終わったあと、しばらくなぜヒロインがそう行動したのかをグルグル考えてしまうほどの喪失感があった
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CASE-1 そもそもこの話を読みたくて買ったようなものなので満足した。こういう関係性が好きだし、だからこそヒロインのことをかなり好きになれた。
CASE-2 他のCASEのものと比べて単体ですっきりまとまっていてカタルシスを得られた。
CASE-3 モラトリアムを描いた作品としては普通のシナリオだと思ったが、世界観やヒロインが可愛かったのもあって満足した。チルチルとミチルみたいだなと思ったらCASE-0でそれっぽいのっと言及されてしまい、同じこと考えてたんか……とか思ってしまった
CASE-0 ザ・本質。幕間のヒロインへと繋がる回想は読んでてかなり辛かったし、最終的にヒロインが世界の延命のために捧げられてしまうし、あの世界に延命するほどの価値を感じられないしで、初見ではふざけんなと思った。が、この作品のテーマが「揺らがない個性というものは存在するのか。」といったものであり、セカイ系っぽい部分は表層的なものに過ぎないことなどを念頭に置いて再読すると、ヒロインがただ主人公のためだけに行動したものであり、主人公はヒロインがどうあろうとそのまま愛したことを考えるとスッと落ち着いた。それが本質であるとたら余計な装飾が多いが、そこを剥げば素直に感動できるシナリオだった。
エピローグ 正直、CASE-1とCASE-3はこれありきだと思ったし、欲しかったものが提供されて嬉しかった。CASE-2は完全な蛇足だと思う。が、そもそもこれはヒロインがそれぞれのCASEが別れの話であるのを後付けでハッピーエンドにしたものであることを踏まえると、蛇足なのはそうあってしかるべきだと思う。最初はそう構想されてなかったんだからそれでいいじゃない。
CGはかなり美麗。ときどき印象派っぽく描いてるところとかすこなんだ。曲はCASE-3のOPとCASE-0のOPがかなり良い。それ以外のものもシナリオを踏まえて詞を読むとより楽しめるもの。
CASE-0の作りはかなり粗いものがあったが、会話劇が楽しく、各所で飽きないようになっていたため、飽きないで読み続けられた。素直に良いと言える作品だと思う。