シナリオとエロのバランスの良さではやはり和泉万夜は群を抜いている。詳しくはネタバレになってしまうがエロゲ、美少女ゲーの構造をうまく利用した良作。ハードなプレイが苦手な人にもHシーンはスキップしてプレイしてもらいたい作品。ある意味純愛。
最近はループする設定を活かして各ルートの整合性を持たせようとする作品が多くあるが、今作は特に設定が秀逸。舞美＝主人公，ゾワボ＝プレーヤーと考えると、舞美を強い人間に育てるため、どういった選択肢を取ればいいのか失敗とループの中でゾワボ（プレーヤー）は考え、試行錯誤するが、結局は舞美を見守っていることしかできない、プレイヤーは結局のところ主人公にはなれず傍観者でしかないというエロゲの構造をうまく利用した良作だと思う。だからゾワボとのHシーンもないのかなとか考えたり、蟲姫のチベットもこんな感じの立ち位置だったから、狙った演出というより和泉万夜色程度に捉えておいたほうが無難な気もする。
こういった深読み、構造云々を抜きにしても、良キャラ、良シナリオのグッとな主人公成長物語だった。よくあの奴隷がここまでと、ゾワボ視点のおまけがクリア後に出現したのもポイントが高いです。
個人的マイナス点
ゾワボおよび男性キャラに声がない、せめてゾワボくらいはあってくれたら終盤涙腺崩壊間違いなかった。エロゲに男の声とかいらんて人もいるだろうからONOFF機能つけて収録しておいて欲しかった。
ゾワボの設定をもう少し作りこんでくれても良かったかな、てっきり雪斗君だかがゾワボなんだとばかり思ってたわ。そうじゃないとゾワボが舞美にあそこまで感受移入する理由が不明かなと。
陵辱モノなのにHシーンがまったくエロくない。画自体は綺麗でこそあるもののとにかく構図がよくない、その上特に動くワケでもないので、せっかく輪姦や異種姦を行っても画からは何が行われているのかよくわからない。
もう少しゾワボ、マリー以外の人と各時代で関係を築いている場面を入れても良かったように思う。終盤終始舞美がたくさんの人のおかげでみたいなことをいうが、３章以降言うほど他人からの影響を受けていなかったように思う。もっと関わっていてラストバトル以降に、ベタな彼らとの思い出みたいなものが走馬灯のように流れたら涙腺崩壊してたかも。