少なくとも心動かされたことだけは間違いない。
■最初に書いた感想
酷い友人キャラがいるという噂を目にして、何かアンテナにひっかかる物があり
プレイしたクチだが、とりあえずかなり面白かった。
プレイ順は水季→琴音→双葉→流史→瑠歌
一番心に残ったのはやはり水季シナリオ。惑が大活躍するやつ。
双葉(と惑)と仲直りしようとする能天気な水季に、「何自分勝手なことばかり
ぬかしとるんだ」と心の中で激しく突っ込みを入れながら俺はプレイしていた。
つっこまずにいられなかったのは、「AIR」のラストの晴子以来かも知れん。
だが、陽から惑への手紙を読んだ時、頭の中が真っ白になって泣けてきた。
それまで感じて行き場のない気持ちがどうでもよくなった。
うまく説明できないが、このシナリオが自殺行為だというのは感覚的にわかった。
エロゲ歴7年だが、はじめてライターに自分は負けたと思った(主としてその空気の読めなさにだが)。
だからこそ思わず言いたくなった、F&Cよ、ムチャシヤガッテ…(AA略 と。
惑は身勝手なお調子者でネジくれると本当にいやな奴。
親しい友人たちがこんな奴のどこがいいか他人に説明しようとしても言葉が出て来ない、
でも、いざ見捨ようとするとなぜか見捨てられないようなキャラ。
シナリオの要請にしたがって惑は主人公たちの障害物として大活躍した。
そして、まさしく設定通り他人である大多数のプレイヤーから激しく見捨てられてしまったように思う。
最後に。
自分にとってF&Cは終わった老舗ブランドでしかなかったが、今回で見直しました。
小さい声で「ありがとう」と言っておく。
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■感想の追記
このゲームの一般的な評価が地に墜ちてるのは間違いなく水季シナリオの所為だと思うが、
私が自分の頭を殴られたようなショックを受けたのもまた水季シナリオで、
このシナリオがこのゲームの肝でしょう。
ほしフルをプレイしたのが2007年末のことで、そろそろ6年が経とうとしています。
最後にプレイした水季シナリオ二度目のプレイから5年の空白があります。
ほしフルのテーマは片思いで、他のシナリオでも多少の差はあれ片思いに伴う苦痛が描かれますが、
水季シナリオは苦痛を描くことがメインに据えられてます。水季シナリオではラストはハッピーエンドであるながら、
勧善懲悪物語のようにプレイヤーが苦痛から解放されてカタルシスを感じることはなく、
むしろカタルシスといった精神的な報酬をプレイヤーが受け取れないようにという製作者の意思を強く感じます。
私がこの物語から受け取ったメッセージは「もっと頑張れ」というものでした。
(続く)