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yatomaさんの死に逝く君、館に芽吹く憎悪の長文感想

ユーザー
yatoma
ゲーム
死に逝く君、館に芽吹く憎悪
ブランド
バグシステム
得点
80
参照数
1153

一言コメント

グロ、スカトロ大丈夫な人向け。声優の演技、キャラデザは良いが、シナリオは平坦で、キャラ背景もあまり語られないのでジャンルとしては抜きゲー。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 エンディングに関しては、ハッピーエンドっぽいルートよりも復讐ENDのほうが、正規ルートのように感じられた。
タイトル的にもそうだが、旅立ちENDが少しあっけない様にも思え、シーンに割く時間もこちらの方が長かったですので。
 

 館の男から美亜への愛情はないと思います。みあが傷つけられた時には怒りをあらわにして、裏切られた時も単純に自分の思い通りに動かなかったからではなく特別な感情を抱いていた風に感じましたが、美亜だったら他の餌に殺されていようとも、特に何もなかったと思います。あくまでお気に入りの玩具であって、そのスタンスは動じていなかったように思いました。
 逆に美亜からは、ストックホルム症候群のようですが、愛ではなく恋の様な感情だったのではないでしょうか。ただ、家族ごっこの時には子供を産むときに、父親の駄目なところを許してそれでも二人で頑張ろうと熟年夫婦のような、二人にしか解らない愛のかたちをえがいていた様にも見え、その時には歪な家族愛があったように思います。
 美亜とみあは、多く語る時間がなかったからシナリオ的にえがいてはいないですが最後のシーンで、傘をメイドとして過ごしていたみあではなく美亜が持ち、自分のほうには全く傾けずにみあが濡れないようにしているところから、あの時から二人の関係は親子になったという表現が良くできていたと思います。


 エンディングは、バッドはあっけないですが、それが餌という立場を解らせてくるように思えて演出としてはよかったです。ただ、ハッピーエンドでそれは物足りないです。外の世界がどうなっているかの説明に関しては、あくまで館を舞台にしたゲームなので必要ないですが、腐る男やみあの想いなど整理させて欲しいと思いました。
 復讐エンドは、エロシーンなのですが声優の演技も相まってドキドキというか読み応え?があって満足できました。美亜の鬱憤を爆発させて、上位種族と立場を逆にし恐らく延々と繰り返すことになり、今までの館の男やみあへの感情は忘れ去りどう痛めつけるかという事しか考えなくなりそうですが、行き付く処まで行ったときどうするかすごく気になりました。

 
 サブキャラクターは使い捨てでした。屑というか三下二人に、狂信者一人。ずっと、美亜だけなのも飽きるのでアクセントとして入れたような感じでした。背景を深く探ったりもせずに、やるだけやったような感じです。ただ、キャラデザはいいので満足できないかと言われるとそうでもないです。


 エロに関しては、シチュエーション被りがありますがとても満足できました。
キャラデザは、グロげーにしては可愛らしい綺麗な絵で目新しさを感じましたし、キャラの声もそれぞれに合っていて声優の演技は素晴らしかったです。
シチュエーションも、環境が特殊なので中々見ない展開でした。スカトロが多いですが、スカトロ嫌いな自分でも後半につれ苦にならずに楽しめるようになりました。
 特に復讐エンドの美亜は最高でした。心の底から嫌悪と怒りと楽しさを感じているような声は、演技の域を超えていたというと臭いですがドキドキさせられました。内容も、多くの人は排泄物を食すのはもちろんのこと、食べさせることも同じくらい嫌なはずですが、それを出来るという程恨んでいたのが伝わってきました。


 BGMは良い出来でした。OPデンカレなのはうれしいですね。そしてCD発売決定しましたね。


 全体的に見て、グロ、スカトロに特化した、完成度の高い抜きゲーだったと思います。抜きゲーが故ちょっと説明が足りないところもありますが、それを補えるほどの高い完成度の声優の演技とキャラデザで、嗜好が合えばおススメの作品です。スカトロは拒絶してましたが、2字なら前よりは大丈夫になりましたし特訓にもなりますね。