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wasabi79さんの虐襲4の長文感想

ユーザー
wasabi79
ゲーム
虐襲4
ブランド
Anim
得点
85
参照数
1514

一言コメント

前作より、絵、CG、ボリューム等全体的に質が向上。前作のギャリコの担った役割をサブキャラに分散する事によりサブキャラにも存在感。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

シリーズ4作目。前作の3のみプレイ済みです。

前作と比べると、全体的に質が向上した印象です。
特に絵、CGはかなり良くなったのでは、と思います。
前作は、表情などが雑な印象(特にサブキャラ)があったのですが、
描き込みが増え、表情が豊かな印象になりました。質感もムチムチした感じが増して良い感じです。
私は3の感想で、確か「アヘ顔に向いていない絵柄」と書いたと思います。
それを100%覆すわけではないですが、今作はそこまでの違和感は無かったですね。
立ち絵の質は前作のキャラがそのままのCGで登場するので、比較すると向上しているのがよく分かります。

前作はギャリコが主人公の導き、手助け、調教の手伝い、技術の提供をし、
従順だが油断できない雰囲気をまとい、終いにはメインを喰うくらいのサブヒロインとなる……
と正に絶大な存在感でしたが、今作はその役割をゴルガ、ラクタス、ネグ、ソネミ、リットン、エムラ等
色々なサブキャラに振り分けています。その為、メインを喰うほどの存在感を持ったキャラはいない
ものの、それぞれが非常に光る脇役として重要な役割を果たしてくれますし、ストーリーに絡むキャラが
増えたことで、全体的には広がりが出来たと感じました。更にメインヒロインを喰うキャラがいなくなった
ことでメインのフレイの存在感も増したのではないでしょうか。

フレイの存在感という事で言えば、女尊男卑というヒロイン側の国家の設定も大きかったのではないでしょうか。
ミュリア、イヴェル、トルクなど男を役に立たないものや性欲処理の道具として考えているキャラが多く、一般兵すら
捕えた主人公に人間以下の扱いをしますが、フレイだけはその中でも清廉で差別精神が低い(0ではないですが)。
その為、非常に目立つというか光る存在に見えます。上手く、他ヒロインと差別化が出来ているのではないでしょうか。
前作のメイン、アイラスは確かに精神的、肉体的に強かったですが、こういった差別化はなかった気がします。
更には、序盤主人公を人間以下の扱いをすることで、その後ヒロイン達を陵辱する時に主人公=プレイヤーの
復讐心を煽るのにも一役買っていると感じられます。

Hシーンは相変わらず触手への拘りが強く感じられます。様々な種類の触手が登場し、それぞれの触手
について簡単な説明も入ります。ですが、今回は他のヒロインや一般人や大きな街も多く絡むことから、
触手やゲテモノ以外の…例えば輪姦や羞恥、コスプレなどのプレイもかなり増えました。
色々な魔道具の存在も、責めにバリエーションを与えるのに一役買っています。
ただ、個人的に相手の考えが筒抜けになる、お馴染みの魔念器の存在は微妙に感じます。
ヒロインの思いがプレイヤー側に漏れるのは心理描写の一端として大歓迎なのですが、
それが主人公にまで漏れてしまうと、主人公VSヒロインの精神的な駆け引きがなくなってしまいます。
今作は前作のように個人VS個人ではなく、国VS国的な側面があるので、こういった駆け引きが
なくなってしまうのは、ちょっと残念な気もします。

あとはHシーンの表現や説明に一部クセがあるかなと感じます。例えば性器の感じる部分を
「肉イボ」「肉チューブ」「アナルリング」などといったカタカナでの言い回しが多めで、単純な卑語より、こういった
表現を好む印象があります。それが、たまに表現の分かりづらさに繋がることもあったような気がします。
そしてHシーンといえば、ミュリアが催眠下で即興の歌を歌いながら卑猥なダンスを踊るシーンが
あるのですが、コレが面白いです。このゲームで1番頭に残ったシーンかも。

主人公については、王になるまでは、実直な戦士的趣もあって結構好きだったのですが、
王になった後は妙に尊大な雰囲気になり、笑い方一つとっても野卑な印象が拭えなくなります。
まぁ蟲と同化したり人間以下の扱いをされたので、多少人格がねじ曲がっても仕方無い部分もありますが。
フレイに対しても、犬のように這いつくばらせて食ザーさせたり、輪姦させたりと屈辱を与えるプレイが印象に残ります。
輪姦に対しては「相対的に自分が優れていることを印象づける」と言っていますが、
出来れば絶対的な愛情を勝ち取って欲しかったなー…という思いはあります。実は自信ないのでしょうか?
というより、もし自分が主人公の立場だったら、他の男(一般人)に輪姦なんてさせたくないし!
…ということで、愛情は確かにあるのでしょうが、ちょっと歪んでいるような印象を受けましたね。

CGコンプや全ENDを見るには相変わらず時間や根気が必要になります。
ですが、触手陵辱や肉体改造系などが好きな方なら、充分満足出来る出来になっていると思います。
コンプが大変ということは、制作するのはもっと大変なわけですから、そういった面も含めて評価したい作品です。

絵が「クセが強い」と仰る方もいらっしゃいますが、個人的にはそれは「個性」だと感じています。
逆に、最近は個性が少なかったり、どのキャラも髪型・色以外は似た造形な事も比較的多いので、
この作品に関しては特に悪いとは感じませんでした。前作は正直微妙な所も多かったですが、
今作はデッサン的な狂いとかは気にならなかったですし。
ですが、もしプレイ前で気になる方は絵をチェックしてからの方が無難かも知れませんね。