幼馴染との恋を3世界以上に渡って描き続けた純愛作品、であるとともに製作者の魂の作品。
このゲームについて述べるにあたり、まずは延期について言及しなければならない
初期の発売はマブラヴと同梱される予定だったもので、そこから延期に延期を重ねて4年以上の末に発売された
4年以上の延期というのは市販のゲームでもエロゲーでもそうそうありえる事ではない
延期というのはユーザーにも製作者側にとっても得する事は一つもない
ユーザーは期待が裏切られたと感じると共に、作品についての完成度を求める
延期したのだから、予想より良いものに仕上がっているに違いないとハードルを上げる
製作者側にとっては一つの作品に時間を掛けすぎると資金回収が困難になり
更に延期という事でブランドイメージを下げてしまう結果にもなり得る
なので製作者側からしても、延期はできる限りしたくないものであり
未完成品であろうともそのまま発売される…という作品が最近は多く見られる
そんな中、この作品は豪華な声優陣や歌手などを使っているために制作費が数億とも言われているにも関わらず4年も延期して発売されたのである
勿論その4年には社員の給料を払っていくために資金を作らなければならないが
新規製作に取り掛かる事もできず、同じ作品のリニューアルばかりになる
それでも、この一つ作品を作り上げた事は製作者側のゲームに対する魂が感じられる
ここまでしてしまうと採算度外視であるとしか言いようがない
そんな困難を乗り越えて、この作品を作り上げた製作者側にはこれからも頑張ってもらいたいと共に感謝を述べたい
次にこのゲームにおいて注目すべき点はOPの主題歌
主題歌というものは、その作品の内容をいかに歌で表現されるのかも見所である
このゲームの主題歌はJAMProjectというゲームやアニメなどの主題歌を担当しているメンバーが作って歌っている
このゲームで泣けた人にとっては歌を聞くだけで泣けたり、燃えれたりするのではないだろうか
未来への咆哮は、ゲームをやってない人までにも熱いと思わせる雰囲気を持った曲となっている
内容について
アンリミテッドから続く、平和な世界が突如現れた地球外生命によって滅ぼされかけている世界
そんな危機的状況の中で育まれる男女の恋や男の生き様を描いた作品である
普通地球外生命体が攻めてきて地球が滅亡しかけていると言われても現実感が沸かず、何かの映画を思い出しがちである
そんなゲームと自分の環境のギャップを埋めてくれるのが、作品の演出や説明である
過剰なまでの作中における演出は、まるで自分がオルタ世界に入り込んでしまったかのような錯覚さえ覚えてしまう
そうする事によって主人公に感情移入でき、作品を心から楽しむ事ができる
色々と他のエロゲーからかけ離れてしまった作品である
18禁要素はエロよりも演出として表される画像によるものが大きかったり、Hシーンがほぼ一つしかなかったりと
それでも多くのSSが生み出されたりして多くの人に愛されている作品である事が分かる
これから先、こんなゲームに出会えるか分からないが、また出会える事を楽しみにして私はこの業界に期待し続けるのだろうと思う