30年前の今日発売された伝説のゲーム「NANPA.bat」
エロゲとして初の10万本を超える大ヒットを記録し、その後の業界に大きな影響を与えた作品であり、最近のエロゲーマーであっても名前は聞いたことがあるという人は多いだろう。しかし、発売から30年経った今鑑みると、名前だけが独り歩きし、手に取った人からは過小評価されているのではないかと思ったりもする。
確かに現在を基準にして考えると、流行りの萌え絵ではなく16色の古臭い絵、紙芝居とは対極にある面倒なゲームシステム、当然声なんてないし、シナリオがメインに据われているわけでもない(一応Win版『同級生』(elf/1999年)や、『同級生 リメイク』(FANZA GAMES/2021年)で、ある程度時代に合わせたリメイクもされているが)。
では何が面白いのかと言えば、場所移動、時間経過、画面クリック等複合的なシステムによる、ゲーム世界への没入感こそだろう。主人公になりきったプレイヤーは、学生最後の夏休み、街を自由に動き回り、女の子達をナンパして仲良くなっていく。気になる子をからかって遊んでみたり、遅刻しても待っていてくれた子を好きになったり、様々なことを体験し感じながら仲を進展させていく。そこには明確なストーリーは存在しないかもしれないが、触れ合いを重ねる中で生まれるプレイヤーだけの青春ドラマがあった。