エロゲとか18禁とか、そういう枠では納めようの無い作品。あらゆる意味で実験的であり、非商業的である。視覚情報(テキスト)と聴覚情報(音声)の交錯(齟齬)や文脈、映像ら全てを使って困惑させてくる姿勢は見事。、一つ一つの挿話が並のゲーム一作分のテーマ性を凌ぎ、帰結では無く、綴られる事自体が目的にも思える選択肢のシステムは他の攻略型のゲームとは一線を画している。よく人を選ぶゲームだと評されるソフトがあるが、本作ほど辛辣に人を選ぶソフトは無いだろう。
つーか、ゲームという物のアンチテーゼに満ち満ちた内容の物はコンシューマー界のクリエイターと呼ばれる人にこそ創って欲しかったのだが、正面切ってはエロゲーでこそ皮肉れる物もあるのだなと再認させられる一品。