ゲームパートはリズムアクション風だが内実は『ファンタビジョン(SCE)』や『NIGHTS(SEGA)』や『Rez(SEGA)』の様な音と映像の融合というテーマに(本作は音に特化されているが・・・)音を楽しむという観点からすると近い物があると思う。ADVパートは良質な半ファンタジー調で癒される事この上ない。タイトル通りのしっとりとした名作。そして岡崎律子は並みのアニソン、ゲームソングとは桁が4つ程異なる。二度目のオープニングを見たとき君は時の涙をみる・・・
ぶっちゃけて言えばリズムアクションの様にゲーム性にまで高められていない点から、本作にエンターテイメント性を加えた物が『サクラ大戦(SEGA)』になると思っても良いのではないだろうか(2以降がより近い)。
ゲームパートをリズムアクションと思って攻略しようとすると鬼の難易度に感じる。
とにかく暗記と練習という面は同じなのだが、タイミング云々よりもより感覚的に流れ、曲調に乗れるかどうかが鍵だろう、別にキャラ攻略の大勢に影響は無いし。
リズムアクションの様に音に合わせるのでは無く、音を合わせるというか、乗せるというか、贔屓目に言えば根底から異なるとも言える。
少しばかり、毎作、声優萌えを狙っている様な気がしないでもないが・・・
本作はグレードを少し下げた為かとてもしっかりと地に足の付いたシナリオになっていると思う。
個別シナリオ評
ファルは見事なまでに黒い。
浅野真澄は黒い役が何故かはまる、本人が黒いと公言してはばからない為か?
シナリオとしてはちょっと駆け足過ぎた感がある、もう少し結び付きやファルの良さを表現してからでよかったのでは?
リセシナリオでのクリスは他のシナリオに比べて一回り優男かつカッコ良く仕上がっている。
ラストは力技ではあるがハウス食品プレゼンツな日本アニメーション物が好きだった人には号泣ものの展開であろう。
テーマソングの被せ方もニクイ。
トルタは本作の存在意義の八割以上を担っていると見ていい。
ネタバレしたら全く本作の意味がなくなるので書かないけれども、グランドルート含めてありがちな展開ではあるがそれ故に感動も順当に得られる。