すごく良かったです。『祈りと再生の物語』。こういうの大好物なんです。面白かった!
やっててすごく思ったのは、立ち絵の表情が本当に豊か。
ちゃんと数えてはないですけど、多分かなりのパターン数があるのではないでしょうか。
1度しか見てない立ち絵が複数あったように思います。
一枚絵も合わせて、「表情」に対するこだわりがすごく感じられます。
とても贅沢な作りでしたね。
この豊かな表情は、ゲーム全体においてキャラの感情を鮮やかに写し、印象的な演出になってくれました。
自分の強さを受け入れ道場を守った桜子。
負けることを恐れず目標と向きあった千歳。
嫌いだった父親を信じてちゃんと向き合った由真。
奮い立ち、幸せを求める様に胸打たれました。
とても好きなのが、桜子編の、由真と千歳も加わって「鍛錬」してるときのCG。
本編での扱いはさらっとしてましたけど、キャラの性格が出てて賑やかですごくいいですね。
白雪編
悲痛な過去を思い出しながらも、ガーデンでの楽しい記憶を忘れたくないと願った白雪。
人は、どんな場所からでも、幸せになれる――
彼女はこのゲームのエッセンスが端的に凝縮されている人物だと思います。
ルナ編
息もつかせぬ怒涛の展開。
さまざまな人間関係と事情と感情が綺麗につながる構成。
本当にシビれました。
春奈の誕生日ケーキリプレイは完全に涙腺やられました。
お見事の一言しかありません。
総評として、とても素晴らしい出来だったと思います。
後半のたたみ掛けで手に汗を握ったことも勿論ですが、
自分を好きになるために、
自分の好きなものを信じ守るために、
幸せになるために、奮い立ったこと。
厳しい現実を前に、それでも前を向いたこと。
そのことが本当に染みました。
そしてその様を鮮やかに描きだした表情のグラフィック、声優さんの名演技。
良いゲームに出合えたな、と心から思います。
本当に大好きな作品なのですが、
個別にエンディングテーマがなかったことだけが本当に惜しまれます。
まだ夏美が意識を取り戻したわけでもなく、春奈にとっては課題があります。
春奈には最高のハッピーエンドを贈って欲しかったような気もしなくはありませんでしたが、
だからこそ、ラストのCGで画面外へ姿を消したように、彼女は幸せを求めて歩いていくのでしょう。
彼女たちの行く末をもっと見たい気持ちはありますが、残念ながらここでお別れのようです。
願わくは、彼女たちに幸福な人生を――