シナリオは過去最悪の出来。ゲーム部分は能動的にやりこむ気があればそれなりに遊べる。
シナリオ C+
「怪盗に財宝を盗まれたい変態たちが開催する泥棒スポーツ」という設定自体は悪くない。
問題はその設定がキャラの生命線である「モブキャラ達の愉快な会話」に全く反映されていない点。
名作「巣作りドラゴン」はゲーム性もさることながら
ダンジョンに挑む冒険者とそれを撃退するメイド達の軽妙な掛け合いが独特の魅力的な世界観を作っていた。
一方「アウトベシタブルズ」は怪盗関連のイベントもそれなりにあるとはいえ挿入されるモブ会話の多くが
主人公とヒロイン達が生活する「普通の学園」の「普通の会話」になっている。
それで「普通に面白い掛け合い」をしてくれるなら文句はないのだが残念ながら大変つまらない。
ヒロイン関連のイベントも瑠流が可愛かった以外は全体的に微妙。
これまでキャラにはゲーム性の部分でがっかりさせられた事はあっても
シナリオで裏切られたことはなかったのでとても残念。
システム B-
体験版での評価がかつてなく悪い作品でしたが自分で遊んでみるとなかなかどうして悪くない。
ゲームシステムを理解した上で有利なカードを集めていくデッキ構築の要素と
実際に侵入パートでそのカードを上手に活用してスコアを稼ぐプレイング要素。
二つの柱がかっちり噛み合った「ちゃんとしたゲーム」に仕上がっています。
ただしゲームを楽しませるためにの導線、配置に関しては落第点。
「1周目は全然面白くなかったけどランキング1位になってないしもう少し頑張るか」と
クソゲーをクソゲーと投げずにスコアアタックに挑戦しはじめると
徐々に面白くなっていく感じなのでお世辞にもライトゲーマー向けとはいえない内容です。
総評
βテスト版をブラッシュアップしないまま出したような作品。キャラのファン以外は手を出さない方が無難です。
カードの種類を増やす、機械的なレベルアップ入手だけではなくカードの売買、育成、合成の要素を追加するなど
手を入れたらかなり面白くなりそうな雰囲気があるけど完成度が低さが評価の低さに直結してこれでお蔵入りだろうなぁ。