佳純ルートが素晴らしかった
青い涙と比べて全ルートが全体的に面白くなっています。
麻弥、佳純、玲美以外の3人のルートも結構面白かったです。
核心へと至るのが遅いですが、それまでの日常描写も楽しめました。
文章は拙いですが、信也、麻弥、神月先生とノリが良いキャラが多いのが大きい。
ほとんど装飾が無い淡白さもあってか、スラスラと読み進める事が出来ました。
他ルートも良いですが、佳純ルートのシナリオは出色の出来。回想シーンの途中からはボロボロと泣きました。
青い涙をプレイした時も思いましたが、このライターさんは姉、母的存在を描くのが上手いですね。
最後の墓前で娘に語りかけるシーンも好きです。
はっきり麻弥の姿を映さず、誰と結ばれたかは明かさない終わり方だったら、自分好みでより完璧でしたが。
青い涙の彩、ユリルートをやっていたせいなのか、途中で佳純姉さんが実在しない存在だと
気付いてしまいましたが、それでもこのルートが一番好きです。
OPムービーでの「紫野佳純」を見る度に何とも微妙な気分に。シナリオにのめり込んだからこそ尚更。
伏線とかでもないようでしたし。公式ホームページの方でもこの名前みたいなので没苗字だったのでしょうか。
麻弥ルートはハッピーエンド風ですが、冷静に考えると結構薄ら寒いものが。
好きになるのに理由は要らないというのは、麻弥にとってだけじゃなく、ある意味では浩輔にとってもなのかも。
だって結局麻弥が思い出の少女というのは、ただの勘違いだったのだから。
ヒロインとしての魅力も素晴らしい。浩輔があんなキャラなのに、日常シーンが面白かったのは間違いなく彼女と信也のおかげです。
玲美ルートが多分TRUEルートだと思います。思い出の少女の正体も明らかになりますし。
その少女というのは結局玲美なのですが、髪色からして何か関係あるだろうなとは思ってました。
冷静に考えると主人公はかなり間抜けですね。玲美も言っていた通り「会えば一目で分かる」なんてのはとんだ嘘っぱちでした。
浩輔が催眠を解いた後の彼女は意地らしくて、とても可愛かったです。
悪い所としては主にシナリオ面以外。特にシステムはあまり良くありません。
選択肢が少ない為、余り使わないとはいえ、スキップがかなりモッサリしてます。
その上、未既読の区別無く全てスキップするという仕様・・・・・・
立ち絵の表情が変わる度にちょっと止まるのが辛い。
青い涙と違って、BGMが聴けるようになったのが唯一良い所かも・・・・・・
各シナリオの整合性もちょっと怪しい。
姉さん以外の女は愛さないとか言いながら、玲美と交わり麻弥を追っかける主人公・・・・・・
まあこれは浩輔がアレなだけかもしれませんが。
また玲美ルートでは、そこまで佳純を重要視してないのにショックを受けすぎだと思ったりもしました。
唯、耀子、明日菜ルートでの捜査班の面々の動向が気になる。耀子ルートのエピローグを見る限り、不干渉なようですが。
あ…ありのまま 今起こった事を話すぜ! 「最強の剣が一般人に催眠をかけたと思ったら
いつのまにか子持ち未亡人と結ばれていた」 な…何を言っているのかわからねーと思うが
的な心境になってもおかしくはないだろうなぁ。
浩輔が思い出の少女に拘る理由もちょっと薄い。本人が必死でも、プレイヤーの視点からはそこまでの事か?
と思ってしまいます。まあそれこそ思い出補正で、少女への思いが重くなっているのかもしれませんが。
主人公達が普通に飲酒しているのにちょっとビックリ。
この世界の学園とはエロゲ特有のごまかしじゃなくて、高校卒業後に入るものなんでしょうか。
後、美琴学園はかなりの進学校なのに、石川のような奴が居るんですね。
まあああいう輩は何処にでも居るっちゃ居るのかもしれませんが。
唯ルートの後藤先輩も不良っぽいですが、彼はちゃんと反省したし「第二第三の俺が」という魔王染みた台詞が
面白かったので結構好感度高いです。
CGは一部が粗いですが、結構綺麗です。目に光が少なくて全員レイプ目みたいですが。
唯ルートで多く出てくる目元が隠れた立ち絵が、どう見ても悪巧みしてるようにしか見えません。
そのせいで麻弥がヤンデレたりするんじゃないかと、戦々恐々としました。
癖が強い作品ではありますが、シナリオ面、特に佳純ルートはとても心に染み入りました。
製作者の皆様方に感謝したい。いやーここまで泣いたのも本当に久し振りですよ。
ED曲も終わり方に似合うような名曲だったし。