優しさと幸福に包まれた美しいシナリオ
このゲームには奇人変人キャラは出てきませんし、作中で世界観を揺るがすような大きな事件が起きたりもしません。
不快感を与えてくるような敵役もいなければ、過剰なギャグや鬱になるようなシリアスさもありません。
安易な登場人物の死亡などでお涙頂戴な展開や、テンションが上がっていく胸熱展開なんかもありません。
壮大なテーマがあるわけでもなく、主人公とヒロイン達が綺麗に結ばれてイチャラブするだけといえばそれだけのゲームです。
それが「退屈なゲーム」だと感じる人も多い事でしょうし、途中で投げたり積んだりする人もいるでしょう。
それでも自分はこの作品を近年プレイした数々のゲームの中にあっても、かなりの高評価をつけたいと思います。
レビューを書くうえで色々語りたいことがあった筈なのに、胸が詰まって言葉が上手くみつかりません。
ただ一つ思ったことは 「恋愛ゲー」 とはかくあるべし、と思わせてくれる作品だったという印象です。
優しさに包まれながら幸福を確かなものにしていくしっかり者の主人公とヒロイン達の姿が只々美しく、自然と涙が溢れました。