【短編物なのに1本の映画を見終わったかのような満足感が残る作品】
【総合評価】88点
【シナリオ】32/40点【原画】20/20点【音楽】19/20点【キャラ】7/10点【声優】10/10点
★よかった点
暗い女の子がだんだん明るくなってくるいい話しで物語がシンプルかつわかりやすい
メッセージ性が強く作者の伝えたいことがはっきりとわかる。
400枚を超えるスチルが描かれているため、基本的に立ち絵ではなくスチルや背景で物語が進んでいく。
1本のアニメ映画を見ている感覚で楽しめるし、めちゃくちゃ凝ってる。
1枚1枚に一切の手抜き感を感じず、非常に良質。原画には文句のつけ所がない。
とにかく声優陣全員の演技が神。特に涙を堪えながら思いを伝えるシーンや、深菜の心情変化や無理してる感を出しているシーンなど表現力の鬼。
主題歌エンディング曲はもちろん、劇中曲が全て神。ElementsGarden最強。藤永さんしか勝たん。
★悪かった点
前提としてコンセプトが劇場版のように短く凝縮した作品で売り出しているため、そこまでのマイナス点では無いが、一部気に食わない部分もあったので記載。
5~6時間で上手くまとめられているとは思うが、裏を取ってしまえば短すぎてヒロイン以外のキャラの深堀りが全体的に浅い。エンディングが近づくに連れて、久々にまだ終わらないで欲しいって思った作品。蘭や紗波はもちろん、陽鞠などもう少しそれぞれについての葛藤を描いて欲しかった。特に蘭だけは過去にどうやって立ち直ったかが描かれなかったのはガッカリした。
また、エンディングの後に深菜の両親や学校に行ったかなどを描くエピローグが来ると確信していたが、何も描かれなかったのもとても残念だった。
想像におまかせ形式か、DLCや続編にワンチャン期待してもいいのだろうか?
あとサントラ2つで4960円はさすがに高すぎ。
★総評まとめ
最後に悪い点も結構色々書いたものの、プレイする前はプレイ時間平均6時間で7000円は高すぎだろと思っていたが、そんなことは全くなく、個人的には納得のいく価格だった。
コンセプトの
1.長さよりもクオリティ・多彩なCGによる演出を重視
2.シネマティックな構図を中心としたビジュアルノベル
3.ストーリー・ビジュアル・音楽を融合させた映画的作品
この上記3つを最後まで完壁に突き通した作品で間違いなく傑作クラスの作品と言えると思う。