【萌え96%】HCG23枚(差分込みで2180枚)+シーン数18枠。売春がテーマの鬼畜ゲーをベースにして「可能な限り明るく萌え萌えにアレンジしてみよう」というプロジェクト。中身は低価格の同棲いちゃらぶ萌え抜きゲーとほぼ同じだが、神待ちから始まる関係がいい変化をもたらしている。紗波ちゃんのキャラクター性と◆巨乳◆と月野きいろさんの演技が最大の魅力。シナリオを一言で説明するなら「陳腐」。間違ってもシナリオに期待してはいけない。
インストール容量は4.10GB(Ver1.01)
ファイル数はなんと9756です。インストールに40分ほどかかるのと、その間DVDドライブがギシギシ鳴り続けます。
追加シナリオパッチを当てるとディスク認証があります。ゲームディスクがない状態でパッチを適用すると、ディスク認証を要求されてゲームが起動できなくなります。
●《高尾紗波》
CG23枚(通常CG6枚+HCG17枚) 回想14枠 Hアニメ6つ
●《美竹ゆうか》
CG3枚(通常CG0枚+HCG3枚) 回想2枠
●《高尾紗波》+《美竹ゆうか》(3P)
CG3枚(通常CG0枚+HCG3枚) 回想2枠
合計CG29枚(差分込みで2460枚) 回想18枠 Hアニメ6つ SD絵なし
BGM14曲 主題歌1曲
画面サイズは1920×1080
立ち絵はE-moteがあり(ON/OFFは選択出来ません)
Hシーンにアニメーションあり(ON/OFFが選択できます)
■■『神待ちサナちゃん』はどんなゲーム?
A.同棲いちゃらぶ萌え抜きゲーです。
「Frill」はビジュアルアーツ系列の鬼畜エロブランドです。
2013年発売の『聖娼女 ~性奴育成学園~』がロングヒットとなり、現在は低価格帯で「売春」をテーマにした鬼畜抜きゲーをいくつかリリースしています。
本作『神待ちサナちゃん』も例に漏れず、家出少女が男の家に泊めてもらう代わりに身体を差し出す「神待ち」からスタートします。
パッケージは黒を基調とした「黒箱」。一見いつもの鬼畜ゲーに見えますが、実は萌え萌えゲーだったりします。
メインヒロインの《高尾紗波》は何でもズバズバいう性格で、主人公に踏み込んでくるタイプです。
初期好感度も意外と高めで、かつベタボレまで行かない絶妙な水準で物語は進みます。出会い以外はほぼいちゃらぶゲーと変わりません。
また悪党である主人公が《紗波》の押しによって段々とデレていく、主人公攻略のシナリオにもなっています。
ダークなゲームに見せかけて実はめっちゃ明るいゲーム。このギャップが『神待ちサナちゃん』を面白いものにさせています。
ストーリー性も多少はありますが暗いシナリオではないです。バッドエンドでダークな展開になったりもしません。
そして「Frill」ブランドなのでエロスも充実しています。温泉浣腸は久しぶりに見ました。
私が普段プレイしているエロゲーの多くは萌えゲーかシナリオゲーで、鬼畜ゲーはあまりやりません。
このゲームを萌え成分96%と判定しました。一応気になる人もいると思うので残り4%の鬼畜成分についても。
鬼畜ゲーには特有の主人公の気持ち悪さ、ヒロインを痛めつける破壊衝動を入れることがあります。
最初の家出少女の《紗波》を品定めする描写だけは鬼畜ゲーの主人公そのものでした
ただし、セックスしたいだけのギブアンドテイクの精神を持っていて、ヒロインを痛めつけるような描写は皆無です。良くも悪くも(最初は)自分本位な主人公です。
Hシーンの1回目はヒロインが嫌がるフェラシーン(イラマチオ含む)となります。2回目の処女喪失も多少強引かも。
鬼畜ゲー風シナリオ上は仕方ない最小限の凌辱といった感じで、凌辱Lv1のようなヌルすぎる性描写があります。まあお互いに合意に上での性行為ですけどね。
Hシーン3回目以降は(たぶん)和姦+らぶらぶシーンのみになります。
Hシーンの音楽は鬼畜ゲー風です。
シナリオ後半までセックスはしてもキスはしません。
シナリオ終盤にサブヒロインの《ゆうか》は主人公以外の男ともセックスしていることが判明します。物語と特に関係ないこの設定は要らなかったのでは?
神経質な人でなければそんなに気にならない要素ばかりだと思いますが、
嫌悪感がある人は買わないほうがいいでしょう。自分は導かれし者たちだと誇りに思ってください。
またいつもの「Frill」の鬼畜ゲーを求めている人も買わないほうがいいです。『神待ちサナちゃん』はとても明るい萌え萌えゲーですから。
■■主人公
まず誘拐は犯罪行為ですと断り書き。このゲームはフィクションです。
罪の意識がない自分勝手な悪党という印象を受けました。でも嫌いな主人公でもないですね。
世界に興味を持たない《景》は自分の快楽を目的に偽りの神様―「神待ち」を始めます。
最初の「神待ち」シーンでは《紗波》を陥れつつも相手に選択肢を与えています。これは自己擁護ではなく、強姦しないのは彼なりのルールですね。
ギブアンドテイクの精神は筋が通っています。彼の価値観は面白いです。
這い上がるために大手飲料メーカーに就職しています。あの適当すぎるプレゼンで企画通っている辺り、大人主人公の描写はいい加減です。
一方で《紗波》との同棲生活は通報されれば人生が終わるとわかっていても何も対策しません。ちゃんとバッドエンドで逮捕されたのは評価したい。
独特の価値観を持っている鬼畜ゲーの主人公。まあ《紗波》に逆攻略されて真人間になる話なんですけどね。
カップ麺10分ルールなどたまにお馬鹿キャラになったり、色々な属性が追加され《景》のキャラクター像は段々と崩れていきます。
最初は面白い主人公だと思ったんですがね。よくあるエロゲー主人公になっていきます。
■■《高尾紗波》
『神待ちサナちゃん』は現実感のある設定を元にしています。その暗い空気をぶち壊しにするのが《紗波》です。彼女は二次元らしい萌えキャラです。
彼女には友達がいない設定にして、リアル女子高生特有の生臭さを完全に消してます。エロゲーは都合のいいものです。
彼女にも独特の価値観がありますね。
基本は明るく何でも言いたいことを言う。主人公に踏みこんでくる。たまに鋭いところもあり馬鹿でもない。
処女喪失はあっさり受け入れる、でもビッチでもない。人生をどこか諦めているところがあります。
主人公には明るく接し、母親には怒りの感情をぶつけます。
喜怒哀楽が激しく「月野きいろ」さんもノリノリで演技しています。エロシーンを含め、私の中で「月野きいろ」さんの評価が大きく上がりました。
《景》と《紗波》は似ていると何回も書かれますが、決定的に違う部分は
主人公は大人であり自分の手で解決しようとします。《紗波》は子供であり他人に頼らないと生きていけません。
■■シナリオ
私は家族愛のシナリオは大嫌いなので。
評価するような内容ではなかったと思うんですが。これ抜きゲーですよね?
>紗波
>「ぬくぬく育っている子供がワガママいってるだけだもんね」
母親との関係を告白するシーンの1台詞から。
思春期独特の感情というか、まだ反抗期から抜け出せないのか。《紗波》は自分では何もしませんから。高校2年生が甘えたこと言っているなあという感想です。
家出シナリオは親との喧嘩がセットでついてくることが多いです。
このゲームでは《紗波の母》を物凄く頭の悪いキャラに描いているんですよね。
主人公サイドを正しいものにするためにわざと敵に間違ったことを言わせるのはエロゲーの悪い風習ですね。
頭のおかしい敵と戦うこと自体が間違いで、絶縁(3Pエンド)や逃避行(バッドエンド)のほうが自然に見えます。
悪党の理のある主人公と、善人の理がない母親の対比にもなっています。《景》が改心する描写は丁寧ですが《紗波の母》の改心は明らかに描写不足です。
それでも「実はお母さんが好きなの」としなきゃシナリオは成り立たないのが、私にはホント受け入れがたいんですよね。これの何が面白いんだろう?と。
話が全く通じない親が、芸術作品をちょっと見せるだけで改心する。そんなことがあるわけないでしょう!
あの場面なら、《紗波の母》は会議では《紗波》の絵を認めつつも、《紗波》と会った時は何だかんだ理由つけて自分が正しいと貫き通すほうが自然に見えます。
それでも評価するならお約束シナリオを通じて《紗波》の感情描写を楽しむ、ってくらいですかね。キャラクター点であってシナリオ点にはしたくありません。
総評は一言感想の通りです。
2500円とは思えないボリュームがあり、萌え抜きゲーを求めている人におススメです。