【毎日銭湯に通う少女の「帰り道」を描いた、ホラー×エロスの融合作品】
【総合評価】50点
【シナリオ】10/40点【原画】18/20点【音楽】14/20点【キャラ】6/10点【声優】2/10点
雰囲気◎・スチル◎・音楽○・ストーリー×・ゲーム性(操作性)×で50点と言えるクオリティ。
★良かった点
● スチルがとにかく美麗、そして絶妙にエロい
まず特筆すべきはビジュアル面の完成度の高さ。
直接的なシーンはないが、どこか“微エロ”を謳うにふさわしい品のある描写。
● ホラーとしてもきちんと怖い
ただのエロじゃない。視覚効果、演出テンポ、BGMの静けさ、
それらが合わさることで、プレイヤーの「日常の感覚」をじわじわ壊してくる。
いきなり脅かすような驚かせ系ではなく、「違和感」や「じっとりした不気味さ」で攻めてくるタイプ。
● おばけがエロかわいいという新境地
幽霊・怪異の類も出てくるが、見た目が「かわいくてちょっとエッチ」なのが反則。
怖いけど……ちょっと見ていたくなるという矛盾した魅力。それがホラーとエロを両立させるキーポイントになっている。
個人的には化け猫のキナコが1番可愛かった。
● 雰囲気の作り込みが素晴らしい
背景、光の使い方、セリフ回し、どれも「間」が良い。昭和レトロな風呂上がりの夕涼み感と、
人けのない裏道の不穏さが、ノスタルジックに絡まりあう不思議な空気感でよかった。
★悪かった点
● プレイ時間が短い
良質な分、「もっとやりたい」と思ってしまう。
1〜2時間ほどで終わるため、気になった謎やキャラについての掘り下げがやや物足りない印象も。
ただしこれは短編の宿命なので、長所の裏返しとも言える。
● ストーリーはほぼ皆無
雰囲気や演出は素晴らしい一方で、物語そのものの軸が弱く、印象に残る展開が少ない。
怪異やヒロインにまつわる背景描写が控えめで、「なぜそうなるのか」「どうして彼女が…？」という部分に説得力や深みがもう少し欲しかった。
ホラーとエロの雰囲気に全振りしていて、ストーリーとしての山場や結末の余韻が薄く感じられたのは大きなマイナス。
● ボイスがほとんどない
キャラが魅力的なだけに、音声が少ないのは少し惜しい。台詞の間や雰囲気の余韻はしっかりしているが、
フルボイス、あるいは要所にボイスがあるだけでも
感情の厚みや没入感がさらに増したと思われる。