気持ちいいところでやめてくれる毒薬というか・・・
夜のひつじ作品は「純情セックスフレンド」が初プレイで、他の作品は体験版をやってみるんだけどもな
んとなく購入するまでは手が伸びずにいたんですが、夏コミでこの援交娘と「彼女、甘い彼女」を購入。
ようやっとプレイして感想を書くまでに至りました。
鬱といえばそうだし、ある意味で「ありがち」というのも理解できる、
あんまり好きじゃない人の気持ちも、逆にこの夜のひつじの主催であるporori氏のテキストに強く惹かれる人の気持ちもわかる。
なんつーかこの作品は「純情セックスフレンド」よりもわかりやすく「適度な陰鬱さ」が保たれているンですよ。
プレイして、どちらのルートも結局むなクソは悪い。でもそうなっちゃうよねえと思っちゃうし、
でも終始冷めた視線でプレイしていたかというとそうではない。
この作品はヒロイン、援交娘の揺子(余談、声優の涼貴涼さんは、元気系やツンデレっぽいキャラばかりに当たってたんですが、今回のおとなしくちょっとポヤッとした声、すごくハマってます。この声がなんとも言えない陶酔感を倍増させてます)が「壊れている」のはそうそうにわかる。
主人公のほうの人格もすごくつかみやすいんですよ、スネたことばっかり言ってるけど本格的な挫折経験があるわけではなく、
なんとなく世に順応するのがやだな~みたいな、古き良き中二(厨二じゃなくて)を大学生になってまでこじらせてるガキんちょ。
で、わかりやすいからこそ安心してゲームに没頭できる。
話のいく末もこうなっちゃうだろうなぁという予想を裏切るものではない。
だがそれがガッカリとか、物足りないではなく「ふぅ、満足した」となる作品。
ダウナーで暗くて、でも、完全に社会復帰不可になるような傷は残さない。
心地よい麻薬(経験ないですけど)みたいな、陰鬱~~~~な気持ちよさを味わわせてくれる。
派手ではないけどかわいらしい絵、前述の声、ゆるゆると聴ける音楽、
これまた、丁度いい具合に掘り下げたモノローグまじりのテキスト。
こういう作品をコンスタントに出せるサークル(ライター)というのはなかなかいない気がするし、
応援したくなる人の気持ちもわかる。これからも頑張ってほしい・・と結ぶとえらそうだが、
でも、がんばってほしい。個人的には「彼女、甘い彼女」の幸せ系よりも、こちらのほうが好みだ