10代の悩みに答えます、みたいな。テーマは重いが、内容はそれほど重くない。まあそういう事ってあるよね、っていう常識の範疇内。
それぞれのルートのテーマが、10代に悩みそうなこと。
あえか・・・いじめ。
弥津紀・・・生きるって何(職業の代わりに子供という生きがいを見つける)
ねこ子・・・アイデンティティの危機、麻薬
公平・・・・家族との関係(特に弥津紀の章)
それにしても、クスリがモロに関係しているのって、ねこ子だけなのが最初は疑問でした。
なんでユメミルクスリなんだろうなって。
夢を与えるクスリが、ねこ子の場合は、まさに麻薬っていうクスリ。
じゃあ他の人は?って。
弥津紀にとっては、スリル、物質的にいえば脳内物質だったのかなぁ。
あえかにとっては、公平の存在がクスリだったのではないかな。最初は危うい麻薬のような関係として、のちにお互いの治療薬として。
最後に公平にとっては、ヒロインの存在がクスリとして作用しているように思う。
レールに無理やり自分を従わせていることで生じた、電車の幻聴という症状、それに対して薬になったのは、各ヒロインとの関係性だったんじゃないかな。
全体として、人との関係が人を癒す薬になるのではないかな、などと感じました。
またその一方で、危ういクスリもまた命がけのギリギリの時に薬になりえるとも感じます。公平が家族との関係を新たなものにするには、全て大きな問題がバレることがきっかけになっているわけで。自分を傷めつけるクスリへの接近が、結果として、治療の薬へと無意図的に転換したように思いますね。
人を癒す薬は結局、人なんじゃないかなぁ、ユメからさめても、それが薬になるんじゃないかなって。そんなことを伝えたいのかなって思いました。