聖剣を抜いた一人の少女が王として選ばれ、騎士たちと絆を深めながら、成長していくというアーサー王伝説をもとに作られた乙女ゲーです。良作です。恋愛要素と成長要素を上手に絡めており、東西の違いはあるものの十二国記のような雰囲気に近いものがあります。良作です。
アーサー王が剣を抜いてから、即位する前後までの短い数ヶ月間という伝説のごく初期をとりあつかっています。
ライターはORBITで数作やっていた片桐由摩さんです。
だいたい、1周は8時間ほどでしょうか。攻略進むと共通がスキップできますし、ルートがチャートで表示されますので、攻略は難しくないでしょう。
ふつうの市井の少女が、王になり、政治や軍事がわからないながらも、自分の道徳を信じ、理想を掲げながら、王としての責任に目覚めていくのがよかったです。
普通の少女であるために、悩み、弱さをみせますが、そこを騎士たちが支え、心の距離が近づいていくという王道展開です。でも、BADもけっこうあります。
どうでもいいことですが、エレインは原典知っているせいか、名前聞いた瞬間にランスロットとドロドロな展開で不幸な結末になるんじゃないかとビクビクして、プレイしてました(笑)。
攻略キャラの中で、一番すきなのは、ガウェインですね。私の好みというのもありますが、挫折を知ったり、悩んだりしながら、それでも諦めず、ガッツをもって生きるという。
ライターさんおすすめ攻略順:「ランスロット>(モードレッド>トリスタン>ガウェインorガウェイン>モードレッド>トリスタン)>ガラハッド>マーリン」のようです。
テキストで、「入水(じゅすい)」を「にゅうすい」と読むのがりました。個人的には、好きではないのですが、
実は、入水は「にゅうすい」でも間違いじゃない、てことになっています。
ゆとり教育時に難しい読みの熟語は簡単なものでも正解にしましょう、的なのもあるせいですね。
「L.G.S」でも「一日千秋」を「いちにちせんしゅう」とかやっていました。オトメイトが難しい読みは簡単なのにさせる方針なのかもしれません。
主人公は、王としては、甘く、理想主義的ですが、私は、「王」だからこそ甘い理想を掲げて欲しい、という考えもあると思うので、ありと思います。
現実的な対応と判断ができるてのは、裏返すと、現実に対して妥協しなれていることにもなりますから。
そしてそういう「当たり前」な判断てのは、大人ならそれなりに自分でできるわけで、
自分と同じような判断や能力しか持たない人間を特に旗として上にかかげたいと思わない、て考え方もあると思います。
時代設定に関しては、あまりこだわらないほうがいいでしょう。
もともとアーサー王伝説が後の時代に考証無視で作られた話ですし、
ペインティングした異民族とか、 宮廷でのごちそうがあぶっただけの肉の固まりとか出されても困ります。 紅茶文化なんてかなり後世ですしね。
騎士やらアルやらが全裸に近い姿で歩き、風呂もたいして入らず、泉で体洗うだけみたいなことされても、乙女ゲーとしては嫌すぎますから(笑)。
現代語の使用などは、ホンヤクコンニャクで現代語風に再生されてると、思うように私はしていますw
そこ気にしだすと、なんで外国が舞台なのに日本語の細かいニュアンスで会話してんだよ、てのも気になりだすので。
服や鎧がスカスカなデザインで、背景無視のビジュアル重視なのはわかるのですが、
当時の風俗としても、あながち間違いじゃないのが・・・。
ローマ文化の影響があったキャメロットの騎士だとしてはおかしいのですが、
ケルトの戦士だと、ドルイドの魔法の加護があるとして、鎧無しの全裸ペインティングで戦う人間もいたらしいようですからね。
仮にそれで怪我したり、死亡しても、「呪いだ」とか「加護が切れた」とか「ゲッシュを破った」とか言い訳すればいいわけですしね。
古代は、それで誤魔化して、宗教成立させていたんでしょうね。
アルが舞踏会で、ドレスといいながら、下着姿みたいな絵がきたからビックリしました。
ガウェインやパーシィも半裸で闊歩しているから、肉体美を見せつけるのが流行の世界なのかもしれないと無理に自分を納得させましょう。
あー、でも、そういえば、この時代だったか、質のよい布は貴重品で、どれだけ、質のよい布を使って服を作るかがステータスという話もあったから、
質のよい布だけで、裾の短いドレスというのも、あながちまちがいではないかもしれません。
いや、まあ、多分、史実としては、粗い服の上に、質のよい布をはりつけて服を作っていたんじゃないかと思いますが。
話やキャラがよく、もっと別のエンドや攻略対象増やして欲しいと思いました。
友情エンドとか、魅力的なケイ兄エンドとか。
特に、ケイ兄は、ブラコンシスコン兄妹だから、普通に妹と思えなくなってて、アルを女性として意識していたんじゃないかという可能性もありますし。
展開によっては原典と同じように、アルがウーゼルの隠し子という隠れ設定じゃないかという気がしたな。
親父さんが無駄に「自分の娘」て要所で強調する発言だったし。
アルは、ウーゼル王が遊びで作った子て可能性もあり、出産したことを隠して部下の騎士の子にしたという展開もくるのではないかと妄想してました。
そして、母親あたりから養女とだけ知らされていたケイ兄さんは、アルを女性として意識して・・・なんてのもアリ(喜)!
あー、でも実の兄妹で禁断の恋という展開もいいなぁ、と思わなくもないですね。それだと18禁になるので、無理そうですけど。
(共通ルート)
序章「聖剣の選定」1章「円卓の騎士」2章「王として」3章「国というもの」4章「初陣」
(トリスタンルート)
5章「聖廟と竪琴」6章「近づく戦火」7章「葉巻の香り」8章「真意」終章「過去との決着」
(ランスロットルート)
5章「穏やかな日々~ランスロット~」6章「勝利への自信」7章「最強対最凶」8章「印の重さ」終章「二つの印」
(ガウェインルート)
5章「穏やかな日々~ガウェイン~」6章「勝利への欲求」7章「手負いの獅子」8章「勝負の行方」終章「本当の強さ」
(モードレッド)
5章「穏やかな日々~モードレッド~」6章「委ねられる決断」7章「君が欲しい」8章「黒い笑顔」終章「円卓のモードレッド」
(ガラハッド)
5章「穏やかな日々~ガラハッド~」6章「接近」7章「変化」8章「二人で見る海」終章「虚無の器」
(マーリン)
5章「マーリンの秘密」6章「雪の花びら」7章「臆病な男」終章「伝説の魔法使い」
OP「line of derivation」ED「永遠への誓い」(真理絵・12359)
攻略すすめると、おまけページで、SS等いろいろ見ることが出来ます。書き出すと多いので、省略。