【女嫌いの元No.1ホストとセックス嫌いのセクサロイドの14日間を描く純愛ストーリー 】
【総合評価】87点
【シナリオ】35/40点【原画】19/20点【音楽】18/20点【キャラ】8/10点【声優】7/10点
★よかった点
筆者の好みドンピシャでこういうのでいいんだよって感じの作品。
題材や設定が抜きゲーっぽさを感じてやまないが、Hシーン(計6シーン)とシナリオのバランスが絶妙で個人的には求めていたちょうどいいラインだった。
主人公とヒロインのエゴの出会いは最悪で最初は犬猿の仲とも言えるほど仲が悪いが、少しずつ距離が近づき徐々にお互いに恋心を抱いていく過程がリアルでよかった。初日と最終日でエゴの声のイントネーションや口調が別人のように変わっており、主人公への愛情が上手く表現されていた。
突然お別れが来るわけではなく、14日間と最初に提示されるので日が経つにつれて焦燥感を煽ってくるのが非常にいい。主人公やエゴの押さえ込んだ心情を地の文で描いているのがまたいい。筆者はアンドロイドものに弱いので、人一倍主人公に感情移入してしまうのもあるのかもしれないが、大分泣けた。
変に3年後の再会のあとにラブラブHシーンを入れてこなかったのも非常に好印象だった。(シナリオを完結させた後のエンディング後はすんなり終わってほしい派閥)
主題歌がOPもEDもどちらも神曲。速攻ダウンロードさせてもらった。劇中曲もどれもピアノの旋律がはっきりしており耳に残る。ギャルゲーではありがちだが、主題歌のピアノバージョンがここぞというところで流れるのもやはりよかった。
メインヒロインの魅力についても申し分なし。最初はエゴの声優さんが和央きりかさんと気づき驚きつつ、あまり合ってないんじゃないかと思ったが全然そんなことはなく、声の使い分けもさすがの一言だった。
肝心の中身は、まさかの毒舌キャラで連発されるパワーワードが面白い。序盤にいきなり「まず目に入ったのはハゲ、デブ、不潔の3コンボ」は面白すぎた。
ピカチュウやサザエさんをはじめとしたパロディネタがところどころに散りばめられており笑いを誘う。
スチルが非常に美麗で素晴らしかったが、立ち絵の表情がコロコロ変わるので可愛くてかなり癒される。
一つのセリフ中に立ち絵の表情差分が2~3回変わるのはザラにあったので、ロープラとは思えない作り込みで大満足の作品だった。
★悪かった点
冒頭からイケメンナルシスト主人公で少しウザイが、終幕や途中の展開での軽い伏線として張られているので許せてしまった。
マイナス評価が多い印象の毎度おなじみご都合主義についてだが、キャラ設定やシナリオの展開は筆者もご都合主義としか言えないものがあると感じた。
特に、エゴのバッテリーは精液を摂取すれば問題ないなどの設定はどこかの花子さん(こっちの方があと発売だが)のような抜きゲーっぽさを感じて少し残念だった。
筆者は感情のないアンドロイドに徐々に感情が芽生えていく系のストーリーが好きなので、最初から感情全開な本作には驚かせられたが無事感動。
相対的に見て、悪かった点はご都合主義のキャラ設定と最後の展開くらいだったと思う。
ただ、ハッピーエンドが好きな筆者としてはシナリオの結末はまあ納得のいくものだった。