幼馴染と彼女への気持ちに揺れ、悩み、自己嫌悪に陥る心理描写が丁寧に描かれた物語
~ブログ内容を転記してます~
EroScaの改行の影響があるため、
以下URLよりブログで読まれることをお勧め致します。
「はてなブログ:物語は心の栄養素」
https://una-008.hatenablog.com/entry/2024/11/17/145505
↓以降ブログ内容そのまま
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大学生の主人公は恋愛強者な彼女と共にキャンパスライフを謳歌していた。
ただ主人公の傍には、主人公への恋心をずっと秘めていた幼馴染も近い距離感で居る。
彼女への愛情と、幼馴染への愛しい気持ち。
その二つに主人公が揺れ、悩み、自己嫌悪に陥る様子が丁寧に描かれた物語。
※感想は概ねプレイ時の時系列順です。
誤字や文法間違い、解釈違い等があるかもしれません。
あくまでも個人的な感想なので、寛大な心でよろしくお願いします。
【共通√】
『愛を想って聖良を抱く不岐』
不岐が妹の様に接してきた幼馴染である愛の下着姿を覗き、女らしく膨らんだ胸や厭らしい四肢を見て性的興奮を覚え、彼女である星良を呼び出して乱暴に抱く。
不岐が彼女である星良を抱きながらも、頭の中で愛を想っているのが嫌にいびつで、吹野の下半身と性欲に基づいた行動を見ていて気持ち悪いって感じた。
『恋愛強者と弱者』
星良の愛への巧みな牽制と、愛の無邪気な応答でいつもの失敗している様を見ると、年の功というか経験の差が如実に出ているって感じる。
そしてその様子を直接的に言葉にするんじゃなくて、間接的に会話のキャッチボールで表現しているシナリオが巧みで面白いって感じる。
『不岐の星良への傲慢な思考』
不岐は愛と楽しくテーマパークに行き、その帰り河川敷で星良とのケンカの仲直りの仕方を考えるシーンでの不岐の思考。
俺も、それに応えたい。
けど、明日以降、会ったら、多分、譲歩してくれるんだと思う。
今までも、ずっとそうだった
……イイ女だよ、本当に。
俺には勿体ないくらい。
いや、星良に不岐は本当に勿体ないよ!!!(怒)
不岐と星良は付き合っているから平等でいるはずなのに、不岐は一方的に星良が折れるだろうって考えている。
その独善的な考え方を持つ男には、星良は本当に勿体ないと思う!
『不岐の愛への恋心』
不岐は告白してきた愛を振って、始めて愛の事が好きだったんだと自覚する。
そして不岐はその恋心を忘れられないままにアパートに戻り、星良に抱きしめられながら「……愛」って声を上げて泣く。
いや星良さん、あなた心広すぎじゃないですかね?
他の女の事を想いながら泣く男なんてサイテーだと思うけど、それを許すってそれだけ不岐の事が好きなんだろうけど…
【星良√】
『星良の矛盾と葛藤』
不岐が愛の部屋に星良を連れて行き、愛と別れた後に不岐と星良がアパートで本音をぶつけ合うシーン。
星良
「嘘を吐かれて、嘘に気付いているのに騙されてあげて、そうやってなかったことにするなんて、もっと嫌!」
「でも……『キスくらい』って割り切れない、子供な私が……もっと、もっと、嫌……」
「もうやだ、わかんなくなってきた」
「こんなの聞かせたいわけじゃないのに。私は、十分幸せなはずなのに」
「恋敵のあの子の前で、私を選んでくれた。はっきりと選んでくれた。それで満足していいのに」
「フツーの子なら、それで満足するはずなのに……」
「嘘を吐かれるは嫌。でも、噓を吐かれないのも嫌」
「何なの、もう……意味わかんない……」
不岐の優柔不断な態度と言葉の数々が、星良を苦しめているのが伝わってくる。
そして星良は以下の様な気持ちが胸の中で渦巻いているから、その矛盾とぐちゃぐちゃした感情で不安定になっているのが伝わってきて、読んでいて胸がざわざわする。
恋敵を目の前にして、不岐の関係断ち切ると宣言した言葉に安心する気持ち
胸の中で違う女の名前を呟きながら泣く彼氏を見てモヤモヤする気持ち
自分以外の誰かとキスしたという事実から、モヤモヤする気持ち
不岐の「キスしてない」って嘘を聞いて、安心したい気持ち
正直に全てを話し合う事で、安心したい気持ち
『エンディング』
不岐は心の真ん中に愛がいる事を正直に星良に話す。
その前置きをもって、不岐は星良に「心の真ん中にいて欲しい人は星良だ」って伝える。
不岐は幼馴染としてずっと一緒に過ごして、自分の心の真ん中にいる愛の事は直ぐに変わらない事に気付いたから、自分の心の真ん中にいて欲しい人を今の彼女(星良)に変えるべく想いを伝えて物語は終わる。
そして星良は不岐のために髪を伸ばし、毎日不岐を朝フェラで起こす。
伸ばす髪は愛を意識しているし、朝フェラで不岐を起こし快楽で繋ぎとめる。
星良に無理を強いていて、不岐まだ愛の事が忘れられない。
けど少しずつ不岐は星良だけを想える様に変わろうとしている。
正直に言おうとエンディングを迎えたけど、僕の心は正直モヤモヤしている。
星良は不岐のためにきっと無理しているし、不岐はまだ心の真ん中に愛がいる。
だからこの二人はまだまだ喧嘩や色んな問題が出てくるのだと、容易に想像できるからまだこの物語の続きを見てみたいって思った。
まあ見たいっていうか、二人が落ち着いて互いを心の真ん中に置いて穏やかに過ごしているのを確認することで、僕自身の心を落ち着けたい(安心したい)のかなって思う。
【愛√】
『愛の性略』
愛は不岐が愛の事を幼馴染として大切に思っている事を利用して、体の関係だったり色んな物を脅して離れられなくしている
愛
「本気で突き放してくれたら、わたし、いなくなるかもね」
「でも、優しいお兄は、そんなこと出来ないよね?」
「優しい優しい、わたしに甘々のお兄には」
女の武器を使っているのは分かるけど、それを平然と行う愛の事が怖いって思う…
『不岐の選択出来ない心』
不岐は以下のような色んな気持ちがぐちゃぐちゃになって、身動き取れなくなって、結局は現状維持(愛との性欲に溺れること)を選択している
・愛を元の健全な幼馴染に戻したい
・都合よく傍に居て、性欲を満たせる相手がいて気持ち良い
・星良を裏切っているから、愛と関係をやり直したい
『愛(うい)は愛(あい)を捨て、性を手にする』
愛(うい)が不岐とクリスマスにセックスしている時、以下の愛の心理描写がこの√を明確に示している様に感じた。
わたしが戦っているのは……。
わたしが殺しているのは、わたし自身?
お兄が大好きで、星良さんも認めてくれていた『昔』のわたし――。
……考えない。
もう、シちゃったのだ。
『強く』ならなきゃいけない。
恋を勝ち取るために。
『恋』に、『愛』は必要ない――……。
愛(うい)は不岐を手に入れるために、『性』を使って誘惑して虜にした。
幼馴染の延長として心を通わせ合い愛おしいセックスをするのではなくて、肉欲に溺れて息が出来なくなった状態だから頭の中で何も判断できなくなる。
愛(あい)を捨てて『性』を選んで、性だけを頼みの綱にして愛(うい)と不岐は繋がっている。
二人共、正常な判断は出来ずに肉欲に溺れて沈んでいく様が読んでいて鳥肌が立った。
あと愛(うい)に『妹と彼女』の陽香を感じた。
なぜなら愛は幼馴染が、陽香は妹である事が足枷になっていた様子が似ていたから。
【雑多な感想】
ここからは思った事を雑多に書いていきます。
いやまず主人公の不岐の悩む気持ちは多少なりとは分かるけど、分かっている上での二股は不味いよ……w
物語としては不岐が愛を降ったタイミングから始まったな!って感じだったけど、その先はどっちの√でも不岐が病気の様に愛の事を考え揺れる感じだったな…(もはや幼馴染病)
あと『妹と彼女』や『初めての彼女』と同じく「……」の情報が大切で、どのセリフも読み飛ばせれない感じが物語に没入出来て良かった。
それと熱い吐息、垂れる唾液、繋がった箇所の粘液が伸びる様子がアニメーションで表示されていてエロいと感じた(ただ不岐の精神には感情移入出来ないので興奮はしないですがw)
さいごに、短いプレイ時間ながらも「間崎俊介」先生の作品に触れられて楽しかったです!!