学園バトルものでは久々のヒット
地雷の多い学園バトルものだが今作はボリュームが少ないものの良い作品に仕上がっていた。
ルートに入ったら主人公とヒロインが愛の力で大会優勝して終わり・・・なんてワンパターンなものでは無く
各ヒロインの持つ課題をバトルを通じて解決していくことが主目的になっている。
なので準決勝で勝利して課題が解決して物語が終わるヒロインもいたりする。
まともに決勝戦を描写しているルートがひとつだけなのが良い例。
大会の他にも化妖や神などのファンタジー的な要素が入ってくるので大会以外の戦闘シーンもあるので飽きずに楽しめた。
各ルートでの戦闘数は少なめだがひとつひとつの戦闘を大事にしているため内容は濃い。
ヒロインもおっかない目で相手に斬りかかったり、笑いながら切り合いをする子が多いので迫真のバトルを楽しめる。
OP、挿入歌、BGMが熱いのも非常にポイント高い。燃えゲーはBGMも重要なのである。
しかし戦闘描写に使用するCGが少なかったのでもう少し増やしてほしかった。忠臣蔵とまでは言わないが・・・。
ルート評価は椿√>しおん√=桜夜√>シア√
椿√では学園最強のお姉ちゃんの弱さをフォーカスしていくが、刃道関連になると普段の優しいお姉ちゃん姿からは想像できないような豹変ぶりを見せるのがこの√の最大の魅力ではないだろうか。
多くのユーザーに卯衣ボイスで癒され、戦闘時の迫真ボイスに震えて欲しい。このギャップが癖になる。
学園最強の挫折と復活という王道パターンだが、描写はルートの中で一番上手かった。
しおん√と桜夜√は化妖関連の伏線が回収され、バトルもそちらがメインになっている。
特に桜夜√は唯一主人公が隠された戦闘能力を発揮してくれる√なので、ルートロックは解除せずに楽しんでほしい。
特定の挿入歌もここでしか流れない。
シア√は選手ではなくサポートする側の物語なので試合数はとても少なく、メインはイチャラブになっている。
共通ルートだけでは魅力が伝わりづらいので、しおん√の神速を見てからプレイすると良いかもしれない。
燃えゲーとしての要素はしっかりと揃っており、物語の整合性も特に問題はなかった。
問題はやはり戦闘シーンの描写がCG枚数の少なさと合わせてイマイチだったこと、そして選手の少なさ。
戦闘で手に汗握るというよりは選手同士の意志とのぶつかり合いが熱いという感じ。
無駄を省いて、今ある材料を上手く調理して良い作品に仕上げてはいるが、ボリューム不足感は否めない。
今後に期待。