相馬小次郎さんの「魔法使いの夜 -WITCH ON THE HOLY NIGHT-」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

物語自体は面白いよ
細かい事考えずに読む分には充分楽しめる物語。
が、その世界観、設定、テキスト等々が、全く感覚だけで読ませてくれる代物には出来ていないので、細かい部分で物語に置いて行かれない為に理解せざるを得なくなり、結果的に数々の矛盾などの「穴」に気づき、なんかどっか納得いかなかったり、ガッカリ感を受けてしまったりってな作品になってしまっているのではないかと思う。

雰囲気やBGMは非常に良く、3曲しか無いもののクラシックが使われていて、場面や舞台に合っていたのは非常に良い。

CGは非常に綺麗で文句ナシ。キャラも良く描けていて、ぶっちゃけ武内崇氏の絵って下手だと思ってたので、デザインをしてこの絵師さんに描かせたのは正解じゃないかな。
伴う演出も綺麗だったし、紙芝居としてはすっげーハイレベルだよね。
ま、音声が無い分の拘りなんだろうけど、充分なものだった。

テキストも非常に良く「Fate」等に比べると読みやすく、以前より疲れにくい。
ま、ちと説明くさいのが多いのも確かではあり、その部分はテンポが止められてしまうのが難点。

作品が、きのこ氏が元々むか~しむかしに書いた物をベースに新たに構成したものらしいので、「月姫」や「Fate」との共通部分の多いのはもちろん、ライターの中でそれらから更に膨らんだ要素も多分に含まれ、実際に現実に存在する多種多様の摂理や理論を組み合わせたり変えたり膨らませたりで構成される独自の世界や理論は、非常に練りこまれ考えられていて良く出来ているとは思う。
しかしまぁ、確かに「所詮人間が作る、創造する世界」でしかないので完璧に納得いくっつーのは無理ではあるが、それにしたって作品を重ねてずっと構築してきたにしては「あれ?」って感じる余りにもごく単純な矛盾等が結構多すぎ、「肝心な部分の編み方が雑な毛糸の作品」ってな感じになっていると思う。(個人的に細かく上げるとキリがなさそうなんでやめておく)

あと、膨らましてっているのは解るが、物語の状況から考えて主人公に不必要な知識の説明的テキストも多く、それによって流れが止められてしまったりしていた所もあったので、その分を「なぜなにプロイ」みたいなのに入れてしまえばいいだけだとは思ったかな。

最後の戦いも、広げた風呂敷を無理やり大雑把に畳んだ様にしか見えない方法だったのが、個人的に作品の評価を大きく下げた。
あんだけ理論を組み合わせて魔術や魔法や構築して、テキストで説明して作品の世界の「論理的な面」を見せていたにも関わらず、結局は勢いで押し流す方法だったのはガッカリ。


つかさー、この世界の魔術師や魔法使いって何なん?
物語見てても、ごく一部の狭い範囲での戦いの話ではあるが、魔術師=ガンダム、一般人=歩兵くらいの差があるしそんな扱いだしw
いくら何でも流石に贔屓がすぎてて「超人」状態にしか見えなくてバランス悪くね?
多少は普通と違えど、魔術が使える機構や知識を持った「人間」なんやろ?
総じたら少数とは言え世界規模での協会を構成できるほどには存在していて、歴史も古く、長い時を得ても何故か「闇に隠れて生きる」状態?
ま、数多の歴史を経た結果の状況だとしても、簡単な現代兵器以上の能力を誇る「人間」であり、個々レベルでは「事の是非を問わず見られたら消す」ってのが当たり前で、場合によっちゃそれを「狩り」として楽しめる感覚の「人間」である危険な存在じゃん。
こんな一般的に見て非常に危険要素の高い存在の人間が受けてそうな一般社会からの制限が非っ常~~~に甘すぎないか?
上手く協会で色々とごまかしているって事だったとしても、協会の規模や人数から考えて「全く普通に一般から隠しきれる」なんて事ほぼムリゲーな話だし、んじゃ、魔術で何とか一般を精神操作して隠してるってんなら、そんなんに魔術行使するくらいなら実力行使で特権・支配階級的存在になって社会を構築している確率のが高いはず。
また、それに伴って力を行使出来る者と出来ない者の争いの歴史が生まれる事になるはずなので、リアルに近い状態の社会が成立するとは考えられない。
この様に細かく設定されている部分を現実に乗せるには齟齬が大きいせいで、俺の中では色々な部分で色々細かく「解せん」部分が多くなってしまうのよね。


おまけ要素は楽しかったが、いきなり本編ではちょっと存在が語られる程度のあのピンクに出られても初めは「誰?」だったし愛着もくそもねぇわ。(ま、キャラが強烈で面白かったけどねw)


物語自体は楽しめたものの、「Fate」が出来たくらいまではある意味「単純な設定」だったのに、この作品に至るまでに世界観が膨らむに伴って色々理論づけで世界を構築しているくせに、結局最後はご都合満載で無理くりなのが魔法・魔術って感じで、非常に納得できず質を下げられた感がハンパないのが大きなマイナスで、この点数止まり。

要は、「創造が膨らんで後付けして広げるのは自由だけれど、結局全てを上手く綺麗に組立きれないのならば、もう少し端折って単純化すれば?」って事。





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