさんの「E×E」をプレイした時に持ちました。今でこそ良萌えゲーメーカーという評価が確立したといえるであろうゆずソフトさんですが、この作品は方向性を探っているという姿勢が手に取るように分かるものでした。超能力を駆使したバトルものの合間にイチャラブ要素が織り交ぜられているというのがこの作品の基本的なスタンスで、シリアス要素と萌え要素が半々ぐらいの割合で繰り返されるものでした。この作品の感想を本サイトに投稿した際に、私は「テレビ番組でよくある、続きは番組の後半で、というのを延々とやられているように感じた」という趣旨のことを書きました。これは、気になる展開が常に先送りにされているということを表現したつもりです。シリアス要素にしても、萌え要素にしても、こっちがそれを見たいと思っているにもかかわらず、もう一方の要素が挿入され、両方ともが不完全燃焼になってしまいました。本作においても、そのようになってしまう危険が存在していたと思うわけです。

それに加えて本作は、プレイ時間が長めになるであろうボリュームを持った作品です。クルセイダーズ編に恋愛要素を取り入れることは中だるみを生じさせる大きな危険を孕んでいたのではないかとも考えます。

もちろん、本作の絵柄やキャラ設定から、本作に恋愛要素を期待したユーザーは相当数いると考えられますし、製作陣の方もそれは分かっていたと思います。それにもかかわらず、恋愛要素をそぎ落とすというのは一種の賭けであると言えるでしょう。しかし、これは非常に自分勝手な言い分かもしれませんが、私自身は本作を楽しむことができたので、製作陣の決断を高く評価し、褒め称えたいと思っているところです。

以上がRyo@0371さんの感想を読ませていただき私が感じたことと、私自身の感想の補足となります。長々と失礼いたしました。もし機会がありましたら、今後も私の感想を読んでいただけると嬉しく思います。
2012年06月22日16時34分58秒
nanachanさん、当レビューへのレス有難うございます。
そちら様の「本作における恋愛要素が少ないことについて」の補足も含めて、今一度読ませて頂きました。

このように指摘されますと、若干自分のレビューに書いたことが矮小に見えてきますw
なんか、「恋愛要素ありき!」な、だいぶ自己チュー的なことを書いてしまったようにも思います。
かなり的確な正論を申されていましたし、なにより、何でもかんでも多くの要素を盛り込めば良いと言うものではないなと痛感させられましたσ(^_^;)
確かに、(脳内シミュレーションで)革命編に恋愛要素を盛り込んでみたらオカシクなりましたw
それにヒロインたちとの友情や一夏の青春らしさを出すにも、やっぱりムリに恋愛要素を入れると違和感が出ることにも気付かされました。
(余談ですが、近年では男女の友情は成立しないと言うような研究結果もあるようですが…)
そちら様の言われる通り、「萌えゲー」としてのイメージを良い意味で逆手に取った良い作品であることには間違いないと私も強く思います。
初めはただの王道学園モノの萌えゲーだと思っていたのもありますし、何より緑茶作品をプレイしたのが初めてだったもので…。
実際、プレイ前は体験版なども全くやらず、ストーリーや作品概要も見ずに(夏ゲーなのは知っていましたが)、「やってみるか」なノリで始めて「こういう話なの!?」と驚いた記憶がありますねw

今回の補足のレスは非常に勉強になりました。
またよろしければご指摘・ご教授を頂ければと思います。
今後も機会がありましたら、当方のレビューも見て頂ければ幸いです。
nanachanさんの今後のレビューにも期待しています♪
2012年06月30日01時01分01秒

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