ただのグロゲーではなくて短いながらもシナリオが良く、最後までプレイすることによって皆がどこで狂い始めたのか明かされる
簡潔ながらも開始5分で主人公の考え方、物語のきっかけが大まかに分かりすぐに物語に引き付けられた
どのキャラクターを選んでも、叶を主軸に物語が進展する
それぞれ心理描写が巧みで、狂気に堕ちていく過程が簡潔ながらも丁寧にえがかれていて
ルートの最後に狂い始める原因がえがかれるので、初めから皆狂っているわけではないのを思い知らされる
・叶
一応のメインヒロイン。過去に大切なものを失った哀しみから失うことを恐れ、自分を犠牲にしてまで繋ぎ止めようとする。一途な思いからくる狂気。
一番の被害者だけれど、最後まで冷静だったのは彼女だけで、それゆえ胸に重くのしかかるセリフがある
・智秋
いろんなものに対する反発、反抗からくる狂気。元々持たされた、持たなければ生きていけなかった内に秘めた狂気が解放された。
・真菜香
智秋と真奈香に関しては、だいたい役割が同じなので狂い始める原因がほかの人よりも弱いと感じた真菜香はいらなかったんじゃないですかね
・主人公 秀
一週目は狂い始めたきっかけがあったが、いきなりそこまで狂うものでもないし、叶ルートに入っても主人公の心理描写があまりえがかれないので、どう考えているのかわからなかったが
実はすべて伏線で、確かに最初の事故が原因で狂い始めたし、一番最初の主人公の考え方も荊を失なう哀しみから
どうして悪気がなく盲目的に実験したのかも、すべて荊の為
荊との関係はほんの少ししか語られていないのにも関わらず、とても大きく感じられる巧みなテキストでした
そしてここで主人公が叶のことをどう思っていたのかも語られて、最後としてはいい締め方だったんじゃないでしょうか
エロに関しては、基本的に本番があるのは叶。他は自慰がメイン。"手"を使った自慰は最凶でした
恐らく一生見ることのないシチュエーションの自慰もあって驚愕でした(怒られるだろ・・・)
CGは切断面はモザイクがかかっているし、実際に切れた瞬間は一瞬しか表示されない演出なのですが、モザイクがあってもなぜかグロい。逆にモザイクのせいでぐちゃぐちゃに見えるというすごい技法
唯一純粋に気持ち悪くなったゲームであり、今までで一番おかずに使えるゲーム 智秋可愛い
総評としましては、よくある無関心系天才主人公という設定を上手に生かして、裏を突いてそれを伏線にしてしまう巧みなシナリオと、狂気に堕ちていく過程を丁寧にえがく心理描写と、とても濃縮された作品だったと思います
FDの切れない尻尾もプレイしてみたいと思います