a-bitさんの「D.C.II P.C. ~ダ・カーポII~ プラスコミュニケーション」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

【思い出補正有り】高い完成度のスタンダードな学園物
・前書き(長いのでスキップ推奨)
この作品も随分昔にやった、いわば今の私をこの世界に引き込んだ要因の一つ。
当時曲芸商法なんて知らなかった私は、アニメを見て興味を持ったこの作品をプレイし、ズルズルと深みにはまっていき、今ではなぜか学園物を忌避するユーザーになってしまった。
HoIⅢの三角形の勢力図で言うところのソ連的立ち位置にいるわけだ。(ちなみに残り二つは「萌えゲー好き」と「抜きゲー好き」です)
要はライアー、イノグレ、ニトロ、ケロQなどなど、癖・アクの強いゲームばかりプレイする人間になってしまったわけだ。どうしてこうなった\(^o^)/

どうしてこうなったか。つまるところ大きいのは、学園物のすべてに魅力を感じないことが大きい。
友人との会話に必要性を見いだせず、お決まりのイベントには眠気しか催さない。
ましてや、シナリオもこれといってイマイチなゲームとなってくると、もうアンインストールしか考えられない!

そんな私が敬遠する学園物だが、稀におもしろいゲームが出てくる。
その一つがこの「D.C.Ⅱ」であり、他には「さくらさくら」や「リトルバスターズ!」などがある。
これらに共通しているのが、システムが工夫されていたり、シナリオがよかったりするという点だ。
一般的な学園物と差別化したゲームじゃないとプレイする気にならないという点で、このころから私はおかしな人間だったのかもしれない。

まぁ個人の好みの差というのはあるけれど。


前置きが長くなった。
結論としては、山ほどある学園物の中でも、例えばこの作品の目覚ましシステムなどの、工夫を凝らしたゲームがもっと増えてくれるといいかな、ということ。





・世界観
これといって特色もない、普通の島。
まぁ枯れない桜っていうのはあるけれど、ルートによってはほとんど関係しないし、それを除けばよくあるエロゲの舞台。
50年経って自動雪除去マシーンしかないっていうのも微妙だな・・・。
このあたりは無印の弊害を感じる。
無印の印象を残し、そちらのユーザーにも継続プレイを促す目的からだろうが、そんな理由で50年時代を進められると、今度は新規ユーザーが困ってしまう。この作品の悪いところだ。




・キャラクター
とにかく多い。ヒロインだけで10人超える作品なんて、そうそうお目にかかれないだろう。
キャラの描き分けというか、一人のヒロインを複数絵師が担当しているのはあまりいただけないかな。
ゲーム中であったかまでは記憶にないが、音姫の顔とか結構変わるしね。
性格もそれぞれメリハリがあってよかったかな。中の人も当時無名の人(もしかしたら新人?)がメインだったのは好印象。
男キャラも少ないながらに味があってよかった。杉並とかね。



・シナリオ
隠しキャラ以外はだいたいクリア。
杏・まひるの二人が一番良く、次いでal fine、アイシアか。
前者はまぁよくある古典的なシナリオだったが、挿入歌が良かったこともあり、演出効果で泣いた感じ。
後者もよくあるシナリオながら、ここまで攻略してきた苦労というか、事の顛末が明かされて感慨深かったことが大きい。

他のシナリオもそれほど悪いものはなかったが、あえて言うなら上記のものか。
どれも普通の学園物の枠にとらわれないのは良かったが、方向性がバラバラなのはちょっと違和感があるかもしれない。



・環境設定
特に問題なし。
ここが丁寧な作りのゲームはどちらかというと学園物の方が多い気がする。



・音楽・BGM
とにかく曲数が多い。それに尽きる。
必ずしもすべての曲がいいとは思わないが、要所要所でいい曲が出てきたかな、という程度。
BGMも悪くないが、短めなのはちょっと嫌かな。



ひとつ気になったのが、このメーカーの特徴として、独自のライターや絵師、声優を使うことが多いよな、という点。
若手や新人の育成になるのかもしれないが、問題なのは、どうも彼らが他のブランドで仕事をしたりする機会に恵まれていないような気がすること。
最近になってようやく進出し始めてきた気がするが・・・。
いいものを持っている人もいるのだし、もっと積極的に外部に進出してもいいと思った。



・総評
曲芸商法と称される通り、とにかく関連作品が多い。
それゆえ叩かれることも多い本シリーズだが、この作品は単体プレイならそこまでつまらなくはないはず。
FDが発売されるのは許せるが、流石に出し過ぎな感は否めない。このあたりは10周年を迎えたCIRCUSの奮起に期待する。
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