設定が斬新なだけでなくキャラクターの葛藤と世界観が見事に融合している名作。
「恋愛できない義務」「1日が12時間しかない義務」「大人になれない義務」
過去に犯した罪から特別な枷を背負った少女たちを監督する特別高等人見習いの主人公。
短編小説のような物語を重ねていくことでちっぽけで壮大な物語に到達する傑作。
キャラクターの魅力で物語を牽引していく作品が多い中で
キャラクターが紡ぎ出す物語が引力となり、作品を支えている希有な一例。
私にとって月姫が「エロゲーに対する偏見を打ち破った作品」なら
車輪の国は「ジャンルに対する敷居を打ち破った作品」。
バトル要素かゲーム要素がなければ手を出さないという枠を壊し
色んな作品と出会える機会を与えてくれた思い出深い一品。