ErogameScape -エロゲー批評空間-

shiratoriさんの触災の島 -Island of the Dead-の長文感想

ユーザー
shiratori
ゲーム
触災の島 -Island of the Dead-
ブランド
SYOKU
得点
77
参照数
3082

一言コメント

触手モノは好きではないのだけれど、大冒険してみました。結果は……(追記:7/31、8/3,6,10、24/11/29、25/1/31,2/21,3/21,3/31,4/2)

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

履歴
(2022年)
 7/29:初稿(はじめに、本感想の記述方針、発売前の感想、発売後の感想)
 7/31:追記(発売後の感想、おわりに)
 8/03:追記(発売後の感想、おわりに)
 8/06:追記(発売後の感想、おわりに)
 8/10:追記(備忘録)
(2024年)
11/29:追記(発売前の感想)
(2025年)
 1/31:追記(備忘録)
 2/21:追記(備忘録)
 3/21:修正(備忘録)
 3/31:追記(発売前の感想)
 4/02:追記(備忘録)


〇はじめに
 今月(2022/7/29発売エロゲー)は、『ジュエリー・ハーツ・アカデミア』一強一択で沢山感想がつくんだろうなって想像できるのですが、大人な作品を渇望している私の注目作品は『濡れる孤島』、『深淵のラビリントス』、『触災の島 -Island of the Dead-』です。この中で私が選択したのは『触災の島』です。理由は、当サイトでの購入予定者数が0件だったから(笑)。つまり、当サイトでは誰一人注目していない悲しい作品なのです。

 Amazonでの販促説明文には、次のように記述されていました。

  ・触手作品に定評のあるブランド:SYOKUから最新作が登場!

 まぁ、ブランド名からして“SYOKU”ですから、誰も作品のジャンルを間違えたりはしないでしょうが、実際問題、私は本作のような“蟲”や“触手”の系統は好みではありません。“蟲”や“触手”で犯されているシーンの絵なんか見たら、勃つどころか、逆に萎えてしまいます。つまり、まったくエロさを感じない。そもそも、私には触手シーンの楽しみ方が根本的に分かりません。そのため、私がこの系統でこれまでプレイした作品は、『Fate/stay night』と『EXTRAVAGANZA ~蟲愛でる少女~』くらいです。従って、この手のジャンルに私が求めるのは、エロではなくストーリーということになります。

 さて、そんな私が、なぜ本作を購入してまでプレイする気になったのかというと、偏(ひとえ)にシナリオライター二人のうちの一人が“平眼カレイ”さんだったからなのです。私は『赤ちゃんほしいな ~今日からはじまる妊活えっち~』をプレイして以来、一ユーザーとして、密かに“平眼カレイ”さんを応援しているのです。できれば、普通のエロゲーブランド(普通ってなんだよ?って話もありますが……)のフルプライス作品を一人で担当して欲しいなと思ってはいるものの、これまでの柵(しがらみ)なのかそれも叶わずって感じで、抱え込んでるメーカーの力量では宝の持ち腐れだろって、常々思ってはいるのですが……。

 まぁ、“平眼カレイ”さんだからってのは本作購入動機の一つではあるのですが、勿論、それ以前に“蟲”や“触手”はちょっとイヤ派ですから、可否判断にはモノの確認は必要不可欠ってことで、体験版をプレイしてみて、購入するに至ったのでした。


〇本感想の記述方針
 最初に、当サイトでの「発売前ゲーム新着コメント」と「新着体験版をやってコメント」に類する事柄を書き、それを2022年7月29日の午前0時直後に投稿します。だったら、事前に最初からそこに書いとけよって話になるのですが、私は沢山記述しまくるタイプなのに、事前コメント欄はべた書仕様なので、読むのも表示するのも「大・迷・惑」でしかなく、こうすることに決めました。

 次に、発売当日の午前0時以降にダウンロードしてゲームを開始、切りのいいところで何度か途中経過報告、最後にプレイ完了報告としての纏(まと)めといった順番と構成で記述していきたいと思います(恐らくプレイ完了までに1週間以上はかかる予定)。そのため、評価点数はプレイ完了報告時に決定します。

 ただ、こうするとジュエリーなんちゃら作品への大量感想圧力で、あっという間に新着コメント一覧から押し流され、本作に対する投稿自体が忘却の彼方へという悲しい現実が、鮮やかに目に浮かびます。そもそも、発売前の購入予定者数が0件な上にフルプライス作品という金額的な制約もあるので、私以外に本作への書き込みがあるのかすらも怪しいです。

 はてさて、本作はこのように忘れ去られていく運命にあるのでしょうか? 恐らくFANZA GAMESのこれまでの方針から考えると、1年後には半額以下の廉価版が出ていてもおかしくありません。そうしたら手に取る方々が出てくる可能性はあるかもしれません。“平眼カレイ”さ~ん、めげずに頑張ってください。私はいつでも、応援だけは心の中で祈っております(笑)。アーメン。


〇発売前の感想
・第一印象
 体験版をプレイした限りでは、ホラー系のモンスター・パニック・アクションのノリですよね。エロゲーのシナリオとしては珍しい部類の内容です(映画やコンシューマーゲームのシナリオとしては普通のストーリー展開ではあるのですけどネ!)。体験版の範囲内での感じでは、期待が持てそうな内容です。私は、本作の絵(キャラも含めて)は好きではないのですが、基本はストーリー重視なので、もし体験版がストーリーの全てで、それ以降は触手での陵辱連チャンオンリー構成だったなら、私は本作を60点未満と評価せざるをえないでしょう。そうならなければ良いなって思っているのですが、はてさて現実は……。

 因みに、本作の公式Webページでは、体験版プレイが面倒な方々向けに、25分前後のプレイムービーを第5弾まで公開、また発売1週間後に『エイラと共に…』という18分のボイスドラマも公開して販促しております。本作はDMM関連なので、販促にはそれなりに力を注いでおります。つまり、金はあるんだ、金は――当サイトでの購入予定者数は0件だったけれど(笑)。


・周りの評価
 私は、「SHOKU」なんてブランドをそもそも知らなかったので、購入前にいろいろと事前学習しました。

 現在のSHOKU製品の事業者は合同会社EXNOA(エクスノア)ですが、Wikiによれば、DMM.comのゲーム事業部が2018年3月1日に合同会社DMM GAMESとして独立・分社化後の2020年4月に社名変更してEXNOAとなったとのことです。そして、EXNOAのゲームプラットフォームのブランドが「DMM GAMES」(一般)と「FANZA GAMES」(成人向け)に区分されているとのことでした。

 「SHOKU」製品は、元々HOBIBOXが事業者として販売していたのですが、2020年1月にHOBIBOXは株式会社ティーアイエス(DMMグループ)に吸収合併、その後ティーアイエスの二次元コンテンツ事業を2021年3月にEXNOAへ継承という流れで、現在SHOKU製品はEXNOAが事業者として取り扱っているというわけですね。

 つまり、このエロゲー大不況時代に、SHOKUが7年ぶりに新作を出せたのも、バックがDMMだからってことが大きいのではないでしょうか。DMMも短期的に儲けることよりも、色々なジャンルに投資して、作品の層を厚くする(バラエティ豊かにする)ことで、このエロゲー不況を乗り切ろうっていう腹積もりなのでしょうか? ただし購入予定者数0件の作品では、層は厚くならんだろって気もするのですが……。まぁ、DMMはお金があるのだから、ニッチ作品に投資するのも社会貢献の一つと割り切っているのなら、何も問題はありません。

 ところで、なんで本作の事業者について書いたのかというと、“PINKちゃんねる”の「倒産 解散 休止 活動不明ブランド&メーカー25」スレで本作について、

 521名無したちの午後2022/04/26(火) 14:10:22.02ID:qoA98p5N0
 「ここDMM系列なんだね。EXNOAでWiki見ても載ってなかった。
  2015年以来だから約7年ぶりか」

と書いた方がいたからなのです。良く内容を見たら、なんと本作のJANコードから事業者を割り出してDMM系列であることに辿り着いたことが分かったのでした(GEPIR等のGS1登録事業者情報検索WEBサービスを利用して検索可能)。JANコードってこんな活用ができるんだって初めて知って、いきなり目が覚めましたよ。

 これ書いた方、久しぶりにSHOKUの新作が出ることがよっぽど嬉しかったのでしょうね。それなのに、その直後の水を差す次のレスに、私は戦慄を覚えました。

 522名無したちの午後2022/04/26(火) 14:23:44.30ID:SV0vi1vJ0
 「スタッフ全員粗製濫造アパタイト関係者で
  DMMがアパタイトに委託して作らせるという地獄みたいなゲームだな」 

 一刀両断とは、正しくこのことですネ! 最近当サイトで目にする某氏の書き込みのような内容と文体ですが、皆が皆このように思っているからこそ、当サイトでの購入予定者数が0件に至ってしまうのです。確かに、アパタイト系の作品が粗製濫造だとの指摘に反論するのは難しいとは、私も思います。これが、世間一般のアパタイト系作品に対する認識なのだろうけれど、アパタイトがエロゲー業界から撤退した時が、真の意味でのエロゲー業界の終焉を意味するのだろうなと、私は思っています(アパタイト系にはゴキブリ並の生命力をイメージしているので)。

 ところで、DMM(正確にはEXNOA)がアパタイトに委託して作らせた(?)らしい本作が、粗製濫造作品かどうかは、発売前の時点では分からないですよね。ましてや、プレイもしていない段階で「地獄みたいなゲーム」と断定する根拠は具体的に何なのだと。ここでの「地獄」とは「酷くて最悪」という貶す意味合いで使われていると思うのですが、ストーリー自体は文字どおりの意味で「地獄」な内容(モンスターに襲われ触手で陵辱)なので、表面的には主張が全て正しいように見えてしまうのが、何とも紛らわしくて妬ましい。

 しかし、DMMは他のエロゲーメーカーと違って、作品制作に必要なお金を潤沢に用意できるのですから、仮に本作の制作に関わったスタッフさん達が普段は粗製濫造せざるを得ない状況下にあったとしても、本作を粗製濫造で制作する必然性や必要性など皆無なわけですから、実体がアパタイトだからというだけで十把一絡げ(じっぱひとからげ)に地獄作品と断定するのは如何(いかが)なものかと、私は思うわけです(スタッフには私が応援している“平眼カレイ”さんも含まれているわけですしね)。

 また、次のようなレスもあり、この方は本作に興味を持ったことを示しているわけですよね。

 527名無したちの午後2022/05/16(月) 17:51:54.11ID:r5xUuRk80
 >>521
 PV見たけど特徴的なBGMのシンセ音とギターだがこれ担当してるのantistarか?

 少なくとも体験版の範囲内では、内容は悪くないのです。PVもそれなりに力が入っていて、メインの触手の動きだけはアニメーションで、BGMも作品の雰囲気に合っていると思います(このBGMを聴いていると、何故か『無限煉姦 ~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~』を思い浮かべてしまいましたよ)。そのため、体験版の範囲外での出来具合がどうなのかが本作の真価を問われる部分だと、私は考えています。

 なお、体験版の最後は次のように締め括られておりました。

 >いかがでしたでしょうか。
 >今ご覧いただいたのはほんの一部。ゲーム本編では、多種多様のイベ
 >ントシーンをお楽しみいただける内容となっております。
 >果たして、彼、彼女らがどうなっていくのか。
 >様々な驚異を乗り越えて、生き残ることができるのか。
 >それは是非、製品版にてお楽しみください。

 ここまで書いて煽っているのです。というか販促する気があるのなら、これを本作の公式Webページに書いとけよって思ってしまいました。きっと作品全体を通しても、面白いに違いありません。「多種多様のイベントシーンをお楽しみ」に、触手での陵辱連チャンオンリー構成を脳裏に彷彿とさせてしまうのが一抹の不安材料と感じる部分ではあるのですが、後半の二行はストーリーがあるってことを示していますよね。本当に頼むよ、DMM。金だけでなく、正しい方向性での口もだしてることを祈るばかりです。

 私的には、DMMには“平眼カレイ”さんを引き抜いてもらって、普通のエロゲー(当サイトでの購入予定者数が0件にならない作品)のシナリオを担当させてよって、心底から思っているのですが……。

 ところで話は変わりますが、DMMの最近の大きな話題といえば、MasterCard での決済終了です(多分に同人作品のロリペド関係とかが引っかかったんじゃないですかね。商業エロ関係はAmazonだって取り扱っているのだから、Amazon MasterCard どうなるんだよって話になってしまうので、やっぱり同人エロ関係だよね。そりゃDMMも、エロ関係扱ってるグループ会社の社名やブランド名からDMMを外していくよね)。私も直撃されて、カードの登録変更をしましたけどね。29日14時での決済終了に、DMMとしても29日発売分のエロゲー販売への影響を少しでも下げたかったという交渉での必死さが滲み出ている気がしました。

(2024/11/29追記)
 DMMポイント消化でFANZAの同人ゲームを漁っていたら、なんと VIZA が弾かれてしまいました。えっ、先日商業エロゲー購入で使えたのに何故って調べたら、同人と電子書籍のみがアウトらしい。同人エロ関係など殆ど買わないから、全く知らなかったです。取り扱いジャンルで選別しているだけ、MasterCard より心が広いと思うべきなのでしょうか。
 FANZAがこの状態ならDLsiteもと思って確認したら、クレカはJCBオンリーに……。さすが日本唯一の国際カードブランドJCB、世間(世界?)の風潮などなんのその、日本ローカルの“ガラパゴスえろ審査基準”で邁進です。どこが国際やねん(笑)。

(2025/03/31追記)
 今月末で有効期限切れ 1,800pt の利用方法を模索して同人ゲームを漁っていたのですが、数百ポイント足りず思案していたところ、ポイントチャージで解決できるのではと、今更ながら思いつきました。これなら、VIZA でも対応可能なのです。なんだ、このパチンコでの特殊景品による出玉換金みたいな裏口ルート(抜け道)は!? VIZA もこれで良いのかって感じですけど、DMM自体を切った MasterCard の初志貫徹ぶりを思い知った事例なのでした。


〇発売後の感想
<7/29 05:22 追記>
・途中感想1
 最初の選択肢まで辿り着いたので、一旦休憩。選択肢があるということは、本作はどうやら一本道ではなくマルチエンディングなのかもしれません。ストーリーもここまでは期待できそうな感じで進んできましたが、評価については、取り敢えずどれかのルートを一つ完了してみないことには、まだ何とも言えません。


<7/31 14:33 追記>
・現時点で判明済みのストーリー分岐構成
 共通
  ↓
 選1(項目数3)
  項1-1⇒選2⇒選3⇒選4⇒選5⇒選6⇒選7⇒選8⇒?(未確認)
  項1-2⇒?(未確認)
  項1-3⇒?(未確認)
 ※選:「選択肢」の略
 ※項:各選択肢で選択可能な「項目」の略
 ※選2以降の選択肢は2で、片方はバッドエンド(選6を除く)
  (注:選8の項目数は2だが、それぞれの項目を選択後は未確認)
 ※バッドエンドは全て触手陵辱イベント
 ※選6の分岐詳細
  項6-1⇒選6-1(項目数2で両方ともバッドエンド)
  項6-2⇒選6-2(項目数2で片方だけバッドエンド)
   選6-2のバッドエンドは選6-1の片方と同内容
 ※現時点でのCG鑑賞達成率:27%

・途中感想2
 現在までのところ、ストーリー自体は体験版の品質を維持していて、面白いです。ただし、上記のとおり、私はストーリー構成を明確化するために、バッドエンド内容を都度確認しながら進行している関係で、触手での陵辱連チャンオンリーになりつつあるのが、問題点ですかね。純粋にストレスなくストーリー進行を楽しみたい場合は、バッドエンドを避けながら進行することをお勧めします(バッドエンド項目は意外と分かりやすい)。

 バッドエンドの触手陵辱イベントは、15分程度の長さです。私は長いエッチシーンは嫌いなので、けっこうサクサク進められて良かったです。何気にドラマ性もあったりなんかして、シナリオ上、飽きさせない努力をしているのは好感触です(今のところはライト感覚の触手陵辱っぽい感じ)。

 マルチエンディングかもと予想したのですが、どうも一本道の可能性もありそうです(選択肢1の項1-2と項1-3は選3に繋がる構成も考えられますし、ストーリーの最後の方で新たな分岐発生ってことも考えられますけどね)。現時点のCG鑑賞達成率が27%なのも、微妙な数値すぎて、ストーリー構成を確定できない要因の一つですかね。なんか、久しぶにADVでの選択肢にゲーム性を感じられて、胸がわくわくしております。

 また、シナリオ上で視点変更を多用し始めたのですが、画面の真ん中にでっかく「Viewpoint Change」と表示させた上で対象者が誰かを絵で別に表示させる仕様は、誰もが分かりやすくて、とても良いと思いました。私は、そもそも視点変更するシナリオって好きではないのですが、これまでプレイした他社のゲームの場合、視点変更したことを理解させる画面表示仕様が、画面サイズが大きなモニターであればあるほど、分かりづらくなるのが殆どでした(画面の上下に帯を表示させて、上側の帯の左隅に小さな文字で「Another View」や「VIEWPOINT CHANGE」とか表示されたって、画面をシネマスコープに見せるための演出なのかとか思ったりして、気がつかないのですよ)。それを改善する気配り仕様なのは、良いと思います。

 ただし映像演出面は、ジャンルがホラー系のモンスター・パニック・アクションだと考えると、紙芝居すぎて平坦な印象を持ってしまいます。これについては、本感想の「おわりに」に現時点での感想を追記しておきたいと思います。


<8/3 07:37 追記>
・現時点で判明済みのストーリー分岐構成
 共通
  ↓
 選1(項目数3)
  項1-1⇒選2⇒選3⇒選4⇒選5⇒選6⇒選7⇒選8⇒①(未確認)
  項1-2⇒②(未確認)
  項1-3⇒③(未確認)
 ※選:「選択肢」の略
 ※項:各選択肢で選択可能な「項目」の略
 ※選2以降の選択肢は項目数2で片方がバッドエンド(選6を除く)
 ※バッドエンドは主に触手陵辱イベント
 ※選6の分岐詳細
   項6-1⇒選6-1(項目数2で両方ともバッドエンド)
   項6-2⇒選6-2(項目数2で片方だけバッドエンド)
    選6-2のバッドエンドは選6-1の片方と同内容
 ※選8の分岐詳細
  項8-1⇒選8-1⇒?(未確認:恐らく選8-1以降の選択肢がある筈)
  項8-2⇒選8-2⇒選8-2-1⇒選8-2-2⇒選8-2-3⇒選8-2-4⇒選8-2-5⇒完了
 ※現時点でのCG鑑賞達成率:61%

・途中感想3
 CG鑑賞達成率61%になってだいたい構成が見えてきました。①は、恐らく選8が主ルートとしての最終分岐で、二つの項目のどちらを選択しても、何らかの完了ルートに辿り着くのではないかと思われます。②と③は選3に繋がるだけだと思われるのですが、もしかすると後半のストーリーに何らかの影響を及ぼす可能性もありますね。例えば良くある可能性としては、差分イベント発生とか追加選択肢の出現とかです。

 CG鑑賞達成率61%の段階で完了ルートが一つ確定したので、完了ルートは二つだけの可能性もありますね。久しぶりにエロゲーをプレイして、ちょっとわくわくしてきました。やはり2000年代(2000~2009)のエロゲーに見られる選択肢沢山仕様は、ADVとしてはゲーム性がアップして面白いです。最近のエロゲーは、一本道か個別ルートへの分岐選択肢が一つくらいあるかないかみたいなエロゲーばかりになりつつありますが……。もはやゲームじゃなくて「電子紙芝居(サウンドとボイス付き)」製品だろみたいな。

 さて、ルートの一つを完了した時点で思ったことは、ストーリー構成も基本に忠実できっちり練り込まれているため、今のところはとても面白いです。項8-2以降の怒涛の展開と追い上げシナリオ(逆転に次ぐ逆転、番狂わせに継ぐ番狂わせ、どんでん返しに次ぐどんでん返し)は見応え十分で、最後まで目が離せませんでした。さすがは私の敬愛する“平眼カレイ”さん、シナリオにハズレは無かった。“平眼カレイ”さんの良い所(エロ連チャンでも飽きさせない。心を揺さぶるドラマとストーリー。最初から最後までダレないシナリオ)がぎゅっと詰まっていて、ここまでの出来はベリーグッドです(私は“平眼カレイ”さん命。もう一方<ひとかた>のライターさんの存在など知りません<笑>)。

 私は、冒頭で今月のプレイ候補として本作を含めて三作品を挙げさせていただきましたが、他の方々の本作以外の二作品の一言感想と評価点数を見る限り、三作品の中ではエンターテインメントとしての出来が、一番なのではないのかと思うのです(他の二候補、買わなくてよかった、ホッ!)。私の選択眼に間違いはなかった(`・ω・´)キリッ。大正解です。大穴を引き当てました。現時点の印象では、80点以上はつけたい感じです。

 それにも拘らず、当サイトにおいては購入予定者数0件で未だに私以外の書き込みが一つもないのが現状ですから、世の理不尽さを呪わずにはいられません。早く“平眼カレイ”さんが報(むく)われる日がやって来ることを、切に願ってやみません。まぁ本作を含めて、今まで携わってきた作品の内容が内容だけに、もっと一般受けする内容の作品制作に携わらない限り、浮上するのが困難なことは認めざるを得ないのですが……アパタイト系作品じゃなぁ(>_<)ウー。

 ところで前回「おわりに」にて、ど素人ながら映像演出に関して大人気なく一席ぶってしまったのですが、冷静になって読み返してみると、過激なことを書き込み過ぎてしまっていました。大筋の意見は前言どおりではあるのだけれど、「ハリウッド映画並みのド派手な映像演出で制作する心意気がないのなら、金輪際、この手のド派手な映像演出が必要な作品を制作するべきではない」は言い過ぎました。

 まぁ、「心意気」ですから、実際にハリウッド映画レベルの映像にしろって主張しているわけではなかったのですが、ここまでプレイしてみて、多分に映像まわりが物足りなく感じたのは、事実です。ですが、今のままでもシナリオと音楽での演出が効果的に作品を引っ張っているため、それだけでも十分に面白い作品に仕上がっているのも、また事実なのです。

 これについては、前言訂正の意味も兼ねて、本感想の「おわりに」に現時点での私の心境を追記しておこうと思います。


<8/6 00:15 追記>
・最終的に判明したストーリー分岐構成
 共通
  ↓
 選1(項目数3)
  項1-1⇒選2-1⇒選3⇒選4⇒選5⇒選6⇒選7⇒選8⇒トゥルーエンド(2パターン)
  項1-2⇒選2-2⇒選3
  項1-3⇒選2-3⇒選3
 ※選:「選択肢」の略
 ※項:各選択肢で選択可能な「項目」の略
 ※選2以降の選択肢は項目数2で片方がバッドエンド(選6を除く)
 ※トゥルーエンド以外のエンドは全て陵辱イベント
 ※選6の分岐詳細
   項6-1⇒選6-1(項目数2で両方ともバッドエンド)
   項6-2⇒選6-2(項目数2で片方だけバッドエンド)
    選6-2のバッドエンドは選6-1の片方と同内容
 ※選8の分岐詳細
  項8-1⇒選8-1⇒選8-1-1⇒選8-1-2⇒選8-1-3⇒選8-1-4⇒トゥルーエンド1
  項8-2⇒選8-2⇒選8-2-1⇒選8-2-2⇒選8-2-3⇒選8-2-4⇒選8-2-5⇒トゥルーエンド2
 ※最終的なCG鑑賞達成率:100%

・最終感想
 いやはや、終わってみれば壮絶な物語でした。本作は陵辱が基本コンセプトですから、この物語にハッピーエンドなどありはしません。全てのエンドルートがバッドエンドなのです。その中でも、エンドクレジットに辿り着くルートの二つを、私はトゥルーエンドと判断しました。

 トゥルーエンド1:真のバッドエンド(そして誰もいなくなったエンド)
 トゥルーエンド2:偽のバッドエンド(たったひとつの冴えたやりかたにならなかったエンド)

となります。本作は、「色々と伏線を張りつつの謎解きミステリー要素を孕みながら進行」していくストーリー構成のため、ネタバレを防ぐために具体的な内容は控えますが、問題の本質は何一つとして解決しないで終わるのです(全部バッドエンドですから当たり前ですよね)。

 凄くむしゃくしゃして、この感情の高ぶり、どこで発散すりゃいいんじゃって感じですが、逆に徹頭徹尾、首尾一貫していて気持ち良(い)いくらいです。つまり、全ては制作者の手のひらの上って感じでしょうかね。完敗です(^^;)。『触災の島2』として後日談を制作して欲しいのですが、でも結局は、何も解決せずのバッドエンド無限ループに帰着ですよネ、分かります。

 因みに、“トゥルーエンド1”は“トゥルーエンド2”に比べて、面白さという点では、ちょっと落ちると思いました。私は“トゥルーエンド1”を攻略するに当たって、純粋にストーリーを楽しもうと思ってバッドエンド項目の選択を避けながら進めました。そのため、全てのバッドエンド内容を随時確認しながら進めた“トゥルーエンド2”攻略時に比べてストーリー没入への最適化はできた筈なのですが、なんかこのルート、変。

 ミヒャエルが最終的にどうなってしまったのかも正しく文字どおりの意味で“闇の中”(ダブル・ミーニングだよ。プレイすれば分かるけど)だし、いきなりのエロ六連チャンには、さすがの私も虫の息で青息吐息の状態になってしまいましたよ。プレイヤーまで殺そうとするだなんて、“トゥルーエンド1”は、まごうことなき「真のバッドエンド」でした(笑)。ライターさん二人の分担内容を本当に知りたいところです。


〇おわりに
 ※プレイ完了まで随時追記中

<7/31 14:33 追記>
(CG鑑賞達成率27%時点での評価)
 映像演出まわりでチープなきらいがあることを、多分に感じてしまいました。私は、NEXTON(スカイロケットブランド)の『琥珀色のハンター』の長文感想で、「作品の世界観を持て余してチープにまとまってしまったのが、最大の問題。全体に渡ってオープニングムービーくらいの映像演出レベルだったら良かったのに、ストーリー設定で大風呂敷を広げたのなら、大法螺ふいてド派手なドラマをぶちかませろよ」って書いたのだけれど、本作の映像演出も全く同じ(場面切り替えの味付け加減とストーリー進行の妙で、多少はダレずに済んでいるため、まだ救われてはいましたけれど)。

 多分にシステム回りが前時代的であるため、演出面がチープすぎるきらいがあることが、最大の問題なのです。本作のPVは、背景で揺らめいている触手の演出を3Dアニメーション化したりして頑張っていたのに、本丸のゲームが単なる静止画紙芝居(しかもシステム面が前時代的)なのでは、ぜんぜん話になりません。

 私だったら、もし本作の制作を外部に委託するのなら、アパタイトではなくシルキーズプラスにしたでしょうね。恐らく、私の期待する映像演出レベルで仕上げてくれたことでしょう(予算があればですけどネ!)。あっ、でも、ライターは“平眼カレイ”さんで(笑)。

 DMM(EXNOA)も、ホラー系のモンスター・パニック・アクションを手がけたいのなら、ハリウッド映画並みのド派手な映像演出で制作する心意気がないのなら、金輪際、この手のド派手な映像演出が必要な作品を制作するべきではないと思います(DMMに限らずどのメーカーに対してもですけど……)。なんていうか、もう笑っちゃうのよ、マジで。

 私としては、静止画紙芝居のADV作品での映像演出で耐えられるジャンルとストーリーなのかということを、制作する前に今一度よ~く考えてから企画するべきだと、素人ながら制作者の人達には提言させていただきたいと思います。あっ、もしかしてエロゲーユーザーごときにはこの程度の紙芝居レベルの映像演出作品を与えとけば十分だとか思ってますか? だとすると、その認識が今のエロゲー市場を形成する要因になったとしても、十分に納得できるというものです。

 さて、現時点での本作の効率的な楽しみ方をレクチャーするのならば、映像演出まわりの動的表現は脳内変換で最大限に補うこととして、バッドエンドは避けつつ(とは言っても多少のつまみ食いはOK<笑>)も後はひたすら音声、シナリオ、サウンドに注視し続けるプレイを心掛けるのならば、ストーリーは色々と伏線を張りつつの謎解きミステリー要素を孕みながら進行して結構面白いので、それなりに満足感を得られるのではないかと思いました。


<8/3 07:37 追記>
(CG鑑賞達成率61%時点での評価)
 私は本作をジャンル的にはホラー系のモンスター・パニック・アクションだと定義したのですが、1ルート完了まで進めた結果、バイオハザードと同類のサバイバルホラーだと考えるのが、一番無難だと考え直しました。

・サバイバルホラーの定義
 サバイバルホラー(survival horror)とは、プレイヤーが、アンデッドや超自然的な敵などから生き延びることを目的としたゲームのことを指し、閉所恐怖を感じさせる場所が舞台の作品。「サバイバルホラー」という語が初めて用いられたのは1996年に発売された『バイオハザード』である。

 そのため本作を評価する上では、バイオハザードを比較対象として考えると分かりやすいのですが、そもそも、コンシューマーゲームとADVエロゲーでは、ゲーム性や映像演出技術について、20年以上の開きはあるだろうと認識しています。今のADVエロゲーなど、レトロもレトロな産物なのだと思うのです。

 そう考えると、このレトロな産物たるADV仕様で、どこまで現在のお客様が我慢して納得できるレベルに仕上げられるのかが、一つの評価ポイントになるのかなと思うのです。本作の場合、その改善策として、ゾンビやモンスター襲来時の戦闘シーンや触手描写など、立ち絵や一枚絵での静止画表示でお仕舞いにするのではなくて、曲がりなりにも現時点でのコンピューター性能を享受できる環境にはあるのですから、もう少し動的な雰囲気を味わえるような演出上の工夫は必要ではないのかってことなのです。特に本作は、ジャンル的にはサバイバルホラーなのだから、尚更です。

 そのため本作でいうのなら、PVの出来は悪くないので、PVで制作したリソースや表現方法を活用すべきではなかったのかってことなのです。例えば、PV用に触手の3D映像を制作したのなら、触手描写時の背景映像として、PVと同様な手法で背景描写として表示させて欲しかったのです。アニメーションにできない部分は、PV同様にエフェクトを効果的に活用して表現して欲しかったのです。PVで実現できているのだから、それを本編であるゲームでも採用して実現して欲しかったのです。なまじ比較対象としてのPVが先に公開されていたものだから、本ゲームでの画像表現が余りにもチープで物足りなく感じてしまったとしても、むべなるかな。

 本作は、ADVとして映像表現自体は何の変哲もない普通の出来です。通常のADV作品は、プレイヤーにとっては能動的なコンシューマーゲームとは違って、受動的なゲームっぽく感じてしまうのが難点といえるでしょう。唯一の能動的なゲーム性が選択肢だけというのが残念な点ですが、エロゲーの場合はその代わりに、18禁としての女性達の悲鳴とセックスや各種陵辱シーン時の喘ぎ声で、緊迫感のある胸ドキ演出を補っているっていう感じでしょうか。

 それでも、本作の場合はサバイバルホラーですから、単なる一枚絵(差分はあるにせよ)を見せて終わりではなくて、躍動感のある動きのニュアンスをエフェクトで効果的に見せる映像演出を心掛けて欲しかったですし、その一環として触手描写などPVのアニメーションを活用しろよって思ってしまったのでした。それで、前回はぶつぶつと苦情を書いてしまったのですが、少し書き過ぎてしまったと反省しております。


<8/6 00:15 追記>
(CG鑑賞達成率100%時点での最終評価)
 本作は、ストーリー設定において、

  ・大風呂敷を広げ
  ・大法螺をふき
  ・ド派手なドラマをぶちかます

といった、ストーリーだけに限れば凄くスペクタクルな内容で良かったのですが、映像演出面にはもう少し拘(こだわ)り(スペクタクルな精神と成分)が欲しかったです。ストーリー上の各種イベント内容に、一枚絵を必ず用意して対応したのは賞賛に値する点ではあるのですが、もう一工夫の押し(推し?)が欲しかったです。

 因みに、本作には誤字脱字、声優さんの読み間違いの類(たぐい)の、品質上の問題がありません。見たか、これがアパタイト品質だ(笑)、知らんけど。もちろん、重箱の隅をつつけばいくつか見つかりますが(後で、備忘録にでも書いておきます)、基本的にはないと考えて良いです。フルプライス作品なのに素晴らしいです。近年稀に見る快挙だと言っても過言ではないでしょう。

 何気に、声優さんの陵辱シーンでの喘ぎ声で、一番情けない設定である“歩”の声優さんの演技が、一番自然で違和感がなく、上手に感じてしまいました。

 というわけで点数ですが、“平眼カレイ”さんのためにも本当は80点以上をつけたかったのですが、現在の私の点数評価基準では、

 80点台:優。殿堂入り。判断基準(面白い上に価格より上の価値を見いだせた場合)

というもので、さすがにフルプライスな上に映像面や“トゥルーエンド1”などに不満点もあったので、私には価格より上の価値を見いだすことができませんでした。とはいえ、先にプレイし終えた“トゥルーエンド2”だけ完了の段階では、80点以上をつけても良いかなと思った事実もあるため、“平眼カレイ”さんへの祝儀も兼ねて、77点としたいと思います。


<8/10 12:39 追記>
〇備忘録
★本作をプレイしながら思い出した洋画
 本作の基本はバッドエンドなわけですが、私はトゥルーエンド部分をプレイ中に、昔、TVの洋画劇場で何回か見たことがある作品を思い出してしまいました。その作品のラストは、次のとおり。

・復讐する側
 「復讐される側にカミソリで手首を切られ、十二時間以内に町での治療が必要。しかし、傷の痛みで歩行困難」という状況
・復讐される側
 「復讐する側から町へ行く方向の嘘情報を教えられ、その方向に向かって歩き始めた先は、どこまでも続く果てしない砂漠」という描写を、上空からズームアウトで俯瞰してFINという状況

 つまり、二人とも死の運命にあることを暗に提示されて終わるという、双方にとって絶望的な復讐劇なのです。因みに、この砂漠はシリア砂漠で町はダマスカスらしいのですが、全く救いようのない衝撃的なラストに、子供心にトラウマになってしまいましたよ。未だに脳裏に焼きつくくらいには……ネ!?

 本来は「おわりに」に記述しておくべき事柄だったと思うのですが、その時は洋画タイトルの調べがつかなくて断念(「洋画 砂漠 嘘 彷徨う」では検索できなくて……)。一念発起して再調査し、やっと判明しました。その作品名は、1958年公開の『眼には眼を』。本作の二つのトゥルーエンドのラストも、これくらいの衝撃的なシナリオと映像表現にしてくれないと、プレイヤーにとってはバッドエンドとしての絶望感が全く喚起されません。ストーリーを追求したバッドエンドとしてのトゥルーエンドって、こういうものなのではないのかなって、私は本作をプレイしていて思ったのでした。


★ストーリー上でのセックス連チャンの必然性を検証
 巨大モンスターに対する討伐組(戦う)と逃亡組(逃げる)の選択後におけるセックス四連チャンをどう評価するべきかで悩みました。やっぱり昨今のエロゲー仕様では、こうなるのでしょうか。

 翌日の対応で、気持ちの昂ぶりを鎮めるための方法としてセックス三昧の一夜というシナリオは、ストーリーの流れとしては理解できるのですが、「和姦⇒3P⇒レイプ⇒肉便器+触手陵辱」という四連チャンはどうなのでしょうか。

 ストーリーの流れの中でセックスシーン(陵辱を含む)を挟むということは、ストーリーの進行を一時的に停滞させるということでもあるのです。私にとっての理想のセックスシーンは、該当のセックスシーンをスキップすると話の内容が全く分からなくなるというものですが、今回の場合は「和姦、レイプ、肉便器+触手陵辱」については話の流れとして意味と必然性はあるものの、「3P」は単なるサービスショットですよね(その後の展開にこの3Pが意味を持つのなら別ですが、無理くり感がなんとも……)。つまり、話の進行上は無くても困らない。

 そのため、セックス四連チャンであるべきだったかどうかは疑問ではあるのです。おまけに、各セックスシーンがバッドエンドの触手陵辱シーンよりもずっと長いのです。それでも、全くタイプが異なる(セックス手法や登場人物の相違)セックスシーンの連続だったので、飽きずにプレイはできました。

 しかし、三つ目のセックスシーンが終わった直後のViewpoint Changeでの冒頭が四つ目セックスシーンだったのには、さすがの私もプレイを一旦中止し、休憩としなければなりませんでしたよ。つまり、セックス連チャンは三つまでが限界ってことですね。四つはやり過ぎだったと思います(その後、トゥルーエンド1でのセックス六連チャンで、私は死にました<笑>)。

 制作側としては、物語の進行停滞とセックス連チャンを天秤にかけた結果、セックス連チャンを取ったわけですが、ストーリー上の必然性と物語への組み込み度合いが評価の分かれ目になると、私は思いました。


★超巨大生物の一枚絵の描写が秀逸
超巨大生物「RRrrYUUUUUUUU!」
航洋「これは……」
エイラ「……信じられないわね」
ト書き:火口部分にまで到着し、内部を見下ろし――愕然とする。
ト書き:遠目に見て、とんでもなく巨大だという事は理解していたつもりだった。

 ここでの一枚絵、何が素晴らしいって、火口縁に豆粒のように小さく描かれている人達と超巨大生物との対比描写が秀逸なこと(人も一緒に描かれていたからこそ、生物の超巨大さが実感できた)。正しく、大きさの格差として「雲泥の差」、生物としての共通点として「月とすっぽん」、縮尺で考えると「人と蟻」。実際に討伐を諦め火口から逃げる場面でのシナリオでも、次のように書かれていました。

ト書き:あの巨体だ、ここにいる俺達めがけて大きく長い触手を振るう事くらい容易だろう。
ト書き:人間が小さなアリを手で払うかのように、簡単な事だ。

 因みに、この作品の良いところは、場面場面でちゃんと一枚絵を用意することで、緊張感を維持できてダレずにすんでいることだと思います。他の作品だと、絵の枚数が明らかに少なすぎるだろうっていうのが、多いと思います。それがないのが素晴らしいです。


★港に停泊中の船の状態
 “トゥルーエンド1”と“トゥルーエンド2”で、港に停泊している船(ボートなど)の状態記述内容が違っていて、“トゥルーエンド1”を先にプレイしていないと、“トゥルーエンド2”の記述内容が奇異に感じてしまうことが判明したのでした。具体的には、

 トゥルーエンド1
  ト書き:……並んでいるボートも、少なくとも外見は壊れているようには見えない。
  ト書き:これならば、逃げる選択をした面々も、ここまで来れればどうにかなるだろう。

 トゥルーエンド2
  ト書き:……港に残っているボート達は、全て壊れていた。

 私は、最初に“トゥルーエンド2”のルートから攻略したので、その時の一枚絵を見て、とても壊れているようには見えず、この絵は手抜きじゃないのかと思ったのでした(そもそもこの背景画、傭兵団がこの島に到着した時に使用した港の絵そのままなのですから)。

 私の中では、ボートが壊れている状態とは、船底に穴が開いて沈没状態とかをイメージしてしまったのでした(沈没までいかなくても、少なくとも外見から壊れているのが判断できる状態をイメージ)。その後、“トゥルーエンド1”のルートを攻略して、外見から壊れていることが分からない状態(エンジン等だけの破壊)だったということが、明確になったのでした。


★粗探し
 本作は、基本的には「誤字脱字や声優さんの読み間違いなどの品質問題がない」と上記で書いたのだけれど、敢えて重箱の隅をつつく粗探しをするのなら、いくつか挙げることができます。

・音声のリピート不可
触手生物「KRRRRRRRRR!!」
キメラ生物「GRYUUUUUUUUUU!!」
超巨大生物「RRrrYUUUUUUUU!」
 ⇒これらの生物の咆哮(アルファベット表記)を効果音で表現しているみたいなのですが、仕様上、効果音は会話文としてのリピート再生対象にはしていないらしく、咆哮をその場でリピート再生することができません。これは、改善して欲しいかなって思いました。

・誤字脱字関係
ト書き:頭からお腹のあたりまで巨大触手すっぽりと飲み込まれているので、視界は全くきかない。
 ⇒脱字:本来は「巨大触手に」だと思います。

麗香「一応、今日の出発前に貴方達のボスとサブリーダーの……ミヒャエルといったかしら、彼には話しておいたのよ?」
 ⇒脱字:ボスとサブリーダーの両方に話したのだから、「彼には話して」ではなく「彼らには話して」だと思います。そうでないと、この文章上ではボスとサブリーダーのどちらに話したのってことになってしまいます(ここでは、ミヒャエルに話したことを特に強調したかった意図は分かりますがね。それなら「ボスと」はカットでも良かったのでは……)。

・声優さんの読み間違い関係
ミヒャエル「死にたくなかったら味方に当てるんじゃねぇぞぉ!? もし俺らに当たったらやつらに食わせちまうからな!」
 ⇒「食わしちまうからな!」と読んだ。

真琴「んひああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ……!?」
真琴「イックううううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ……!!」
ハンナ「んあっ、ああああああああああああああああああああああああっ……!?」
 ⇒真琴の声優さん、喘ぎ声の絶叫が短い(八割くらいの感触)。
 ⇒ハンナの声優さん、悲鳴が短い(六割くらいの感触)。
 ⇒これはお説教が必要ですネ!?(笑)。声優さんって、この手の絶叫や悲鳴に関して、書いてある文字数どおりに正確に読む人と、殆どアドリブで適当に読む人に分かれると思うのですが、テキストに比べて明らかに短いと、私の場合はなんか白けてしまいます。

ミヒャエル「あぁん? ……チッ、ノロノロしやがって」
ミヒャエル「どうせ化け物にヤられちまったんだろうな。チッ、とっ捕まえて吐かせてやろうと思ったのによぉ」
金成「…………チッ」
厳造「……チッ、面倒な事になりやがった」
 ⇒これらの会話文、どの声優さんも「チッ」をそのまま言葉として読みました。しかし、この「チッ」は舌打ちを意味するのだから、実際の舌打ちで表現するべきです。この声優さん達、舌打ちできないのですかね、お上品なことで(笑)。ところで厳造の声優さん、次の会話文の「チッ」は、完璧な舌打ちで表現しておりました。
厳造「チッ、油断しやがって! あいつらは諦めろ、陣形を崩すな!」

歩「ひっ……うう……!? なに、これぇ……お腹の中で、何か……膨らんで……ううううっ……!」
 ⇒「何か」を「なんか」と読みました。私は「なにか」だと思いました。理由は、敢えて漢字で「何か」と書いているからです。どちらの読みでも可能な場合は、漢字で「何か」と書いて「なんか」と読ませたいのならルビをつけるべきというのが、私の考えです。

エイラ「んんぶぅぅっ……! いやっ、出ひゃないれぇっ……れきひゃう、ひょうなに出ひゃれるほ、れきひゃうぅぅっ……!」
 ⇒「れきちゃうぅぅっ」と読んだ。

澪音「ね、またウチに挿れて……? 見てたら寂しくなってきちゃった……」
 ⇒声優さんは「寂しく」を「さみしく」と読んだのだけれども、私は「さびしく」だと思いました。なぜなら、ライターは漢字で書いたからです。内閣告示されている「常用漢字表」では、「寂しい」の読み方は「さびしい」であり「さみしい」は認められていないのです。しかし、澪音の言葉使いから考えると「さみしく」が普通かなって気もするのです。実際、声優さんは「さみしく」と読んでいるわけですからね。ライターはどっちの読みで書いたのか? ただ、プロのライターが敢えて漢字にしているのですから、ルビがないのなら「さびしく」だと私は思いたいです。

厳造「だってのによぉ……へへ、身体が動いちまったわ……」
 ⇒声優さんは「へへ」を「へっへ、へへへっ」みたいに表現。「くすくす」とかと同様に、会話文でのオノマトペをどう表現するのかってことなのですが、私は、これはこれでありかなって気もします。ただ、テキストより長すぎじゃないのとは思ってしまいました。


(2025/1/31追記)
★最近、突如参照されだした件
 何気に本感想の参照数を見ていたら、最近になって少しずつ増え始めていることに気が付きました。購入予定者数0件の作品なのに……何(なん)で? 感想を書いた本人だけが理由を知らない現実に疑心暗鬼、鬼気森然(笑)。
 しかもアクセスログを見たら、数日前から隔日で1日に2回も“PlayStation Vita 3.74”でこの長文感想を参照されている方もおられました。たぶん同じ方ですよね。稀に“PlayStation”でこのサイトを参照されている方々はおられますが、スマホでなく数年前に販売終了の“Vita”で参照ってところが乙(オツ)。きっと手に馴染んだ愛機なんでしょうね。この感想の何(なに)にハマったのか、とてもとても気になっております。


(2025/2/21追記。3/21修正)
★アニメ版とか廉価版とか小説とか
 最近、ちまちまと本感想が参照され続けているので、気になって調べてみると、次の二つの要因があるのかなって思いました。

 (1)アニメ版の制作
  『楽園侵触 Island of the dead 上巻』(2023/05/26発売)
  『楽園侵触 Island of the dead 下巻』(2025/04/26発売予定⇒2025年3月28日発売予定に変更)

 (2)PC廉価版の発売
  『触災の島 ~Island of the Dead~ 普及版』(2024/07/26発売)

 これら以外にも、2022年12月27日にぷちぱら文庫で小説も出版されていました。すごいなメディアミックス商法。当サイトでの購入予定者数が0件だった作品なのに……。

 (1)など YAHOO! 知恵袋で、

  質問:楽園侵触下巻はなぜ発売延期ばかりしているのですか?(2024/9/1)
  回答:クオリティをあげるためか、
     (予算などが足りず)制作が追いついていないか、だと思われます(2024/9/8)

と Q&A される始末。十中八九、予算の問題でしょうね。本当に今年の4月に発売されるんでしょうか?(2/28にPVとパッケージが公開され、3/28発売が確定したっぽいですね。決算期事情で3月に発売したかったってことなのかな)

 上巻を見る限り、PCゲーム版より触手凌辱度100%増しって感じで、本来の触手モノって感じの内容でした。PCゲーム版、映像表現的に温(ぬる)かったから、アニメ版の制作方針としては分かる気がします。ただ、私はストーリーを追う方だから、PCゲーム版の方が好みなのだけれど――そもそも触手モノは苦手だし。それにしても、アニメ版の女性キャラデザの顔って、どうしてオリジナルよりも、より可愛くより子供っぽくなってしまうのですかね。

 (2)は私の当初の予想どおり、半額以下の廉価版を出していたのですね(発売1年後予想が実際は2年後)。なぜかブランドは“SHOKU”ではなく“ベスコレ”となっているので、本感想を書いた時に知ったJANコードでの事業者名検索(2024年10月1日をもって“GEPIR”は“Verified by GS1”に移行。JANコード 呼称は GTIN 呼称に統一されたらしい)をしたら、EXNOA でした。

 どうも“ベスコレ”は EXNOA のブランドみたいですね。名作PCゲームをお買い求め易く復刻するのが「ベスコレ」ブランドの意義みたいですが、今のところ「名作」は一つもないような(笑)。FANZAの期間限定500円セール対象ゲームの方が、はるかに安く名作があるだろうと思ってしまう。DMMも解散会社の版権を確保しまくって安く提供しているわけだが、当サイトの統計データ上から考えると、その施策自体は、エロゲー販促に意外と効果がありそうなんだよね。


(2025/4/2追記)
 アニメ版の下巻、発売5日目にしてあちこちで無償公開されてしまい、営業妨害だろうとか思ったりなんかして……。なんかもう、最初から最後までノンストップ触手凌辱三昧でしたが、上巻よりも触手のぬるぬる感・ねばねば感・ぬめぬめ感は減少しているように感じました。つや消しテイストの色合いですかね。恐らく最初の触手シーンが、有機でなく無機の機械触手だったため、余計にそう感じてしまったのかもしれませんが……。

 ラストのシーンは、PCゲーム版の2パターンとはまた異なった展開だと思うのですが、よくある内容での匂わせて終わる表現方法です。そのため、衝撃的な絶望感の喚起という点では――PCゲーム版同様――シナリオ的にはまだまだ表現力や描写力が不足かなって感じがします。例として「備忘録」の冒頭で映画『眼には眼を』のラストシーンを挙げましたが、もう一つ分かりやすい例を挙げるとすれば、映画『猿の惑星』のラストシーンかな。「えっ、そんな馬鹿な!?」みたいなのが、私の所望です。


以上

The above is a long impression of shiratori.