“ロリ”だから “炉利”“蘿莉”だけに “loli”なので♪♫♬♩ “ADV+バイノーラル音声”に未来はあるのか?(更新:8/1,3)
履歴(2021年)
7/30:初稿(はじめに、実際にプレイしてみて、販売の考え方、おわりに)
⇒進捗率40%(“CG GALLERY”と“SCENE REPLAY”の開放状況から算出)時点での感想
8/01:更新(「(2)シナリオ」、「(6)不具合」、おわりに)
8/01:追記(【DLsite限定音声特典】について)
8/03:全体的に細かく修正
○はじめに
私は最近、登場人物達が大人な作品をプレイしたいという欲求があるので、それと正反対の本作など、本来なら論外な作品ではある筈なのです。そのため、今月の新作なら、Waffle の『奴隷姫騎士と奴隷侍女とのスローライフ』をプレイするべきだと自分でも重々承知はしているのですが、「奴隷+スローライフ(介助生活)=後ろ向きで暗い」みたいなイメージが払拭できず。そもそも「介助生活」という言葉が、現実の老齢化社会を脳内でリアルにイメージしてしまって、なんともやるせない気持ちに……。
現状の私は、自身のバイオリズムが低調傾向にあると自覚しているので、その改善のためにもなるたけ明るいおバカな作品のプレイが必要だと考えました。その結果、敢えて本来望んでいたものと間逆の作品を探すことを決断し、当サイトの発売予定表のタイトルを片っ端から開いて作品内容を確認していったところ、本作に辿り着いたのでした。
早速、本作の内容を確認してみたところ、「ASMR? バイノーラル? Vtuber?」なるワードが目に入って、「何これ?」みたいな。恥ずかしながら、今となっては、私と俗世を繋ぐ唯一の情報源は自分がプレイするエロゲーだけなので、自分にとって新しい言葉を知る機会も、ここずっとエロゲーを通してが殆どです。そのため、早速、それぞれの言葉の意味を調べてみました。
ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)
⇒自律感覚絶頂反応:聴覚や視覚への刺激で感じる心地良い、脳がゾワゾワする反応・感覚
バイノーラル(Binaural)
⇒“両耳の”という意味。音の3D体験ができる。バイノーラル録音とは「人間の頭部や耳の構造を模した『ダミーヘッド』を用いる録音技術。これで録音した音源をイヤホン/ヘッドホンで聞くと、その場にいるような臨場感を再現できる」というステレオ録音方式の一種
Vtuber(Virtual YouTuber)
⇒元々はキズナアイ(Kizuna AI)自体を指す語。2017年末以降は主にインターネットやメディアで活動する2DCGや3DCGで描画されたキャラクター(アバター)、もしくはそれらを用いて動画投稿・生放送を行う配信者の総称
以上から、どうも本作は「音」と「映像」の組み合わせによって生み出される相乗効果に拘(こだわ)った作品であるらしいということが分かりました。本作のホームページで確認すると、「『CHAOS-ASMR SERIES』はADV+バイノーラル音声で構成されるタイトルの目印です。CHAOS-L/Rブランドの新たな提案をお楽しみください」と書いてあり、本作は「ASMR-02」となっているので、その第二弾作品ということですね(因みに今月は、第二弾から第四弾まで一気に発売)。
CHAOS-L のホームページを見ると、双子のアイドル姉妹がコンサート会場で歌う絵があって、パステルカラーのカラフルな色合いの煌びやかな色調と双子姉妹の歌っている姿と顔の表情が、なかなかどうして元気いっぱい感が溢れかえっていて、とても良さげな感じなのです。また、SOUNDCLOUD ではテーマ曲『フタゴノトリコ』のショートバージョンも公開されていて、これがコンサート会場で歌う絵と相まって、狙ったとおりの路線の楽曲なのでした。7月30日現在(公開20日目)の試聴カウント数156件(少なっ!)中10件は私です(笑)。もう、頭の中ぐるぐる回って、リピート再生中です。
そのため、現在の私のバイオリズムから考えると、今月は本作以外にプレイする作品はないかな~って感じなのでした。それにしても、いや~どう見てもロリなんですけど。ロリ作品なんてプレイしたこともないのですが、この際、食わず嫌いはダメだよね~の精神で、いっちゃえみたいな。
早速、買おうとしたら、ダウンロード版は DLsite 独占なのね。私、基本は FANZA(DMM) で、DLsite から買うのは初めて。緊張しました(笑)。予約したら、発売日にメール通知となっていたのですが、全く通知されません。そういえば、予約時も通知がなかったから、たぶんアカウント設定に問題があるのでしょうね、きっと。ダウンロードはできるみたいだったので、勝手にダウンロードしちゃいましたけど。
さて、本作はアイドルをテーマにした作品ですから、ASMR での「音」への拘りが、実際のゲームでどう活かされたのかが、評価のポイントとなるでしょうね。とは言っても、バイノーラルの対象は「音声」なので、声優さんの声だけがバイノーラル録音ってことですよね。ライブコンサートのシーンをバイノーラル技術でってなら最高だったのですが……。また、真のASMRを目指すのなら「音」だけではなく「映像」にも拘って欲しいところですが、これは『CHAOS-ASMR SERIES』の今後の作品に期待ってことになるのでしょうか? 進歩と改善なきものに将来性なしです。
○実際にプレイしてみて
(1)CHAOS-ASMR
本作での“ASMR”とは「ADV+バイノーラル音声」の構成を指すみたいですが……。本来の“ASMR”は聴覚だけでなく視覚も対象なので、視覚はADVで対応ってことですかね。新たな技術に挑戦するのは、今のエロゲー業界にはとても必要なことだと思っていますし、本作のメーカーにとっても、他メーカーとの差別化、延(ひ)いては業界浮上のきっかけにもなるかもしれないため応援したくはなるのですが、果たしてその出来は如何に?
『CHAOS-ASMR SERIES』の第一弾は、2021年3月26日発売の『ハーレムナイト 〜ふたりのネコとお子様作り!?〜』でしたが、それから5か月、技術的に少しは進歩と改善が図られたのでしょうか? 第一弾だけ少し早めに出したってことは、市場調査も兼ねてってことでしょうから、今回の第二弾~第四弾に何のフィードバックもなかったとしたら、単なるお馬鹿としか言いようがありませんからねぇ。
では早速プレイしてバイノーラル音声の効果を確かめてみたのですが、私のPC環境、音はヘッドフォンシステムの機能で、オーディオチャネルを“7.1 サラウンド”にしているため、普段から音が耳元で飛び跳ねているので、最初はバイノーラル音声の効果がよく分かりませんでした。しかし、主人公の耳元でじゃれる双子姉妹の会話の、
愛海「あむっ……はむはむっ……はむるっ……ふぅぅ……っ」
美空「あはっ……じゃあ、美空も……ふぅぅぅっ……」
「ふぅぅ……っ」や「ふぅぅぅっ……」って所で、やっとその効果がはっきりと分かりました。具体的には、外耳内で空気が震える感じの振動(マイクに息を吹きかけたときの音)として、耳の鼓膜で感知できたのでした。
このシーンの絵、主人公の右側に愛海、左側に美空という配置なので、ステレオ再生上も、私の右耳に愛海の音声が、左耳に美空の音声が再生されます。これは、主人公視点に立てば確かに正しいのですが、実際の絵は主人公を真正面から描写しているため、鏡写しの映像として私には見えるため、モニター画面上は左側に愛海、右側に美空の配置で見えるわけです。そのため、絵の見た目と実際の音声の位置関係がちぐはぐに感じて、違和感を覚えてしまいました(ゲームの『バイオハザード』の操作感と同様な感じを、音声再生で受けてしまうといえば分かってもらえるでしょうか)。
(2)シナリオ
なんとロープライス作品なのに、なぜか三人もライターを投入? という意味不明な起用をしておりますが、これが吉と出たのか、凶と出たのか。一人ではロープライス作品のシナリオ分量すら完成できない能力しかないライター陣なのか? という悲観的な見方もできるのですが、さて、その出来具合は如何(いか)に。
実際にプレイしてみると、まだ序盤なのですが、なかなかどうして、ここまで書いたライターさんの文章は、とても良く書けています。単なるロリ作品かと思いきや、新人プロデューサーの主人公が、思いの外大人な社会人として記述されていて、意外と内容が楽しめました。エッチシーンの文章も、けっこう私好みでした。例えば、次のような文章群です(一つ一つの地の文は時系列順ですが、連続した文章ではなく文章を一つずつ抜粋して並べただけです)。
ト書き:気がつけばワレメの奥から溢れ出し、俺のペニスと、愛海の股間を濡らしている愛液。愛海の奥から溢れ出してきたラブジュース。
ト書き:アソコはトロトロに濡れ、俺のペニスにもべったりと愛液が付着して、ひくんひくんという粘膜の痙攣が、しっかりと伝わって来ていた。
ト書き:ペニスの先端、カリの部分を粘膜の中に埋没させる。
ト書き:ずぷずぷずぷと、少女狭穴を押し広げるように進入していく。
ト書き:埋没した俺のイチモツの形にぽこっと膨らんだ下腹部に手を乗せて、なでなでと愛おしむように撫でて、微笑んで……。★
ト書き:俺はマグマの様に渦巻く快楽の猛りを、愛海の膣内にぶちまけた。
「ずぷずぷずぷ」という擬態語や「少女狭穴」というパワーワードに、何か心が打ち震えました(笑)。「少女狭穴」なんて言葉、初めて遭遇したゾ! 更に★部分の文章内容など、悶絶モノです。愛海の初セックスシーンを書いたライターさん、感服しました。
本作、どう考えても抜きゲージャンルだとは思うのですが、ストーリー展開が、ロープライスでボリュームが少ないのも考慮してか、駆け足で忙しいです。冒頭から、
単独ライブ⇒突然の3Pシーン⇒一週間ほど前(二人の単独ライブが成功裏に終わったその夜)に遡上
とかなり大胆なシナリオ展開です。まぁ、テンポ良く進むと評価できるのかもしれないのですが……。この後、どのようなストーリー展開をするのかに、注目したいです。というか、ライターさん三人は、一体どういった分担で執筆しているの?
(8/1追記)
プレイ完了して思ったことが、完全な抜きゲーのロープライス作品なので、98%がエロシーンオンリーです、はっきり言って。そのため、ストーリー成分ほぼゼロと考えてもらって良いので、最終的なシナリオ評価と言っても、相当に厳しいものがあります。
評価できる点としては、エロシーン自体の文章は悪くない点とこんな短い作品で三ルート(愛海、美空、3P)を作った点ですかね。三ルートあるのは、最初の選択肢で、
『愛海のお口と答える』
『美空のお口と答える』
『甲乙つけがたいと答える』
を用意した時点で即効でバレバレになるのですが、ボリュームが非常に少ないからこの構成にしたとも考えられますね。
愛海ルートのラストで、
愛海「くすっ……プロデューサーさんもノリノリでした……」
ト書き:そんな俺をくすくすと笑い、愛海は幸せそうに頬を綻ばせて。
愛海「でも、わたし……」
愛海「そんなプロデューサーさんが、大好きですよ♪」
ト書き:ああ、俺はすっかりこの子のトリコなんだなって、しみじみそう思ってしまうのだった。
と、ちゃんとタイトルの「トリコ」に絡めて終えた点だけは褒めるべき点ですが、美空ルートの最後は凡庸な終わり方でした。恐らくライターさんが違うからかもしれません。
以上から、今後もこのブランドの作品をプレイしたいかと問われれば、否と回答するでしょうね。ボリュームも相当に少なくて、私だから11時間もかけましたが、他の方々なら恐らく1時間以内(下手したら数十分で)に完了となることでしょう。余りにも短いので、エロシーンオンリーでも飽きてギブアップする暇すら感じることなく、終えることができたともいえる作品なのでした。
(3)声優さん
当サイトでの登録では、
檜川 愛海(ひかわ まなみ):早瀬ゃょぃ(早瀬弥生、Vtuber早瀬やよい)
檜川 美空(ひかわ みそら):YUKINO(山荷葉ゆきの)
となっておりますが、じっくり調べてみると、
18禁向け:早瀬ゃょぃ、YUKINO
18禁向け以外:早瀬弥生(はやせやよい)、山荷葉ゆきの(さんかようゆきの)
Vtuberとして:早瀬やよい、山荷葉ゆきの
と使い分けているようです。因みに“山荷葉ゆきの”さんは新人さんみたいですね。
本作に関するツイートでは、
山荷葉ゆきの❄バレエシューズ@100円BIGを毎日買うVtuber
@yukinosankayo 7月4日
♡お知らせ♡
CHAOS-L様「フタゴノトリコ~恋するアイドル~」
テーマ曲の作詞と歌唱をやよ様と一緒に任せていただきました!
また、ゆきのと声がそっくりなYUKINOちゃんが双子の妹・檜川美空役をやっております!
と書いてあったため、私は最初、“ゆきの”と“YUKINO”は別人なのかと本気で思ってしまいましたよ。これは自虐ネタの一種なのでしょうか? まぁ、世間的に表立っては18禁向け声優名は名乗れないってことですかね。
本作では、声優さんの二人がテーマ曲『フタゴノトリコ』の作詞と歌唱も担当されています。これは、まぁ、ヒロイン二人はアイドル歌手ですからね。担当の声優さん二人が歌わないことには、作品として成り立たないってことですかね。声優さん二人に作詞もさせたのは、アイドル歌手としての自覚を持ってもらい、役に没入してもらいたかったからなのでしょうね、きっと。そういう意味では、本作は、いろいろ考えて制作されていますよね。少しは、作品内容に期待できるかもしれないってことなのでしょうか?
実際に本作をプレイしてみると、二人とも良い感じです。YUKINOさんの声はちょっと硬いかもとは思いますが、まぁ、新人さんみたいですしネ! 早瀬ゃょぃさんは、まぁ、自分のテリトリー内のキャラなのか、気楽にやってるって感じですかね。
(4)操作性
操作性は、すこぶる悪いです。特に次の二点が即座にできないこと。
①画面サイズ設定が、一々CONFIG画面を開かないとできない点
②メッセージウインドウの機能に、殆どのゲームに存在する「ボイス再生」がない点
①は、私にとっては致命的な問題で、私はしょっちゅう、メモを取るためにスクリーンモードからWindowモードに画面サイズを切り替えるのですが、Config画面をいったん開かないと画面サイズが変更できません。
②は、音声を再確認したいときに再生しようとすると、ログ画面をいちいち表示させないといけません。
そもそも、ウインドウメニューバーにある項目が、
・システム :タイトル画面に戻るか、ゲーム終了できます
・フォント設定:ゲーム中に表示されるフォントを選択できます
だけってどういうこと? それと、フォント設定がConfigになくて、なぜにウインドウメニューバーだけなの?
キーボードショートカットについては、ReadMeファイルに一切記載がありませんでしたが、試しにキーボードのキーを片っ端から叩いてみたら、
r:LOG
f:強制SKIP
a:AUTO
Enter、Space、Ctrl:メッセージ送り
が機能していることは確認できました。
また、他メーカーでは一般的ではない本作独自機能として、エッチシーンでのカメラ移動機能があります。これは、本作の冒頭でいきなり説明が入るのですが、この説明自体は良いとして、こんな重要な機能、本作のホームページ上のどこにも書いていなかったのですが……。
この機能の説明は、「CHAOS-ASMR SERIES」第一弾『ハーレムナイト ~ふたりのネコとお子様作り!?~』のホームページでは大きく取り上げて詳細に説明されていたのですが、いくら同じシリーズだからって、第一弾に書いておけば第二弾以降は紹介する必要がないだろってわけないじゃないですか。それぞれ独立した無関係な別作品なんだし、どのメーカー作品にも一般的に採用されている機能じゃないのですから。
この機能も、操作性はよくありませんよね。いちいち、最初にカメラ移動ボタンを押して、次に上下左右の方向指示を押してやっと移動。この機能、演出上の観点から考えると、実際にはエッチシーンではしょっちゅう使わざるを得ない重要な機能なのです(実際にプレイしてみれば分かります)。それなのに、前近代的な操作仕様。とても2021年発売のゲームとは思えません。
(5)演出
映像も音も、それなりにがんばってはいるのですが、ロープライス作品ですからね。無い物ねだりをしてはいけないですよね。バイノーラル音声は置いといて、基本、値段なりの演出なのですが、それでも敢えてカメラ移動機能をつけてきました。そこは評価できます。しかも、このカメラ機能、エッチシーンでは使用せざるを得ない必須アイテムでもあるのです。
具体的には、愛海との最初のセックスシーンで、その必要性と効果が確認できました。このシーン、デフォルトでは顔と胸までの上半身が画面上に表示されているのですが、実際の絵はおまんこを含めた全身描写となっています。つまり、他のゲームなら画面に全身を入れるために、普通は斜めに描写させたりするのですが、この作品は斜め描写みたいな本来のアングルから考えたらとても変な、人間の錯覚を利用した姑息な手段はとらないで、一画面内に入らない部分はプレイヤーにカメラ移動作業をさせて、全体を見せる演出にしているわけですね。
プレイヤーに作業させるのは、プレイヤーと主人公とのシンクロ率向上を狙うのと同時にゲーム性を高めるためだと思われます。これはこれで考え方として良いと思います。ただし、これの不満点としては、デフォルトが上半身描写なので、実際のおまんこへの挿入描写はカメラ移動させないと全く分からない点ですかね。普通の作品なら、ワイプとして画面の一部を切り出しての同時描写とするでしょうね(挿入断面図描写などもその一種?)。そちらの方が、プレイヤーに余計な手間をかけさせない気配りの結果とも考えられるので、甲乙付け難しって感じでしょうか。
しかし、本作のカメラ移動機能は、上記の「(4)操作性」でも書きましたが、文章内容に合わせてヒロインの上半身と下半身を一つの画面上で行ったり来たりさせる必要があるので必須機能なのですが、二段階の操作をしなければならず、とても使い勝手が悪いのです。そのため、めんどくさいことこの上ないです。ドラッグやスワイプのように直接的に画面スクロールできるようにしてくれないと、ちょっと厳しいです。
それにしても、さすがはロープライス作品、どうやらオープニングムービーはないみたいです。あれば、既にホームページで紹介しているか~!
(6)不具合
下記のとおりダメダメです。少なくともプロ作品として認められたいのなら、出直して来いレベルです。バイノーラル音声に拘っているのに、音声関係の不具合が多いのです。こんなに短い作品なのに、品質管理が全くできていません。良くこれで、お金を取ろうと思ったなレベルなのです。こんな状態だと、このメーカーの先は短いでしょうね。世の中、本当に嘗(な)めてます。
<音声関係>
★美空の音声がない
愛海「貰って下さい」
「貰ってよ」
上記のとおり、シナリオ上は愛海と美空の二人同時会話なのに、音声は愛海の「貰って下さい」だけが再生されました。「貰ってよ」は美空の会話文なので、これは絶対に変。これは完全な演出上のミスですね。本来なら、
愛海・美空「貰って下さい」
「貰ってよ」
として愛海と美空の声を同時に再生させる演出にするべきでした、バイノーラルを謳うのなら。これは、修正パッチを出すべき問題だと思うのですが、今更声優さんの音声収録などできないでしょうから、この問題はお蔵入りですね。
★愛海の会話文が違う
愛海の最初のセックスシーンにおける「選択肢『膣外に出す』」選択直後の最初の会話文の表示は、
愛海「だ……っ! だして……っっ! 膣内に……っ……出してっっ!」
であるのに、実際の声優さんの読みは、
愛海「はぁ……わたし……幸せ」
となっており、表示されるテキストと声優さんの読みが全く違います。
★会話文の音声が一部再生されない
愛海「ダメです、一緒に寝るんです」
⇒「一緒に寝るんです」の音声が再生されない。これも修正パッチが必要なレベルの不具合ですよね。
★声優さんの読み間違い?
愛海「んはぁっ……! あぁ、そこ、そこですプロデューサーさぁんっ……!」
⇒「さぁんっ」が「さまぁんっ」に聞こえてしまう。
<誤字脱字関係>
ト書き:その肉を裂くようなに官職に、愛海はきゅっと口を結んで、苦しげな声を漏らした。
⇒「に官職」の「に」は衍字で不要、「官職」は「感触」の誤字という二つのミスが重なった文章。
ト書き:画面出来なくなったのか、熱っぽく濡れた瞳をした愛海が、俺のペニスの根元に下を伸ばす。
⇒「画面」は「我慢」の間違い。
ト書き:柔らかくて暖かくて、どこを触っても幸せになれてしまうその感触を全身で感じて……。
⇒「暖かく」は「温かく」が正しい。なぜなら、次のとおりだから。
「温」の反対語:「冷」つまり「冷たい」
「暖」の反対語:「寒」つまり「寒い」
この場合、「あたたかく」の対象は美空の身体なので、「冷たい身体」とは言うけれど「寒い身体」とは言わないでしょう(“寒い”を“貧弱な”の意味で使えば「寒い身体」でも言葉としては成り立つけれど、それではここで問題としている寒暖の意味合いから外れるよね)。「暑い」と「熱い」の使い分けもそうだけれど、エロゲーって、こと温度関係の漢字の使い分けができないライターさん、多いよね。なぜなんでしょうか?
★キスを責める
これは恐らく不具合ではなく、単に私が納得できないだけなのですが、
愛海 「きすぅっ……あっ! んっ! きすっ……っっ!」
ト書き:可愛らしく喘ぎながらキスを責めるその姿が、背筋をじぃんと震わせる。
「キスを責める」という言い方は有りなのでしょうか? 私が「責める」を見て最初に思い浮かぶ意味は「相手の失敗や怠慢などを非難する。なじる」です。確かに「責める」には、「目的遂行のために働きかける」という意味もあるのですが、その場合は「せがむ」を使う気がします。大幅に妥協して「責め立てる」かなぁ、わたしの場合は。私の中では「キスをせがむ」なら意味はとおりますが、「キスを責める」はないわぁ、やっぱり。。
(8/1追記)
○【DLsite限定音声特典】について
本作品にはDLsite限定特典として、撮り下ろしオーディオドラマ『【フタゴノトリコ】美空と愛海のおしおきレッスン』が付属しています。そもそも、DLsite独占なのだから限定もクソもないとは思うのですが、
「いつものようにエッチなことをしようと、プロデューサーさんにエッチな気分になるお薬を盛ってみたら、おちんちんがいつもの倍以上に勃起して……」
という、愛海のフェラチオで始まり美空のフェラチオで終わるという、フェラチオ三昧の一品となっておりますです、はい(笑)。その後、何故かおまんこを弄(いじ)りあうことを命じる主人公。それを見て再度勃起したおちんぽを美空と愛海のワレメで挟んでっていう、まぁ、世紀末仕様の作品です(笑)。
そもそも出だしが、「これまでの粗筋」という説明から始まるのですが、粗筋の前提となる本編に当たる内容などどこにも存在しないのに、「これまでの粗筋」とはこれ如何にですよ。
これも、恐らくはバイノーラル音声なのでしょうが、その効果の程は良く分かりません。
ゲーム本編もそうなのですが、エッチシーンのみなのに、不思議と何故かある程度は飽きずに聞ける内容なのが、本当に不思議です。内容は実にくだらないのにも拘らずなのに……。ロリだから、この内容で許せるのかもしれないですね。なんだか微笑ましく感じてしまうのです。
○販売の考え方
本作のメーカーさんは、エロゲー業界には珍しく、きちんとマーケティング的にいろいろ考えていますよね。これまでの私の長文感想で書いてきた販促に関する疑問に対する回答を、本作の販売で明確に提示できています。因みに、販促に関する私の疑問点と私が考えるその対策とは、次のとおりでした。
(1)パッケージ(PK)版とダウンロード(DL)版の価格問題
問題:本来の製品価格は「PK版>DL版」なのに、実売価格が「DL版>PK版」になる。
対策:PK版はマニア向けの高価品、DL版は単にゲームだけしたい人向けの量販用廉価品と割り切った価格設定と販促方針が必要
(2)PK版のダウンロードカード(DLC)同梱でのソフトウェアライセンス問題
問題:DLC同梱パッケージのCD-ROMとDLCの二方式での製品提供におけるソフトウェアライセンス問題(=DLC登録後の中古品問題)。
対策:ソフトウェアライセンスを強制的に一本化する方策が必要
この二つは最近、私の他作品(『セックスアンダーワールドへようこそ!』と『Role player:小粥姉妹の粘膜ポトレ ぐりぐちゃLIVE!』)での長文感想で詳細に検討した事柄なのですが、その時点では具体案にまでは辿り着けませんでした。それが本作の販売では、見事に解決しているのです。具体的には、
(1)の具体策
ゲーム単品販売はDL版のみとし、店舗販売用のPK版は「抱き枕カバー+DLC同梱版」仕様のマニア向け高価品と割り切った。DL版とPK版の製品価格が6倍も違うため、割引販売での実売価格の逆転現象(DL版>PK版)発生を、確実に阻止とした。
(2)の具体策
ゲーム自体の提供はDL方式のみとする。PK版ではCD-ROM等のメディア提供を廃止し、DLCのみで提供。これにより、事実上、DL版でのライセンス一元管理を実現。これを実現するために、本作ではゲームプログラムのDL提供を DLsite 独占とした。
(BugBug.NEWS 発売予定カレンダーでの“パッケージ版”は“DL版”の記述間違い。業界専門ニュースサイトが嘘情報を流してどうする)
いや~、本当に素晴らしいです。何が素晴らしいって、上記二点の問題解消によって、今までエロゲー業界を悩ませていた第三の問題、いわゆる中古品販売にも止めを刺した点でしょうか。お見事としか言いようがありません。
ただし、このメーカー(ブランド)、販売の仕組み作りはこんなに優秀なのに、なぜか公式Webサイトの本作ホームページの出来はいまいちなのが、本当に不思議です。何が悪いって、デコレーションし過ぎです。見栄えが派手ならOKみたいな感覚で制作しているから、使っているフォントの種類とその修飾(ショッキングピンクの色使いも含めて)も相まって、目がチカチカして文章の文字が読みづらいのなんの。本作ゲーム上でのカメラ移動機能説明でも同じ調子なのですから、やんなっちゃいます。そもそも、読みづらい以前に、ぱっと見、馬鹿ゲー作品に見えてしまいます。人に内容を分かり易く伝えるという基本的な気配りを怠ってはいけないと思いました。
また、本作のホームページ、上記以外にも問題がいろいろあって、例えば、二人のキャラクター紹介欄を見比べてみると、次のとおりです。
キャラクター紹介欄(フタゴノトリコキャラクター)の不具合
檜川 愛美
・プロポーションの記述で、身長サイズの前に「身長」が抜けている
・「性格」記述のフォントサイズが、本来あるべきサイズより小さい
・「性格」記述の句点「。」の有無が不統一(美空は句点あり)
檜川 美空
・「性格」記述に不要な愛美の性格内容が追記されている
・「性格」記述の文章の最後に句点「。」の有無が不統一(愛美は句点なし)
製品仕様紹介欄(スペック)の不具合
これは不具合というより、記述不足といった方が正しいのですが、
・発売日:「抱き枕カバー+DLC同梱版」が未記載(ダウンロード版のみ記載)
・ソフ倫受理番号:「審査中」のまま
どちらも明確になった時点で随時追記、修正すべきだと思います。ちゃんと販促したいのなら。
因みに「抱き枕カバー+DLC同梱版」の発売予定日は、2021年8月27日 です。そのため、DL版が先行配信となっています。
戦略担当のマーケターは“優秀”だけれども、プレゼンテーション担当のマーケターは“劣等”というチグハグさが、本当に滑稽に感じてしまいます。私の場合、作品情報の収集はメーカーの製品紹介ホームページが全てといっても過言ではありません。そのため、販促用のホームページ内容がいい加減な制作だと、製品自体の制作もいい加減だろうと判断するしかありません(上記の「不具合」にも書いたとおり、推して知るべしでしたけどね)。結果、買うのは止めようとなるわけです。
ところで、最近はどこも高粗利をたたき出すと思われる「抱き枕カバー」の販促だらけで、今となってはゲームが付録扱いのビジネスモデルが主流になりつつある気がします。まぁ、もうゲームだけではなかなか儲からない市場になってしまったからだとは思うのですが、この状態が続くと、ゲームの質が更にどんどん悪化していく懸念があります(極端な話、絵師だけいればいいじゃんみたいな)。そうすると、更にエロゲーの市場規模が縮小していくという悪循環に……。
○おわりに
プレイ開始後の最初の二時間は、ゲームをしながらCONFIGの各種調整(主にボイス、BGM、SEの音量バランスが変で、音声がBGMとSEに埋没することへの対処)とフォントの変更、および操作環境の調査に費やしました。そして、主人公のデフォルトの名前の読み方がなんなのかについて、頭を悩ませました。「哲史」の読み方って、「あきひと、あきふみ、さとし、たかし、てつし、てつじ、てつひと、てつふみ、のりちか、のりひと、のりふみ」があるらしいのですが、文字変換だと「さとし」と「てつし」だと標準で変換されるので、このどちらかの可能性が高いのかもしれません。というか、いくら主人公の名前変更が前提仕様だからって、デフォルトの名前くらいホームページで紹介してよ。
ところで、本作をプレイして一番驚いたこと。それは、姉妹ユニットのアイドル名が判明したことでした(笑)。
ト書き:愛海と美空の姉妹ユニット、『CANDY POP』は俺が事務所に入社して、初めてプロデュースしたアイドルだ。
アイドル名は『CANDY POP』だったのかよ。これこそ、ホームページの紹介内容で書くべきことだったんじゃないのかなと思いました。
さて、私は、本作を買う前に、CHAOS-L/Rブランドのメーカーがどういった会社なのか調べようとしたのですが、全く調べがつきませんでした。そのため、私にとっては謎のメーカーのままなのですが、2018年頃から新たに活動開始したみたいですね。ブランドの特徴を出すべく2021年からは『CHAOS-ASMR SERIES』(「ADV+バイノーラル音声」構成)をリリースするなど、新たな事に挑戦する姿勢は褒めるべき点だと思います。
最初は売り上げが見込めそうな“黒箱系ブランド:CHAOS-R”から始めて、軌道に乗ってきた2020年からは製品コンセプトが間逆な“白箱系ブランド:CHAOS-L”を新たに始め、本作はその三作目に当たります。
CHAOS-L ブランドのデビュー作は『流星ペンデュラムハート』でしたが、その時の BugBug.NEWS での製品紹介記事における「MAKER COMMENT」には、「今回凌辱系ブランド CHAOS-Rの姉妹ブランド、CHAOS-Lを始動致しました。LはRと真逆でライトな物語+凌辱色を落としつつも濃厚なHを提案、がブランドコンセプトになります。第一作目は銀河刑事もの! 40代近辺のユーザー様には、なじみ深いヒーロものを意識したタイトルになっています」との広報S氏のコメントがありました。
つまり、敢えて「40代近辺のユーザー様」ってコメントしたということは、このメーカーが考えるエロゲーユーザーの主ターゲット層は、40代近辺だと捉えているってことですよね。まぁ、当たらずと雖(いえど)も遠からずってところでしょうか。そもそも、スマホやインターネットなどの通信事業者にお金を毟(むし)り取られている今時の若者が、商業エロゲーの発売当初フルプライス作品の新品にお金を落とせる筈がありません。必然的に、我が国の人口ピラミッド図と睨めっこすれば、商業エロゲー作品にお金を落とせる年代層は見えてくるというものです。
以上から、このメーカーは販売戦略担当者だけは分析能力が高くて優秀だと思うのですよね。さて、このエロゲー大恐慌時代に敢えて新たなブランドを引っさげて参入してきたのですから、それなりに勝算はあるのでしょうが、果たしてその真の実力が如何程(いかほど)のものなのかどうかが、このサバイバル市場で生き残っていけるかどうかの鍵となるでしょうね。
翻って、本作の場合はどうなのか? 「抱き枕カバー」のビジネスモデルはこの際置いといて、ゲーム構成自体は、割としっかりしていると思います(超短い上に98%エロシーンのみだけど)。シナリオもライター三人でどう分担したのかは分かりませんが、特に違和感はないです。エロシーンも割と面白いし、良く書けているほうだと思います。ただ、本当に抜きゲーなので、ストーリーがほぼないのが、とても残念な点です(更に追い討ちをかけるように品質管理がダメダメ)。今後も抜きゲー路線で行くのなら、残念ながら本ブランド作品群は、私の購入対象とはならないでしょうネ!
最後に評価ですが、当初、私にとってはバイノーラル録音作品は初めてプレイしたので、私のサマリーにおける評価基準に則って、まず90点を与えようかとも考えました。しかし、最後までプレイしてみると、バイノーラル音声の恩恵があまり感じられず、その考えは萎(しぼ)んでしまいました。そのため、純粋に内容のみで評価することとしました。
少なくとも、狙った路線を狙ったとおりに制作できていることは確認できましたので、それ自体は素晴らしいことだといえるのですが、短すぎて心に何かが残る前に終わってしまう作品でした。ロリ系はニッチだと私は思っているので、販売も大変じゃないのかなと思うのですが、多分に絵に救われた作品とはいえるでしょうね。というか絵しか見るべきものがありません。この値段なら、もうちょっとストーリーを膨らませてボリュームアップを図らないと、世間的に評価は厳しいのかなと思いました。
以上を総合的に判断して、少しは元気になれたかもしれないと考え、私的には62~64点くらいの出来かなとは思ったのですが、少し色を付けて68点としました。
以上
The above is a long impression of shiratori.