良シナリオで抜きのレベルも高い、基礎力の高い萌えゲーだった
プレイ前の印象はおっぱいのデカいヒロインがたくさんいる、ゴチャゴチャした設定がたくさんついてる萌えゲーだと思っていた。しかしながら、プレイした内実は、ちょっと感動するくらいの丁度いいシナリオとも美麗なイラストで描かれる抜けるヒロインたちであった。
今作の基本的なシナリオは、〈〈メティス〉〉という特殊能力を持った学生たちが自身の能力と向き合いながら恋愛する、というものだ。主人公の速瀬慶司は自覚ないままメティス能力者に認定されて、メティス保有者を中心に集めている澄之江学園に入学することとなる。そこでヒロインである風花、美汐、沙織と出会い、幼馴染の琴羽と再会、その後妹のまなみが入学することとなる。
その後、慶司は自身の能力が触れたものの能力をコピーできるメティス保有者だと知る。
主人公は偶然風花の能力をコピーして使った場面をヒロインたちに見られた縁から、美汐の作った自警団「アルゴノート」に所属することとなる。
その後はヒロインと中を深めていき、開示される設定はヒロインごとに違う。ので、ヒロインごのの感想。攻略した順に書きます。
【美汐】
お嬢様ヒロインである美汐は幼い頃に慶司に会ったことがあり、その時の思い出から慶司を慕っている。さて、美汐がアルゴノートを設立した理由は、学園にいるはずの友人エリが行方不明になったからであった。エリを探すためにアルゴノートを設立して調べる、というらしい。そんなわけで調査したりして、エリの痕跡を見つけて、なんか悪っぽい団体のことを知り、いろいろやる。エリは悪い団体に囚われて人体実験にあっているらしい。追い詰める計算が整ったとき、自身が起きたり敵のいるビルに入ってたために倒壊に巻き込まれたりとピンチに!が、美汐がメティスを更に覚醒させてメティスセカンドを発動してなんとか敵を追い詰め直す。しかし、メティスセカンドを発動した美汐は炎の化身となり、人間に戻れるか怪しくなった。そこを主人公がメティスセカンドごとコピーして美汐と一体化し、人々を助け出し、美汐と共に人の形となる。
このルートの魅力はエリという女の子の抱える過酷な環境。エリがメンヘラぽくて好き。攻略したい。
また、上で書いたような締め方が気持ちいい。自身は起こり味方たちは死にかけるが、それを美汐の圧倒的なメティスセカンドの力で解決するのだ。それまでの展開でメティスセカンドを発動したらヒロインは元に戻れないと示唆されていたから、主人公もコピーしてヒロインと渾然一体となり、多くの人を助けるシーンにはうるっときた。その果てにヒロインも助けちゃうんだもん。怖かったもの全部吹き飛ばしていってくれてありがとう!!
あとHシーンがエロかった。
【沙織】
ヒロインの中で一番おっぱいが小さい。実はそんなにバストサイズが小さいわけじゃないらしい。他がでかすぎるらしい。
このヒロインは上述のエリが学園で生活していた頃同部屋だった学生。メティスは影人形を扱う。エリの能力は光を灯すなので、対比的だ。だからこそ、互いがメティスセカンドへと至りぶつかりあう様子は緊張した。互いに暴走しあって、どうなるかわからなくなる。そこに慶司が沙織のメティスセカンドをコピーして介入する。ところで沙織のメティスセカンドは相手のメティスを吸収するだけでなく、その人の思っていることすべてを引き受けてしまう。自分と吸収した人との境界が曖昧になるほど。主人公は一度コピーして失敗した経験から自分のほしい気持ちだけを受け止められるよう工夫した。その時にヒロインから溢れる主人公への「好き」の思いが、たくさんの声となり体の中に響いた。
そもそも人のその瞬間の気持ちを知ってしまったら、まるでその人のすべてを知ってしまったようで、近づけなくなる、という話もほのめかされた。慶司は沙織の気持ちをまるごと受け取ってもなお、沙織への愛を保ち続けられるか。その瞬間すべてを知っても、気持ちは変化するものだ。変わりゆくものを見つめていこうという話。ここが沙織とエリを仲直りさせるきっかけとなる。テーマ的にも面白く、ヒロインの愛が見えたいい話だった。
【まなみ】
胸のでかい妹。希少。ありがたい。
まなみの能力はペネトレイターと名付けられた、貫通に特化したものだ。主人公がコピーした状態でなんだか拉致されたが、車の中で念じていたら、まなみもメティスに集中して空間を貫通してワープ!いろいろ貫き、悪を成敗!
あまり面白くなかった。
ここまできて、そういえばシナリオゲーではなくて、萌えゲーを遊ぼうと思って本作品に手を出したのだと思い出した。作品の面白さは楽しむスタンスによって変わりうることに気づいた。と同時に、この作品は萌えもシナリオも兼ね備えているというか分けて楽しめると気づいた。
妹っていう血縁を超えて結ばれるのよかったです。
【風花】
さすがにセンターヒロインなので本質的な話をしていた。
メティスセカンドの話し、メティスの可能性、エリの存在、上ヶ瀬市とカミカゼをかけたタイトル回収などがキレイだった。遊びながら、メティスの明るい面を取り出しており、どことなく美汐と沙織の話と対極的だと感じた。風花が表で、美汐と沙織は裏のシナリオだと感じた。
風花は天涯孤独の身であり、悪の組織(仮)が誘拐するのに丁度いい身分であった。なので誘拐されてしまう。そこで人体実験の危険にさらされるが、アイギスという空気の障壁で身を護る。そのうちに、段々とアイギスに身が溶けていく。フワフワした自分を守る世界の中、アイギスの本質に近づく。そして、メティスセカンド〈パラスアテネ〉を発動する。そっと街を多い、危機から救う。
順当な話運びだったが、メティスの温かさを描いている。慶司は風花に、メティスを工夫して視野を拡げさせる。コピーして同化し、風花のメティスセカンド開花に寄り添う。
伏線回収も気持ちよく、まとまったシナリオだった。
【琴羽】
一番好きになりそうなヒロインだったので最後に取っといた。思いっ切り甘々でイチャイチャしてくれて最高だった!
琴羽は幼馴染で、妙に慶司との恋愛を遠ざけようとする。しかし、そういった気恥ずかしさを乗り越えて、ツンツンした琴羽がデレデレになるんだ!このギャップを求めていたし、その通りのものができてニヤニヤできた!良かった!おっぱいが一番デカくてエロいし!
また、水の中を自由に泳ぐメティスだから、主人公と一緒に水を舞うCGは幻想的でよかった。キャラゲーとして楽しんだときにもっとも印象に残るルートだった。
【まとめ】
ヒロインも魅力的で、シナリオがいい部分も、萌えがよかったところも、いろいろなところから見て、それなりにレベルの高いものを出してくれる作品だった。
欲を言えば、エリをもっと見たかった。
でも、美麗CGと良シナリオだったし、満足度はとても高い!