ハーレムセックス状態になる前までは本当に良かったのだが……。そもそも本作にボテ腹なんか求めてないんだよ。癒し、どこ行っちゃったんだよ、まったく。
○はじめに
先に断っておきますが、私のサマリーで示しているとおり、私の90点は「私に良い意味での初めて体験や驚きを与えてくれた」場合につける点数であって、内容評価は一の位で示します。従って、本作は内容的には60点台の出来となります。そのため私は、本作が決して良い出来だとは思っていません。
では最初に、本作の何に吃驚(びっくり)して90点としたのかですが、本作は低価格作品(ダウンロード価格1,650円(税込):因みにNorn公式Webサイトの本作製品紹介トップ画面上では、同じ金額で「税別」と書いてあります。馬鹿丸出しですネ!)ですが、ダウンロード先が複数あって競争が激しいのか、二割引きで買えたりするので、実質1,320円(税込。+ポイント付加)です。にも拘らず、声優さんが四人もいるのです(つまりヒロインが四人)。低価格作品の場合、普通は声優さんが一人、よくて二人です。それが四人です。しかも低価格帯の中でも低価格の1,650円(税込)。いや~、驚きました。よくこの企画が通ったなと。
次に内容評価が60点台とした理由ですが、一言感想にも書いたとおり、私は、途中まではかなり出来が良い作品だと感じて、プレイしておりました。何が良いって、けもみみ娘たち四人との“癒し”と“モフモフ”に、心が洗われる心地良さを確かに感じたからなのです。そもそも、私が本作を買おうと思った動機は、当サイトの発売予定表を眺めていて、本作のタイトルにある「癒し」と「温泉宿」という言葉に、即座に心が奪われてしまったからなのですから。
それが、話の途中から「ドスケベなハーレム子作り腹ボテ」に大変身ですよ。タイトルにある「子作り」には一抹の不安を感じてはいたのですが、ここまで酷い内容になるとは思わなかったですよ。「癒し」どこに行っちゃったんだよ。「人間界と精霊界の狭間にある不思議な温泉旅館」って設定が泣くぞ、本当に!
○作品評価
本作、最後まで「癒し」主体でストーリーを構成できていたら、本当に高評価作品となりえたことでしょうね。本作、企画上での最大の失敗は、「癒し」と「ドスケベなハーレム子作り腹ボテ」とは両立しえないということが、制作者たちには分からなかったこと、それが最大の不幸の始まりですね。
実際問題、途中までは本当に素晴らしい出来でした。背景画がどれもステキだし、演出も漫画的な効果線や漫符で動きを表現し、乳房も差分切り替えで揺れを表現。そしてお約束の目の中のハートマーク。非常に丁寧な作りと光ったセンスが窺えました。
きちんと、文章内容にそって絵の動きが表現できているのも好感触です(よくあるでしょう。胸を揉んだりキスしたりという場面で、絵は胸を揉まないしキスもしてくれないとか)。
また、顔の表情変化の描写も秀逸です。さらに、テキスト表示で特殊なピンク色のハート文字を表示させているのも好感触。文章を眺めているだけでも、ピンクハートがアクセントになって、とても楽しいです。ウキウキな気分に浸れます。文字種を切り替えても、全く同じピンク色のハート文字が表示され、ログ表示画面では「(ハート)」と表示されるので、「(ハート)」文字列を、ピンク色のハート文字に置き換える処理でもしているのでしょうね、きっと。
そのため私は、ゲームの途中まで、お値段以上の満足感を充分に得ていました。こんなのロープライスで出しちゃって良いのでしょうか?ってな感じですよ。それが一転、主人公が温泉旅館『獣泉亭』に就職後の展開は、下品なハーレムセックスとボテ腹セックスのオンパレードですよ。
ト書き:今までは断続的だった孕みミルクが、止めどなくこぼれ続けていた。
ルリ「母乳風呂でおもてなししますから、またお風呂エッチで、私の孕みマンコにいくらでも種付けしてくださいね、旦那さま❤」
結局、「孕みミルク」で「孕みマンコ」に収束するのが、本作なのでした。いやね、ちょっとは「癒し」言葉に、高尚な作品を夢見た私が馬鹿でした。当初の80点台評価が、70点台になり、最後は40点台に駄々下がり、総合でかろうじて60点台みたいな。
もう、この作品は、途中でプレイを中止するのが、気分良くいられる秘訣ですね。
○ぶん投げ伏線
話の中で、以下の二つの伏線があって投げっぱなし(良くいうと、ユーザーに想像させて考える余地を与えている)です。そのため本作のライターさんは、文章も含めてストーリー作りが上手いの下手なのか、判断に苦しむところではあるのですよね。何しろ、大概の読み手は私を含めて馬鹿だから、作者の想いなどいちいち汲み取ってはくれない可能性が高く、メタファーな文学表現や構成をしても全く評価されず、逆に内容が理解できないなどと理不尽な苦情の原因になってしまったりするからです。
未回収伏線1
ハツネと森での食物採取(食材集め)で主人公の子供時代の回想シーン
----------
俺(そういえば、子供のころもこんな感じで、裏山の森の中を歩き回ったっけ……確かあれは……)
俺(あのときも、一緒に誰かいたような……?)
ト書き:田舎の祖父母の元で暮していたときは、周りに子供がほとんど住んでおらず、友達は全くいなかったはずなのに。
ト書き:記憶を手繰っていると、いきなりのハツネの声に意識を引き戻される。
----------
「一緒に誰かいた」と回想しているのですが、誰なのかはこの後まったく語られることなく、この伏線は葬り去られました。内容から考えると、精霊ってことになるのでしょうけれど……。恐らくですが、冒頭で主人公がケモノの精霊であるヒロイン四人に森で助けられた時、
----------
ユウナ「少し前にこの森が、人間界側から壊されそうになりました。でも、あなたがそれを止めてくれました」
ル リ「な、なので、なんとか恩返ししたいって、みんなで言ってたんです……!」
シオン「そしたら、森で倒れてたから……」
:
ト書き:会社の計画を止めたのが俺だとどうして知ってるのかとか、不思議なことばかりだけど、ここの居心地のよさに、難しいことはどうでもよく思えてくる。
----------
とのシーンがあるのですが、主人公はもともと精霊界と何らかの繋がりがあったということを暗に示す意味合いがあったのかなと、私は考えました。
未回収伏線2
ルリのピンクのナース服姿での看病後、
----------
俺「それにしてもルリだけじゃなく、ほかのみんなも、俺とのエッチを喜んでくれて、親切に世話を焼いてくれる」
俺「森を救った恩返しにしては、十分すぎると思うんだけど……」
俺「この旅館のみんなはなんでこんなに、俺に尽くしてくれるんだ?」
ト書き:好意に甘えながら、常に不思議に思っていたことを尋ねる。
ルリ「むにゃ……お兄……さん。嬉しい……すー、すー、すー」
ト書き:しかしルリはいつの間にか、眠ってしまっていたらしい。
俺「まあ、今はいいか」
ト書き:変な裏があるようにも思えないし、すぐに追求しなくちゃいけないことでもない。
----------
とのシーンがあるのですが、この時点ではルリが眠ってしまい「この旅館のみんなはなんでこんなに、俺に尽くしてくれるんだ?」に対する回答が得られず、この伏線は投げっぱなしで終わってしまいました。これも、上記の未回収伏線1に関係しているのかもしれませんね。つまり、よくあるストーリーに従うのだとすれば、主人公が子供の頃に一緒にいた誰かとは、精霊。それもケモノの精霊、もっと穿(うが)った見方をすれば、今回のヒロイン四人。さて、正しい解釈はどうなんでしょうか?
○不具合
テキスト上の誤字脱字が、次の二件ありました。
ハツネ「じゃあ…… 舌舐めずりしながら、亀頭に唇を寄せる。
⇒閉じかぎ「」」が「……」の直後にない。閉じかぎ、どこ行ったんか~い! その後の地の文は行を分けるべきかな。テキストエリアの表示上は別れて表示されたのだけれど、バックログ上で見ると一行で一緒になっている。
ト書き:それでもやっぱり年下っぽいシオンはルリには妹に接するような子供扱いになってしまう。
⇒“シオンは”→“シオンや”
○おわりに
ゲーム中盤までは、「俺の目に狂いはなかった。良作だ~!」って思ったりもしたのだけれど、そこからの喪失感は半端なかったです。後半に向かって、一気に冷めてしまいましたよ、わたくし。もうねぇ、少しはエロから離れてストーリーを考えて欲しいって、エロゲーに言うのもなんですが……。
私、主人公が大人な作品を求めているので、本作はそれには合致しており、しかも「憩い」がキーワード、しかも安いし、ラッキーなんて思っていたのですが、とんだ食わせ物でした。ただし、演出や絵などで光る部分をいっぱい持っている作品でもあるのです。単に抜きゲー、孕みゲーの呪縛から逃れられなかっただけで……。
このブランドではなく、別の会社の別のブランドで制作されたのなら、もっと面白い作品になったことだろうに、非常に残念です。このブランド、今の制作方針でいる限り、一生、現状の企業同人扱いから脱却することはないでしょうね、きっと。まぁ、それも自分達が選択した道ですから、私が口を挟む事柄ではないのですが……。
ただ私は、エロを連発しないとエロゲーじゃないっていう発想から早急に脱却してくれないと、ますますこの業界は先細ってしまうのではないかと、本作をプレイして改めて危惧してしまった次第です。
※それにしても、今月買ったもう一本が『セックスアンダーワールドへようこそ!』だもんな。何で同じような孕ませゲー作品を二つも買ってしまったのだろうか。今更のように後悔なんかしたりして。はぁ、気が重いけれど『セックスアンダーワールドへようこそ!』に取り掛かるとしますか……。
○備忘録
気になった事柄を記します。
★作品内容紹介の文章がいろいろと変
===============================
・ストーリー紹介
---------
ブラック労働の果てに、とある森の中で行き倒れた主人公は、狐と猫とウサギと狼に出会い、助けられる。
動物の精霊だという彼女たちから、かつて森を救ってくれたあなたに恩返しがしたいと言われ、精霊たちの温泉旅館で歓待されることに♪
---------
本作の販促用に、上記のストーリー説明文章があるのですが、私、これを読んだ時、さっぱり理解できませんでした。
①「とある森」ってどこの森?
②「ブラック労働」と「森の中で行き倒れ」に何の関係が?
③「かつて森を救ってくれた」の“かつて”っていつ?
④「とある森」と「かつて森」の“森”に関係性はあるの?
こんな理解不能な解説文章、初めて見たぞ! 実際にプレイして初めて内容が理解できましたよ。
①勤務していた悪徳不動産業者の不当な開発計画の対象となった森
②激務でボロボロ、生きる気力喪失で自分が守り切った森で死のうとして行き倒れ
③「かつて」ではなく「少し前に」が適切。ゲーム中のシナリオでも「少し前に」だし。
④同じ森
・製品内容
誤字?
あなたへの愛情全開、ご奉仕蜃全開のけもみみ娘たちの発情ボイスが、フルボイスで楽しめます!
⇒「ご奉仕蜃」って何? ネット用語? もしかして「ご奉仕心」の誤字?
恩返し
けもみみ娘たちを助けた恩返しに、彼女たちが営む温泉宿にご招待!
⇒恩返しの内容が、ここでは「(けもみみ娘たちを助けた)恩返し」となっているが、けもみみ娘たちを助けてないし(逆に主人公は助けられた方だし)。そもそも、ストーリー紹介では「(かつて森を救ってくれたあなたに)恩返し」となっている。この違いは何? 何で内容に一貫性がないのでしょうね。
===============================
★温泉で四人からご奉仕マッサージされての主人公の感想
俺(女の子たちにあんなことをしてもらって、いいのかなって思ったけれど、今まで以上に酷くなんかなりようがないからな)
⇒なんと投げやりな態度。死んじゃった方が良かったんじゃねって思ってしまいました。
★主人公は調教師系?
ト書き:最初の警戒ぶりはなんだったのかというほど、無防備に甘えまくってくるシオンに、俺は達成感と喜びを覚えていた。
⇒“達成感”だなんて、主人公、どんどん調教師に変貌中。
★孕む連呼しすぎだろ(笑)
ルリ「私、孕みますから❤ 孕んで、たくさんご奉仕しますから、気持ちよく種付けしてください、お兄さん❤ あぁあぁ、あはああぁ~~!」
⇒癒しの世界はいずこに……。
★口移しの“あ~ん❤”
ト書き:女の子に箸で食べ物を口まで運んでもらい、食べさせてもらう。男なら一度は憧れるシチュエーションに心が躍る。
ユウナ「ん……」
俺「え……?」
ト書き:しかしユウナは料理を自分の口に運んだ。
ト書き:呆気にとられていると、その料理を加えた唇が俺へと迫ってくる。
ユウナ「あなた、召し上がれ。あ~ん❤」
俺「んっ! はむ……ん」
ト書き:箸ではなく口移しのあーんだった。熱い唇が触れると同時に、うま味を凝縮した塊が俺の口中にツルンと滑り込み、溶け崩れて味蕾に染みこむ。
⇒文章、上手い。「溶け崩れて味蕾に染みこむ」って表現が良い。
俺「う、美味いっ! 美味しすぎる、これ……」
⇒「美味」の読みが最初と次で違うよね。“(うま)い”と“(おい)しすぎる”。なぜ言い直したのかな。そのまま「美味(うま)すぎる」と言う方が自然だと思うのだけれど。
★牝臭
特製ドレッシングをユウナの陰部にふりかけて
ユウナ「ふぁ、ん、はぁ、あああぁ~」
ト書き:雫が淫核を直撃して、ユウナが悩ましい声で喘ぐ。潤んだワレメはドレッシングでさらにヌメリを帯びて、甘く発酵したような牝臭も濃度がましていた。
⇒文章上手いな。
★セクシー下着
ト書き:発展途中の乳房が、布面積の乏しいブラから際どくあふれ出ている。
ト書き:ほとんど秘部を隠す気のないショーツに、陰毛が生えていないワレメが透けて見えている。
ト書き:幼さの残る体型に、淫靡なデザインの下着を付ける姿は、確かにインモラルなセクシーさを醸し出していた。
⇒やっぱり文章が上手いな。
★もふもふ三昧
俺「んー、看病も嬉しいけれど、ルリの身体をモフモフすると、身体がリフレッシュする。元気になれそう」
ルリ「え、ええー? モフモフ……ですか? 私の身体で……!」
ト書き:ルナの髪はウサギの体毛みたく、ふわふわに柔らかくて、最高の触り心地なのだ。
俺「かわいいし、柔らかいし、モフモフ最高」
ルリ「はうぅ~、お兄さん……」
ト書き:頭部をモフりながら、ルリを軽く抱擁すると、体毛の生えてない素肌もモフっとした独特の柔らかさで永遠に触れていたくなる。
ルリ「ええと、あの、汗は拭き終わりました……けど。私にもふもふ続けたいなら、添い寝、しちゃいます……」
ト書き:俺に撫で回されながら汗ふきを終わらせると、恥ずかしそうに提案してくる。
俺「え……いいの? モフモフ……じゃあ、お願いするね、ルリ」
⇒よくこれだけ、モフモフ書けたな。
★アナルセックス
俺「ほら、ここもおまんこと同じようになってるよ。ちんこを入れても、大丈夫だね」
ト書き:十分にぬかるんでるし、ルリの反応も、指がめりこんで気持ちよさそうだったのを見逃さない。
ルリ「大丈夫じゃ、ないです。やめて……はぁあうっ」
ト書き:困惑するルリだが、俺は膣からペニスを抜いて、先っぽを後ろの穴にあてがう。
ト書き:ヌッ、ズッ、ズブブブっ、ゾズズズッブズズッ、ズブンッッ!!
ルリ「オォオッ、おっしりにぃっ、おちんちんっ、ぬむぅうぅっ、はいッて、きちゃぅううンンッ!」
⇒アナルにペニスが入った時のルリの顔の変化が秀逸。絵での顔の驚き具合の表情がグッド。主人公の鬼畜度がどんどんアップ。だんだん、癒しから外れていく過程が描かれていくのが恐い。
★アナル挿入時の感触
ト書き:ギチギチと少し軋むような感触で竿肌と腸壁が擦れあうと、息づかいを粗くしながらルリが呻くように喘ぐ。
⇒いいよいいよ、このライターさん。私と感性が一緒ですね。
★“アナル”から“おまんこ”
俺「やっぱり最後はこっちでしたいから。おまんこに戻すね」
ルリ「はわっ? お兄……さん!?」
ト書き:そう言うなり、菊穴からペニスを引き抜いて、おまんこへと挿入する。
ト書き:ずぶずぶずぶ、ぬぶぶぶっ!
ルリ「はぁああぁ~~んっ、おまんこに、帰ってきてくれた、はあぁ、あうっ、お兄さんのおちんちんっ❤」
⇒ルリの顔の変化の描写がまた良い。喜びが溢れていて。
★耳舐め
俺「かわいらしくぴょこぴょこさせて。ぺろ、ちゅぱ、れろぺろん」
ト書き:顔の前に来たその耳を、ちょっとしたイタズラ心で舐め回しながら、突きこみを荒々しくする。
ルリ「ひゃぅううつ、はわっ、あ、ああぁ、そんなところ、舐めたら、あんっ、はあぁ、感じちゃいますっ、はぁああぁあっ」
⇒絵が、ちゃんと文章に追随している。素晴らしい。
以上
The above is a long impression of shiratori.