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throughputさんのレーシャル・マージの長文感想

ユーザー
throughput
ゲーム
レーシャル・マージ
ブランド
AXL
得点
80
参照数
1325

一言コメント

俺TUEEEEEEではなく俺SINSETUUUUUU

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

前作の百花繚乱エリクシルには一歩及ばぬものの、ここ4,5年のAXL作品の中では上位に入るかと思います。
中でも雰囲気が素晴らしい。本作はAXL御用達のファンタジー世界になっていますが、前作と同様に設定がかなり練りこまれていて徐々にこの世界観へとのまれて行きました(設定だらけで文字ばっかりというわけでは全然なく、その辺りは今までの作品における雰囲気作りの技術が受け継がれているかなと感じました)。

また、シナリオの方も「いつものAXL」といった感じで、ショートストーリーが幾重にも重なってヒロインとその仲間たちでドタバタ劇を繰り広げていきます(シリアスは少なめで基本的にはドタバタ)。
個別ルートの最後はエンディングを盛り上げるためどのルートも少々シリアスになりますが、ここもいつものAXLなので常連ユーザからすると違和感なくプレイできると思いますが、新参ユーザからすると評価が分かれるかもしれませんね。特に、エンディングはどのルートもハッピーエンドで終了。言葉を悪くすると結構ご都合主義で終わりますから。
でもまぁ、最近は北側寒囲氏の作品が下り坂道だったので、本作で大分盛りなおした気がします。

声優陣もAXLおなじみのあの方がおり、他のメインを担当する方々も経験豊富な方々ばかりで違和感なくセリフを聞くことが出来ました。また、前作と前作のラジオで強烈な?印象を残していった、若干AXLおなじみになりつつある桃井穂美さんがムルムル役で出演されています。

なんといっても、このムルムルがかなり当たり役で、ボイス(穂美さんの性格)とぴったり合ってるんですよね。これキャスト決めたスタッフはかなりグッジョブと言わざるを得ないですw

また、AXLの売りのひとつでもあるサブキャラの魅力もたっぷりと味わうことが出来ました。
ロア様なんて初めのうちは嫌味な大貴族だったのが最終的にはお笑い担当に。。。あげく、ムルムルからはエロキノコ呼ばわりされる始末w
ノッカーとレビンといった男友達もピンチの時は助けてくれる心強い仲間もおり、終始、ヒロイン+男友達でツルみながら学園生活を謳歌します。ウィルくんはいい友達にめぐり会えましたね。

というのも主人公のウィルくん。劇中でもいたるところで触れられていますが親切すぎます。まさに親切バカ!
あえて不満をいうなら、ここまで親切な人にはちょっと感情移入出来なかったですねぇ。さりげない親切というよりも、親切の押し売りみたいになっててシナリオを読んでて「もうやめたってよ・・・」といった感じでひやひやしてました。もうちょっと主人公設定がライトになっていればそれはそれで評価が変わったのかなとも思います。









以下自分用メモ(大ネタバレ)。
メリル→ムルムルは過去の魔法帝国時代の遺産で燃料切れにより止まってしまう→燃料いただき復活。正直ちょっとウルッとした
フィリス→ウィルが滅びの民のため結婚はだめ。イング王暗殺を食い止める→ここでイング王が認めるとおもったら認めず。王都主催の近衛騎士団を決める武術大会で優勝→王妹との交際を認めよう。ワシ「ファッ!!!」
モリー→ウィルにちょいちょい触ってたのは魔力補給→魔力が暴走→魔女は危険因子だから城に閉じ込める→ザティア村の賢人であるじじいが魔力を抑える方法しっとるで
アリシア→アリシアちゃんの幸せは貴族に嫁ぐことだと父母→ムルムル「私のアリシアちゃんにちょっかいをかけるなんていけないザマスムル」→かけおちじゃぁ→追いかけてきた父母「ザティア村とウィルくんはいい人だから認めよう」
エルル→ラミアがウィルは滅びの民とばらす→ウィル全然動じず→ウィルは差別しない人だEND ※エルルシナリオはエンディングのあっさり感がすごかった。それよりもお化け退治や夜の勉強会の話がメインだった。ひとつ言うとウィルの出生のヒントがぼかして語られていたシナリオでもある。多分、ラミアがウィルの母。