粗があるのは認めるが、流した涙に理屈は不要。ただあるがまま隆道と加奈の物語に涙するがいい
なんというか……男なら守るべきもの、守りたいものを守りきれなかった経験が事の大小問わずたくさんあるだろ?
そういった守りきれなかった様々なものが、儚い加奈の姿になって、いろいろな角度からオレの心を突き刺すんだよ。ある程度年齢がいって心の傷が増えて、しかしまだ完全に磨耗し切っていない男にはすごく重い話だと思うんだ。加奈への涙だけでなく、無力な男(オレ)の悔し涙みたいなものが止めどなく流れたよ。
だからこそ、本作はリアルに引きずってしまうんだろうな。