【将来の夢に悩む調律師の息子大人になるまでの短編物語】
【総合評価】74点
【シナリオ】36/50点【原画】14/20点【音楽】17/20点【キャラ】7/10点
※ボイスなしのため声優の分をシナリオに10点加点した特別配点
★良かった点
いつも通り全体を通してBGM良。これもいつも通りだが、1シーン1シーンがスチルで進んでいくので、短編映画を見ている感覚で楽しむことができ満足度も高い。
主人公のカンニングから始まるという冒頭の掴みが最高。途中途中でカンニングした人って最低と蔑まれるの展開も面白い。
特筆すべきは、いつもながらキャラ達の心情表現上手い。主要キャラたちの過去のトラウマの情景が浮かび上がってくるし、心情の変化が上手く表現されている。
白井さんがピアノを辞めた理由もピアノを弾けない理由も納得できるし、二見さんや先生が白井さんにもう一度ピアノを弾かせたいという気持ちも共感できた。
幼馴染のひまりがの存在が主人公が見ている空想だということは、八乙女さんの娘のイマジナリーフレンドの話で大体察せたが、伏線を張るのが上手いので全く違和感がなかった。確かによくよく考えてみれば教室で1人だけセーラー服を着ている点など違和感があるはずだが、気づかないようにうまく溶け込ませられていたと思う。
他にも先生に見つからないように隠れたり、インフルエンザで合唱委員が休んでいるなどとにかく辻褄を合わせるのが上手い。
ラストシーンは展開が予想できても普通に感動するし、短編ならではのエンドロール中に1枚絵だけでエピローグをわかりやすく伝えていたのも素晴らしい締めくくりだった。
★悪かった点
特になし。斜塔ソンブレロの作品は3作目なのでもちろん購入する前からわかっているが、ボイスがないので魅力的なのキャラの良さを引き出せていない。
また、前作同様にクリア後にギャラリーが解放されなかったのはやはり残念。新作の片腕のザリガニでは改善されていたが、せっかく美麗なイラストばかりなのに勿体ない。