レイライン完結編。全体の完成度は今までで一番いいがトリックの衝撃度は一番少ない。終わった後にスッキリするスタッフの愛情を感じる3作でした。
インストール容量は3.67GB
本編 CG31枚
リト CG9枚(通常CG4枚、HCG5枚) 回想2枠
鹿ヶ谷憂緒 CG6枚(通常CG1枚、HCG5枚) 回想2枠
風呂屋町眠子 CG3枚(通常CG0枚、HCG3枚) 回想1枠
鍔姫&春霞 CG2枚(通常CG0枚、HCG2枚) 回想1枠(百合)
アーデルハイト CG3枚(通常CG0枚、HCG3枚) 回想1枠
九折坂二人 CG3枚(通常CG0枚、HCG3枚) 回想1枠
憂緒&睦月 CG3枚(通常CG1枚、HCG2枚) 回想1枠(3P)
SD 10枚
合計 CG60枚 回想9枠
BGM36曲 ボーカル曲は2曲
本編はエロ無し。クリア後にオマケシナリオ×9の構成になっています。
完結編だけあって日常系女子生徒の事件解決の話は少なめになっています(2話まではある)。
そして『レイライン2』から2年間も空いた分、内容を今まで以上によく練っていますね。
『レイライン1』『レイライン2』で猛威を振るった女性スタッフによる「女性向け」要素は大幅に減っています。
・《三厳》の性格も改善されている
・《憂緒》の恋愛描写が大幅に増えている
・今まで不遇すぎた《静春》や《アーデルハイト》の活躍が大幅に増えている
・《ルイ》の毒舌の減少。中盤以降はいなかったことにされ、代わりに《アーデルハイト》の出番が増えている
・新キャラの《満琉》と《睦月》も、兄妹の関係と友情関係を補強する良キャラになっている
など今まで薄かったキャラクターがかなり改善され、よりエロゲーマー向けの内容へとシフトしていますね。
ストーリーは野望を阻止するものですが、少しグダグダでしたね。
・暗示→暗示キャンセル→暗示キャンセルが効かない暗示でないもの
・敵側の弱さ。何度も逃がしたりしている。邪魔者を捕まえたら殺害しておこうよ
・ヤヌスの鍵の万能さ。鍵キャンセルの香水もある
・この事件は「災厄の魔女」がいれば全て解決する(《満琉》か誰か魔女が最後に全て解決するオチは読めている)
相変わらず伏線回収は見事ですが、大体の謎は2作目で解いたので今回は小粒ネタが多いです。
こう伏線ばかりのゲームだと警戒してプレイでき、《モー子》の正体は結構早くから気づけました。
でも物語が「完結」した達成感は大きく、キャラの良さもあり3作では一番高評価です。
●シリーズ3作通して
女性スタッフによる「女性向き」の要素がとても多いシナリオ。さらに本編エロなしの構成で深夜アニメやライトノベルに近い性質のゲームです。
つまりエロ無しでもいい、個別ルート不要・恋愛不要ゲームなんですよね。
エロゲーとして見ると違和感大きいですが、最初からそういうゲームだと理解していれば問題はないです。面白ければいいんですよ面白ければ。
学園で起こる怪奇現象を解決していくオカルトミステリー。
シナリオは最悪ではないものの地味です。2作目まではキャラが「女性向き」なので、キャラが弱いのもシナリオへの没頭を妨げています。
長所は何といっても伏線回収です。細かい設定までしっかりと練られていて、何気ないシーンも全部伏線で後で回収するスタイル。
またミスリードも多くプレイヤーの思考をうまく誘導できているのもポイント高め。
『レイライン』は説明が丁寧な点も挙げます。《モー子》が情報を整理するためにおさらい解説を何度もしてくれるのでプレイヤーに優しいです。
シナリオ自体がすごくいいかは置いておいても、丁寧に作っていると強く感じるストーリーになっています。
《三厳》の本名バレ、夜の世界の秘密バレなど終盤に衝撃的なシーンが多い『レイライン』。
特に素晴らしいのはやはり2部のラストの《小太郎》の正体明かしシーン。あそこは数年に一度級の素晴らしいトリックでしたね。
私が好きな単語「伏線回収」に釣られてセット版を買ってみました。
地味だけど丁寧なゲーム、隠れた良作ポジションであり、2部ラストが素晴らしいものの全体としてはいいゲームだけどあと一歩が足りない内容になっています。
シナリオゲーが好きなら(セット版を)買って損はないと思いますが、あくまで地味ゲーなので過度な期待は禁物です。