1年間の季節感と学園イベントをふんだんに盛り込んだ学園ラブコメ。魅力的なキャラとアイディアで常に楽しませてくれる。しかし個別ルートのシナリオがかなり酷い出来で面倒な性格のヒロイン多し。アイディアは素晴らしいが完成度は高くない
■■「Sugar+Spice!」は2015/04/24~2015/05/07に期間限定で無料公開されました。
無料に釣られてプレイしてみました
シュガスパがどんなゲームなのか全く調べていません
↓ネタバレあります
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■■記憶喪失
プレイヤーはヒロイン達がどんなキャラクターだか知りません(私は取扱説明書やキャラ紹介すら読んでいません)
主人公を記憶喪失にすることにより、プレイヤーと同じ視線で1つ1つの情報を新鮮に受け取ることができます
ヒロイン達との友好関係は過去に出来ていてゼロスタートではない。転校生の主人公ともまた違う感覚があります
記憶を鍵に例えてポインターを鍵の形にしているのは凝っているなぁと感じたのですが、過去の記憶を思い出すイベントがかなり少ないです
記憶を取り戻すことが本作の目的ではなく、新しい記憶を作っていることがメインとなります
記憶喪失でしか使えないヒロインとの関係(《ミャンマー》と《ジジ》)もあり
■■オトメカイセキ
ヒロイン達の内面を「乙女解析」していくシステム
普通のヒロインでもステータス画面が少しずつ埋まっていく形式。例えばスリーサイズは結ばれると公開されます
何気ない事実でもこの少しずつ明らかになっていくのが私は大好きです
これは乙女たちだけではなく主人公にも言えます。何かの運動をしている主人公、何していたのかがわかるとなるほどと感心します。
1ルートクリアしただけではヒロインの全てを乙女解析出来ないことも
《和真》の記憶も全ルートやらないと明らかになりません。複数ルートでも設定矛盾はあまりなく(※多少はある)全ルート繋がっています
■■学園生活
本作は共通ルート13時間以上のゲームです
1月からスタートし10月までが共通ルート、11月と12月が個別ルートになります
2月雪・4月桜・6月雨と1年間の季節感があるイベントと、体育祭・学園祭・修学旅行など学校行事が満載
ただ制服を着ているだけの生活感のない学園モノが流行っている世の中で、これでもかってくらいに学園要素を入れたシュガスパは懐かしいです
昔懐かしいマップ探索型システムも「学園生活」している感じになれます
面白い話があるわけではありません。結構長いのでダレる部分もあります。でもこの学園生活は「楽しい」
面白いゲームではなく楽しいゲーム、それがシュガスパの世界観でしょう
《ハモ》《ジジ》《ピョン》の3人娘によるガールズトークが神のバランス
主人公が追加されてもあくまで友人関係のまま。誰かとくっつくこともなく修羅場になることもなくまったり出来ます
まあエロゲーなので誰かを選ぶことにはなるのですが、果たしてこの関係はそのまま維持できるのでしょうか?
↓以下プレイ中のメモ
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■■《足利はねる》
最初に一番気楽に付き合えそうな《ピョン》に狙いを定めることに。べっ別におっぱいに釣られたわけじゃないんだからね!
行動ポイントこそ大体足りるものの、イベントが増えたり消えたりするので何回かセーブロードを繰り返して《ピョン》イベントを探す日々が続きます
「どこでも告白システム」。何ですかそれは?と言いたくなるシステムが発動。とりあえず告白するも当然断られる。
何回もアタックできるようなので、適当に《ピョン》フラグ立つまで待ってタイミングよく告白すればいいんだなと理解。
と待っていたら6月も終わり《ピョン》のほうから告白してきました。普通にヒロインから告白されるパターンもあるようです。
目玉システムをスルーしても大丈夫なのかよくわかりませんが
この時の私は「わーいろりきょにゅうちゃんのぱいずりだ」しか考えていなかったので、このまま《ピョン》ルートを続けることに
そして7月。『《ピョン》と付き合っていると思っていたらいつのまにか《ジジ》のフラグを立てていた。』
《ピョン》との恋愛イベントは一切なく、《ピョン》の会話からも《ジジ》とくっついちゃってもOKと言わんばかりのものばかり
嫉妬要素が無いどころか付き合っていること自体がなかったことにされました
つ、つまり、誰と告白しようと告白成功しようと『共通イベントは一切変わらない』ってことですか?
・・・それじゃ告白システムの意味がないだろうがああああぁああああぁあぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!!!!!!!
それからもデートとエッチと、他の女の子ともフラグを立てる日常が続きます
《ピョン》のサバサバとした性格だと多少違和感は軽減できますがゼロにはなりません。ま、まぁそういう仕様で作り込みが甘いと諦めます
どうせ2週目以降が大量スキップで日常イベントは飛ばせるのですから
妊娠フラグを回避したのはとてもとても残念です
《ピョン》の個別ルートは「離別」ですか。離別つまらないんですよねー。離別はエロゲーで使い回された設定で食傷気味。
ゲーム内の2人は悩みますが、「どうせすぐ再会するんでしょ」?と冷めたプレイヤー目線になりますから。
会えない2年間がマウスクリック20分で済みます。婚約者とまで書いておいて再会しないわけもなく
もう1つ。《ピョン》ルートは過去の記憶を一切取り戻さないんですよね
でも共通10月のイベントだと『さようなら、はねる』の記憶を取り戻した感動的な話があったり。個別より共通エピソードのほうがいいってどういうことよ?
2週目。「どこでも告白システム」を使って好感度MAXの《ピョン》に告白してみた
結果、追加されたデートイベント2つ、後は全く同じ。このシステム失敗でしょ
■■《深山藍衣》
仲が悪い女の子と同居する定番設定。そこに記憶喪失が追加されます
幼馴染モード「マーくん」呼びと毒のあるキャラを自在に使い分け、表情も豊かなキャラが《ミャンマー》の魅力です
頭がいいキャラだけに会話にもキレがあります
「どこでも告白システム」が嫌になったのでもう攻略サイト見ながらのプレイしています。《ミャンマー》にはこっちから告白しないとダメのようです
すぐに和解して仲良くなってきたので2回告白すると、思い出せなかった記憶を《ミャンマー》が解説してくれます
実は元カノ。ああなるほど元カノから《ミャンマー》の行動が全て説明付く、そういう伏線だったんですね
これなら主人公の方から告白しないといけないわけです。ヒロインから告白してくるキャラも入れば主人公から告白しないといけないキャラもいる
告白ネタバレを回避するために5人全員に告白できるシステムにしたと理解。攻略サイトを見てしまうと誰が告白に意味があるキャラだかわかってしまいますから
でも「どこでも」にする必要はあったのかなぁと
「今、この場で私を押し倒してみせろ」。告白シーン改めセックスシーンに突入
元カノのはずなのに何故か初めて。《ミャンマー》は処女。えええ??????
何で過去にヤらなかったのですか?「不能だった」?CHU-SANなのに勃たない主人公?
どうやら「ヒロインは処女でなくてはいけない」という鉄の掟が《ミャンマー》の処女膜を守ったようです
クリア後に過去の失敗シーンが追加されるので、そこで処女喪失を入れておくのが普通なんんですけどね
個別ルートでは「ボクシングと私、どっちが大切なの!?」と地雷発言をする《ミャンマー》
この主人公は自主性がなく優柔不断なところがあります。迷いながらも「どっちも大切」を選択
毎試合こっそりと見に来たり、喧嘩しているのに会話からも「マーくん大好き」オーラが全く抑えられていません。物凄くデレデレです
試合終了後にすぐにヨリを戻してエッチなことをします
○昔付き合っていたが不能だったので別れた
○エッチなことしてまた恋人同士になった
○ボクシングばかりで会えなくなったので喧嘩した
○エッチなことをして仲直り
これは…まさか……《ミャンマー》ルートの真実それは…《ミャンマー》は 欲 求 不 満 だったんだよ!!!!!!
オトメカイセキの他にこんな裏乙女解析があったとは。驚きです(笑)
エロゲーなのでヒロインを選ばないという選択肢は存在しないわけですが、
《マサムネ》はボクシング一筋ですし、《和真》がどのルートでも恋愛に迷い試合に負けているのを見ると
もしも《ミャンマー》を完全に捨てボクシングに打ち込めば《マサムネ》に勝てていたのでは?とも。エロゲーではありえない話ですがね
■■《早乙女司》
声優さんについては他の人達が語っているので割愛
141cm。みにまむぼでーを持っているはずなのに《ピョン》と同じような大きさに見える。あまりロリっ子って感じはないですね
狼さんのお隣さんになり、《ピョン》《ミャンマー》ルートでは夜の営みの声を聞かされる可哀想なヒロイン
4月イベントでは犬の話ですが、忘れた頃に犬散歩イベントを入れる程度でワンちゃんはスルーされがち
シュガスパは月毎にイベントテーマとヒロインがあるため、次の週まで引っ張ることが少ないです
4月と10月、2つのイベントで成長するヒロイン
学園祭ライブ後に観衆の前で告白してきましたよ
>選択肢
>1.俺も司が好きだ!
>2.司の想いには応えられない
ここの流れで2を選択出来る訳がない……無理だろ……この選択肢を入れたライターさんは「鬼」です
迷わず2を選べた人にはブレイブメンの称号が与えられます
で私は攻略サイトなるものを見て1を選ぶチキンなのですが
《オトメ》の初体験シーンは無かったことになり、エロシーン4回目非処女状態から見れるようになります
告白システムを使わないで《オトメ》からの告白を待つような軟弱者にはょぅじょの処女喪失を見せない、というメッセージを受け取りました
さてこのエロシーンですが、CGを見る限りでは陰毛がないように見えます
「シュガスパ」は陰毛ありのエロゲーです。主人公ヒロインは髪の色と同じカラフルな陰毛モザイクが股間に表示されます
しかし《オトメ》には陰毛なし。つるつる。ひゃほうー!
2週目にこちらから告白した時に見れる初体験シーンだと
>そこに栗色の毛が形よく並んでいる。
あれ??生え…てる……???CGではつるつるなのにテキストでは陰毛が生えている
処女喪失の出血もCGでは血無し・テキストでは血ありなので、結構適当かもしれませんね
そっかやっぱり陰毛はあるのかーとがっかりしていたところに
シーン2「はまりすぎのカボチャパンツ」
これだよ。141cmキャラに求めていたのはこれなんだよ!!!!!チュアブルソフトさんありがとう(下半身的な意味で)
と毛の話ばかりになってしまいましたが、肝心の《オトメ》ルートは物凄く薄いです。短すぎて何も言うことなし
《オトメ》よりも記憶を取り戻した《和真》の台詞
>和真「歌と夢路は……まだ、俺の友達なのか?」
が気になって。この主人公は事故直前に何していたんですかね?
■■《南条寺一沙》
記憶喪失になった主人公のファーストキスを奪ってくれる女の子
デートシーンではもれなくオバチャンが付き添いでついてきます
「シュガスパ」FDが発売されているようですが、
ちゃんと《一沙》ルートは追加されているんでしょうかね?攻略可能になっているんですよね?ね?ね?
冗談はさておき、
《ジジ》は少し地味な印象を受けます。デートはお寺か《一沙》との3Pが多くエロも導入が盛り上がりません
こういうほのぼのとした付き合い方を目指したヒロインなのかもしれませんね
『共通イベントは一切変わらない』。《ピョン》攻略中には諦めていた要素なのですが
どうしても気になったところが《ジジ》ルートにありました、それは《ジジ》の誕生日イベントです
共通の《ジジ》誕生日イベントと、告白成功後の《ジジ》誕生日イベントを2つ同時に起こすことが可能です
2回祝ったり《ハモ》が風邪だったり元気だったりと矛盾が酷い。これくらいは直してほしかったところ
7月のイベントで面倒な性格なヒロインなのはわかっています。個別ルートに入るとさらに面倒です
このゲームは記憶喪失主人公とプレイヤーの情報量が近く、主人公に感情移入しやすい設定になっています
そこに記憶を取り戻せないことをヒロインに責められても。理不尽を感じるストーリーです
《和真》も「俺は夢路が好き」の一点張り。言うだけなら簡単、でも行動で示さないと
「シュガスパ」の個別ルートはどのルートも、ご都合主義エロゲーシナリオよりではなく、恋愛ドラマによくあるような話になっています
「俺は夢路が好き」を連呼することはある意味逃げでもあります。「好き」は行動や理論よりも優先される理不尽な感情ですから
どんなにドロドロになっても最後には「やっぱりあなたが好き」で解決してしまう。爽快さのない物語です
《ミャンマー》は「誰も悪くない」と言っていますが、恋愛三角関係にいい人は存在しません。3人とも超極悪人です
《ジジ》の恋愛を妨害する黒い《ハモ》さん。黒いよ黒すぎるよ!!!
この流れなら《ハモ》に浮気する選択肢もほしかったですね。もしくは《ハモ》の好感度が一定以上で強制浮気エンドとか
でも「シュガスパ」の個別ルートは短いんだ。そんな凝ったシナリオには出来ません
大昔のマップ選択型ADVは複数キャラ同時攻略が定番だったのですが「シュガスパ」には実装されてないようです
《ジジ》エンド後は即《ハモ》ルートをプレイしたくなりました。この黒《ハモ》さんを救ってあげないとモヤモヤは収まりません
■■《春瀬歌》
ウソつき以外は第1メインヒロインらしい性格です
先にプレイした《ジジ》ルートで《ハモ》さんの本性がほぼ明らかになっています。料理の話になると本性を出すことも
祭でキスして告白後は、イチャイチャヒロインになります。イチャ度で2015年標準に達しているのは《ハモ》だけですね
何も知らないでプレイすればイチャラブが楽しめるはずなんですがね。駄目だこの子に騙されてはいけない…《ハモ》は黒いんだ…
病に倒れてからは《ハモ》さんがどんどん面倒なキャラに。今回は直接関係ない《ジジ》からも罵倒される主人公
内容は《ハモ》《ジジ》で表裏一体のため焼き増しシナリオでしかありません。まあ《ハモ》さんのほうが素直な性格ってくらいですかね
三角関係ドロドロをやりたいならもっと尺を取って、感情移入させて選択肢でプレイヤーを楽しませるようにするべきでしょう
主人公も好感が持てない台詞ばかりで行動も駄目。《ハモ》《ジジ》恋愛戦争でこのゲームの評価は5点は下がったと思います
黒《ハモ》さんが病室で襲ってくるんですよ。今日は危険日中出ししてぇと誘ってきます
エンディングでの再会で今度こそ妊娠エンドを期待したのですが、「ウソだよ」。また《ハモ》に騙されたーーー!!!!!
書きたいことはまだまだたくさんあります
「シュガスパ」は小ネタが多くて、ゲームする・楽しむ・プレイする度に新たな発見がある。そんな1本です
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■■エロ
回想枠28。歌5・夢路5・はねる6・藍衣6・司5・先生1
数は多いように見えてエロテキストの尺が短く早漏主人公です。また1シーンCG1枚も多いですね
陰毛あります(司以外)
ラブホテルでのコスプレ・着衣エッチが多く、エロ表情は駄目でも構図はそんなに悪くないのに
1シーンを除いて全く使えませんでした
■■システム
2007年発売ということを考慮しても少し物足りないですね
でもシーンスキップもありプレイするのに不満はほとんどなかったです。動けばいいんですよ動けば。Windows7HPで動作確認
ムービーがスキップできないことに関して少し
EDムービーにはスタッフの名前のテロップがあります
エロゲー1本作るの労力は大変でしょうし作った人の名前を知ってほしいのでテロップが流れる、と予想されます
飛ばせないのは、そういう労力を分かってほしい名前を見てほしいとのことなのでしょう
ただ 《ハモ》偽エンド→《ハモ》真エンド→《ハモ》BADエンド→グランドエンド
と約20分の間に4回もスタッフスクロールを見せられるのは流石にどうかと感じました
■■音楽
ボーカル曲7つは多いです。があまり好みの曲はなかったかな?
第3opムービーに少しびっくりしたくらいですかね
BGMは8月の海編が登録されていない。これ前作分なんでしょうかね?新規プレイヤーには量が増えるだけなのでいいことづくめ
■■総評
楽しかったです。やってよかったと思える作品です
500以上のイベントで学園モノの1年をに描いた共通ルート。雰囲気がすごくいいですね
プレイする人の目線になって楽しませようとしている作り方。記憶喪失やオトメカイセキといった要素が見事に絡み合った良作です
一方でシステムの完成度の低さが見えたり、個別が面倒なヒロインとつまらないシナリオだったりと悪いところもあります
現代(2015年)のエロゲーらしさはない少し古い作風
個別ルートがいらないタイプなので、エロゲー媒体より他の萌え媒体の方が合っているかもしれません
Sugar(甘さ)とSpice(スパイス)はそんなでもないです。個別の三角関係はスパイスにはなっていません
■■余談
「Sugar+Spice!」が何故無料公開されたのか?
それは事実上の「Sugar+Spice!3」に当たるゲームを作っているからのようです(タイトルは『私が好きなら「好き」って言って!』)
2をやってない身で書きますが、
「短い日常イベント」「学園モノの面白さ」「パロや下ネタに頼らないテキスト」「告白しても変化しないヒロインとの友情」を今作るのは難しく、
また新作タイトルを見ると告白システム重視のようです
シュガスパは現代のエロゲーには無い要素をいくつも持っているので大丈夫かな?と少し心配しています