雰囲気づくりに強みを感じる一作だった。
総じて、プレイ時間1時間~2時間という短時間で本作固有の雰囲気に浸ることのできる、いわば「つかの間の休息」に相応しい良作である。というのが私の評価だ。
この作品の好きな点が2つある。
■ 雰囲気
私が感じた本作の雰囲気をざっくばらんに列挙すると、優しい、温かい、フィルム映画、儚さ、童話、メルヘン、少女漫画。
これらのインスピレーションは、作者が意図的に醸成した印象であろう。
以下のような要素から、それらの雰囲気が生まれていると思料する。
・鉛筆で書いたラフ絵調のイラスト
・白黒背景
・外枠のフォルム映画のような演出
・意図的に多用された平仮名
・簡単な言葉選び
・登場人物の人間性
・世界観設定
■ カモミールたそ
可愛すぎる。「カモミール、たべる」のように接続詞と助詞を使わず、主語+述語だけ話す話し方が好きだ。
なぜこんなにも可愛く感じたのかと言えば、私が齢を重ねたことで、少女に対する向き合い方が「性の対象」から「可愛い(守護りたい)女の子」になったからである。少女に対する萌えの感じ方が変わったのだなと改めて実感した。