虐襲シリーズとの違いを模索し、なるべく一般向けにした良作
「なるべく一般向けにした」というのは、ANIMの虐襲ブランドシリーズの1つとして見た場合であって「普通のエロゲー並の一般的なシチュエーション」と言うわけではありません。虐襲シリーズのファンタジー世界を学園モノに移植して、触手色を薄め、羞恥や近親相姦などを盛り込んだと言う感じです。
まず、最初に残念な点は、フローによるヒントがなかったことです。これが、ゲームの難易度を上げてしまう結果になりました。わかってみれば単純なフラグ設定なのですが、コレを掴むまでが大変でした。また最後のラストエンドの分岐がわからなくて、何度も繰り返したのですが、どうやらランダムらしいということを知って愕然としました。
次に、キャラクター設定ですが、メインヒロインが幼なじみなことがあり、ヒロインは一方的に罵倒してこないため、ヒロインを堕とすという意味が若干弱まりましたね。でも、これは、虐襲3に比べてということであって、並のゲームより抵抗します。
あと、テキストはファンである酒井童人さんが書いてるだけあって、さすがに安定しているのですが、最近の卑語しゃべりまくりのトレンドからやや外れてきている気がしました。あまり言い過ぎるとギャグになるのですが、もう少し工夫が欲しかったところです。原画のbbsacon氏のイラストはいつも、いやらしいテキストが付いているのであんな感じだといいなと思いました。
目だった難点は僕にとってはこれくらいです。XGAサイズのためにシステムが重いといわれますが、それは特に感じませんでした。音楽は和風テイストで物語にしっかりマッチしています。
さて、ここから良い点。
まず、ビックリしたのは、原画のbbsacon氏がアヘ顔マイスターのごとく、いろんなアヘ顔をかき分けています。これ、アヘ顔フェチにとっては、いろんな表情が見られてすごく良いソフトだと思います。また、地の文(ト書き?)でも『アヘ顔』という文言が見受けられ、原画とシナリオがちゃんと意識共有しているなと思いました。
それからテキストですが、特に導入が丁寧に書かれています。ぶっちゃけていうと、序盤の主人公は、左手を押さえて『くそっ。このままじゃ邪気眼が発動する!』というストーリーなんですよ。本当にベタベタの邪気眼&中二病設定なんですね。
しかし、それが違和感のないように上手く処理されてあります。
ヒロインあをいとの生い立ち、絶望師になることを待望する瀧(=我が家のお稲荷さん)、そして、妹ゆうゆの片思い、母と教頭のドロドロした人間関係、そして、サドに徹する女教師霧子、恋人の譲とのキスなど、これでは邪気眼が発動してもしょうがないな……と納得できました。父親のバイオレンスが子に大きく影響を与えるのも心理学の常道を通してありますね。
絶望師になるまでは「僕」、そこからは「俺」とハッキリ使い分けています。また、瀧も絶望師なるまでは、「みやび様・ゆうゆ様」といっていたのを「みやび・ゆうゆ」と呼び捨てにするなど、キャラ造形は念が入っていると思いました。
こういった細かい部分を設定しつつ、さらにあをいを壊してはいけない理由として「精胆」という、いわば、ダイヤモンドよりも何万倍も価値あるモノを体内に醸成させるという仕掛けを用意しています。これでヒロインを最終的に愛させる(=相思相愛)事が必要となり、堕とす理由が発生。本当に凝っています。虐襲3の時は恨みを込めさせることで宝石を創る……だったので、全く反対なのも興味深いです。
あと、スカトロ好きとしては、クライマックスで8mの公開脱糞という責め落とし(=しかもここだけは、集団催眠を使っていない)は、本当にグッと来ました。そのあと、アナルでとどめを指すのですが、ほんと、bbsacon氏のお尻好きがよく反映されています。アナル好き、スカトロ好き、この2点だけでも買う価値があると思います。しかも、ここに至るまで、ずーーーーーーーーーと、アナルだけ膣化しながら徹底的に焦らすんですよね。
僕はお尻好きに産まれて良かったです。
あと、今回の裏ヒロインは「サドキリ」こと、東谷霧子女教師だと思います。典型的なサドはマゾって感じで、「ビッチ!」っていいながらも、次第に連嗣の肉棒に依存しつつも、それを満たされずに放置されます。彼女がいなかったら、邪気眼&中二設定は、ほんとうに陳腐になってしまったはずで、ここら辺は酒井童人さんの設定の妙を感じました。
ついでに、ほんとうに残念ですがニプルファックが……このゲームのおかげでフェチに開眼してしまいました。くやしい。こんな、ゲテモノ趣味なのに!と思いつつも、乳首の膣化にはやられました。
まさか、学園全体を監禁の舞台にするなんて、いままで学園系凌辱をしてきましたがその発想はなかったですね。設定は真夏で、テキストでも『蒸し暑さ』を感じる描写が至るところにちりばめられ、真冬なのにじっとりとした熱さを感じるようになっています。
ただ、破戒器と魔念器など、虐襲系のアイテムは導入して欲しかったですね。それと、虐襲3をやったときは役立たずと思った『羅針器(ヒントをくれるアイテム)』。なくなってみると、やっぱりあった方が良いなと思えました。
なんにせよ、良作なのは間違いありません。
ただし人を選びます。
万人にお勧めできません。
しかし、この世知辛いご時世にココまでの凌辱クオリティを稼いだANIM虐襲チームに敬意を表し、シリーズファンはプレイすることを強くおすすめします。
おそらく、虐襲4は創るのでしょうが(そう願っています)、今から楽しみです。