テンポ重視による読みやすさの代償は積み重ねの弱さ
「読みやすさ」を作り手は、かなり意識しているようで
操作性の良いアクションゲームのような馴染みやすさがある。
序盤の設定や世界観の説明も、出来の良いチュートリアルのごとくスーッと頭に入って来る。
共通ではSFミステリーを軸に、謎と謎をシームレスにつなぎ続けることで
読み手の興味を引っ張ってくれるのだけど、その一方で男女関係が疎かにされがちで
18禁美少女ゲームとしての強みが活かせてないように感じた。
SFモノとしてもラビルートがピークで、そこからは物語の見所も曖昧になりだしダレてくる。
最後のアリスとの離別は賛否が別れると思うが、物語の方向性としては有りだと思う。
しかし「修二とアリスの関係」「帰るべき道理」この積み重ねが弱いので気持ちが乗れない。
秋野花パワーを持ってしても揺さぶられるものがない。
「天精国取りセックス合戦!!」という、おバカな抜きゲーでも
秋野花パワーによって泣いてしまった自分でもニューリンはホロリ出来なかった。
まとめると「共通は良いけど個別はダメ」ということになるのだけど
テンポと読みやすさを重視するあまりに、積み重ねを疎かにした事で後半失速したのかなと。