国内初となるポイント＆クリック方式を搭載した前衛的なアドベンチャーゲーム。
発売当時（1991年）一般的となっていたコマンド選択式ではなく、画面上をクリックして物語を進めていくポイント＆クリック方式を国内で初めて搭載したアドベンチャーゲームとして名高い作品。本作はその楽しさが存分に発揮されており、ストーリーとは直接関係ないようなモノに対しても、クリックすると独自のコメント、更にはアニメーションまで設定されていて、画面上の至る所をクリックしたいと思わさせる遊び心満載な仕組みが用意されている。その点、昨今の紙芝居と揶揄されるストーリー偏重のエロゲとは一線を画している。
ストーリーは（発売時では近未来の）2008年を舞台とした、サスペンスミステリーで謎解きの楽しさもある。また「沙織事件」より数か月前に発売され、表現規制以前の残酷表現に対してギリギリまで挑戦しており、エログロの面でも充実している。特にエロと画面クリックの親和性は高く、ゲーム世界へプレイヤーを引き込む力を持った名作である。