スワッピングがテーマだというが、単なる乱交にしか見えないのは損をしていると思う。恋人はセフレにしか見えないし、もっと心理面での機微を分かり易く描いて欲しかった。実はキャスティングミスを犯していて、勇輝と翔子のカップル視点の方が上手く仕上がったかも?それはそれとしても個人的にはかなりのヒット作。余談だが、テーマに似合わないフォークソング調のEDテーマは存外良い、この様な妙なセンスは今後活きてくるんじゃないかな?
【シナリオ評】☆☆☆★★
恋人の美樹がツンデレとか淫乱とかそういうんじゃなくて、暖簾に腕押し、ぬかに釘状態で気が削がれる。(正確には逆なんだろうし色々ある訳だけれども・・・)
スワップすることによって得るものが分かり難いのが難点だろうか?
主人公視点から見ると導入編の仕様を鑑みても美樹は翔子との溝を埋める為の当て馬にしか見えない。
美樹の言い分は表面的に見れば、もっとアグレッシヴになってよ!という事なんだろうが、それにしては見え難い。
ルート分岐で厳選に厳選を重ねれば美樹の真相にたどり着けるものの、普通にHappyENDを迎えただけでは美樹がキャラとして今ひとつな出来になってしまっている。
この点はゲームシステムの仕様が足を引っ張ったとしか思えず、『弟切草』と同様の話の前後が繋がらないというミスを犯している。
私的ヌキゲの傑作『SEXFRIEND』に心の機微の分かり易さ(萌え)で及んでおらず、ビッチさでも『こんなアタシでゴメンなさい・・・』や『DISCODE』には遠く及ばない。
なんだかよく分からない事を言われて、振り回される感しか作中で味わえないのは勿体無い。
これマゾ属性専用か?とも思えてくる。
ヘタな流れや見かた次第では単なるSEX大好き人間にしか美樹が見えないのは、まだまだ良いキャラに仕上げられるように見受けられただけにとても残念。
翔子も鷹村も相手の事が好きだ好きだという割にはENDではお互いの扱いがぞんざいで脳内補完するしかない部分が多い。
ここらはキッチリと表現して寝取り寝取られ感を煽るべきでしょう。
エピローグでの鷹村のくだりがサラりとしているので印象に残らないが、作中では結構翔子の事を思っている節は見えるので
鷹村から見た、翔子の心の傷を埋めるシナリオというのもありだったのではないか?
この場合、伊織がかなりの悪役になってしまうのが欠点だが・・・まぁ、青春物みたいに殴ってオワリでもいいかもしれん。
それら全てを差し引いても本作はマルチサイトで各人の独白があった方が絶対映えたはずだ。
BADENDっていうかうやむやENDもヒロイン側のモノローグが見られればそれなりに形になったと思う。
【エロ評】☆☆☆★★
明るく楽しいセックスライフと言った所。
エッチだしエロくはあるが、淫靡さは感じない。
しかし、塗りも綺麗だし絵柄、構図ともに水準が高く、実用度は高いと思う。
恋愛物にありがちなイベントらしいイベントは起きず、全編エロイベントなのでエロシーンの数は申し分ない。
ただ、パターンとしてはノーマルプレイが多め(乱交は除く)なのでもう少し特殊なプレイを敢行しても良かったと思う。
水着とかブルマとか・・・
しかし、あのロリの使い方はまずい、実にけしからん。
あと、白井綾乃はやっぱり神。キャラに合うとか合わないとかそういうレベルじゃなくて神。
【総括】☆☆☆★★
Tureイベント(便宜的にそう呼ぶ)の場合のみ(寝取られENDは除く)美樹と呼び捨てになる仕様は良い。
案外こういう細かい事に気を配れない(人妻物だったら指輪の着脱とか)メーカーが多い中キチンと配慮しているので今後の作品も期待したいと思う。
シナリオ評でも言及したけど、イベントとエンディング全てが好感度と相性値で判定されているので前後の繋がりが希薄なのは仕様として失敗だったと思う。
少なくともTureイベント(美樹なら雨の日、翔子なら家にお邪魔する日)を通過した場合は別途エンディングを用意すべきだった。