推理するミステリーものではなく、なぜ起こったのかを理解して解決していく伝奇物。基本的には伏線はしっかりと回収されていき、今までとは違ったものの見方や真相がわかっていく。エンディングは沢山あるが、チャートを使って手早く回収ができるので便利。
蜘蛛の巣にとらわれた蝶が再び羽ばたくまでの物語
・システム面
フローチャートのおかげで直ぐに選択肢からやり直せるのは楽
・BGM OP ED
BGMは素晴らしい。緊張感を持つ場面での不安を煽るようなBGMで、あまりの怖さにやめようかと思ったほど
・エロシーン
一般的なエロゲーと比べると少ないですが、個人的には十分でした。そのほうがストーリーも追えます
それと内容は、初々しさ、イチャイチャが出ていて素晴らしいです(特に美優ルート)
・演出
炎の表現がいいです。たびたび見ますがかっこいい
・キャラクター
・美優
個別ルート必要でしたか?初々しいエロシーンは良かったですが、ストーリーに関わってこないし・・・
唯一の、蜘蛛の巣に囚われていない人
・忍
吸血鬼事件の時に母親が犠牲になり、復讐心を今も抱き続けている
グランドエンド、なあなあで終わらずにまだ納得できていないといったのはキャラが生きていてかっこいいですね
しっかりと知ろうとしている
弥生家の令嬢とくっつきそうな雰囲気を出していましたが、それは少女漫画パターンですか?
美優ルートじゃなくて、忍ルートが欲しかった。神殺しでも
・一葉
初見で狂っているようで怖い印象を抱きましたが、これ自体がミスリードでした。ライターの思惑にはまってしまった
普通の女の子で、自由がない人生を送ることになってしまっても健気に頑張っているが精神は疲弊している
そこに、紅に出会いメイドとしての仕事がなければ自由と誘惑されてしまう・・・
ギャグパートもありますが、幸せとは一番遠いキャラなのではないでしょうか
・零
メインヒロインかと思ったら違った。感情を表に出さない、力が弱いのは生き人形と関係あるのかと思ったが関係なかった。立場上心の内を見せないので、他のキャラのルートでは祝福してくれる聖人ですが、零ルートをやった後だとこっちが悲しくなってしまう。
逃避行ENDでは、誠一が零を連れ出して屋敷から逃げる選択をした時の心理描写をエロシーンとしっかりと絡めてあって、本当にエロとシナリオのバランスがいいと感じました
子供の時に過去を捨てて逃げるか、未来を捨てて跡継ぎになるかの選択を迫られ、未来を捨てることを選んだ。
でも誠一と一緒に今度は過去を捨てることを選び、しがらみから解放され、どうなるかわからない本当の未来を手に入れた。印象に残る、ある意味希望に満ちたエンディング。
グランドエンドは、如月家からは解放されないが、終わりを見据えるのではなく前向きに未来を望むことができるようになるのかな
・紅
個人的にゴアスクリーミングショウのユカを思い出した
キャラデザが零と比べて幼い感じ、妖しい雰囲気。すごい好み、最初の舌なめずりCGで心持っていかれた
紅自体は、害が全くないという・・・そもそも蜘蛛神自体、ただ人間という生き物と対話したいという、ある意味前向きな理由で魂を渡しただけなのに、人間が汚い心を持っているからそれを写してしまっただけで、完全に憎めないのがいやらしいところ。そして、紅自身もその人の汚い心のせいで苦しんでいる。
設定としては、人形師が持ていた娘を模した人形に蜘蛛神の魂を入れたが、人形自体に娘の魂が入っていてそれと混ざり合っているというものだったが、その影響で何かあったのかは謎?
紅焼失ENDは、零の思いを紅が汲み取って誠一を助けて、紅の心がわかる良いENDでした
ちなみに、零の死体が木片を抱きかかえていたみたいですが、もしかしたら紅が零を庇おうとしたのかもしれないと考えることもできて面白い
グランドエンドでは、一番解放されて、これからは自分の意志で決めていける。誠一と幸せになって欲しいですね
・エンディング
BADENDだとしても、もう少し後日談や掘り下げが欲しかった
零死亡ENDの、誠一はその後紅と対峙すると思いますがそのシーンも熱くできたと思います
・謎
誠一の蜘蛛の感覚、零の容姿はたまたま先祖返り?てっきり初代とその娘または娘の婚約者と娘とかかなと思ったんですが
誠一と紅の約束は、思い出すことなんですかね?話の根幹にあるのかと思ったのですがなかった気がします
・総評としては、短いながらもストーリーもまとまっていて、設定もしっかりと練られていて、それでいてやろうとしたこともしっかりと伝わってくる。全体的に完成度の高いゲームだと思います
ミステリー伝奇物としてテンポも良く、前の週では解らなかったことの真相が解かれていって気持ちよくなります
個人的には儀式の解説が二転三転していって面白かったです。
当主が行うものだから分家の人間にやらせると面倒くさいからと、誠一に帰ってきてほしかったから
→瞑想状態にして、生き人形を作れるまでの域に成長させるための修行、誠一には才能があったから
→楽観主義者で、人を憎まなそうな人間だったから
と、どれも本当のことだから嘘ではないのだけれど、まだ理由があるのかと驚きました。これ自体本編に大きく関わってくる重要なことなので、しっかりと考えられているなと思いました
ただ、やっぱりゴア・スクリーミング・ショウを思い出してしまいますね
絶望的な状況にいて、悪いことをしてしまっていたが幸せになれるかもしれない希望が見えて、でも自分がそれを得ていいのかと葛藤しながらも、幸せを望む
ゴアをやっていなければ、心に響く設定で記憶に残る作品なんじゃないでしょうか