今までよりもダークでハードな作風になっている。シリーズ4作目だが、マンネリ化なんて言わせない内容。様々なアイデアに脱帽させられた。死ネタが多いので、苦手な方は注意。
今回は4作目にちなんで、死がテーマ。主人公である紅朗は20歳まで生きられない心臓病を患っている。ヒロインのに咲友菜に拒絶された事により、生を求めレイプ魔として覚醒。
この筋書きだけ読むと、かなりシリアスな話に見えるが、バカのりは健在で、今回も様々なレイプが楽しめる。
町にはレイプ魔だけではなく、殺人鬼も登場。他にも幽霊に霊媒師、自殺少女と死ネタ盛り沢山の内容。絶対こんな町には住みたくない。
今作ではいままでになかった、ホラー要素がある点も見逃せない。殺人鬼に取り込まれた?形になる『BAD END②』とか普通に怖い。
一番印象的だったレイプは、『M症候群少女』飛鳥の2度目。彼女の自宅で犯されるのだが、無関心な家族が怖すぎる。まさに恐怖の食卓。下手なホラー映画顔負けのシーンだと思う。
バカのりで言えば『フルート少女』真夏のレイプが好き。女体楽器の演奏家になる主人公には笑った。
「そしてへ長調からのぉ、転調ッ!三重奏、ケツ掘られ声オーケストラだッ!!」※本編より抜粋
いつになくノリノリの主人公が見られる。
主人公だが自身が死に近い事もあり、歴代トップの容赦のなさ。ハードでバイオレンスなプレイは評価が分かれると思う。
特に母の前で死んだ少女をもう一度殺す「霊プ」の場面(喘息の演技が迫真でヤバい)、自殺少女を直前に犯し、その後彼女はそのまま死んでしまったりと、本当に情け容赦なし。
当シリーズに慣れていたとはいえ、少し引いた。人によっては不快感マックスになると思うので注意。
しかし、逆説的にレイプの恐ろしさを伝えている点は忘れてはならない。
初代主人公の水原が今作も登場。前作の友情出演程度ではなく、物語の重要なファクターとして君臨している。
終盤は水原の心臓を主人公に移植する衝撃の展開。人格を支配されかけ、苦悩する主人公…これ以降の結末はどれも味わい深い。
個人的に好きだったのは
・水原の身体が全国のドナー患者に割り振られ、レイプ魔が多数登場する。まさにホラーな『屍END』
・水原の遺伝子を食い止める為に咲友菜と『心中END』悲しきビターな結末
・主人公は本来の憎悪を抱えたまま咲友菜と結婚。互いの想いはすれ違っているようで重なっていた~憎しみは愛情の裏返しか。当シリーズらしい歪な純愛の形を描いている『HAPPY…END?』は一番好きな終わり方
水原推しとしても満足のいく内容になっている。
わざきた氏のファンとしては、今作からメインが複数絵師になった点は残念。しかし、他の絵師が決して悪い訳ではなく作品に上手く調和していた。でも完成度としては前作『惨』の方が好き。
シナリオは雑な所が少なく綺麗にまとまっているので、今回が一番好きかもしれない。
次回作はどのようなレイプが待っているのか、楽しみでしょうがない。