tanaken9776さんの「奇形児」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

85奇形児
プレイ時間40分。絶望の小話。
それは、死に至る病。
世の中に絶望したことのある方なら、きっと高評価になると思います。


11歳の少女・可奈と、19歳の専門学校生・明彦の物語ですが、
二人とも世の中から拒絶され、絶望しています。
良いことなんか一つもなく、自殺したいと叫んでいます。

物語として読み手の心に響かせるには、いじめやレイプの表現も少なく、足りないと言えるでしょう。
ですから一般人や、今の人生に満足している方、うまくいっている方にとっては、低評価になると思います。

しかし、頑張っても上手くいかない方、辛い努力の果てに失敗した経験がある方にとって、この明彦の主張は心に響くのではないでしょうか?


【※以下、ストーリーを読んだ前提で書きます。ネタバレ注意。】


幸せになりたいのに頑張っても駄目で、何をしても上手くいかなくて、自分にはあらゆるものが足りない。あとは死ぬしかないけれど、死ぬのは怖い。もう嫌だ。何もかもが。
そういう暗くてキモい鬱屈した感情を抱えながらも、明彦は手探りで居場所を探し、可奈という、袋小路からの抜け穴を見つけたのでしょう。

だからこそ、彼は可奈に手を出さざるを得なかった。
それは彼にとって、まさに自身の絶望への勝利であり、初めて上手くいった瞬間でした。
何一つ上手くいかない人生を送ってきた人間にとって、それがどれだけ幸福なことか。

しかし、それは努力の勝利ではなく、欲望に負けただけでした。
その結果、本作は一切の救いなく、明彦とプレイヤーを絶望へと導きます。


可奈は可奈で、絶望に翻弄され続けています。
しかし、期待の果てに絶望に辿りついた明彦とは違って、可奈は最初は期待を持っていません。
ただ環境的な痛みと苦しみから逃れる手段として、自殺を考えていました。

ところが、公園で明彦に出会ったことから、期待を持ってしまうのです。
きっと可奈だけでなく、プレイヤーの方も、物語のハッピーエンドを期待したに違いありません。

そして、当然のように期待は呆気なく裏切られ、新たな絶望に押し潰された可奈は、遂にこの世に別れを告げます。


絶望とは何なのか。
この作品は、この疑問に忠実に答えてくれました。


『奇形児』というタイトルは、作品のテーマに非常に忠実だと感じました。
それは、この言葉からどんな内容を想像したか、自身の胸に手を当てて考えてみれば、きっとわかると思います。

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