視点変更を上手く使っている
設定や背景に穴が…という方もおられるようですが、
私は特別そうは思いませんでした。勿論、完璧では無いですが
ある程度の説得力はあったと思います。
…と言うより、あくまでこれは架空の話なので、現実の日本と同一視しようと
すると「リアリティがない」「実際にはこんなの有り得ない」「茶番だ」となってしまうと思います。
なので、舞台は近未来日本ですが、大袈裟に言うと「そういう設定の国」だと
考えられないと、プレイするのがキツイかも知れませんね。
肝心の内容ですが、複数視点を利用した個々の心理描写も秀逸で、
この物語を様々な立場の人間から視る事が出来るのがいいですね。
個人的に好きなのは夕紀ルート。ストーリー的にもターニングポイントだと思います。
音楽もゲームにマッチしていて違和感を感じないし、OP・EDは
クリアしてから改めて聴くと更によく感じられるようになりました。
個人的に唯一残念な部分を挙げるとすれば絵ですかね。
一枚絵と立ち絵が別人に見える事が多いのと、立ち絵の顔の輪郭…
特に顎の描き方が最後まで気になってしまいました。
あとは、一応戦時中なのにみなさんツヤがあってふっくらしてるかな?…とか。
専門用語や長台詞が多い中、声優の方は非常に頑張っていたと思いますが、
主人公がちょっと聞き取り辛い部分があったかと思います。
…ただ、これら少々の欠点を補って余りある魅力がこの作品にはあると思います。