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shiratoriさんのセックスアンダーワールドへようこそ!の長文感想

ユーザー
shiratori
ゲーム
セックスアンダーワールドへようこそ!
ブランド
MOONSTONE Cherry
得点
65
参照数
3478

一言コメント

“あぽーん”な作品に未来はあるのか? それは神のみぞ知る。(更新:2021/5/31、6/3-10,12-15,17-19,22,24,28、2022/6/15)

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

履歴
(2021年)
 5/28:初稿(はじめに、プレイしてみて、「安心♥妊娠システム」の出来具合、木葉尽氏について、「いいね!」評価について、新作フルプライス作品のダウンロード版購入の是非、おわりに)
    ※体験版と既存の公開情報の範囲内で記載
 5/31:更新(木葉尽氏について)
 6/3-6,9,10,12,13:更新(プレイしてみて)
 6/3-6,13-15:更新(「安心♥妊娠システム」の出来具合)
     ※ヴァルミューダのみ攻略時点での感想を追記(6/3)
     ※ユピテル攻略時点での状況を反映(6/5)
     ※ユーガリット攻略時点での状況を反映(6/6)
     ※「安心♥妊娠システム」の画面呼び出しに対する不満を追記(6/13)
     ※28日目のフラグ管理について追記(6/14)
     ※イベント完全攻略について追記(6/15)
 6/07:追記(満員御礼ありがとう2)
 6/08:更新(はじめに、おわりに)
     ※シナリオにサブの方がおられたのが判明したため、追記
 6/17:追記「雑記」
 6/18,19:更新「雑記」
 6/22:追記(不具合)
 6/24:更新(満員御礼ありがとう2)
     ※長文感想参照数順位の「最終結果発表と講評」を追記
 6/28:更新(満員御礼ありがとう2)
     ※6/28 00:00 時点の最終結果データに更新
(2022年)
 6/15:追記(不明な参照について)

○はじめに
 私は本作に関して、“発売前コメント”と“体験版をやってコメント”で、主要な関心ごとは事前に書いてしまいましたので、長文感想は何を書くべきか悩みました。

 そもそも、体験版は恐らく共通(OPパート)をそのままフルで提供したと思われるため、前作の構成から類推するに、読めるストーリー部分は体験版で充分堪能できてしまえると考えて間違いないでしょう。そのため、ここまで大盤振る舞いしたメーカーの意図が良く分からなかったのですが、本作に関するメーカーのダイレクトメールに添付されていた郵送DM(post card)画像には、「まさかのシリーズ第2弾!」とのキャッチコピーが書かれてあって、メーカー自身すら「まさか」と思わずにはいられない危機感の表れ(笑)なのかと、私は思ったのでした。つまり、体験版後の内容が仮にクソであっても買わせたもん勝ちにするってことですね!

 いや~、前作を知らずに体験版だけプレイするのなら、この後、どんなに面白いストーリーがと期待してしまう内容でしたからね。前作のヒロイン達って、それぞれ負の生い立ちを背負っているシリアスめいた感じの設定だったのですが(そのくせ作品はセックス三昧の“あぽーん”な内容)、翻って本作、中二病じみたキャラ達との楽しい一時(ひととき)といった趣です。方向性としては、前作より良さげな感じがします。やはり“あぽーん”(「あぼーん」ではなく)な内容には、“あぽーん”な中二病キャラ設定が似つかわしいのかもしれないと思いました。そもそも前作どおりの進行だとすると、OPパート後は、妊娠させるためにひたすらセックスするだけの猿のオナニー状態(=“猿芝居”)なのですから。

 従って、私にとっての本作での興味は、この“猿芝居”部分にストーリー上での何らかの改善があるのかどうかが、評価する上での一つのキーポイントになるのかなって思います。

 もう一つの興味は、前作よりライターさんが三人から一人になって、これがどう影響したのかです。本作のライターさんは、前作ではOPパートも手がけた木葉尽氏ですが、木葉尽氏、「うちカノ」シリーズ以降、ちゃくちゃくと“MOONSTONE”お抱えのメインシナリオライターに育ち、その地位を確立しつつある観があります。一人になったので当然、全体的な統一感はアップした筈ですが、体験版の範囲ではけっこう楽しい雰囲気が醸し出されていたので、この楽しさが苦行の「安心♥妊娠システム」に反映できていれば良いのですが、さて? まぁ、本作のコンセプトから考えると期待薄なのですが……。
(6/8追記:スタッフロールで確認したら、クラリッサは“七央結日(ななおゆひ)”氏となっておりました。そのため、木葉尽氏が一人で全てを書かれたわけではないようです。七央結日氏は、今月の作品ですと『まどひ白きの神隠し』のシナリオをご担当されています)


○プレイしてみて
 前作『セックスオープンワールドへようこそ!』は、「萌えゲーアワード2019エロス系作品賞PINK」を受賞しました。まぁ、「萌えゲーアワード」は受賞部門が沢山ありすぎて(更に同時受賞も沢山あったりで)、今やその受賞価値自体がどれほどのものかは疑問を呈さざるを得ないところではあるのですが、メーカーの受賞コメントは、次のとおりでした。
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 MOONSTONE Cherryブランドは、“明るく・エッチで・ヌける”作品を生み出すことを目指して設立され、一貫してその方針で作品作りを進めて参りました。
 今後も、ヌける作品を皆様の元にお届けできるよう、がんばっていきますので、なにとぞよろしくお願いいたします。
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 つまり、本作は“明るく・エッチで・ヌける”作品として提供したということですよね。確かに、体験版の範囲(OPパート)内ではそのとおりだと思います。前作より、少なくとも“明るさ”は向上していると思います。前作、ある意味、少しシリアスなアダルト調でしたからね。本作はどちらかというと能天気なお子ちゃま調なので、前作よりはブランドコンセプトに合っている気がします。

 さて問題は、OPパートから後がどうなったのかなってことです。OPパートは体験版として無償で提供済みですから、残りのパートで1万円分の価値を提供できたのかが、本作の評価ってことになると思います。因みに、前作受賞での講評は、次のとおりでした。
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 キャラの体系が画一的なところはやや惜しいですが、おっぱいの大きい安産型のヒロインたちと馬車馬のごとく種馬行為がやり放題でシンプルに子づくりを楽しんでほしい作品です。
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 この手の出来レース講評って、普通は良いことしか書かれないのが定番なのに、「キャラの体系が画一的なところはやや惜しい」って指摘されざるを得なかったところが、問題の本質を突いているような気がします。私は本作の“発売前コメント”で、「ヒロイン達の顔も前作と全く同じ。否、前作以上に区別がつきません」って書いたのですが、前作の講評で指摘されても全く動じず(というより更に酷くなった?)改善する意志すら見せないその心意気、感動・感服せずにはいられません(笑)。大物だ~!?

以下、途中経過を随時報告とし、最後に総括を記します。
<6/3(途中経過)>
 「安心♥妊娠システム」部分をプレイし始めヴァルミューダのみ【BOTE H】を除いてプレイ完了。ただ、いくら各話の冒頭にセックスまでの簡単な導入話があるとはいえ、セックス連チャンはやっぱり辛い。わがままお嬢様は私の趣味ではないので、入れ込めないってのも影響しているのでしょうね。本当に、どうしてこのキャラが一番人気なんだか……? ヴァルミューダでは癒しどころか、血を抜かれて貧血状態になるだけだからな(笑)。ヴァルミューダを突破するだけで三日間も要してしまいましたよ。
 さて、9日目まではヴァルミューダ一択で突き進んでヴァルミューダを完了(不妊イベントは未確認)としましたが、「安心♥妊娠システム」では10日目からユピテルとクラリッサのヒロインアイコンが並んでいるため、心機一転、ユピテル一択で突き進みたいと思います。ユピテル、私の一押しなので、何とか気持ちを持ち直せることを期待したいです。ユピテルで駄目だったら、もう本当に“あぽーん”どころか“あぼーん”です。

<6/5(途中経過)>
 ユピテルの選択、大正解でした。いや~、ビックリです。ちゃんとテーマとストーリーが全体に盛り込まれて構成されていましたよ。やればできる子なのでした、ライターの木葉尽氏。内容については、後でじっくり考察するとして、これで、投げ出さずに済みました。ただまあ、残りの面子がなぁ……。
 「安心♥妊娠システム」での19日目からだと、一番人気のアンドレアか一番人気のないユーガリットのどちらかを選択となるのですが、さて、どちらにするべきか。キャラの設定的にテーマとストーリー性がありそうなのは、恐らくユーガリットの方だと予想します。この時点でセックス連チャンギブアップはしたくないので、セカイ系(かもしれない)のユーガリットに懸(か)けます。吉と出るか凶と出るか。

<6/6(途中経過)>
 ユーガリットの話、リドル・ストーリー(結末をきちんと描かず読者の想像にゆだねる形式)ですよね。とっても、悶々としてしまいました。晴哉は、
 晴哉「ユーガリットが闇の御子を産むというのは、もしかすると、違うんじゃないかな」
と言っています。それなら、ユーガリットが産む子供とは何なのか? 最終兵器とは? 謎の男(ユーガリットの創造主?)の回想話によれば、
 謎の男「我々が用意した最終兵器を用いれば、ロボット共は全てその機能を停止するだろう」
 謎の男「……実を言えば、君を作り出すのに我々は手間取っていたのだ。兵器の方は、すでに出来ていた……」
とのことですが、兵器とユーガリットは別物ということなのだろうか? しかし、
 謎の男「……いいかね。君は最終兵器なのだ」
とユーガリットが最終兵器だと明言しています。そうすると、兵器の機能(全ロボットの機能停止)を盛り込んだ最終兵器が、ユーガリットだと解釈すれば良いのだろうか? 謎の男の言葉は最後、
 謎の男「ともあれ、容姿の良さも決して無意味でなない」
 謎の男「君に託された仕事を思えば……な」
で終わっています。ユーガリットに託された仕事とは何なのか? 子供を産むこと? う~ん、全体的に曖昧模糊すぎて、焦点が定まりません。
 これらの疑問に対する私の知見での回答は、CLAMP の『ちょびっツ(Chobits)』にあるのではないのかというものです。当たらずと雖(いえど)も遠からずって感じですかネ!

<6/9(途中経過)>
 取り敢えず、一箇月の期間を完了し、8回目の妊娠/不妊判定を完了したヒロイン三人の妊娠判明イベントをプレイ後、ヒロイン三人の【BOTE H】が開放されました。妊娠判明イベントも【BOTE H】も、本編の出来具合をそれぞれ反映した出来具合だなって思いました。ユピテルとユーガリットだけなら、本作は秀作に値しますね。残りのヒロイン達もこの出来なら良いのですが、果たして。少なくとも、ヴァルミューダは凡作だと感じました。
 ユピテルのシナリオ、【BOTE H】とは思えない相当な力作だと感じました。前作の【BOTE H】とは大違い。ちゃんとストーリーしてたよ。妊娠判明イベントも他より長くて、力を入れすぎ。また、ユーガリットは、少しは期待していたけれど【BOTE H】でまさかの伏線回収、吃驚(びっくり)だよ。こちらも、相当な力作だと感じました。最後の一文、
 謎の男「どうか次の人生では幸せに……、ユーガリット」
が良いよね。ここに至るまでの流れも秀逸。ユーガリットがもともと誰の名前だったかは考えるまでもなかったのだけれど、私は、ゲームの制作者達がこの名前にした由来を、ゲームをしながらずっと考えてはいました。そして、この最後のフレーズ。「You got it」かなって。

<6/10(途中経過)>
 残りの個別ルートを完了させるべく、フィオナとクラリッサの8回目の妊娠/不妊判定まで完了。どちらも疑問点は全く解消されない状態です。それぞれ、
 <フィオナ>
  ケテル冥界からこちらの次元にどうやって来たのか? そもそも元の目的は、晴哉に王であることを思い出してもらうだったのに、いつの間にか晴哉の子供を産みたいに方針転換。
 <クラリッサ>
  腹部のアザの意味と「世界革命の母」とは何?
という伏線が一向に解消されず。一箇月の期間完了後の妊娠判明イベントと【BOTE H】の内容に期待って感じでしょうか。
 ところで、クラリッサのライターさんは木葉尽氏ではなく七央結日氏だと判明したため、その文章に注目してみたのですが、仮に知らなくても、ライターさんが違うであろうことは如実に分かりましたね。
 例えば主人公の性格。木葉尽氏の書く主人公は、ちょっと精神が捻くれているというか、引っかかりがあるというか、まあ、私が大嫌いな優柔不断な精神構造を持っている感じなのですが、クラリッサ個別の主人公は、素直でまとも、そんな嫌味成分が皆無なサッパリ系の主人公なのです。
 恐らく、七央結日氏はラノベ世代のライターさんですね、きっと。木葉尽氏よりずっと若い世代なんだと思われます。なぜそう思うのかというと、例えば次に示す文章。
  クラリッサ「んにゃ――♥♥♥ あ、あ、あああ――はいって、くりゅ――んんんんんっ♥」
 ダッシュ(――)とハートマーク(♥)の多用に特徴がありますね。別に悪くはありません。ただ、次の会話文には、私もビックリ。
  クラリッサ「♥」
 そもそもこれは文章なのだろうか? 声優さんは、鼻から抜けるような喘ぎ声(私の表現力不足で文章化不能)を出していましたが……。これを発声しようと試みた声優さんには、只々頭が下がる思いです。立ち絵の顔の表情で示す演出だけでも良かったとも思えますし。

<6/12(途中経過)>
 意外と早く残りの面子(アンドレアとミュゼー)の個別を完了。引き続き、残りの妊娠判明イベントと【BOTE H】のプレイも全て完了しました。ただ、ユピテルとユーガリットの出来具合と比較すると、どれもどうでも良いレベルというか。前作同様、プレイ進行が本当に辛いセックス連チャンの嵐(スキップせずのテキスト表示縛りでプレイ中のため、本当にしんどい)。はっきり言って凡作です。
 クラリッサは、もしかしたら他よりはほんのちょぴり出来が良いかもといった感じです。助っ人ライターの七央結日氏、最低限の仕事はしたみたいですね。
 それにしても、ほぼ片道切符だったフィオナへの疑問は解消されましたが、クラリッサの方は相変わらず曖昧模糊状態。ミュゼーなんか最後、次のように「人間宣言」して、「成長」をアピールする始末。
  晴哉「ミュゼーが成長したのは、身体だけじゃないみたいだな」
  晴哉「人に感謝できるようになった。前はそうでもなかった気がするけどねぇ」
  ミュゼー「フフン。神は感謝しない。が……」
  ミュゼー「人は感謝する。それだけのことじゃな」
 話の流れとしては悪くないです。これはこれで、内容的には良い話に持っていこうとした努力の結晶とも言えます。「私は神から人になった」みたいな直接表現をせず間接表現に留める自制が働いたことは、ライターとして正しい仕事をしたなと思いました。が、神から人になることが果たして成長といえるのだろうかと、浅はかな疑問を感じずにはいられませんでした(笑)。
 さて、本作のプレイも残すところ、スキップでの機械作業で辿り着く、以下の三点だけとなりました。
  ①全ヒロイン孕ませ
  ②孕ませ失敗BAD END
  ③個別8回目の不妊判定(妊娠判定時との文章内容の相違を確認)
はぁ~! 辛すぎる(一箇月間を後何回繰り返せば良いのかを思うと)。前作を踏襲しているとするのなら、楽しみなのは①完了時イベントのボテ腹ヒロイン全員からの締めの言葉のみ。これがコケると、②③を確認する気力が失せてしまうかも……。

<6/13(完了)>
 上記の①~③に対し、二時間無心にスキップ作業に勤しみ、やっとプレイを完了させました。カレンダーを見ながら選択順番を考えるゲーム要素が無きにしも非ずですが、本当に無意味な時間の使い方に、「私、何やってるんだろう?」って、真剣に考えてしまいましたよ。その挙句に、最も期待していたラストの文章内容が、①②とも前作と一字一句全く同じという体たらく。余りにも手抜き過ぎて、開いた口が塞がりません。大減点です。
 ①など、ヒカリの会話内容をヴァルミューダがそのまま言っているだけ。ラストの締めの言葉、
   みんな「この世界へ、ようこそ!」
は、前作は最初だから意味があったのだけれども、今作では主人公が同じ世界の同じ場所にずっと居続けているだけなのですから、全く無意味でしょうに(この世界の“この”は、“オープン”ではなく“アンダー”なんて言い訳、聞きたくありません)。感動もへったくれもない、余りにも無常なラストに茫然自失です。
 そもそも、今回のストーリーでは、主人公の下に、各ヒロインが自分達のアイデンティティであるアンダーワールドを捨てて来るという設定なので、本来は主人公がヒロイン達に対して「この世界へ、ようこそ!」と言うべき話なのです。勿論、この世界とは、主人公が現在住んでいる異世界ローレンタイドのエッセンバウム都市(=セックスのこともオープンなワールド)のことです。

<総括>
 私、次の“「安心♥妊娠システム」の出来具合”の章でも書いたとおり、“全ヒロイン孕ませルート”での締めの言葉がどうなるのかに最も興味があって、そのために1万円を出して本作を購入したと言っても過言ではありません。それが文章全体が一言一句前作と同じとは……。裏切られた気持ちでいっぱいです。

 “各ヒロイン個別ルート”も、ユピテルとユーガリット以外は、見るべきものがありませんでした。この理由は明らかで、ユピテルとユーガリットは曲がりなりにも過去を背負ったシナリオ展開でしたが、他はクラリッサが多少は過去を背負った描写があったくらいで、殆ど過去を振り返らないのです。そのため、深みが全くありません。単にアンダーワールドの住人だとキャラ設定されているヒロイン達と、孕ませセックス連チャンしているだけ。

 地下帝国、冥界、海賊団、秘密教団、謎の組織、超古代文明、神界といったアンダーワールドについて、本作をプレイしてその情景が何か思い浮かぶのだろうかと問えば、恐らく具体的には殆ど何も思い浮かばないでしょう。何も思い浮かべられない内容なのに、タイトルでアンダーワールドを謳うなど片腹痛い、笑止千万なのです。それにも拘らず、ラストで「この世界へ、ようこそ!」なんてヒロイン達に言われても、なに言ちゃってるのって感じなのです。これが、この作品の評価に関する真髄だと言っても過言ではないでしょう。

 もう一つ前作も含めて本作の駄目な点は、各ヒロイン間のコミュニケーションシーンが不足していることです。ヒロイン同時孕ませハーレム世界を謳って、
  みんな「この世界へ、ようこそ!」
とヒロイン達全員で一緒に言わせるのなら、もっと各ヒロイン間の密なコミュニケーションの場を数多く提供してくれないと、本当に白けてしまいます。いつの間にヒロイン達は仲良くなったんだよって。

 あと肝心のエロ度ですが、前作同様にエロくない(^^;)。MOONSTONE Cherryは“明るく・エッチで・ヌける”を標榜しているわけですが、少なくとも“ヌける”は実現できていないと思います。“ヌける”以前に、画一的なセックス連チャンで嫌になるというのが正直なところです。

 さて、私の本作への評価に対する結論も出たところで、点数を付けたいと思います。各パート毎に、次のように点数化しました(私のサマリー記載の評価方法に則り、費用対効果を念頭に置いて評価)。

  98:OPパート
   (体験版で全て無償提供に驚き90点を加算、内容も面白く80点台と評価し、98点)
  65:ヒロイン個別孕ませ
    (OPパートは無償だったため、残りで1万円の価値があるかで評価。そのため点数辛め)
    55:ヴァルミューダ
    63:フィオナ
    55:アンドレア
    82:ユピテル
    80:ユーガリット
    65:クラリッサ
    55:ミュゼー
  30:ヒロイン全員孕ませ
    (妊娠判明イベントを個別とは別に用意は評価。しかしラストは前作の完全コピーで大減点)
  00:BAD END
    (前作の完全コピーで零点)

 BAD ENDはおまけと考え評価外とし、総合的に判断して65点としました。

 総プレイ時間は、前作とほぼ同じ(前作70h、今作72h)。本来なら前作より効率よくプレイできている筈なので、時間も短くて済んだ筈なのに同じってことは、たぶん私にとっては、今作は前作よりは総じて面白く感じ、プレイ中にいろいろ考察する時間を要したことを意味すると思います。にも拘らず、点数もほぼ同じ(前作66点、今作65点)。理由は、上記で述べたとおり、私が最も楽しみにしていたヒロイン全員孕ませでのラストが前作の完コピで、大減点したからです。


○「安心♥妊娠システム」の出来具合
<攻略前の感想>
 本作での攻略方針は、前作の長文感想で書いたとおり、決まっています。前作と同じ仕様なら、

 (1) 全ヒロイン孕ませルート
 (2) 各ヒロイン個別ルート
   (「エッチシーン7回選択&8回目の妊娠/不妊判定」で妊娠の場合に【BOTE H】のボテ腹エッチシナリオ開放)
 (3) 孕ませ失敗BAD ENDルート

が少なくとも存在する筈なのですが、前作を振り返れば、少しでもストーリー性を楽しむためには(2)を最初に攻略し、【BOTE H】まで一気通貫で一人ずつ攻略していくのが、本作をプレイする上では重要だと認識しています。そのため、(1)と(3)は後処理扱いの機械作業と割り切るのが正しい攻略方法だと考えます。とは言っても、(1)は本作での締めイベントが最後にある筈ですし、(3)は東京帰還イベントがある筈なので、そこだけは内容をしっかりと確認したいです。特に(1)は、どのような言葉で締めるのか、興味津々です。

 また、現時点(5/28)は、本作での日曜イベント仕様は未プレイなので不明ですが、基本は同じ攻略対象ヒロインを選択で望むつもりです。

 さて、前作の「安心♥妊娠システム」は“30日/月”仕様で、セックス休養日の日曜日にも妊娠好感度アップ対象の“ヒロインアイコン”を割り振っていたりして意味不明でしたが、本作では公式Webサイトを見る限りは、“32日/月”仕様で日曜日は“ヒロインアイコン”を割り振らず本当にセックス休養日扱いとしているみたいですね(6/2:実際の製品版では前作同様、日曜日に“ヒロインアイコン”を割り振っていることを確認)。それにしても“32日/月”って、今更ながらローレンタイドの一年は何日あるのでしょうね? 少しは、前作から何らかの改良は窺われるので、ほんのちょっぴりは+αを期待したいところです(恐らくこの期待は裏切られる公算が大なのですが……)。

 計算上は、一人フルセットイベントでの個別ルート攻略を敢行する場合、一箇月の期間で最大三人は攻略できそうですね。

 そういえば、前作の妊娠攻略期間は100年祭の開催期間とする一箇月縛りを課していたと思うのですが、今回の妊娠攻略期間はどういった理由で一箇月(32日/月)縛りとなったのでしたっけ?
 ⇒体験版で見直してみたら、ポチゾウから理由が説明されていました(^^;)。「主人公がこの世界に留まるためには、この世界で真の絆(=自分の血を分けた子供)が必要だが、まだ誰も生まれておらず、また“光の勇者”と“闇の御子”は対の存在なので、一箇月縛りが今回も適用」ということでした。胡散臭すぎるこじつけ理由で草。

<攻略後の感想>
 各ヒロイン個別ルートとして、最初にヴァルミューダから攻略しました。理由は、「安心♥妊娠システム」のカレンダーでは、ヴァルミューダのアイコンが初日から9日間連続で並んでいて、本作の「安心♥妊娠システム」の仕様確認に最適だと判断したからです。

 1日目~9日目にかけてヴァルミューダのみ選択の方針で実際にプレイしてみると、ほぼ前作どおりの仕様でした(個別を8回分選択したら9回目からは選択不可)。しかし、日曜日だけは前作とは違い、無条件に日曜日休養イベントが発生となりました(前作は、各ヒロイン選択で各ヒロイン毎の日曜日休養イベントが発生)。

 初回の日曜日に割り振られた“ヒロインアイコン”はヴァルミューダ、フィオナ、クラリッサの三名ですが、ヴァルミューダは既に“妊娠好感度アップアイコン”がコウノトリまで全部点灯済みになったためその効果は不明。フィオナ、クラリッサは“妊娠好感度アップアイコン”が点灯せず。そのため、日曜日休養イベントは次の仕様が考えられます。

 ①日曜日ごとに固定(四話のみ)
 ②“ヒロインアイコン”のヒロイン固有イベントが発生(発生条件:アイコンに該当するヒロインの“妊娠好感度アップアイコン”が全部点灯済み)

 ②の場合、該当ヒロインの“妊娠好感度アップアイコン”がどれも全部点灯していなかった場合の処理が不明ですし、日曜日以外の曜日と“ヒロインアイコン”の意味合いに相違が発生するという問題があります。

 そのため、日曜日の仕様については今後も要調査扱いとなります。
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 6/5追記>ユピテル攻略で次の日曜日(14日目)を確認したところ、初回日曜日(7日目)の日曜日休養イベント(晴哉の屋敷での家事分担というテーマ)の続き話でした。そのため、四話連続で構成されている可能性が高く、①の仕様だと判断しました。
 6/6追記>ユーガリット攻略で残り二つの日曜日(21,28日目)を確認したところ、28日目だけは各ヒロインから一人選択仕様でした(前作は全ての日曜日がこの仕様)。つまり、日曜日休養イベントは全部で10シーンあることが判明しました。
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 また、日曜日に関してもう一つ興味深い点は、前作同様に“ヒロインアイコン”が割り振られていたことでした。上記でも書きましたが、公式Webサイトの「安心♥妊娠システム」の説明箇所に掲示された図では、日曜日に“ヒロインアイコン”は一つも割り振られていません。

 チュートリアルでは、「その日に子作りエッチをすれば妊娠好感度アップアイコンが点灯となる」と説明されていますが、そもそも日曜日はセックス休養日なので、日曜日に“ヒロインアイコン”を割り振るのは、本来は仕様上おかしいのです。そのため私は、発売前に公式Webサイトを見た時には本来のあるべき姿になったのだと思っていたのですが、実際には“ヒロインアイコン”が割り振られています。一体、この“ヒロインアイコン”に何の意味があるのでしょうか?

 公式Webサイトの図は、開発途中のものだったと解釈するのが妥当でしょうが、だとするとこの方針転換は何を意味するのか等、俄然興味が湧いてきました。
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 6/6追記>一通り日曜日休養イベントを確認した結果、次の結論に達しました。
  ・日曜日に配置したヒロインアイコンはただの飾りで無意味
   (見た目の見栄えが悪いので、空白を埋めたかっただけと判断。後はプレイヤーを惑わすためのトラップ扱い? または、仮に日曜日にエッチすればってことを示すアイコンですかね)
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 因みに【BOTE H】のボテ腹エッチシナリオは、一箇月が完了しないと開放されないみたいです(6/8:一箇月間の完了で開放を確認)。

6/13追記 <「安心♥妊娠システム」の画面呼び出しに対する不満>
 前作の感想にも書いたのですが、主人公の異能である「安心♥妊娠システム」の画面呼び出しが、メッセージウインドウ右下のアイコンからしか呼び出せないのは困ります。なぜなら、本当にこの画面を必要とするのは、「会いたいヒロインを選んでください」選択画面表示時だけなのに、そこからは開けないからです。
 そのため、「会いたいヒロインを選んでください」選択画面の中央下のセーブ、ロードアイコンの並びに、「安心♥妊娠システム」の画面呼び出しアイコンをつける仕様にして欲しかったのですが、近作でも実現されず。私は仕方なく、前作も今作も「安心♥妊娠システム」の画面ダンプをとって、それをいつでも見られるようにしていました。仕様上、これだけは本当に改善して欲しかったです。

6/14追記 <28日目のフラグ管理>
 攻略するために「安心♥妊娠システム」での一箇月間を何回かやり直しましたが、日曜日(28日目)休養イベント時のヒロイン選択画面で、初回はヴァルミューダが選択できたのに、二回目以降は陰影化して選択できなくってしまったのでした。私は、本日(6/14)まで、選択できなくなったのは不具合だとばかり思っていたのでした。
 OSがサポート対象外なので問い合わせも憚(はばか)られて悶々としていたのですが、本日、勇気を振り絞って(=傍若無人)問い合わせしました。その結果、「おそらくシナリオのフラグの関係」との回答をいただき、目が覚めました。再検証した結果、ヴァルミューダの選択不可が通常状態だったことが分かったのでした。
 私は、初回選択時が偶然にも選択可能だったため、ヴァルミューダの選択がフラグ管理対象となる仕様だとは夢にも思わず、逆にその後選択不可になったことで、不具合が発生したと盛大に勘違いしてしまったのでした。問い合わせして良かったよ。ついさっきまでバグがあると、ここに書く気満々でしたからね(^^;)。赤っ恥をかかないで済みました。

6/15追記<イベント完全攻略>
 前作の長文感想に引き続き、巷の攻略には書かれないであろうミニイベントについて記します。

・日曜日休養イベント
1回目:屋敷家事の役割分担の話1(話し合いの結果、保留)
2回目:屋敷家事の役割分担の話2(話し合いの結果、問題児二人はフィオナの監督下に)
3回目:屋敷家事の役割分担の話3(役割分担後の状況確認後、屋敷同居外の嫁の視察)
4回目:個別選択(ヴァルミューダだけフラグ管理対象)
 ヴァルミューダ:絵画の青空教室の仕事(モデル)で、お立ち台での雄姿を披露
 フィオナ:二人きりで城壁の外にピクニックデート
 アンドレア:人喰いオルカ(ホオジロザメ)の竿釣り退治
 ユピテル:二人きりで服屋にショッピングデート
 ユーガリット:二人きりで城壁の外にハイキングデート
 クラリッサ:家事のお手伝いで晴哉のベッド脇に落ちていた服をクンカクンカ
 ミュゼー:マンドラゴラ茶の飲み過ぎでおねしょ。晴哉に洗濯を依頼

・個別ルート8日目妊娠/不妊判定イベント
 妊娠/不妊時の代表的な"ほのめかしセンテンス"を記します。
ヴァルミューダ
 妊娠「ううん。これは、体力増強のため」 ← 一心にごはんを食べていて
 不妊「ううん、今からまた出かけるところ。今日はこのあと、赤道の砂漠地帯に行ってみるわ」
フィオナ
 妊娠「あ、ご主人様。いえ、今日は、お役所でやっている講座を受けるんです」
 不妊「え、ええ……家に出たんです」 ← ゴキが
アンドレア
 妊娠「あ、ううん。今日は食事に来たんじゃないんだ」 ← 医者の場所を訊きたくて
 不妊「あ、今日は大盛りで」
ユピテル
 妊娠「これは、発生練習です」 ← 恥骨を鍛えるため
 不妊「これは、声を発することで、お腹に良い波動を送っているんです」 ← 新たな生命誕生のため
ユーガリット
 妊娠「知っているのですか? これ」 ← 晴哉に木馬のおもちゃと言われて
 不妊「今から予約があるのであります。指圧の……」
クラリッサ
 妊娠「んぅ……すぅ……すぅ…………」
 不妊「あ、お兄ちゃん。今いいですか?」 ← 商会のお手伝い依頼の件
ミュゼー
 妊娠「んぁー、これはいったいどうしたことじゃ。もぐもぐもぐ……」 ← 食べても食べても腹減りで
 不妊「もぐもぐ……はむはむ……もぐんっ……。この屋台の食い物もなかなかのもんじゃのぅ。セイヤの料理にはちと及ばんが」 ← 外食宣言


○木葉尽氏について
 “MOONSTONE”にて(「分割廉価版シナリオ単独」⇒「フルプライス版シナリオ共作」⇒「フルプライス版シナリオ単独」)と出世街道驀進中のシナリオライター木葉尽(このはずく)氏、今後、どう変貌していくのか、興味津々です。ただ、“MOONSTONE”作品だけに関わっていては、変貌のしようがないとは思うのですけれどね。“MOONSTONE”、これまでのところそれ程秀でた作品を生み出せているとはとても思えませんから。もし今後、木葉尽氏がそれを覆す作品のシナリオを“MOONSTONE”で実現できたとしたら、拍手喝采ものです。

 さて、私の「うちカノ」シリーズ『家の彼女』の長文感想おけるシナリオ評価は、要約すると次のとおりでした。

 ・ストーリー運びが、本当に上手い
  (セックス前後のストーリー進行が本当に違和感なく書いていて素晴らしい)
 ・セックスシーンの描写説明をできるだけ地の文だけにし、
  ヒロインにべらべら説明させる手法でないのも、個人的には好感触
 ・本当に、熱々の恋人っぽい雰囲気が、良く出ているシナリオ

 基本的に私は、最初から木葉尽氏のライターとしての力量に関しては、高評価でした。だからといって「うちカノ」シリーズの出来が良かったのかというと、必ずしもそうではないのですが……。まぁ、ライターの文章力がいくら優秀でも、企画がダメだとどうしようもないってことですかね。

 木葉尽氏の年齢に関しては、担当された作品群で「ピカピカの1年生」「ジャッキー・チェン」「ずうとるび」「あいーん」「アールツー」「T1000」「かっぱえびせん」「なおん」「お立ち台」などを文章中に散りばめていることから、ある程度は推察可能だと思っています。つまり、これらの時代背景を背負った年代ということです。

 木葉尽氏の特徴としては、例えば本作でいうと、やたらと主人公に言葉の意味を質問させるというのがあります。具体的には、主人公の晴哉は「こいつ無知過ぎるだろ!」みたいなことをしょっちゅう平然と訊くのです。例を挙げるとすると、

 晴哉「あの、オートマタって、どういう意味だっけ? なんか聞いたことがあるような、ないような……」
 晴哉「ピラミッドって、あのピラミッド? 四角錐で、とても巨大な」
 晴哉「最終兵器……っていうのは、どういう意味?」

みたいな。これって、ライターさんの癖なのかもしれないのですが、意図は明確で、ようは該当する言葉(「オートマタ」等)を知らないプレイヤーがいた場合を考慮して、言葉の意味を明確化させる手段として、わざと主人公に言わせているわけです。ようは、ライターさんの“気配り”の結果なのです。

 ただ、こうすると本作の場合、訊く頻度が高いので主人公が馬鹿に見えてしまうという弊害はあるのですがね。主人公が馬鹿に見えないようにするためには、主人公がわざとそう言っていることをプレイヤーに理解させるような主人公の性格付けと文章上での表現をしなければならないのですが、本作ではそういった配慮はしていないので、結果的に本作の場合、「主人公、バカすぎる!」となってしまうのですが……。

 これについては、昔、TVを見ていたら誰か(島田紳助だったような)が関口宏の司会者としての話術と能力について、次のように褒めていたのを思い出してしまいました。

 「本当は、自分でも既に知っている事柄なのに、知らない視聴者のために、わざと自分は知らない振りして訊く」

 つまり、視聴者に成り代わって無知を装い質問するわけです。私、馬鹿なんでご教示くださいって。勿論、馬鹿じゃなくて、計算ずくなのです。そうやって、視聴者側に無知だっていう羞恥心を抱(いだ)かせないように配慮しつつ言葉の意味を知らせて理解させための気配り、司会者としてのテクニックの一つなわけですね。

 以上、木葉尽氏も物語を進行する上で、シナリオ上でそういったテクニックを駆使しているという話でした。


 ところで話は変わるのですが、木葉尽氏のことを調べようと検索していたら、『美少女ゲーム(エロゲー)口コミ評価 感想と最新情報』というサイトに「木葉尽の記事一覧」というのがあり、次の四作品が掲示されていました。

 2020/04/19:イチャラブ最高傑作「家の彼女」JK口調のエロゲー感想と評判
 2020/04/17:抜きゲー近親相姦「家の妹」感想と口コミ評価
 2020/04/16:同棲ADV処女喪失「家の恋人」エロゲー感想と評判
 2019/10/04:ボテ腹エッチの抜きゲー『セックスオープンワールドへようこそ』感想と評判

 試しに、本作の前作『 セックスオープンワールドへようこそ!』を見てみたら、なんと私の体験版コメントが、ほぼそのままコピペされているではありませんか。いや、ビックリです。私の文章もついにコピペされる時代到来かと(笑)。

 ただし、コピペするのは構いませんが、自分が書いた文章扱いなのはどうなのよ。引用したのなら、引用したことを示すように書くべきではと思いました。それ以前に、体験版での感想をあたかも製品版の感想であるかのごとく記載するのは、それを読んだ方々に多大な誤解を与えることに繋がるのではないでしょうか。実際問題、私は自分の長文感想で自分の体験版コメント内容を一つ一つ検証した上で、
--------------------
⑥想定内の出来。そこそこ面白い。『巨乳ファンタジー』的な成り上がりっぽさの雰囲気も感じた。孕ませ&ボテ腹に拘らないのなら、体験版だけで満足できちゃうかもしれません。
 ⇒公式Webページから受けた印象どおりの出来。それ以上でもそれ以下でもない。
  「『巨乳ファンタジー』的な成り上がりっぽさの雰囲気」は、評価しすぎました。撤回します。
  結論としては、体験版だけで満足できてしまう作品かな、やっぱり。
--------------------
と訂正までした内容が、「巨乳ファンタジー的な成り上がりっぽさの雰囲気もあって面白いです」と製品版の感想として「面白い」と断定されて書かれた日には、オリジナル文章を書いてその内容を否定した私は、どうしたら良いのでしょうか。その後も、私のオリジナル文章での、
--------------------
単に、毎日、誰か一人を選択して、ひたすらエッチシーンだけとかの構成だとすると、私の場合、確実に飽きますね。やっぱりストーリーのあるシナリオが最後までないと、無理。
--------------------
に対して、「毎日、一人を選択してひたすらエッチシーンだけの構成だとすると確実に飽きますけど、。ストーリーのあるシナリオが充実しているので、体験版より本作品が桁違いに楽しめるのは素晴らしいです」って、私が「無理」だと書いた内容を「体験版より素晴らしい」と逆の結論に捻じ曲げるその根性、こいつメーカーの回し者かよって思ってしまいましたよ。そもそも「ストーリーのあるシナリオが充実」って、どの面下げてほざいてるんだよって感じです。コピペして文章を変えるときに、「。」を消し忘れているのが、書いた内容のいい加減さを物語っているよね。そもそも、コピペ感想書いた人、実際に製品版のプレイなんかしていないだろ、たぶん。

 他の感想も調べてみると、「家の妹」も他の方の体験版感想を、コピペしていることが確認できました。本当に、このコピペ感想を読んで製品版を買われた方がいたのかもと考えると、いたたまれません。ある意味、自分のあずかり知らぬところで間接的にその片棒を担がされて協力しているようなものですからね。


○「いいね!」評価について
 前作に引き続き、本作公式Webサイトのキャラクター紹介にある各キャラクター毎の「いいね!」評価結果を考察してみます。それにしても前作でも思ったのですが、まともに動作するようになってから、本機能を提供するようにした方が良いのでは……。相変わらず、見る度にあちこちNaN表示だし、カウント数も突然下がったりで、まともに機能していません。

 これでは評価と考察ができないので、勝手知ったる“MOONSTONE”のサポートにメールしてしまいました。いつもどおり1時間以内には解決ですよ(09:32 に問い合わせて 10:29 に対応完了の回答あり)。相変わらず対応が早いよ“MOONSTONE”。というよりサポート担当者の「**様」がなのですが……。それにしても“MOONSTONE”、「**様」以外にサポート担当者はいないのでしょうかね。まぁ、「**様」以外がサポート担当者になったら、迅速なサポート対応なんかしてもらえなくなるのだろうから、“MOONSTONE”はずっと「**様」がご担当で良いのですが。

 私は、前作の長文感想で「商品の紹介/予約受付の案内メールが『ムーンストーン総合』ではなく『**様』のメールアドレスで発信なのは何かの間違いなのか?」って書いたのですが、その後の本作の紹介案内メールも、発信元は「**様」のメールアドレスでした。ということは間違いではなくて、“MOONSTONE”に「**様」ありってことを主張したいのだと解釈いたしました(笑)。なんか、毎回迅速対応だし、気分が良いので本作、本当は買う予定は全くなかったのですが、ちょっと確認したいこともあったので、悩んだ末に買ってしまいましたよ。

 ところで、「いいね!」表示の問題、前作で問い合わせた時は、特に原因に関する言及はなかったのですが、今回は具体的に現象と対応をお知らせいただきましたので、念のために書いておきますね。
 サポート回答
  こちらの現象は、アクセスが多くなってくると発生してしまうようで、
  現状、直すことができておりません。
  こちらで適宜リセットをかければ表示自体は直りますので、
  それをお待ち頂ければ幸いです。

 「『いいね!』投票は各キャラ24時間に1回までです」との投票制限処理で負荷がかかっているのでしょうか? しかし、いきなり「NaN」とか表示されていたら、普通はクリックするのを躊躇して、その間、カウントアップしなくなるのではないかと思うのですがね。これについては、数値結果から具体的に検証できます。私は一箇月以上前のデータをちゃんと記録していましたから、ここ数日のデータの動きと比較検討すれば、「NaN」表示の影響は確実にあったと推察できます。では、実際のデータ結果を表示します。

 4/25:5/24:5/26:5/28:5/31:名前
 402: NaN: 443: 462: NaN:ヴァルミューダ
 251: 334: 343: 355: NaN:フィオナ
 385: NaN: 493: 505: NaN:アンドレア
 328: 404: 409: 414: NaN:ユピテル
 262: 308: 310: 314: NaN:ユーガリット
 304: 398: 407: 417: NaN:クラリッサ
 342: 18: 398: 423: NaN:ミュゼー
 ※5/26はメーカーサポートのリセット直後

 4/25の時点で一番票を集めていたヴァルミューダの伸びが5/26の時点では一番低い。こんなことは普通考えられません。明らかに長期間「NaN」表示状態で、その影響があったことが推察されます。そもそも、一箇月間で100カウント前後アップすることが他のデータから読み取れますので、本来であれば、少なくともヴァルミューダの値は600カウント前後あった筈なのです。アンドレアが「NaN」表示状態であったのにも拘らず、100カウント以上アップしているのは、恐らく「NaN」表示期間がヴァルミューダよりもずっと短かったことが推察できます。ミュゼーも、こんなお馬鹿な低い数値表示にならなかったのなら、もっと票を集められていたのかもしれませんしね。
 (5/31追記:リセット後、また徐々に表示が変になり、ついに全キャラが「NaN」表示に。やっぱりこの機能の提供、時期尚早なのでは?)

 ただ、状況さえ認識できればある程度のデータ補正は可能ですから、ここでの私の考察には差し障りがありません。なぜなら、私の本来の目的は、誰が人気でそれが何を意味するのかを調査・分析することなのですから。4/25のデータからほぼ状況と傾向は把握できますので、これを基に考察してみます。

 まず、各ヒロインの属性を把握し、票の数値との関係から、プレイする人はどんなキャラを求めたのかを検証してみます。

 属性  :名前     :キャラクター
 ツンデレ:ヴァルミューダ:地下世界の自分アゲ上等なヴァンパイアお姫様
 ハラグロ:フィオナ   :異次元の冥界から来た魔族で主人公専属の甘やかしメイド
 お姉さん:アンドレア  :ちゃきちゃき娘な海賊王
 クーデレ:ユピテル   :浮世離れした闇の高位聖職者
 ダンデレ:ユーガリット :超古代技術で作られたオートマタで最終兵器
 妹   :クラリッサ  :世界同時革命を目論む組織に人攫いされ逃げてきた奴隷
 神デレ :ミュゼー   :チッパイな破壊神の成り損ない

 改めて表にしてみると、前作とは違ってオタクな中二病が好みそうなキャラばっかりですよネ! 属性は適当に当て嵌めてみたので微妙ですが、雰囲気は示せているのではないでしょうか。上記の票数データ表と照らし合わせてみると、何か見えてくるものが果たしてあるのかどうか。取り敢えず、人気順位別に系統分けしてみましょうか。

 第1位グループ
  サバサバ系:ヴァルミューダ、アンドレア
 第2位グループ
  不思議系 :ユピテル
  従順系  :クラリッサ
  ニセトシ系:ミュゼー
 第3位グループ
  秘書系  :フィオナ
 第4位グループ
  機械系  :ユーガリット

 これから考えると、現状はサバサバ系女子が好まれているってことみたいですね。次は不思議系、従順系、ニセトシ系がくると。ニセトシ系はロリコン好きな人が推すのでしょうか? 見た目ロリだけど精神的には大人が好みってことなのかな(10万飛んで10才だし。犯罪ですね!)。因みに、個人的にはユピテル推しです。私の清き一票を投じさせていただきました(笑)。フィオナが敬遠されているのは、女は自分より馬鹿が良いっていう思想?なのでしょうか。女の手の平の上で転がされるのは嫌(いや)っていう感じなのですかね。それ以前にハラグロですしね。ユーガリットは、まあ、生物外はちょっとっていうことなのでしょう。個人的には嫌いではないのですが、『最終兵器彼女』的なセカイ系を匂わせているのがなんとも……。

 ところで、性格判定のために、本作公式Webサイトの各キャラCV音声を確認しようとしたら、声が何も聞こえない。あれっと思って、動作確認のために前作公式Webサイトの方で確認したところ、ちゃんと音声が再生されました。そのため、またまたサポートにメールで連絡(11:39 に問い合わせて 12:18 に対応完了の回答あり)。相変わらず対応だけは超早い。お昼休み時間まで費やしてご対応いただき、申し訳ないです。13時過ぎに連絡すれば良かったのかな。

 ただ、前作の長文感想にも書いたのだけれど、サポート対応は本当に秀逸なのですが、色々とちょんぼが多すぎるのが玉に瑕。自分達で無意味にサポートの仕事を作り出しているっていうか、なんというか。私は、既に本作に対する発売前コメントで「サンプルボイスに前作のものを指定というやらかし具合に、『あっ、いつものムーンストーンだ』と安心すら覚えてしまった私」と書いたのだけれど、果たして“MOONSTONE”にちょんぼ汚名返上の日は来るのだろうか……?


○新作フルプライス作品のダウンロード版購入の是非
 最近の私は、ダウンロード版での購入を基本方針としているのですが、本作はパッケージ版での購入としました。理由は、新作の場合、ロープライス作品だとメーカーの価格設定どおりに実売価格も「パッケージ版>ダウンロード版」となるのですが、ミドルプライス以上の作品だとパッケージ版の割引レンジが広くなるためなのか、実売価格が「ダウンロード版>パッケージ版」になってしまうという、メーカーの希望小売価格設定との逆転現象が発生してしまうからです。そのため、販売価格が安い方を選択することになってしまいました。

 なぜこうなってしまうのかを考えると、新作の場合、ダウンロード版の販売委託先を絞っている場合(それ以前に現状は販売委託先そのものが少ない)、競争原理が全く働かず、そもそも独占販売の場合は割引販売をする必要がないからですね。また、在庫を抱えなくても済むダウンロード販売の特殊性も、それを後押ししていると思います。つまり、価格を下げてまで在庫をはかなければならないといった必要性もない。

 というわけで、本作の場合、Amazonへの出品者が送料込みで8,556円(税込)でパッケージ版を予約販売(恐らく最安値。店舗特典入手に複数買い漁ったマニアが不要な本体を売る前提での新古品? ⇒発売当日の午前中に届いたので違うのかも)していたので、FANZAが独占販売するダウンロード版を9,900円(税込)で買うのは、どう考えても合理的ではないとの結論に至りました。そもそも、Amazonが販売元でも9,364円(+94pt付加)なのです。それに中古買取価格を調べてみると、5/28時点で少なくとも4千円以上となっているのです。
(5/31追記:うっわ、早くも中古品が多く出回っていますね。まぁ、4千円以上で買い取ってもらえたのだから、そうなるか……)

 これらを考慮すると、本作のような新作のフルプライス作品の場合、金額だけを問題にするのなら、早期予約をしようが何の特典も付かず割引もないダウンロード版を買うという選択肢など、絶対に有り得ないという事になってしまいます。そもそも、実売価格がメーカーの想定する設定価格差と逆転するような事態なのです。根本的に何かがおかしい状態なのです。きちんとした是正対策をしないと、将来的に自分達の首を絞めることになるのではないかと思った次第です。

 そういえば、今使用中のPCをメーカーの直販キャンペーン価格で購入した時、キャンペーンが終了した途端、更に価格を下げられてキレたことを思い出してしまいました。キャンペーンって通常販売より高く売ることなのかって。後でメールでのアンケート調査があって、「ふざけた販売してんじゃねぇ」って苦情を書いたら、同じ思いの方々が多数いたのでしょう、クーポンで差額補填されたんですけど。

 さて、私はこの問題に関して、「必ず、初期の実売価格がダウンロード版はパッケージ版より安くなるような価格差を持った値付けをするべき。実売価格の実体を考慮して是正対策を考えるのなら、ダウンロード版の初期設定価格をもっと下げるべき。パッケージ版はマニア向けの高価品、ダウンロード版は単にゲームだけしたい人向けの量販用廉価品と割り切った価格設定と販促方針が必要。それが中古販売への対策ともなりえる」との考えを持っています。


(6/7追記、6/24更新)
○満員御礼ありがとう2
 ちょっと休憩がてらに、前作での「満員御礼ありがとう」に引き続き、同日発売(5/28)の他作品と各人の長文感想参照数を競う(発売後一箇月間)を実施します。これは、私が勝手に実施しているだけのボッチ競技ですが、前作では1位の『きまぐれテンプテーション』への大量物量(大量の参照数)を前にして1700カウントもの大差を付けられ、あえなく撃沈、2位に甘んじたのでした。今回、前作の続編である本作にてその雪辱を果たすべく、経験と修練を積み重ね満を持して決戦に臨んだ次第です(笑)。発売直前まで購入予定じゃなかったのに、よく言うよって感じですが……。

 では、2021/6/7現在の上位5位までの結果は、次のとおりです。

<5/28発売作品の各人の長文感想参照数順位>
順位:長文感想参照数(6/7 04:00時点):名称(データ数)
1位:1803:セックスアンダーワールドへようこそ!(3)
2位:1664:まどひ白きの神隠し(16)
3位:1500:壁の向こうの妻の嬌声3(7)
4位:1337:巨乳ファンタジー4(19)
5位:1311:ぱられるAKIBA学園(7)
----------------------------------------------------
9位:1140:ハッピーライヴ ショウアップ!(59)
10位:1060:イチャ×2スタディ(25)
11位:1052:LOOPERS(非18禁)(71)
15位: 843:アイカギ3(27)
17位: 776:家出ギャルを拾ったので育ててみた(13)
--位: 264:あまいろショコラータ2(14)
--位: 235:恋愛×ロワイアル まり&汐音&蒼 ミニアフターストーリー(低価格)(42)
--位: 177:コイ×ミツ ~千葉静玖とサボテンの手紙~(13)

 Wow! まだ序盤戦ですが、意外にも順調に1位をキープ中です。もっとも、最初から順調だったわけではなく、投稿当初は8位くらいで、そこから毎日少しずつ順位を上げ、遂に6/4(金)決戦の日、その時点の1位とデッドヒートを繰り広げる手に汗握る熱い競走の末に抜き去り、6/7(月)現在に至りました。もちろん観客は私一人ですけどね(笑)。

 ところで、今回の主目的は、私がドヤ顔で悦に入(い)ることではなくて、これらのデータを分析した結果、何が見えてくるのかを解析することです。では、もう一つのデータ(発売11日後の長文感想参照状況)を見てみましょうか。

<6/7 04:00時点の直近一週間の作品ごとの長文感想参照総数>
3997:ハッピーライヴ ショウアップ!
2006:まどひ白きの神隠し
1435:ぱられるAKIBA学園
1238:LOOPERS(非18禁)
1062:巨乳ファンタジー4 -修道士アストル-
1026:家出ギャルを拾ったので育ててみた
944:壁の向こうの妻の嬌声3
384:セックスアンダーワールドへようこそ!
239:イチャ×2スタディ
235:アイカギ3

 上記の二つの表データを見ると、何で人気もあってデータ数や長文感想参照総数が多い作品(『LOOPERS』や『ハッピーライヴ ショウアップ!』等)の長文感想が上位じゃなくて下位に沈んでいるのかなって思うことでしょう。その間逆の『セックスアンダーワールドへようこそ!』の長文感想が1位だなんておかしくないって。

 その原因は、本サイトの仕様上の問題が一番起因していると私は考えているのですが――いろいろ差し障りがありそうなので明確化はしませんが――私の今回の長文感想投稿は、人気がなくて物量でも負けているとしても、色々な要因を分析し意識的に考慮した対策(前作の感想では「軍師よろしく読みと策を弄する」と書きましたが)をすれば、意図的に長文感想参照数の順位を上げることは可能であることを証明する一連の実験の一環でもあるのです。まぁ、どんなに読みと策を弄そうが、大量物量の前には適わないのは、本当の戦(いくさ)と同じですけどね。

 さて、ここまでは前座の話で、ここから本当に書きたかった真打の話に移るわけですが、ここまでの話を踏まえると、今回なんとか現時点で1位になれているのも、他が人気作であっても真の大量物量状態ではないからといえるのではないかと。つまり、人気作であっても、前より今の方が長文感想参照数がずっと少ない状況にあるということです。

 五年以上前なら、個人の長文感想参照数1位は、発売一箇月間で五千カウント前後はあった筈なのです(本サイトの不具合で何年にも渡る万カウント量産期間を除く:3年半前に対応済み)。それが年々ダウンしてきて、今年に入って更に悪化し、データ上は、今月は過去最低の長文感想参照数を記録するかもしれないという状況なのです。今月の1位なんて、このままいっても良くて二千越えがやっとってところでしょう(少しでもアップするように読みと策を弄するつもりではいるのですが……)。

 もう少し掘り下げて具体的なデータを見るのであれば、えび様特製SQL群を活用すればあら不思議、過去20年間の本サイトでの統計情報があっという間に手元に現出! 現在、どんな状況かを示すと、次のとおりです。

<発売後3ヶ月以内のレビュー数をリリース年ごとに集計>
 year:play:hitokoto:memo
 2011:17700:9363:5969 ← 東日本大震災発生。2009~2012年が本サイトでのピーク
 2019: 8978:3294:2047
 2020:10159:3296:2003 ← 新型コロナウイルス感染症発生
 2021: 3167:1084: 653 ← 現在
(2021: 3890:1322: 798 ← 7/1現在[半年間])(参考。7/2追記)
  play:プレイ済登録数
  hitokoto:一言感想数
  memo:長文感想数

<年別アクティブユーザー>
 年:投稿:ユーザー
 2011:96325:5188 ← 東日本大震災発生。2009~2012年が本サイトでのピーク
 2019:61679:2775
 2020:83418:3034 ← 新型コロナウイルス感染症発生
 2021:34406:1979 ← 現在
(2021:38569:2124 ← 7/1現在[半年間])(参考。7/2追記)
  投稿:全体の投稿数
  ユーザー:投稿したユーザー数

 国家規模の災害発生は、その年はエロゲー販売に活力を与えるみたいですが、その後が東日本大震災発生の場合はボディーブローで、新型コロナウイルス感染症発生の場合はカウンターで影響が出て、現在の市場規模は本サイトのピーク時の三分の一、ユーザーはピーク時の五分の三(今年は更に悪化して二分の一になるかも)ってところでしょうか。これらの意味するところは、ユーザーが年々減り、それを上回る勢いで一人のユーザーが購入する年間本数も減っているということですかね。

 いずれにせよ、今年は未曾有の危機的状況であることは間違いありません。

 この影響は即座に現れましたね。上記で萌えゲーアワードのことをちらっと書きましたけれど、今回発表(2021/5/28)の「萌えゲーアワード2020」での大賞は、去年、本サイトへのデータ削除依頼で物議を醸した某ブランドの某作品ですが、その受賞コメントが「販売本数6万本越え、今期売上も過去最高確定するも、ゲーム開発は終了」って、おめでたい席での事実上の解散発表なわけです。エロゲー業界のおかれている状況が、いかに危機的かを象徴する出来事の一つといえるのではないでしょうか。また、同時期に『永遠のアセリア』や『最果てのイマ』の XUSE 廃業(2021/5/30)も記憶に新しいところです。

 FANZAやDLsiteで100円、500円セールが花盛りなのも、この状況と無縁ではないでしょう。私なんか、『softhouse-seal どーん!と100本セット』が通常価格15,277円のところ、なんとキャンペーン価格500円ってなっていた時、思わず買っちゃいましたよ(作品個別でもキャンペーン価格500円一律なのがウケる)。だって1本5円(税込)ですよ。1本10円の駄菓子“うまい棒”より安いんですよ。レジ袋大1枚と同じ。あり得ないですよ。価格破壊、ここに極まれり。もっとも、買ってから気がついたのですが、対応OSがWindows7までっていう制約はあるのですがね(笑)。私のPC、未だにWindows7だから問題なかったですけど。
(7/3になって、FANZAで「エロゲ1本あたり5円」ってキャッチコピー付き広告が表示されたのですが、絶対、ここ読んだだろ。っていうか、また500円キャンペーン始めたんかい)

 ただし、これって既存ユーザーを何としてでも繋ぎ止める役割を少しは果たすかもしれませんが、新規ユーザーの開拓にはなっていないことは理解するべきです。新規ユーザーを振り向かせるためには、興味を引く作品を新たに生み出すしかないのですから。興味がなければ、ロハでも無視なのが現実でしょう(そもそも興味がないのだからキャンペーンすら知ることがない)。しかし、現状は興味を引かせる新作を生み出す力がこの業界にはもはやなく、リメイクに明け暮れるという悪循環。

 というわけで、見たこともないような起死回生の作品群、早く出してください。エロゲー業界さん。

(6/24,28)
《 最終結果発表と講評 》
 これまでの推移を観察した結果、一箇月間を待つまでもなくほぼ順位は確定したと考えられますので、結果発表したいと思います(6/24 02:00時点)。
 ※最終結果(28日 00:00時点)は、確定後に反映予定 ⇒ 6/28反映済み

<5/28発売作品の各人の長文感想参照数順位>
順位:6/28 00:00時点の長文感想参照数(6/24 02:00時点):名称:データ数(6/24→6/28)
1位:2156(2123):セックスアンダーワールドへようこそ!:(7→7)
2位:1875(1833):壁の向こうの妻の嬌声3:(8→8)
3位:1815(1803):まどひ白きの神隠し:(26→28)
4位:1506(1486):ぱられるAKIBA学園:(11→11)
5位:1449(1413):壁の向こうの妻の嬌声3:(8→8)
----------------------------------------------------
6位:1403(1396):巨乳ファンタジー4:(36→38)
11位:1130(1122):ハッピーライヴ ショウアップ!:(94→101)
12位:1080(1078):イチャ×2スタディ:(34→37)
13位:1076(1073):LOOPERS(非18禁):(94→98)
14位:1051(1032):アイカギ3:(42→46)
16位: 999( 957):愛する妻と10人の過去男:(2→2)
18位: 899( 878):家出ギャルを拾ったので育ててみた:(15→15)
----------------------------------------------------
66位: 442( 434):けもみみ娘たちが癒してくれる子作り温泉宿:(1→1)
----------------------------------------------------
79位: 374( 369):あまいろショコラータ2:(22→24)
92位: 257( ---):コイ×ミツ ~千葉静玖とサボテンの手紙~:(20→21)
94位: 252( 253):恋愛×ロワイアル まり&汐音&蒼 ミニアフターストーリー(低価格):(51→51)
----------------------------------------------------
注1)本サイトでの「データ数」は何らかのデータ登録数(=感想数とは限らない)
注2)この順位は、えび様特製SQL『新作レビュー参照回数』を利用(オリジナルの50件までを100件までに変更して実行)していますが、実は不具合が二つあります。
  (1)参照ログが未記録(直近4日間無参照の「ログはありません」状態)だと除外される
     ⇒13位の『LOOPERS』が突如リスティングされなくなり判明
  (2)参照ログでのドメイン未記入参照はカウントされない
     ⇒多量のドメイン未記入参照があった時にカウント数が合わず判明
注3)92位は6/22に登録された新規
(2)のドメイン未記入参照はよくあるのですが、その数は普通は非常に少ないし、参照ログ扱いから外れれば値に反映されるため、影響は軽微です。しかし、(1)はちょっと致命的です。日数が進むほど、13位の『LOOPERS』みたくリスティングされないものが出てくる可能性が、高くなるからです。上位は多分に確からしいとは思いますが、下位に行くほど順位が正確でない可能性があります。

 さて講評ですが(今頃追記しても読む方々は少数だと思いますが)、1位は苦節二年、前作での屈辱をバネに遂に雪辱を果たしました。バンザーイ。これも皆様の御蔭です、うぅぅ。ただし、上記にも書いたとおり、これは高順位確保の一連の実験の一環なのです。今年の1月~5月に発売された作品で実験したところでは、本作を含め三勝二敗の戦績でした。結果だけ書くと凄いと思われるかもしれませんが、

 2月発売1位:『同級生 リメイク』
  ⇒懐古厨老人パワー恐るべし。流石(さすが)は旧エルフ作品。リメイク批判、何処吹く風。
 4月発売1位:『搾精病棟 ~性格最悪のナースしかいない病院で射精管理生活~』
  ⇒“ふたば”パワー炸裂。もともと原作を布教していた“ふたば☆ちゃんねる”から襲撃され、2時間で600カウント上乗せ。全くの想定外。

上記のとおり偶然にも左右された結果で、お世辞にも自分の実力を反映した結果とは言い難(がた)いのが痛いところです(笑)。まぁ、前向きに運も実力のうちと受け止めましょうかね。

 私の本当の実力は、上記リストの66位が示しています。データ数1って私です(笑)。何の対策もしない素の実力を計るためのバックグラウンドデータ取得を目的に『けもみみ娘たちが癒してくれる子作り温泉宿』をピックアップし、本サイトで誰からも相手にされない未注目作品だとどうなるのかを検証してみたところ、66位でした。

 このデータで驚くべきことは、これより下に、本サイトの発売予定表での購入予定者数順位で2位(あまいろ)、5位(恋愛×ロワイアル)、8位(コイ×ミツ)だった作品の最大参照数の感想がランクされたという現実です。結局、これらの作品って、単に「仲間内だけで盛り上がっている作品」という評価になるのでしょうか? 66位の企業同人扱いブランド作品(しかもデータ数1)の感想より参照数が少ないのですから、本サイトの利用ユーザーの関心対象外作品だったと断定できると言っても過言ではないでしょう。これらの作品って、実際問題売れたんでしょうか?

 また、今回一番の注目は『壁の向こうの妻の嬌声3』でしょうね。やはりNTR、陵辱、痴漢の三大プレイは大人エロの真髄、大抵のエロゲーユーザーは表向き紳士づらこいてこれらのジャンルを毛嫌いしている振りをしていますが、一皮向けば興味津々、蓋を開けてみれば大低はランク上位に顔を出すのです。しかも、これらのジャンルの作品って、中古の値段もそれなりにするのですから、世の中の景気に左右されない根強いファンがいるのだと思います。恐らく長期戦なら1位になっている可能性がありますね。そもそも、私が投稿しなかったら確実に1位だったのですから。『愛する妻と10人の過去男』も、大人臭ぷんぷんで同系統の作品ということができるでしょう。

 それとは間逆の『ぱられるAKIBA学園』は、中盤までは物量でぐいぐい来てましたね。オタクパワー全開ってところでしょうか。その結果、序盤の5位から4位に躍進。個人的には興味があったのですが、キャラ絵が受け付けられなかったのと、公式Webサイトの丸文字と誤字脱字の多さに頭悪そうな作品に思えて(笑)、購入を断念しました。なんとFANZA独占で【電動オナホール対応】版が出ているのですね。全く『巨乳ファンタジー』シリーズかよって感じですが、『壁の向こうの妻の嬌声3』もそうなのかよ。因みに、Amazonを見たら新品でさえ71%OFFで売られていて、更に中古品いっぱいな状況です。さすがオタク、機を逃さず即効で売り抜けましたネ!

 その逆に4位から6位にダウンしたのが『巨乳ファンタジー4』。もう、マンネリですね、これは。そのうち、体の半分がおっぱいになるんじゃないですか(笑)。もう、触手と同系のゲテモノジャンルに移行する節目なのだと思います。

 『LOOPERS』や『ハッピーライヴ ショウアップ!』は先に書いたとおり。本サイトの仕様が影響しているよね。いくら人気があっても、昨今の物量程度ではランク上位進出は難しいってことですね。それ以前に、そもそも『LOOPERS』は非18禁だから、エロゲーの範疇で語ること自体が間違っていますしね。

 以上で結果発表は完了しましたが、実は、6/25発売作品によって上位の三位までを独占(具体的には『Role player:小粥姉妹の粘膜ポトレ ぐりぐちゃLIVE!』。三位までの一つは私の長文感想)されてしまいました。発売後たった3日であっさり抜き去られるなんて5/28発売作品はどんだけ興味を持たれていなかったのかが、如実に現れましたね。やはり過去最低の参照数の月だったのは伊達ではなかったみたいです。ボーナス月を見越しての発売は見事にスカだったわけです。やはり、エロゲーは発売後1週間が勝負だから、ボーナス出る前に商戦が終わっちゃって、翌月分に回ってしまったのかもしれません(笑)。これは、発売時期をメーカー側は良く考える必要があるのかもしれませんね。


○おわりに
 前作の仕様と構成をそのまま踏襲している以上、本質的な問題点が大きく改善されない限りは評価のしようがないのですが、それでも、内容的には前作より楽しい雰囲気になったことは、一つの成果だといえます。ライターさんも一人に統一されましたので、全体的な調和が向上したのも成果の一つだと言えるでしょう(6/8追記:クラリッサだけ別ライターさんだったことが判明)。

 前作は、1次ロット生産分がさっさと捌(は)けて2次ロット生産ができたぐらい売れたらしく、メーカー自ら「まさかのシリーズ第2弾!」と銘打つ本作の制作決定と相成ったわけですが、実のところそれが良かったのか悪かったのかは、判断に苦しむところではあるのですよね。

 恐らく、本質的な部分では、前作の長文感想で私が書いた問題が、あまり改善したとは言えないと思うのです。ただまぁ、総括すると前作よりは内容が楽しくなって、MOONSTONE Cherryのブランド・アイデンティティである“明るく・エッチで・ヌける”「萌えヌキ路線」の作品を生み出せたと考えるのならば、良かったってことにはなるのかもしれません。

 ただ、大概の作品同様、本シリーズの第2弾が第1弾より売れる可能性はとても低いといえることだけは、間違いないでしょう。第1弾は、やはりタイトルがぶっ飛んでいたから、ゲテモノ的な興味を引いて売れたのであって、初物としてのゲテモノ度合いが無くなった本作では、販促的には前作よりちょっと厳しいのかなって思いました。そもそも、メーカー自ら「まさかの」って思っているくらいなのですから……。

 まぁ、今後“あぽーん”なノリでの「萌えヌキ路線」を突き進んで突き詰めた先に、新たな地平線を切り開く何かが生まれる可能性が無きにしも非ずなのですし……否(いや)、ないな!?

 それにしても、前作と今作で生まれて来る子供達が“光の勇者”と“闇の御子”という“対の存在”っていう設定、何なんでしょうね。勇者は何となく分かるとして、御子って何? 闇だから魔王? “対の存在”ってのも気になる。光と闇じゃ、一対の“対(つい)”というより、反対の“対(たい)”だよね。光と闇が手を取り合うなんて姿が想像できない。私には、勇者と魔王が争う構図しか思い浮かびません(^^;)。そういえば、ユピテルが教祖の幻視した未来として、言ってました。

 ユピテル「闇の御子とは、光の勇者と対(つい)になる存在。兄弟相克の末、最後には勝利し、この世界を統べる――」

「兄弟相克」ですからね。やっぱり争うのが規定路線というわけですね。しかも闇が勝つ御託宣だし。

 そもそも、作品のコンセプト上、ボテ腹描写が最終着地点で、生まれてくる子供達のことなんか、はなっから考慮外だもんね、この作品シリーズ。もうここまで来たのなら、“MOONSTONE”も作品のネタに困っているのだとしたら、子供達の時代の世紀の大冒険活劇譚を制作するってのもありなんじゃないのかって、本気で思ってしまったのでした。その場合、最初から最後までストーリーを維持した作品を。セックス連チャン抜きゲーはご勘弁なので、MOONSTONEブランドでお願いします。一応ライターさんは、木葉尽氏で……OK?


(2022/6/15)
○不明な参照について
 私の長文感想へのアクセスログを見ていたら、最近(2022/6/6から)、特定の長文感想(主に『セックスアンダーワールドへようこそ!』と『Role player:小粥姉妹の粘膜ポトレ ぐりぐちゃLIVE! 』)に対する、奇妙な参照アクセスに気がつきました。

 具体的には、ユーザーエージェントの内容がてんでばらばらなのに、当サイトでは同じアクセスIDが割り振られていることです。本日(2022/6/15)の本感想での具体例で示すなら、次のとおりです。

176809369,2022-06-15 08:41:08.245829,63e495e2de95b2ac112fe5130196e801,,Mozilla/5.0 (X11; Linux x86_64) WebKit/561.12.9 (KHTML, like Gecko) Safari/8.1.3
176809307,2022-06-15 08:32:52.202292,63e495e2de95b2ac112fe5130196e801,,Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 8_0) AppleWebKit/542.40 (KHTML, like Gecko) Chrome/40.0.2212 Safari/537.36
 :
176807486,2022-06-15 03:57:21.271688,63e495e2de95b2ac112fe5130196e801,,Mozilla/5.0 (Windows NT 7_0_1; Win64; x64) WebKit/588.19.6 (KHTML, like Gecko) Safari/7.1
176807135,2022-06-15 03:18:59.979712,63e495e2de95b2ac112fe5130196e801,,Mozilla/5.0 (X11; Linux x86_64) AppleWebKit/591.44 (KHTML, like Gecko) Chrome/59.0.2360 Safari/537.36

 上記のように午前3時から午前9時にかけて、41件も同じID(しかし User Agent はばらばら)でアクセスされ続けていました。どう考えても、一人の人がてんでばらばらな機器(または情報変更して)で4時間以上も頻繁に参照し続けるなどおかしいので、本長文感想を参照している人達がアクセスするために踏み台にしているであろう所の機能によって、当サイトの仕組みでは同一アクセスだと判断されてしまい、同じIDが割り振られたと考えるのが妥当だと考えます。

 当然のごとく、このようなアクセスがアクセス元のURL情報など残すわけがないので、上記のとおり空欄です。そのため、どこからどのようにアクセスしてきたのか、私ごときではまったくもって調査不能です。

 まぁ、どこからどのようにアクセスして本感想が参照されようが、私には無関係なことではあるのですが、もし複数人での参照であるのなら、当サイトの仕組みで同一アクセスIDを割り振られてしまうと、最終的な処理では参照数が「1」としてしかカウントされない(同じ人の意図的な参照数アップを防ぐためと思われる)現実に、私は打ちのめされるのでした。久しぶりの参照に色めき立ったのに参照数の記録上は、カウント数が1アップするだけなのですから、本当に悲しいです。

追申
 6/16に本サイトの「ご要望板」で管理人さんに本件について問い合わせしたところ、「ベトナムからのアクセスで、同じURLにAgentをかえてアクセスしていたため、該当IPアドレスのネットワークからのアクセスをブロックした」との回答をいただきました。というわけで本件は一件落着と思ったのですが、一つくらいIPアドレスをブロックしても状況変わらずでした。実害はないので、もう放置です。


(6/17追記、6/18,19更新)
○雑記
 思ったことを、備忘録がてらとりとめもなく記します。
 主に「プレイしてみて」の章で書いた内容の裏づけとなる事柄のベースとなる内容で、​暇つぶし用ですが、これからプレイする方々は、ネタバレ満載ですので、読まないことをお奨め致します。

《 OP(共通)パート 》
★口癖
ヴァルミューダ:
 うんよく誉められる ⇒ 対となる会話文(フィオナ:誉めてないが? 誉めていません)
 私は良かれと思って ⇒ 対となる会話文(フィオナ:なにが良かれか)
フィオナ :もちろん、性的な意味です
アンドレア:ううん
ユピテル :さてどうでしょうか
ユーガリット:~のであります、~のです
クラリッサ:お兄ちゃん
ミュゼー :神ははたらかない

★手抜き(ヴァルミューダの日傘が全く描かれない)
 いくつかのシーンで、ヴァルミューダの日傘について言及されているのですが、一回も日傘が描写されません。
例1)
 ト書き:ヴァルミューダはいったん家に戻ると、傘を持ってすぐに戻ってきた。
 ヴァルミューダ「フフン、どう? これ、日傘よ」
 ⇒立ち絵は日傘なんかささないし、それ以前にそもそも日傘を持ってもいないし。立ち絵に日傘を持たせなくても、最低でも囲み枠でも良いから日傘の描写くらいはしろよって思ってしまいます。
例2)
 ト書き:顔は見えないけれど、特徴的な日傘ですぐに分かる。
 ト書き:それでもヴァルミューダはいまいち納得がいかないように、日傘をくるくると回している。
 ⇒画面上の絵には、傘の「か」の字も出てこない。「特徴的な日傘」や「日傘をくるくると回して」とか書かれても、肝心の日傘、どこにあるんだよって感じです。

★マーブル
ト書き:浴槽の石は、まさに、マーブル(大理石)模様を描いていた。
 ⇒もしかして、明治マーブルチョコレートって、そういう意味だったのか。初めて知ったよ。調べてみたら、そのとおりだったよ。
-----------------
マーブルチョコレートは、1961年に発売しました。
「マーブル」は、英語で「大理石」や「おはじき」という意味があります。
表面が「大理石」のようにツヤツヤしていて、形が「おはじき」に似ていることからマーブルチョコレートと名付けられました。
-----------------

★手抜き(クラリッサの衣服が綺麗すぎ)
クラリッサ「組織から、着の身着のまま逃げてきて……、お金もないから、食べられない日も多くて……」
 ⇒文章内容と立ち絵の見た目の綺麗な服装とのギャップがありすぎて脳内補完できず、ちょっと困ってしまいました。

★可視化
ト書き:当然腕も震え、おっぱいも一緒に波打ち、まるで絶頂が可視化されたみたいだった。
 ⇒「可視化」って、ある意味、ビジネス用語だよね。ライターさんの経歴が気なる(笑)。

★「膣内射精し」
ト書き:子供が出来るかもしれない膣内出しをたっぷりとされ、胸を震わせ、快感に翻弄されている。
晴哉「ああ、出す、膣内射精し、するからっ」
 ⇒最初、「膣内射精し」の「し」は余分だと思ったのだけれど、「なかだし」って読ませたいのだと理解しました。でも、直前の地の文で「膣内出し」と書きながら、何故ここは「膣内射精し」って書いたのだろうか?

★アンダーワールド
男性「そりゃそうだよな。何しろ、アンダーワールドの大物中の大物なんだから」
晴哉「…………」
ト書き:今この男性は、地面の下の意味で、アンダーワールドと言ったわけではないだろう。
 ⇒そもそも、本作のタイトルにもある「アンダーワールド」って何って改めて思ってしまい、思わず調べました。『やさしい英語辞典』には、次の記述がありました。
----------------------
「アンダーワールド」の4つの意味
原語
 「アンダーワールド」は "underworld" という英語をカタカナにした言葉です。
意味
 "underworld" は「under(下)+ world(世界)」でできていて、意味はそのまま「下の世界」ですが、詳しくは次のような意味に分けられます:
 1.地下社会、裏社会。犯罪などの悪行をおこなう者たちの社会。
 2.死者の世界。あの世。様々な宗教や文化で、人々が生きる世界の下に死者の世界があると考えられていた。「地獄」や「黄泉の国」も、その一例。
 3.地下世界。 実在または架空の、地表の下に広がる世界。 例えば、ジュール・ベルヌの小説「地底旅行」では、地中海に匹敵するサイズの空間が地下に存在するという設定。 世界各地の都心部の地下に広がる地下街も、もはや地下世界と呼べる広さかもしれません。
 4.《古語》 現世。人々が生きる地上。天国から見ると現世が下に存在するので。
----------------------
 ⇒これから考えると、神であるミュゼーは、アンダーワールドの住人といえるのかという疑問はありますがね(笑)。それはそれとして、本作はアンダーワールドの住人をヒロインとしているのだけれど、アンダーワールド自体の話ではない。本作のユピテル個別ルートでは、次の記述があります。
   男性「ちゃんと届け出は出していますよ。何しろエッセンバウムは自由な都市なのです。セックスのこともオープンなワールドです」
 ⇒そのため、前作のタイトル『セックスオープンワールドへようこそ!』は、主人公がエッセンバウムの世界に実際に行ったからこそ「ようこそ」なのであって、タイトルと内容が合っているとは思うのですが、今作では主人公がエッセンバウムの世界から一歩も出ないので、『セックスアンダーワールドへようこそ!』はタイトル詐欺ではないのかと、私は思ってしまいます。実際、これが今作の企画上での大きな問題点だと、私は思っています。

★ナイスバティ
ユピテル「92・58・90のアリエナイレベルの超ナイスバティです」
ユピテル「え、どうして? 上から112・38・110の超ナイスバディに有史以来最高の顔が載っかっていて、断るなんてマジアリエナイ」
晴哉「あれ? さっきと数値変わってない?」
 ⇒声優さんの「ナイスバティ」の「バディ」の発音がネイティブみたいで面白いです。わざと発音しているのでしょうね。

★ユピテルの格言
ユピテル「フニャチンは撤回します。酒は飲んでも飲まれるな。酒は飲んでもチンポは勃てろ」
 ⇒ユピテル、面白すぎ。

★地震の原因
ポチゾウ「ところで……ひょっとして、先日大地震があったのは、ミュゼー殿が降臨したためなのですか?」
ミュゼー「あぁ、そのようじゃな。わらわが降臨したとき、ガイアの森もずいぶんと震えておった」
ミュゼー「わらわが本来の姿なら、地震どころか、そのまま地球が割れていたところじゃが、今はまぁ、あんなものじゃろうな」

★ギャグ
ユピテル「ところで、昼間、ミュゼー相手に射精したんですか?」
晴哉「う、うん。あの、あんまりそういうことは訊かないでもらえると……」
ユピテル「何回? 2回?」 <-- 声優さんの淡々とした読み方がまた秀逸
晴哉「言ってるそばから回数まで」
ユピテル「大事なことですから。……とはいえ……」
 ⇒回数の2回にかこつけて「大事なことですから」ギャグが秀逸。ユピテル、面白~い。

★ユピテルの声優さん、文章の読み方、マジ面白い
ユピテル用にアレンジしているのでしょうが、「何回? 2回?」もそうですが、
 ユピテル「フェロモンという言葉、聞いたことはありませんか?」
 ユピテル「ときにセイヤさんは、女の脇の毛は嫌いですか?」
 ユピテル「勃起してきましたか?」
なども、ユピテルの声優さんの読み方がとても面白い。「フェロモン」や「ときに」で一旦溜める読み方や「ぼっき」の促音部分を溜める読み方をした上で、更に一拍置いて「という言葉」や「セイヤさんは」や「してきましたか?」とその後を繋いで読んだり。そもそも、
 ユピテル「遠慮なくクンカクンカしてください。そのために腕を持ち上げています」
 晴哉「ユピテルってちょっと言い回しが面白いよね」
とシナリオ上でも「言い回しが面白い」って書いて補足しているくらいなのですから、声優さんもノリノリです。「クンカクンカ」の読み方も、なんかそそられてしまいます。声優さんが、声のトーンを低くしているのも◎です。私、キャンキャン声は、基本的に嫌いですから。

★手抜き(文章の胸の揺れ記述に、絵がぜんぜん追随してくれない)※個別パート分も含む
ユピテル:ト書き:今度は下から突き上げられて、豊満なバストがぶるんぶるんと揺れる。
アンドレア:晴哉「ああっ、揺れるおっぱいなんかもすっごいそそられる……。くぅっ……!」
ヴァルミューダ:ト書き:そして、動きが大きくなると、おっぱいがぐるぐると揺れて、そこからも目が離せなくなった。
 ⇒ヒロイン全員、胸なんかぜんぜん揺れてくれません。私、発売日が同じだったので、本作に優先して『けもみみ娘たちが癒してくれる子作り温泉宿』という作品をプレイしたのですが、同じ孕みボテ腹ハーレム作品で、しかも低価格作品なのにも拘らず、乳房なんて「ぶるんぶるん」揺れる演出がされていました。アニメでもないのに。
 ⇒世の中の多くのエロゲーでは、文章に書かれた動作記述に絵が全く追随してくれず、私はいつもそのことに、大きな不満を覚えています。アンケート調査なんかする暇があったら、静止画紙芝居手法にいつまでも胡坐(あぐら)をかいていないで、さっさと本質的で根本的な不満点を解消して欲しいものです。

★「あなた」と「あんた」
 アンドレアは主人公に対し、「あなた」と「あんた」の二通りを使い分けています(4対3の割合で「あなた」と言う場合が多い)が、その使い分けの基準がさっぱり分かりません。
----------------
アンドレア「おっ……おっきくない? あなたのソレ……」
アンドレア「そうなんだね……。あたしの中にいて、あなたはそんなに気持ちいいんだ……」
アンドレア「これ、あなたの精液が、はぁはぁ、掻き回されているんでしょう? んんんっ」

アンドレア「あはは、冗談だよ。勝負はもう付いたからね。あれは、あんたの勝ちさ」
アンドレア「あたしも一つになりたいんだ。あんたと……はぁあっ……」
アンドレア「ううん、いいの。あんたがたくさん射精したんだって思うと、なんだかそれも嬉しい……はぁああっ……」
----------------

★ユーガリットの存在理由
ユーガリット「私が最終兵器であった……ということは、前に言ったかと思いますが」
ユーガリット「その意味するところは、私がそういう存在を産み落とすのではないか……、とそう思ったのです」
ト書き:なるほど、つまりミュゼーと似たようなものか。
ト書き:本人には(現状)その力がないから、その代理として、我が子に期待する。
 ⇒最終的には、ミュゼーとは違うことが判明するわけですがね。結局、ユーガリットの子供の位置づけは、光の勇者と闇の御子との調停者的な役割らしいと私は理解したのですが、さて。続編が作られるのなら明確になるのでしょうが、果たして制作されることがあるのだろうかって感じです。

★★★カエル
ヴァルミューダ「だ、だって、両足を大きく広げるなんて……この美しい私が……カエルみたいに……」
晴哉「カエルとか思ったことはなかったなぁ」
ト書き:カエルのよう……というのは独特な表現だけど、あのヴァルミューダがあられもなく秘所をさらして、チンコはもうバキバキだ。
 ⇒私は昔からカエルみたいだと思っていたから、逆に「独特の表現」と言われる方が違和感があります。カエルと言えば、本作での膣内挿入断面図での射精後の精液、カエルの卵みたいに描かれていますよね。私、子供の頃は、カエルの卵を良く触ったものです。あのゼラチン状の丸っこい粒々感がなんとも気持ち良かったです。
  そういえば、精子もおたまじゃくしの形だし、なるほどセックスとは「カエル症候群(フロッグシンドローム)」と言い替えても良いのかもしれません。しかし、カエルの交尾を調べてみたら、カエルのメスの背中にオスが抱きついている構図、単に刺激して産卵させることが目的で、精子は産卵後の卵(のある水中)に放出する体外受精なので、「交尾:copulation」ではなく「抱接:amplexus」というのだとか。「抱接」なんて言葉、初めて知りました。やはり、カエルと人間は根本的に違うのでした。

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《 個別パート 》
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<ヴァルミューダ>

・イベント(8回分の範囲)
★ヴァルミューダの見た目
ト書き:正直なところ、彼女がヴァンパイアということを、普段はほとんど意識しない。
ト書き:見た目だって(自慢の美しさを除けば)、ヒューマンと変わりはない。だが……。
 ⇒いやいや、腰に蝙蝠の羽が生えてるでしょうって突っ込みたくなる。どう考えてもヒューマンには見えないよね。

★手抜き(キス)
ト書き:最奥まで貫くと、俺は彼女の唇を求めた。
ヴァルミューダ「ん、はぁっ……んちゅ、んちゅる……んちゅぅっ……」
 ⇒絵はぜんぜんキスしてくれない。

★★★読み方を勘違いした文章
晴哉「えーと……? あっ、もしかして、ヴァルミューダって人に教えられるくらい絵が上手かったわけ?」
 ⇒テキストの表示上、一行が途中で改行されていたのもあって、私は「ヴァルミューダって人に、教えられるくらい絵が上手かったわけ?」と読んで、最初、何を書いているのか理解不能に陥ってしまい、何回か読み直してしまいました。で、やっと理解しました。「ヴァルミューダって、人に教えられるくらい絵が上手かったわけ?」だということに。

・妊娠判明イベント
ヴァルミューダ「私、本当に何も考えていなかったのよね……子供ができたらどうするか、なんて」
ヴァルミューダ「でも、そんな私も、近いうちに母親になる……」
ヴァルミューダ「セイヤ。私にもとうとう、したいことが見つかったみたいよ」
ヴァルミューダ「フフッ。私のしたいことは――あなたとずっと、一緒にいることよ」
 :
マンモン「いえ、それは分かるのですが、えー、それでなぜ、国に帰らないことになるのでしょうか?」
マンモン「勇者殿も連れて帰ればいいではないですか」
ヴァルミューダ「そうもいかないでしょうよ。彼の体は、私ひとりだけのものではいのよ?」
 ⇒誤字脱字:ないのよ
マンモン「おおっ、なんと……! お嬢様がそのような常識的なことを言うとは……」
マンモン「うぅむ……お嬢様、成長なされましたな。あっ、あっ、わたくしまた涙が流れそうです」
 ⇒いや、無理に成長話に持っていかなくても。なんか成長させるお約束に持っていかないと、許されない雰囲気があるのでしょうかね。
 ⇒それよりビックリなのが、地下世界と地上世界を結ぶ唯一の回廊が火山噴火の溶岩で塞がれるという大事件が発生したことです。それにも拘らず、「帰れなくなってあら良かったわね」の雰囲気なのは解せません。故郷との繋がりが永久になくなってしまったのかもしれないのに。
 ⇒本作のヒロイン達は、過去と決別して主人公と一緒になるを基本としているので、全部のストーリーが「過去を捨てて今に生きる」の流れに帰着してしまうのは致し方ないのですが、それにしてもね……限度ってものが。そのため、薄っぺらなストーリーに見えてしまうという残念な結果になってしまっているのです。

・【BOTE H】
ヴァルミューダ「子作りが目的じゃないエッチって、思えば初めてだけど、それも悪くないわね……はぁはぁっ……」
晴哉「ああ、そういえばそうだね……」
ト書き:ただしたいからしている。その目的は、純粋に喜びだけだ。
ト書き:そういうセックスも、もちろん、あっていいだろう。
 ⇒ヴァルミューダの話では、セックスに喜びってのがあってもいいだろう程度の扱いですが、ユピテルとユーガリットの話になると、セックスとは「楽しい、嬉しい、気持ちいい」の三拍子揃ってなんぼ(愛)でしょうがテーマになって、しかもそれを深く掘り下げるという暴挙に(笑)。

★子供に託す
(地下世界と地上世界を繋ぐ唯一の回廊が、死火山の大噴火で閉じてしまって)
ヴァルミューダ「故郷のことだけど、私はそこまで悲観していないの」
晴哉「他にも回廊があるかもしれないってこと?」
ヴァルミューダ「ううん。私たちの子供だけど、実際、大層なチカラを持って産まれてくるかもしれないって、そう思うのよ」
ヴァルミューダ「だったら、その子が、固まった溶岩くらい、打ち砕いてくれるかもしれないから」
 ⇒いや~、ヴァルミューダのこの楽観思考、やっぱ大物だわ。

※ヴァルミューダのストーリーが駄目な点は、最終的にヴァルミューダのこれまでの人生を無かったことにするような展開にしたためだと思いました。地下世界の話、全くないんだもの。そして事実上、回廊を塞ぐことで、地下世界との関係も切り捨ててしまった。

-------------
<ユピテル>

・イベント(8回分の範囲)
★ギャグ
 ユピテルのくだらないギャグが妙に面白くて、好き。しかも、ユピテル自身はそれをギャグだと認識しておらず、真面目に話しているのが。
・おセックス
 ユピテル「私が下界にやって来た唯一の目的は、セックスです」
 晴哉「う、うん、あの、少しは周りにを気にして言葉を選んでくれたら嬉しいんだが……」
 ユピテル「おセックスです」
・美女でも排泄
 ユピテル「さすがに驚きました。んんっ、勇者ともあろう男が、女の肛門をぺろぺろしたがるなんて。んんぅっ……」
 晴哉「俺が勇者っていうのも、周りがそう言っているだけだから。自分ではあんまり自覚がないな。ぺろぺろぺろ……」
 ユピテル「はぁあっ……あっ……、そうだとしても、清潔な場所ではありませんよ。私のような美女でも排泄はします」

★文章解釈の齟齬
晴哉「ほんとにとんでもない男だなぁ、教祖ってのは」
ユピテル「そういうセイヤさんは、頭の中にあるのは、3本目の足をいかに使うか……ではないんですか?」
晴哉「それはそうだよ。いや、俺も奥さんがたくさんいて、誤解されても仕方がないんだけど……」
晴哉「そんな、手当たり次第に“女”とヤりたいなんて、そんなことは思っていない」
 ⇒私、ユピテルの会話文の「ではないんですか?」を、「~と思います」の間接的表現である「~ではないだろうか」と捉えて、晴哉の「それはそうだよ」は「3本目の足の使い方だけ考えている」ことを肯定したと解釈しました。それなのに、その後の会話内容では、それを否定しているので、頭の中が「???」になってしまいました。
  そのため、じっくりと調べてみたのですが、『この日本語、おかしくないですか?』というQ&Aがあって、そのベストアンサーを見ると、恐らく「3本目の足をいかに使うか+ではない」の「肯定+否定=否定」として、晴哉は解釈したのだと理解しました。
  ただ、理解はできても、やはり私の違和感は払拭できませんね。

★イクとき、名前を叫ぶ
晴哉「はぁはぁはぁっ……っ……ユピテル……」
ユピテル「はぁふぅ……セイヤさんはやはり、イクときに女の名前を呼んでしまうタイプなんですね」
晴哉「さっきのは、なんていうか……」
ト書き:例によって独占欲の現れだけど、言葉にするのもなんだかはばかられた。
 ⇒晴哉の独占欲性格が、個人的にはどうしても好きになれない。突き詰めれば、自己中ってことですからね。因みに、こうのとり回での進化バージョンは、次のとおりです。
晴哉「はぁあっ、ユピテル……ッッ……ううぅっ……!」
ユピテル「はぁはぁっ、セイヤさん……ッ……はぁっ、あぁあああっ……!」
ト書き:こういうときに、彼女が俺の名前を呼んでくれたのは、きっとこれが初めてだろう……。
ト書き:と、それを認識すると、もう一気に果てていた。
 ⇒二人して、独占欲まみれになってしまって、なんだかな~ですよ。

★嫉妬と独占欲
ユピテル「オマンコが綺麗だと嬉しいんですか?」
晴哉「ああ、嬉しいよ。なんか、嬉しいんだよね。顔が綺麗だと嬉しいのと、同じようなもんかな……」
ユピテル「顔とアソコではだいぶ場所が違うようですが」
晴哉「まぁね。……そういえば、こことか、教祖に見せていないよね?」
ユピテル「え、どういう意味ですか?」
晴哉「教祖はどうもそういう目でユピテルを見ているようだからさ」
ユピテル「そういう目? ……いずれにしろ、べつに見せたりしませんでした」
晴哉「そっか」
ユピテル「そんなことが気になるんですね」
晴哉「まぁ……」
ト書き:でもユピテルが闇の御子を身ごもり、教団に戻って出産したら、教祖という男、いよいよユピテルを手籠めにするつもりなんだろうか。
ト書き:そんなことはさせない――と、またも、嫉妬と独占欲がないまぜになった感情が、メラメラと燃える。
 ⇒本当に、晴哉のこの性格、なんとかして欲しい。嫌いなのよ、私は……。そもそも、オマンコ見て嬉しいんだったら、教祖と五十歩百歩だろうって思ってしまいます。

★主人公が性格的に嫌い
 主人公は、ヒロイン達を感じさせるためにセックス頑張って素敵みたいな扱いになっていますが、私に言わせれば、自分が気持ち良くなりたいがために、頑張っているにすぎないのです。試しに、もし主人公がセックスの射精時に何も性感を感じない身体だったとしたら、果たしてセックスしたいと思うのだろうかって疑問があるのです。単に自分が気持ち良くなるための独占欲エゴ丸出しの結果にしか過ぎないというのが、私の結論なのです。これを示す文章としては、次のとおり。

 ユピテル「印象深い発言だったので覚えていますよ。セイヤさんは、愛のあるセックスがしたいんですよね」
 晴哉「ああ」
 ユピテル「私との間に、愛があるんですか?」
 晴哉「そっ、それは……っ……」
 ト書き:言葉に詰まってしまった。
 晴哉「……嘘はつきたくないから、こういう言い方をするけど……、きっと、そのうち分かるよ」

即答できず、言葉に詰まるくらいですからね。因みに、この伏線は後に次のとおり回収しています。

 ユピテル「いえべつにいいんです。少なくとも私の子供は、セイヤさんが責任を持つことはないでしょうから」
 晴哉「…………。それは、まだ分からないさ」
 晴哉「先のことはまだ分からないけど……、そのうち分かる」
 ユピテル「そのうち分かる……。同じことを、前にも言っていましたね。私とのセックスに、愛があるのかどうか……といったことで」
 ト書き:ユピテルだって、きっと分かってくれる。そう信じているから、はぁはぁっ、俺はこうしてセックスしてるんだ」
 ユピテル「ただ女とヤりたいだけではないんですか?」
 晴哉「俺はそんな事を思ったことはないつもりだよ。はぁはぁっ」
 ユピテル「そこまで女に不自由はしていませんか。んんっ……」
 晴哉「ユピテルだから……っ……はぁっ、君だからしたいんだよ。はぁはぁはぁっ」

なんか、単なるヤリチンではないってアピールしているのですが、結局、教祖の下に帰すとエッチできなくなってヤリチンを満たせなくなる嫉妬と独占欲にまみれた性格であることを、示しているだけですからね。

★卵(らん)
ユピテル「あなたの精子、確かに、私の卵に届いたような……はぁはぁっ……そんな感じ……ふうぅうっ……」
 ⇒声優さんは「卵」を「らん」と読んだのだけれど、私は「卵子」と書かなかったのだから、「たまご」と読むのではと思ったのでした。そこで調べところ、なんと、今の学校の授業では「卵子」ではなく「卵」が採用されているのでした。
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質問
「卵(らん)」と「卵子(らんし)」は,どちらが正しいのですか?
回答
教科書で用いる用語は,「義務教育諸学校教科用図書検定基準」に基づいています。
具体的には,学習指導要領に示す用語が生徒にとって適当な場合はこれによることとし,そこにない場合は文部科学省の学術用語集などによるといったものです。
『学術用語集 動物学編』および『学術用語集 遺伝学編』では,いずれも「卵〔子〕」と記載されており,「卵子」の「子」は省略できることを示しています。
また,日本動物学会/日本植物学会 編の『生物教育用語集』では,「成熟卵を卵子ともいうが,...教育用語としては卵子を用いず卵に統一する。」と記載されています。このようなことから,教科書では「卵(らん)」を採用しています。
「卵(らん)」と「卵子(らんし)」のどちらが正しいといったことはありません。医学や畜産学などでは,慣例的に「卵子(らんし)」を多く採用しているようです。
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★セックスオープンワールド
晴哉「ゴホンッ。それより、こんな乱交パーティーなんか、やっていていいんですか? 見つかったら捕まりますよね」
男性「ちゃんと届け出は出していますよ。何しろエッセンバウムは自由な都市なのです。セックスのこともオープンなワールドです」
 ⇒これから考えると、前作のタイトルは、セックスオープン・ワールドであって、セックス・オー
プンワールドではないということですね(笑)。オープンワールド詐欺だ~というのには当たらないと。

★セックスは楽しい?
ユピテル「いったいあなた方は、どうしてこんなことをしているんですか?」
男性「楽しいからに決まってるからじゃぁあぁりませんかぁ」
 ⇒「ぁあぁりませんかぁ」って、どっかで聞いたような言い回しですが。
男性「あなたはずいぶんとお綺麗ですが、セックスが楽しくないんですか?」
ユピテル「……考えたこともないですね」
 :
ユピテル「シャッガイ秘密教団において、性は、彼の言ったようなものではないですから」
ユピテル「あくまで、それを通じて霊力を高めるというのが目的です。享楽のためのセックスではない。少なくとも、それが建前ではありました」
晴哉「じゃ、ユピテルも?」
晴哉「俺とのセックスで……ということだけど」
ユピテル「どうでしょうか……。霊力については、あまり考えていませんでした」
ユピテル「ただ、闇の御子のことが常に頭にあったのは確かです。それからすると大して違いはない気もします」
 :
ユピテル「セイヤさんはどうなんですか?」
晴哉「俺は、俺の子供を産んで欲しいって気持ちは、すごいあるけどね」
ユピテル「ええ、それは分かりますが、セイヤさんは楽しくてやっていたのでしょうか」
晴哉「それは……そうだよ。楽しくないなんてことは無い。だからって、あんな乱交みたいなことをしたいとは思わないけどさ。全然」
 ⇒奥さん連中とは、ある意味ハーレム乱交みたいなもんじゃないのと思ってしまいます。
 :
晴哉「ユピテルは、楽しくない?」
ユピテル「分からないんですよね。私がこの町にいるのと、同じようなものかもしれません」
ユピテル「私は町というものを知らないから、こんなところまで歩いてきました」
ユピテル「楽しさということも、知らない気がします。だから……」
ユピテル「セックスも、できたのかも」
晴哉「それは寂しいな」
晴哉「やっぱりユピテルにも楽しいと思って欲しいから。あんな乱交じゃないよ? でも……」
晴哉「性には喜びが伴っていてしかるべきと、俺はそんなことを思うんだよね」
 ⇒つまり、これまでユピテルの気持ちそっちのけで、自分だけが楽しんでたってことだよね。やっぱりクズだ。だから主人公は嫌い。★★★

★真実の性への目覚め(覚醒)
ト書き:俺が楽しんでいれば、ユピテルも楽しくなる。そういう繋がりは、きっとある。
晴哉「ああ、じゃもうよく見ていてよ。はぁはぁ、ちゅ、俺がどんだけ楽しんでやっているのか」
 :
晴哉「気持ちいいかな? おっぱいとか……」
晴哉「ユピテルが感じてくれると、嬉しいんだよね。はぁはぁ」
ユピテル「それがあなたにとっては楽しさに繋がるんですよね」
晴哉「ああ、もちろん。チンポでユピテルを感じさせたり、イカせたりすると、もうめちゃくちゃ嬉しいよ」
ユピテル「そこまで言われれば、あなたがああまで、私の中でオチンポを動かすのも分かります。んんっ……」
 ⇒ユピテルが感じるのと、ユピテルが嬉しいのとでは比較すべき次元が異なる気がします。結局、この時点でも晴哉は自分だけが楽しんでいるってことを言っているだけだと思います。

★セックスの意義
ユピテル「はぁっ……ふうぅっ……本当にイッてしまったみたいです……クリトリスの愛撫で……はぁはぁ……」
ユピテル「イク直前、ちょっと違和感があったんですが、それの理由が分かりました」
ユピテル「それが、愛撫だからです」
ユピテル「一つになって、絶頂を覚えるなら、まだ分かるというものです。子を作るという重大な目的があるので」
ユピテル「でも単なる愛撫では、子供はできません。にも関わらず……エクスタシーを覚えるなんて」
ト書き:ユピテルにとってセックスはあくまで子作りで、そこから離れた性行為は、あまり想像がつかないのかもしれない。
ト書き:まして、エクスタシーにまで至るなら、戸惑うのも分かる気がした。
ユピテル「教団には解剖学の書もありましたが、女のクリトリスは、存在理由が不明だそうです。ありていに言えば……」
ユピテル「セックスを楽しむために存在するのかもしれない、と」
 ⇒子作り以外の目的でのセックスとは何なのかを問う哲学的問題の探求シーンです。無理矢理、セックスは楽しむものって方向に持っていかなくてもって感じですけどね。

★手抜き(素股からの立位)
ト書き:ユピテルは片足を上げて俺のモノを秘所に導くと、そのままゆっくりと受け入れていった。
 ⇒片足を上げずに、素股の絵のまま。

★人の親になると見えてくる風景
ユピテル「私はあまり、親と顔を合わせる機会もなかったので」
晴哉「……あれ? そうなの? だって同じ教団の中にいて……」
ユピテル「ええ。ですが、シャッガイ秘密教団は、ヒエラルキー社会です。たとえ親子でも、霊的階層が異なると、あまり交流はないんです」
晴哉「それは酷いなぁ……」
ユピテル「そうですか?」
晴哉「それに、親の側からしても酷い話だ」
晴哉「だって、子供を奪われたようなもんだろう? ……俺も近いうちに人の親になるから、そんなことを思うんだけど」
ユピテル「……なるほど。そういう発想はありませんでした」
ユピテル「人の親になったら、また違った風景が見えてくるものなんでしょうか」
晴哉「ああ……そんな気がするね」
ユピテル「ひょっとすると、私も……」
晴哉「…………」
ト書き:ユピテルが教団に戻ったら、彼女の――つまり俺たち子供も、教団に召し上げられることになるのだろうか。
ト書き:今は口にしなかったけど、そんなことを思った。
 ⇒そしてラストはって感じのノリですかね。

★お馬鹿な名前ギャグ
男性「あぁ申し遅れました。わたくし、アンターノ・ティンコ・スウタローカと申します」
 ⇒乱交パーティーを主催する“大人のマニア倶楽部”の男性の名前。一発で覚えました(笑)。これ、名前の付け方として最も大事なことだよね。

★その筋の界隈
スウタローカ「そういうあなたは、かの有名なセイヤ様ですな?」
スウタローカ「そしてそちらはユピテル様」
ユピテル「よく知ってますね」
スウタローカ「それは無論です」
ユピテル「私の有り難い辻説法で?」
スウタローカ「いえ、それはとくに。エッセンバウムの美男美女として、その筋の界隈では有名ですよ。ひひひ」
ト書き:その筋の界隈……何やら怪しい言い回しだ。この後、これがどう展開していくのか、注目です。

★初めてのキス
ユピテル「……初めてキスをしましたね」
晴哉「お……大事なことだけど、ちゃんと分かってくれていたんだ」
ユピテル「まぁそれくらいは」
ユピテル「あなたとするのも初めてだし、私にとって生まれて始めてのキス……ということになります」
 ⇒つまり、今までユピテルと散々セックスしてきたけれど、愛がなかったと。散々愛愛言っといて。だから、主人公が嫌い(笑)。

★キスをしなかった理由
ト書き:唇を塞いで、ねっとりと舌を絡める。
晴哉「はぁ、ちゅ、ユピテルのキス、気持ちいいよ……ちゅ、ちゅる……」
ユピテル「ええ、私も……んちゅる、ちゅ、ちゅぴ、ちゅる……」
ユピテル「こんな気持ちいいこと、どうしてずっとしなかったんですか? ちゅ、ちゅる……」
晴哉「ん、それは……」
ト書き:ちょっとの間、言葉を考えてしまった。
晴哉「まぁその機会がなかったから」
ユピテル「でも機会とは、作るものでは?」
晴哉「そうだけど……」
 ⇒結局、自分の快楽だけを求めていたことが明らかとなったのでした。だから、私は主人公が大嫌いだ(笑)。

・妊娠判明イベント
 シャッガイ秘密教団の教祖にキャラ絵と声優さんの声があったよ。びっくりだよ。
 おまけにストーリー、三部構成だよ、長いよ。
 ユピテルがエクスタシー革命を起こし、教祖撃退。母は強しで締めちゃったよ。

教祖「どっ……どど、どうしてですかぁ……! 何故なんですかぁ……! 何故この私が負けるぅうっ……!!」
ユピテル「エクスタシーを覚えましたから。エクスタシーを覚えれば、霊力は飛躍的に高まる」
ユピテル「そして、私は母になるんです」
ユピテル「あなたのように、3本目の足をいかに使うかばかり考えて、その後のことには思いを致さない男には、所詮分からないでしょうが……」
ユピテル「母は、強いんですよ」
 ⇒そういえば、主人公との最初のセックス時に、
   ユピテル「私のような霊力の高い女が、エクスタシーを覚えると、ますます霊力が増幅するそうです。はぁはぁっ」
と言ってましたね。
 ⇒ところで「その後のこと」って何? いろいろ考えられるけれど。例えば、セックスとは「楽しい、嬉しい、気持ちいい」の三拍子で「愛を叫ぶ」を実践することとか、はたまた子作りと産まれてきた子供のこととか。

・【BOTE H】
★スウタローカ氏の口癖
スウタローカ「夫婦で働くのも素敵じゃあぁりませんかあ」
 ⇒「~じゃあぁりませんかあ」って、某アニメの誰かの口癖を真似たね。

★ユピテルシナリオ、万歳
 ユピテルのシナリオ、最初から最後まで力が入っているよね。面白いし、ちゃんとストーリーがある。
ユピテル「私は最初は、単に闇の御子を宿すだけのつもりで、あなたに近づいたのでしたが……」
晴哉「第一声がセックスしてください、たもんね。あれには驚いたよ」
ユピテル「ふふ、あれは我ながらいい挨拶でした」
ユピテル「でも今はこんなことに……。望外の喜びというものを感じます」
晴哉「ああ……俺も嬉しいよ。俺としてはやっぱり、単なる種馬よりは、愛情ある夫婦として子作りしたいんだ」
ユピテル「ええ……そういう気持ちも、今では分かる気がします。いえ、分かります。愛情ある、夫婦……」
ト書き:呟くと、ユピテルはこちらに振り返った。
ユピテル「セイヤさん……」
晴哉「ん……?」
ユピテル「あなたを愛しています」
 ⇒結局、主人公に感化されて、最後に愛を叫ぶユピテル。【BOTE H】のシナリオも、しっかりラストを決めていますね。素晴らしい。

※ユピテルの個別パートは、やっぱり全体的に読めるストーリーがあって、面白い。面白いので、プレイしながら文章をいっぱい模写してメモってしまいました。上記では、ある程度カットして編集した要約にしていますけれどね。残りのヒロイン達の個別ルートもそうあって欲しいのですが、さて。「さて」って句の最後につけるユピテルの言い回しが、うつってしまいましたよ。たぶん、この先私は、ずっと使い続けると思います。

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<ユーガリット>

・イベント(8回分の範囲)
★オーパーツ
(ユーガリットの店にエッセンバウムの公的機関の研究者が来店して)
ユーガリット「彼らは、超古代の遺物を、オーパーツと呼んでいるようですね」
晴哉「オーパーツ……俺も聞いたことあるな。場違いなアイテム……みたいな意味だっけ?」
ユーガリット「あれは、レーザーガンでした」
 ⇒オーパーツがレーザーガンってところで、過去、何があったかを想起させるイントロですね。ライターさんのこういうところは評価できます。

★過去
ユーガリット「数十万年の昔……おそらくは私が眠りについた頃。この地球では、確かに何かが起こったと思うのです」
晴哉「…………」
ユーガリット「きっと、地球全体の運命を変えてしまった、何かが……」
 ⇒分かりやすいテーマだよね。いや、分かりやすいことは良いことです。

★セックスの喜びを知ってしまったオートマタ
ユーガリット「あたなたに抱かれる喜び……。そしてあなたを受け入れる喜びを知った今となっては……はぁはぁはぁああっ……!」
ユーガリット「こ、子作り無しでは物足りないような……んんあぁっ、はぁああっ……!」
ユーガリット「はぁっ、あはぁあっ、子作りでこんな、はぁはぁっ、感じてしまうなんて、あなたと出会う前は想像もしませんでした」
晴哉「知ってはいたんだっけ? セックスのこととか」
ユーガリット「ええ、一応知識はありました。オートマタの私が、んんぁぁっ、子作りのことを知っていたのが、それも謎ではありますが……はぁはぁはぁっ」
ユーガリット「こんな素敵なことを知ってしまっては、もう以前には戻れないです。はぁはぁっ」
 ⇒この作品って、抜きゲーだからセックス主体ではあるのだけれど、「楽しい、嬉しい、気持ちいい」セックスがテーマなんだよね。それは結局、MOONSTONE Cherryのブランド・アイデンティティである“明るく・エッチで・ヌける”「萌えヌキ路線」に繋がるわけなのだけれど、それが主人公の快楽優先になっているところが、駄目な点なんですけれどね。いや、抜きゲーとしては正しいのかもしれませんが、その結果、主人公の性格が、私は生理的に受け付けられないのです。ここは強く改善を求めたい、主にライターさんに。

★掃除
(レンストラン店内でセックスしてしまって)
ユーガリット「お店で性行為はやはりまずいのでしょうか」
晴哉「まぁ本当はね。掃除もしないといけないし」
ユーガリット「掃除という意味、分かりました。はぁはぁっ、液体がこぼれてしまうからなんですね。んんちゅ」
晴哉「そうなんだよね。ちゅ、ちゅ、この状態でお客さんを迎えるわけにはいかないし……っ……」
ユーガリット「私からは見えないですが、床はびっしょりですか? はぁはぁっ」
晴哉「ん、そうだね……。……うん、びっしょりだ。うわぁ……」
ト書き:って、今更びっくりしたような声を出してもしょうがないが。
 ⇒それ以前に、部屋の空気の換気が必要でしょうって、私は言いたい。うん、強くそう望む。

★早く人間になりたい
(キスをおねだりして)
ユーガリット「そ、それと、これも、ちゅぴちゅむ、んんちゅむ」
ト書き:そう言ってユーガリットは軽く俺の舌に吸い付いた。
晴哉「欲張りだね」
ユーガリット「はぁはぁ、ちゅ、そのようであります。私は以前は、そうでもなかった気がするのですが……んんっ……」
晴哉「でも、いいことじゃないかな。欲しいものがあるなら、欲しがるのが人間だろうし」
ユーガリット「私は……人間なのでしょうか」
晴哉「唇も舌も、おっぱいもオマンコも、もうみんな最高だから……っ……」
ユーガリット「あなたにそう言ってもらうのは嬉しいです。でも、自分としては、あともう一つがどうしても必要……と思っているのです」
ユーガリット「子供であります」
ユーガリット「はあむちゅ、私はオートマタではありますが、それでも……んんあぁ、あなたとの子供ができたら、はぁはぁ、ちゅ」
ユーガリット「そのときこそ、私は本当の人間になる……。そんな気がするのであります。んんあぁ、んちゅ、んんんっ」
ト書き:俺と同じなのかもしれないと思った。俺も、このローレンタイドの人間になるには、子供を産み落とす必要があった。
 ⇒『溶解人間ベム』以来のテーマだよね。でも、これって人間が史上最高で頂点に君臨しているっていうヒエラルキー前提の話だよね。誰が、人間が最高の存在だと決めたのだろうか。どう考えても、今のユーガリットの方が人間より遥かに優れた存在だよね。それとも、主人公と同格の存在になりたいってことなのでしょうか。それなら、理解できなくもないですが。本作の場合、どちらかというと子供に託すってことの方が重要な気もしますが……。ミュゼーもそうですが、どうして人間になることに拘るのか、いまいちピンときません。

★人の心――あるべき姿――人間らしさ
(壊れた人形を直したことで)
ユーガリット「直せないモノ、あるいは直してはいけないモノというのも、世の中にはあるのですね」
晴哉「うん……。なんか、話を聞いていて、そんな気がしたんだよね」
晴哉「あのおかあさんはひょっとして、人形が壊れたあとの姿しか、覚えていないんじゃないかって」
晴哉「だから、直ったことをむしろ、奇妙なことと認識したんじゃないかと思って」
ユーガリット「ええ……。あのおかあさんは、壊れた人形の姿を見て、むしろとても嬉しそうでした」
ユーガリット「人の心とは、微妙なものなのですね。私はまた一つ、そうしたことを知ったようであります」
ユーガリット「人の心の微妙さを知って、一つ、気になることができたのであります」
ユーガリット「私はてっきりこれまで、あなたを大事なところで受け入れるのが、性行為のあるべき姿と思っていました」
ユーガリット「私はあの人形を、あるべき姿に戻しました。が、人によって、あるべき姿も違うようでしたので」
晴哉「あるべき姿……か。ま、人によって違うのは事実だろうね。まして、エッチなんて、それこそ微妙な世界だろうし」
ユーガリット「なるほど……なんとなく分かってきました。性器の刺激だけが問題ではないということでしょうか」
ユーガリット「心が嬉しいなら、それもまた快感に繋がる……と?」★★テーマ
晴哉「そういうことだね。はぁはぁ……」
ユーガリット「人の心の動きとは、やはり微妙なものであります。それが人間らしさでしょうか……」
 ⇒ユピテル個別でも、セックスは「楽しい、嬉しい、気持ちいい」を連呼していた主人公ですが、ここではもっと具体的に快楽との関連性について言及していますね。ユピテルもユーガリットも、ある意味、当初の心が壊れている(育っていない)状態は一緒だから、テーマに一貫性があるのは良いことだよね。主人公は、嫌いだけれど(笑)。

★モデル
晴哉「ユーガリットのおっぱいって、意外なくらい大きいんだよね」
ユーガリット「実を言うと、意外というのは私も同じなのであります」
ユーガリット「テルマエに行ったりすると感じるのですが、私のバストサイズは、確かに平均以上のようです」
晴哉「モデルになった人物がいると思うんだ」
晴哉「モデルもなしに、こんな素敵には造れないって、俺はそんな気がするな。はぁはあっ」
ユーガリット「私にモデル……。それは考えたことのなかった事であります」
ト書き:ユーガリットのバストは本当に愛らしくて、こういう愛らしさが、完全な空想の産物とは、ちょっと思えない。
 ⇒さて、誰でしょうね~(鼻ほじ

★苦痛
ト書き:3回連続、合計だと5回連続の射精は、さすがにもう、苦痛と紙一重のような感覚で……。
 ⇒いや、ゲームしているこちとらも流石に苦痛なんですけど。

★ユーガリットと闇の御子
晴哉「あのさ……夢を見て思ったんだけど」
晴哉「ユーガリットが闇の御子を産むというのは、もしかすると、違うんじゃないかな」
晴哉「あの夢の中の時代……、それはきっと、今から数十万年も昔ということになると思うんだけど……」
晴哉「その当時、話に出た“最終兵器”が、今話に出ている“闇の御子”に繋がるとは、あんまり思えないんだよね」
ト書き:ユーガリットは前に、自分が最終兵器だからこそ、闇の御子を産むことになるのではないか……。そんなふうに言っていた。
ト書き:でも彼女が最終兵器なのは、言ってしまえば過去の話のようだから……。
ユーガリット「ええ……でも、確かにセイヤさんの言う通りかもしれないです。あなたと同じ運命を背負った人が、前にもいたとは、私には思えません」
晴哉「うん……。あの、もし闇の御子が、ユーガリットに関係ないとしても……」
晴哉「それでも俺と、子作りを続けてくれる?」
ユーガリット「はい、それは」
 ⇒結局、セックスがしたいだけの主人公なのであった。ちゃんちゃん。さて、生まれてくる子供の役割とは何?

★独占
晴哉「ううん、そういうわけじゃないんだけど、ユーガリットの裸を、通りがかりの人に見せたくはないからね……」
ユーガリット「そうなのですか? となると、テルマエ(公衆浴場)も……」
晴哉「いや、同性はいいんだけど、他の男には見せたくないっていう、そういう気持ち」
ユーガリット「説明されると、私にもなんとなく分かるようであります。独占したい……という気持ちは、人間らしいあり方なのでしょうか」
晴哉「うん。とはいえ、俺のほうは奥さんが何人もいて、その点は申し訳なく思ってるんだけど」
 ⇒本当にそうだよ。だから晴哉は嫌いなんだよ。★★

★自分のこと
ユーガリット「それにしても、やはり思い出したいとは思います。自分のこと……」
晴哉「…………」
ユーガリット「私はやはり、何か意味があって、永い永い眠りから覚めたと思うのです。闇の御子のことは関係が無かったにしても……」
ユーガリット「それを思い出したとき。そしてあなたとの間に子供ができたとき……」
ユーガリット「そのとき、私は本当の意味で、皆さんと同じ人間になる。……そんな気がします」
ト書き:俺はうなずいた。
 ⇒最終的に、この伏線は回収されるのですがね。調○者として。

★セックスしたい理由
晴哉「セックスって、体位も結構色々だからね。これからも試してみようよ。そうすれば、他にも気に入るのが見つかるかも」
ユーガリット「はい……。そうなると、人の子作りは、必ずしもそれだけが目的ではないのかもしれないですね。はぁはぁっ……」
ユーガリット「受精するだけなら、体位のことまで考える必要は、あまりないような気がします」
晴哉「そうだね。目標は子作りとしても、やっぱり楽しくて嬉しいからするんだろうな」★★
ユーガリット「ええ……私にも分かってきました。オートマタである私にも、今は分かる気がします……んんあぁっ……っ……」
ユーガリット「あなたとこうすることが、楽しくて嬉しくて……んんぅっ……だから、したくなってしまうのであります。はぁはぁっ、あぁああっ……!」★★
 ⇒結局、「楽しくて嬉しいセックス、万歳」ってことになるのでした。バンザーイ。

・妊娠判明イベント
ユーガリット「それにしても、これでいよいよ私も、あなたと同じ人間の一員になった気がします」
晴哉「あとは、自分のことを思い出せたら……から?」
ユーガリット「ええ……それも、そう遠いことではないような気がします」
ト書き:俺はうなずいた。ユーガリットは、夢という形で記憶を取り戻しつつあるようだ。
ト書き:それについては、敢えて訊かなくても分かるのは、俺も、同じ夢を見ているからだった。
 :
ユーガリット「私に託された仕事……、それは結局、何なのでしょうね」
ユーガリット「それこそが、私が造られた意味……、そのはずです」
 ⇒人間になるための条件の一つ、子供を作るが妊娠で満たせたので、残りは過去の記憶の思い出し。おいおい、まさかの【BOTE H】につづくですか? 【BOTE H】で語っちゃうんですか、ボテ腹エッチしながら……(笑)。

・【BOTE H】
 この【BOTE H】のシナリオも良く出来ています。一気にこれまでの伏線を回収するのです。もう【BOTE H】の範疇を超えていますね、このシナリオ。
 【BOTE H】だけなら、出来の良いユピテルの【BOTE H】でさえ凌駕する内容だと思います。

謎の男「……我々の用意した最終兵器を用いれば、ロボット軍を殲滅することは可能だろう」
謎の男「それと同時に全ての電子機器も破壊され、我々の生活は原始時代へと逆戻り……、だがそれはべつに問題ではないのだ。本当の問題は……」
謎の男「遠い未来……おそらく数十万年も先のことにはなるだろうが……」
謎の男「また同じことが起こる。そこが問題なのだ」
謎の男「人類の抹殺だ。この地球上に、人類が存在してはいけない。それが、AIの出した答えだった」
謎の男「そこで、君を造った」
謎の男「君はロボットの一種ではあるが、ひとつ決定的に異なる点がある」
謎の男「それは、人と愛し合える……ということだ」
謎の男「そのために、死んだ娘の、中枢神経を移植した。ついでに言えば、姿形もよく似せた……」
謎の男「遥かな未来、君が目覚めて、人と愛し合えたなら……」
謎の男「そのときこそ、人類にとって、新たな時代の幕開けとなるだろう」
 :
晴哉「俺にもやっと分かったよ。ユーガリットが造られた意味が」
ユーガリット「ええ……私にも分かりました」
ト書き:自分が造られたことの意味を、気にしていたユーガリットだった。
ト書き:これでとうとう、大事なことは全て、思い出したことになる。★
晴哉「ロボットと人間の戦争……か。前の戦争では、人間側が捨て身の攻撃で勝利したみたいだけど……」
ト書き:どうも、全ての電子機器を破壊してしまうような兵器を開発したらしい。
晴哉「でも歴史は繰り返すなんていうし、長い時間が経って、また科学が発展したら、また同じことが起こる。それを当時の人たちは心配したんだね」
ユーガリット「…………」
晴哉「そうして、君が造り出された……。ユーガリットは、なんていうか……」
晴哉「人間との、架け橋だったわけか」★
ユーガリット「ええ……でも正確に言うと、この子だと思います」
ト書き:ユーガリットはそう言って、また昨日のように、愛おしげに、自分のお腹を撫でた。
ユーガリット「この子が産まれて、人とロボットの双方の架け橋となる。そういうことではないでしょうか」
晴哉「ああ……そうだね」
ト書き:ヒューマンの俺と、オートマタのユーガリットの血を引く子供は、まさに双方にとって架け橋となれる存在だろう。
ト書き:そして、人類の歴史……記憶に、そんな架け橋の存在がくっきりと刻み込まれるなら……、
ト書き:それはきっと、後世の人々にとって、意味のあるものになるはずだ。
晴哉「そうなると、ユーガリットは……聖母みたいだな」
ユーガリット「え?」
ト書き:ううん、なんでも……と俺は首を振った。
ユーガリット「私は本当に、あなたと出会うために、目覚めたのでしょうね」
ユーガリット「そうして、愛し合って。やがて、我が子を生む……」
ユーガリット「そのためにこそ、この時代、目覚めたのだと、本当にそう思うのです」
 :
謎の男「……このオリエンスという地は、古来より、不思議なエネルギーの流れる土地として、人々に意識されていたようだ」
謎の男「それは時に、地脈、あるいは龍脈などと呼ばれたりもしたようだが、その正体は、電気だった」
謎の男「地電流……すなわち、大地を流れる微弱な電気だ」
謎の男「これから君が眠る、このピラミッドは、単なる祭祀の場ではない。地電流を効率よく回収し、貯める、大がかりな装置なのだ。それでも……」
謎の男「君が再起動するのに必要なエネルギーを集めるには、膨大な時間がかかるだろう。気が遠くなるような長い年月……」
謎の男「そして、いつ目覚めるとも、今は言えない。地電流の強さも、一定ではないからな。言うなれば……」
謎の男「君の目覚めは、運命にゆだねられているのだ」
謎の男「運命に従って、君が目覚めたとき……、君は本当に、人と愛し合うだろうか」
謎の男「私は本当に、そうなって欲しいのだ。それは何も、君に新たな時代を造って欲しいからだけではない……」
謎の男「私の娘は……ユーガリットは、恋も知らないままに死んでしまった」
謎の男「それは戦禍のもたらした悲劇とはいえ、あまりにも無残なことだ……」
謎の男「だからせめて、君には、人を愛し、そして愛される、得がたい体験を、して欲しいのだ」
謎の男「そろそろ、お別れのようだ。……君は、最後まで、自分の名を決められなかったな」
謎の男「最後に、私から、呼びかけてもいいだろうか……君の名を」
謎の男「どうか次の人生では幸せに……、ユーガリット」
 ⇒謎の男の最後の言葉は、いろいろ考えてしまいますよね。やっぱり、
   「You got it」:相手の頼み事や依頼を承諾する時の「了解しました」
なのかなって。ユピテルに引き続き、【BOTE H】をこんなに綺麗な内容で締めくくって良いのでしょうか。残りのヒロイン達もこのレベルであれば、本作は傑作と呼んでもいいくらいです。ただ、ヴァルミューダが既に凡作ですから、ほぼ駄目でしょうけれどね。

※ユーガリットの個別パートも、ユピテルと並んでストーリー満載でした。全体的にストーリーがあると、本当に助かるよ。もうねえ、ストーリーがないセックス連チャンは、プレイするのが苦痛なのよ、本当に。

-------------
<ミュゼー>

・イベント(8回分の範囲)
★子作りは世界的な運命
ミュゼー「おぬしの子作りはただの子作りではない、まさに世界的な運命なんじゃろう? はぁはぁあっ」
ミュゼー「なればこそ、んんぁあっ、わらわを、破壊神を孕ませることもできるじゃろうな。んんっ、んっ、ああぁあっ……!」
 ⇒オートマタさえ孕ませられるのですから、何でもありですよね、この作品。もし、鬼畜バージョンを作成したら、男さえ孕ませられますよね、きっと。BLに進出だ~!。腐女子ユーザーをゲットできるかも(笑)。

★言い訳する主人公の性格が大嫌い1
ミュゼー「ではセイヤ、そのふちのところに足をついて、こっちに尻を向けるんじゃ」
ミュゼー「ふふん、たくましいケツじゃなぁ。こんなケツをしておれば、腰振り運動などもうお手の物じゃろうな」
晴哉「ちょっと恥ずかしいんだけど。人様の顔にケツを向けるって、そうはないぞ……」
ミュゼー「しかし自分の女房たちには、そのような姿勢を要求しておるんじゃろう?」
晴哉「まぁ……。た、たまにね? とにかく要求はしていない……はず」
 ⇒このように言い訳するところが。

★手抜き(白濁の降りかかる場所の相違)
ト書き:激しい勢いで、白濁が浴室の床に降りかかったいた。
 ⇒絵の晴哉は浴槽の中にいるので、白濁は浴室の床ではなく、浴槽の湯船の中に降りかかって湯の中に漂い溶ける描写になっているのです。文章内容とぜんぜん違います。大減点です。

★言い訳する主人公の性格が大嫌い2
ミュゼー「今日はこんな体勢なのか?」
晴哉「ああ。さっきは散々やられちゃったからね。今度は俺のほうから動きたいと思って」
 ⇒要求はしていないとか言って、ちゃんと要求してるじゃないか(笑)。それも、意趣返しってヤツだからね。
晴哉「っ、はあっ、すご、なんかエロい……はぁはぁっ……」
ミュゼー「んん? エロい? はぁはあっ」
晴哉「いや、はぁはぁっ、ミュゼーの子供っぽいお尻に、俺のが入っちゃって、それがなんかむちゃくちゃエロいっていうか……っ……」
ミュゼー「それにしてもおぬし、やはりそういう趣味があったんじゃな」
晴哉「しゅ、趣味っていうか、そういうのとは違うと思うんだけどなぁ……」
ト書き:それでも正直なところ、新鮮な感覚があるのは否めない。それはともかくとして……。
 ⇒ロリじゃないのに、(10万)10歳をやっちゃうのは好きって、真の鬼畜だろ、主人公(笑)。

・妊娠判明イベント
 特になし。なんかとても短かかったです。

・【BOTE H】
★母親になる覚悟
ミュゼー「臨月も近いじゃろうか」
晴哉「そんなふうに見える。もっとも、産んだあとのほうが、ずっと苦労は多いだろうけどさ」
ミュゼー「うむ。だが、実際に腹が膨らんでくると、なにかこう、心境の変化が生じてくるもんじゃな」
ミュゼー「わらわはもうすっかり母親になる覚悟はできておる。そして、母として、我が子を育てていく所存じゃ」

★★★生は死を免れないから、尊い
ミュゼー「これはやはり、1人では到底収まらんなぁ……のぅ……?」
晴哉「え、え……?」
ミュゼー「子供じゃ。5人くらいは作ってしまうかもしれんな」
晴哉「ミュゼーったらやっぱり気が早いんだから」
ミュゼー「それが人間の時間というものじゃ。わらわももはや、悠久の時を生きる、神ではないからな」
晴哉「うん……そうだな」
ト書き:本当は10万年以上も生きているというミュゼーが言うと、素直にうなずけた。
 ⇒★誤字脱字:本当に
ト書き:そして、俺にもやっと、分かった気がする。破壊があるから、創造が生まれるということ。
ト書き:生は死を免れないから、尊いということ……。★
 ⇒結局、ミュゼーは人になったから、死ぬってことなのかな? そのため、さっさと子供たくさん作りたいと。生物の本能ってやつなのか? 「破壊があるから、創造が生まれる」って、一見正しいこと言っているようで、正しくないのでは? 例えば、今、根本的に地球が消滅してしまったら、それで終わりだよね。破壊ってどの程度を指すのかな?

★★★感謝
ミュゼー「わらわの体は、成長が必要だったからな」
ミュゼー「成長するには糧が要る。そうじゃろう?」
ミュゼー「そうして、肉体的に成長したからこそ、我が子を産めることにもなった……」
ト書き:ミュゼーは嬉しそうに自分のお腹を撫でた。お腹が大きくなってからというもの、彼女のそんな姿を頻繁に見る。★
ミュゼー「だからわらわは感謝しているんじゃ。本当にな。わらわの日々の糧を作ってくれた、おぬしやフィオナ、そしてたまにヴァルミューダや他の人々に」
ト書き:ミュゼーは最初から、俺を頼りにするみたいなことを言っていて、俺は最初こそ、大変なのをしょいこんじゃったなぁなんて思ったものだった。でも、ミュゼーにとっては冗談ではないし、ある意味、当たり前のことでもあったんだな。
ト書き:何故って、彼女は文字通り、身一つでこちらの世界にやって来た。
ト書き:そして人間は、一人では生きていけないのだから。★
晴哉「ミュゼーが成長したのは、身体だけじゃないみたいだな」
晴哉「人に感謝できるようになった。前はそうでもなかった気がするけどねぇ」
 ⇒シナリオ的に成長させるんだ(笑)。そこまでテンプレにしなくても。
ミュゼー「フフン。神は感謝しない。が……」
ミュゼー「人は感謝する。それだけのことじゃな」
 ⇒つまり、ミュゼーは人になったってことか。でも、さんざん「神ははたらかない」を連呼していたのだが、もうその時点では神ではなくなっていたってことなのだから、無視して働かせればよかったってことになるのかな?

-------------
<フィオナ>

・イベント(8回分の範囲)
★ケテル冥界からどうやって来たのかの謎
晴哉「俺にはいまいちピンとこないけど、ケテル冥界とこっちの世界は、ずいぶん離れているんだよね? マンモンの口ぶりからすると」
フィオナ「ええ、そのようです」
晴哉「よく来られたね……」
フィオナ「…………」
ト書き;するとフィオナは、ちょっと謎めいたような笑みを浮かべた。そういえば――。
マンモン『其の方……いかようにしてこちらの次元まで来たのですか?』
ト書き:初対面のとき、マンモンはこんなことを言っていたが、彼女はそれにもだんまりだったっけ。
フィオナ「我が王を迎えるためですから。万難を排して……ということになります」
晴哉「うん……」
 ⇒この時点では、結局、まだ分からないよ~。どこで、この伏線回収するんでしょうか。

★フィオナは過激
(幽霊の排除の件で)
フィオナ「ではご安心ください。面前に堂々と現れるようなことがありましたら、速やかに排除いたしますので」
ト書き:俺はうなずいた。そうそう、フィオナは普段は優しいんだけど、意外に過激なところもあるんだよね。
 ⇒今一、フィオナの性格が掴みきれないのですが、単なる過激ではなくて、もっと腹黒いところをみせてくれないと。魔族なんですし(笑)。でないと、キャラが立たないと思うんですよね。

★フィオナの置かれている立場
(フィオナが屋敷で倒れてミュゼーがレストランに晴哉を呼びに来て)
ジョシュア「ああ、いいよ。行ってやんな。奥さんなんだろう?」
晴哉「……………………」
ジョシュア「あれ、違うのかい?」
晴哉「あ……いえ。そうですね、大事な女の子です」
 :
ミュゼー「ところでさっき、なんで一瞬黙ったんじゃ? 奥さんだろう……と言われたときのことじゃが」
晴哉「うん……。いや、フィオナはあくまで自分をメイドって言っているからさ。奥さんとも違う気がして……」
ト書き:俺は細かいことを気にしているだけだろうか? いや、そんなことはないよな……。
 ⇒だから私は、晴哉が嫌いなんだって。
 :
晴哉「普段からお世話になってるし、今日はそのお返しってことで、俺が看病するから」
フィオナ「えっ……ですが、お仕事は……」
晴哉「それは平気。店のオーナーが理解のある人だからさ。あの……奥……」
フィオナ「え? 奥?」
晴哉「いや、俺の大事な女の子のことでは、理解のある人なんだ」
 :
ミュゼー「さっき、セイヤは、“奥さん”と言いかけたんじゃ」
ヴァルミューダ「ん、なに? どういう意味?」
ミュゼー「フィオナはメイドを自称しているじゃろう。ということは、奥方とも違うじゃろうから。それで言いかけて、やめた」
ヴァルミューダ「まぁ……なのかな? でもそれがなんなの?」
ミュゼー「いやわらわにも分からんが、ともあれセイヤとしては、そういう、二人の関係性が、気にかかっているようじゃ」
ヴァルミューダ「ふぅん……?」
 ⇒能天気、ニブチンのヴァルミューダは放っておくとして、ミュゼーは頭が切れますからね。結局、フィオナって、他のヒロイン達と比べると、その立ち位置がハッキリとしないところが、根本的な問題点だと思うのですが……。

★館の意味
フィオナ「いずれにしろ、この家は、ご主人様とそのメイドであるわたくしの、あ、愛の巣ですから……」
 ⇒愛の巣なのに、同居人の妻が他に三人もいるっていうこの自体が、フィオナの置かれている立場を物語っているよね。

★★★フィオナの元の目的と現実
フィオナ「わたくしの元の目的は、ご主人様に王であることを思い出していただく……ということにあります」
フィオナ「それが第一でしたから、わたくしの妊娠については、あまり視界に入っていなかったといいますか……」
フィオナ「わたくし……是非あなたの子供を産みたいですから……」
 ⇒ここでハッキリしましたね。目的と現実の乖離がフィオナ個別ルートの問題点というわけですね。そもそもフィオナって、王を迎えに来たのであって孕む必要性なんてなかったという、そもそも設定に問題があると思うのです。そのため私は、このルートは底が浅いシナリオにしかならないのだと、最初に思ってしまったのですが、たぶん、それで間違っていないと思います。つまり、他のヒロインと違って、どうしても子供を作らなければならない理由もないですし、それがメイドであって奥さんになれないというジレンマに、プレイヤー自身も悶々としてしまうのが問題なのです。

・妊娠判明イベント
★片道切符
晴哉「これは一番最初にマンモンも言っていたことだけど、フィオナは結局、どうやってこっちの世界になって来たんだ」
フィオナ「なんといいますか、ケテル冥界の民の、全ての力を結集して、次元の穴をこじ開けたのです」
フィオナ「帰る手立てがないというのも、そういうことになります。今はもう閉じている穴を、再び開ける力は、わたくしにはありません」
晴哉「……でもそれじゃ、結局フィオナの目的も果たせないことになると思うけど……」
フィオナ「……………………」
ト書き:まただ、と思った。一番最初のときと同じに、フィオナはまた、謎めいたような笑みを浮かべた……。
晴哉「あっ……もしかして、それが、俺なのか?」
晴哉「俺が思い出せれば、ケテル冥界に帰る力も発生してくる。そういうことなのか?」
フィオナ「ええ……そのとおりです」
ト書き:フィオナはうなずいた。そして、今度は寂しいような笑みを浮かべた。
フィオナ「ご主人様に、嘘はつけませんから……」
晴哉「…………」
晴哉「そうか、だからフィオナは黙っていたんだね。言えば、俺の負担になると思って……」
フィオナ「ご主人様は、何でもお見通しなのですね」
晴哉「フィオナが優しい女の子だって、もう知ってるからだよ」
フィオナ「……………………」
ト書き:フィオナは今度は、嬉しげに微笑んでくれた。
ト書き:フィオナがどうやってこちらに来たか、正直に語れば、それは片道切符なのでは? という疑念も芽生えるだろう。
ト書き:それだと目的も果たせないことになって、どうしても、不自然な印象が生じてくる。
ト書き:その不自然さを突き詰めれば、鍵は俺ということも、自然と出てきてしまうわけで……。
 ⇒ヴァルミューダもそうだけれど、最終的に片道切符して、どうしてタイトルがアンダーワールドなのかって疑問が、ますます強くなったのでした。

・【BOTE H】
 短かっ! 過去を背負っておらず、セックスするだけを書くのなら、こうなるよね。

-------------
<クラリッサ>

・イベント(8回分の範囲)
★顔色を窺う人生
クラリッサ「あの、えっと、でも、本当に違うんです……ああ、私、無意識に酷いこと言っちゃった……どうしよう……」
ト書き:慌てふためくクラリッサ。それも、思った以上に深刻そうに。
晴哉(こういうのも、前の生活の名残なのかな……)
ト書き:上の人間に嫌われたら駄目だと、必要以上にご機嫌を伺ってしまう。
ト書き:顔色を窺う生き方か。
ト書き:そんなのは、俺の大切な人には必要の無いことだ。
 ⇒最初に、各キャラの性格を示してから話を進行ってパターンは、悪くない出出しですよね。

★★★ライターさん、やっぱり違うネ!
 主人公が他と違って素直でさっぱり系。他の主人公は、ちょっと精神が捻くれているというか、ねちねち系、卑屈系というか(引っかかる、棘がある)、まあ、基本、私が大嫌いな優柔不断な精神構造を持っている描き方なのですが、このライターさんが書く主人公は、そんな嫌味成分が皆無なのです。また、ダッシュ(――)を多用するのも特徴ですよね。
 クラリッサ「ん――うん、だって……はあ、この前と、全然……当たるところが、違って――は、ああ、ああっ」
 クラリッサ「ああっ!? ん、んふぁ、あ、あああ――やぁ、んん――お兄ちゃんの、はぁ、そこ、そこ――だめぇ、んんっ」
 クラリッサ「んにゃ――♥♥♥ あ、あ、あああ――はいって、くりゅ――んんんんんっ♥」
 クラリッサ「ん……まだ、離れたくない……れちゅ……もっと……お兄ちゃんと子作りした……んちゅ、んれろ……んぷ、んれろ――」
 クラリッサ「ん、んぷ――ンムーっ♥♥ ん、んふ、んんんん、んふぁ……ああ、ンンンン♥♥♥」

やたらとダッシュ(――)やハートマーク(♥)を使いたがるのは、年代の違いでしょうかね。このライターさんは、たぶん、若いラノベ世代なのでしょう。また、三点リーダーも書き過ぎって感じです。

★「♥」の読み方
クラリッサ「♥」
 ⇒声優さんは、鼻から抜けるような喘ぎ声(私の表現力不足で文章化できません)を出してましたが、こんな文章を書くのはいけないと思います。

★以前の仲間
クラリッサ「私は逃げられたからいいですけど、まだ組織に残っている人達のことを思うと……」
ト書き:幸せを余すことなく甘受していいのに、以前の仲間を思ってクラリッサが俯く。
 ⇒過去を振り返るのは、良いことだと思います。

★アザ
ト書き:特に元組織の彼が言っていた『アザがある限り、組織から逃れることはできない』というあの言葉。
晴哉(……いったいどういう意味なんだろうか)
ト書き:そもそも、クラリッサのアザは日常生活で目に触れるものではない。
ト書き:どんな模様かも、詳しくは自分くらいしか知らないはずだから、人に聞いて回ることもできない。
ト書き:なのに……アザがある限り、逃れられないとはどういうことなんだろうか……。

★★★他の同居人との関わり
 本作のヒロイン個別ルートは、どの個別ルートも他のヒロイン達との絡みが殆どなくなるので、なんか変とか思っていたのですが、クラリッサの個別ルートは、クラリッサの7回目選択で屋敷の食堂での同居人との簡単な関わりシーンとかがあって、ちょっと「へぇ~」とか関心してしまいました。

・妊娠判明イベント
★組織の監視者
ミュゼー「クラリッサの体にはアザがあるらしいな? それが、鍵らしい」
ミュゼー「そのアザは「なんちゃらの母」の証であるが故、組織の魔術師が位置を追うことができるそうじゃ」
晴哉「え、位置情報がわかるのか……そうかそれでか……」
ト書き:組織からは逃げられない、というのはそういう意味だったのか……。
クラリッサ「そんな……それじゃ、世界のどこに逃げても意味ないじゃないですか」
 :
ミュゼー「そう怯えるほどでもない。精度はそう高くないようじゃから、はっきりと所在を掴めるほどでもないようじゃ」
ミュゼー「その男も、複数の候補のひとりとして、クラリッサを監視していたみたいじゃな」
 ⇒組織に追われ続けるクラリッサ。その話の展開は~って気になるところですが、さて。それにしても、位置情報って……今や普通のことのように出てくるのが、なんとも。スマホの影響、恐るべし。

・【BOTE H】
★お迎えエッチ
クラリッサ「知ってますか? エッチすると産気づく……お迎えエッチというのがあるらしいです」
クラリッサ「中に、いっぱい……精液を注いであげると……来てくれるそうです」
クラリッサ「私は早く、私たちの子供に会いたいです……」
 :
ト書き:――そうして“お迎え”を試みてから数日後。
クラリッサ「~~♪」
ト書き:クラリッサのお腹は今も大きいままだった。
 :
晴哉「この前お迎えしようとした時は、この子に早く会いたかったのにさ」
晴哉「なんか、今クラリッサを見てたら、これはこれで良いかなって思っちゃって……」
晴哉「自分はどっちなんだろうってさ」
 :
クラリッサ「いつ産まれるのかなって楽しみにしながら、この子のために準備をしてるのも嬉しいです」
クラリッサ「でも……私は、それもいいかなって思います」
 :
クラリッサ「私、家族もずっと欲しかったし、安心して頼れる人も欲しかった……」
クラリッサ「できれば、お友達とかお仕事とか、望んだことは他にもたくさんあります……」
クラリッサ「その全部が、今は目の前にあって……すごく嬉しくって……」
ト書き:ずっと手に入れられなくて、諦めていたものが、こんなにも目の前に揃っているのだと。
 :
クラリッサ「……家族が増えるって、うれしいですね」
 ⇒クラリッサのルート、家族で締めくくって、これがテーマだったのですね。正しく【BOTE H】に相応(ふさ)しい内容でした。七央結日氏、助っ人ライターとして、最低限の仕事はしたなって思ったルートでした。それにしても、「お迎えエッチ」って……。この言葉で検索したら、最初のページに検索されてくるのは、「お迎え棒」なる言葉のオンパレードなのでした。どうも、「お迎えエッチ」の方はメジャーな言葉ではないらしいです。

-------------
<アンドレア>
・イベント(8回分の範囲)
<アンドレア>
★晴哉のニブチンが本当に嫌い
ト書き:ずっと海の上にいて、ほとんど大地を踏まないなんて、俺には想像もつかない生活だ。
晴哉「じゃ、海賊団の人たちもみんな?」
アンドレア「ううん、野郎共は違うよ。むしろ、港に着くっていうと、ウキウキだったねぇ」
晴哉「あ、海賊でもやっぱりそうなんだね。まぁそうだよね、普通、地面に立っているほうが……」
アンドレア「いや、そうじゃないよ。港・港に女がいる……なんて偉そうに言って、ウキウキと乗り込んでいくの」
晴哉「あぁ……そういうことか」
------------
ト書き:俺は今、まかない飯を食べているところだけど……
アンドレア「……………………」
ト書き:じーっと見られている。
晴哉「お腹空いてるの?」
アンドレア「ううん。でもある意味では飢えてるわね……」
晴哉「ある意味って?」
アンドレア「だって昼間っからじらされっぱなしだったんだもの。気分も飢えてくるじゃない」
晴哉「そういうことか。まぁ俺も似たようなもんだったけどね」
------------
 ⇒晴哉の状況判断能力の欠如は、主人公に値しないですよね。だから私は嫌いなのだけれど……。この原因は、ライターさんの気配りで、主人公を使ってプレイヤーに状況を知らしめることにしているからだけれども、そうするごとに、晴哉がますます馬鹿に見えてしまうという悪循環。
 ⇒多くの人達が知らない事柄なら効果的ではあるのだけれども、誰でも普通に理解できるだろうことを、主人公に確認させるようなことをされても、「主人公=馬鹿」となって、主人公に感情移入できなくなるっての。それ以前に、主人公を同一視したくない、となって嫌悪感がひたすら増幅されていくっていうか。私だけ?

★アンドレアの言葉は言霊?
アンドレア「あんたはさすがだよ。頼りになる男さ……♥」
ト書き:アンドレアにそう言われると、自分が本当に、「女に頼られる男」に思えてくるから不思議だ。
ト書き:彼女の言葉にはそういう力があるらしい。
ト書き:だから、海賊王として推挙されたのだろうか……、と、俺はそんなことを思った。
 ⇒「言霊」だよね。この言葉を調べると「言葉が魂をもち、その言葉のきっかけで現実に何かしらの影響を与える物」って書いてあったのだけれど、さすがアンダーワールドの住人って感じだよね。

★湯あたり
ト書き:アンドレアはどうやら本当に湯あたりしてしまったようなので、抱っこして家まで送っていった。
晴哉「ほら、この前湯あたりしちゃったから……」
 ⇒「湯あたり」とは、温泉に入ったときに温泉成分によって起こる特有の症状のことで、温泉以外のお風呂に入って起こる症状は湯あたりとは言わないのです。そのため、晴哉の屋敷のお風呂が温泉でもない限り、言葉の使い方としては間違っていて、本来は「のぼせてしまった」や「のぼせちゃった」と書くべきなのです。

★普通の女、海賊王
晴哉「アンドレアはほんとに可愛いね……」
アンドレア「やぁ……ちょっと恥ずかしいよ……んんんっ……」
アンドレア「でも嬉しい……。あたしは人に海賊王なんて呼ばれているけど、こうやって女として愛されるほうが、今となっては……ずっと……」
ト書き:アンドレアは何かを言いかけたようだけど、その先は言わなかった。
ト書き:けど、無理に聞き出すこともない。まして、セックスの最中だ。
 ⇒主人公に篭絡される海賊王(=乙女)の図(=セックス)って感じですかね。こうして、どんどんアンダーワールド臭が失われていく。やっぱりタイトル詐欺だ(笑)。

★アンドレアの真意
アンドレア「最初は、自分の後継者を作るんだってつもりがあったけど、はぁはぁっ、今はただ子供が欲しいって、そんな気がするよ。んんはぁんっ、あぁああっ……」
アンドレア「後継者であってもなくても、そんなのはどっちだっていいんだ。はぁはぁっ、んんぅっ、ただただ、あんたとの子が欲しくて……あんたの子を産みたくて……あぁあんっ……!」
 :
アンドレア「あなたに抱かれて、こうしてあたしからも抱き締めて……はぁあぁっ……それがすごく嬉しいんだ」
アンドレア「子供のことも大事だけどさ、それだけじゃないって思うの。とくに、こうして一つに繋がっているときは……あぁああんっ……」
晴哉「ああ、そうだね。まずはセックスが嬉しくなくちゃ、子供を作ろうなんて思わないよ」
アンドレア「うん、はぁはあっ、今なら分かるよ。子供って、目的ともちょっと違うんだろうね」
アンドレア「オマケで付いてくる結果っていうか……、オマケは言い過ぎか。あはっ……」
アンドレア「とにかく、今はこうしてあんたに抱かれることが、一番嬉しいんだ。はぁはぁあっ……子供は、結果として付いてくれば、それでいいって、今はそう思うよ。んんぅっ……」
 ⇒結局、「楽しい、嬉しい 気持ちいい」セックスの境地に行き着くわけか。子供がオマケってことは、この場合「愛」はオマケってことなになるのかな?

★★★アンドレアの決意
アンドレア「あたしも初めて陸に上がって、男ができて……、ちょっと思うところがあったのさ」
アンドレア「でも、もう見えてきた気がするよ。今後、自分がどうするべきか……」
 ⇒どうすんだよ、一体全体。

・妊娠判明イベント
 簡単にいうと、アンドレアが海に戻るかどうかで、晴哉が海に戻れってアンドレアに言う話。あれれ、伏線だったアンドレアの決意って、陸に残るってことだったのって、一瞬、話の途中で呆然としてしまったのでした。

・【BOTE H】
 特になし。単に腹ボテエッチしているだけ。

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《 全員孕ませルート 》
 前作と全く同じ文章。リードがヴァルミューダに変わっただけ。
ト書き:俺はかつて、この世界とは遠く隔たった日本国は東京に住んでいた。
ト書き:でも、もう、戻ることはない。
ト書き:二度と。
ト書き:俺が生きていく世界は、ここなんだ。
ヴァルミューダ「それじゃ、みんな。せーので、私たちのダーリンを正式に迎えるわよ」
ヴァルミューダ「せーっの……」
みんな「この世界へ、ようこそ!」
 ⇒この世界ってどこだよ、本当に。みんな主人公のいるエッセンバウムに集って、アンダーワールドの「ア」の字もないよ。今回の場合、「この世界へ、ようこそ!」は、主人公が奥さん方に言う言葉だよね、本当に。

《 バッドエンドルート 》
 記憶が定かではないのだけれど、
  ト書き:ある朝、ふと気がつくと。
  ト書き:俺は何故か空を見上げていた。
  晴哉(……??)
  ト書き:なんで空? また家の屋根が飛んだとか?
  ト書き:いやいや、フィオナの用意してくれたあの豪奢な館に限って、そんなはずは……。
までは今作を反映してはいるけれど、
  晴哉(う……? なんだ、これ……?)
以降は、恐らく前作と同じ内容だよね、これ。


(6/22追記)
○不具合
 動作上の不具合は見つかりませんでした。
 ただし、修正ファイル(最新は6/18 19:05に出た ver.1.02 ですが、ver.1.02 は6/21 20:16にアップデートされました。アップデートの原因は私です)が出ています。
 修正内容は、
  ver.1.02
   ・イベントの差分に一部誤りがあったため訂正
   ・CGモードでミスがあったため訂正
  ver.1.01
   ・スタッフロールに一部誤記があったため訂正
となっており、ver.1.02 は ver.1.01 の修正内容を含みます。ver.1.02 は zip形式 で 322MB もあって、久しぶりにこんな大きなサイズのパッチを見ました。理由は、CGモードで見る絵が13枚直されていて、13枚に紐付く差分データも一緒に修正されたからみたいですね(ここでは20~48個の差分データを含めて1枚と呼称)。

 6/1に提供された ver.1.01 は、まさかの「スタッフロールの一部誤記訂正」で、テキストの誤字脱字も直してよって感じでしたが、ver.1.02 でも誤字脱字関係は修正されませんでした。

 ver.1.02 の「イベント差分の一部誤り」と「CGモードでミス」は、内容の詳細が不明ですが、同じ問題に起因しているのでしょうか? 絵の間違い探しクイズよろしく、新旧の差分データを切り替えながら、CGモードで表示させて比較してみたのですが、13枚中4枚しか違いが分かりませんでした。判明した4枚の違いは、
 ・差分上、最初から唾液の橋を表示が1枚(ヴァルミューダ)
 ・差分上、最初から舌出し表示が3枚(ヴァルミューダ、ユーガリット、ミュゼー)
といったものでした。

 残りの9枚の絵の相違は、新旧の絵を同時に見られないのもあって、余計に分かりません。そのため、これ良く13枚も直したなって思いました(9枚は何が直ったのかさえ分からないような修正なのですから)。誰かに指摘されたんですかね。もし、指摘したのがユーザーだったのなら、その方は凄すぎるって思ってしまいました。私など、仮に変だと思ったとしても、演出上の手抜きで片付けてしまったことでしょう。

 そのため、私が指摘できそうなのは、文章にまつわる「誤記と声優さんの読み間違い」くらいです。さて、本作ではどうだったかというと、次のとおりです。

  誤記(誤字脱字衍字など):19件(内クラリッサ関係9件)
  声優さんの読み間違い :26件(内クラリッサ関係6件)

 私が見つけた範囲での話なので、最低限の件数です。実際にはこれよりも多い可能性があります。クラリッサ関係は、他の倍以上品質が悪いみたいですね。では、特に気になったものを、次に記します。

<誤記関係>
例1)
晴哉「珍しいね、こんなところで。辻説法は?」
ユピテル「ええ、この前も言いましたが、謎の組織の目に見えない攻撃にさらされているので、今日も中途でやめにしました」
晴哉「でもその謎の組織って、ユピテルが単にそう思ってるだけだよね?」
ユピテル「ええ。でも蓋然性は高いですよ、かなり」
晴哉「もしほんとに変な連中に付け狙われているなら、言ってよね。助けになるから」
 ⇒話の流れから「助けるから」の間違いではないかと思います。「助けになる」のはユピテルであって晴哉ではないですから。それとも、これは「(ユピテルの)助けになるから」と言っているのでしょうか? でも、そんな他人事のような言い回しは、ここでは適切ではないと思います。

例2)
クラリッサ「はい……それで、あのフードの人が、新しい追っ手じゃないかなって……」
クラリッサ「私が、組織にとって「世界革命の母」だから……」
-------
ミュゼー「クラリッサの体にはアザがあるらしいな? それが、鍵らしい」
ミュゼー「そのアザは「なんちゃらの母」の証であるが故、組織の魔術師が位置を追うことができるそうじゃ」
-------
 ⇒どちらもクラリッサをご担当されたライターさん(七央結日氏)の文章ですが、(「」)の中に(「」)を使用しています。これは文章の書き方としては推奨されていません。普通は(「」)の内側の括弧は(『』)を使うことが多いと思います。理由は、同じ括弧だけでは“括弧開き”と“括弧閉じ”の対の関係が分かりづらくなるので、括弧の種類を変えて対の関係を分かりやすくするためですね。
  上記で説明すると、(「そのアザは「なんちゃらの母」)と解釈されてしまうと、(「」)の中の(「)は何ってことになってしまうということです。
  七央結日氏は二箇所で同じ書き方をしていますから、普段からそういう書き方をしていると想定できます。でも、これはプロのライターとしてはどうなのよって思ってしまいます。

例3)
ト書き:体温が加速度的に上昇していく。それこそ、上せがってしまいそうな熱の中、クラリッサを求める。
 ⇒ライターの七央結日氏、飛ばしますねぇ(笑)。「上せがって」とは、どういう意味でどう読むのでしょうか? それ以前に、「上せがって」って日本語? 若者言葉なのでしょうか。恐らく、この文章上では「逆上(のぼ)せ上(あ)がって」が本来の意味の通る日本語だとは思うのですが、それを縮めたみたいですね(笑)。ただ、漢字で書かれてしまうと、国語辞典を見れば分かるとおり、「上(のぼ)せる」と「逆上(のぼ)せる」では、意味がぜんぜん違います。そのため、もしこの言葉が使われているとしても、「上せがる」なんて言葉を使っている方々はとても少ないと思われるため、ゲームのシナリオで使用する言葉としては不適切ではないかと、私は思うのです。

例4)6/21に対応済み
 これは、テキストの誤記ではなくて選択画面上での誤記なのですが、12日目の「会いたいヒロインを選んでください」画面の曜日が間違っています。
   誤:12日目(THU)
   正:12日目(FRI)
 この手のカレンダーに絡む誤表記は、私は他のゲームでも見たことあるのですが、あるある間違いの一つだと思います。そのため、普通は曜日や日付はもっとも気をつけるべきチェック対象だとは思うのですが、それでもすり抜けて間違ってしまうのですから、世の中ままなりません。
 これについては、6/21 17:00にサポートへ連絡したところ、なんと20:18には修正してパッチ(ver.1.02)に反映した旨の回答をいただきました。ダウンロード先を確認してみたら、20:16にアップロードしてありました。はぁ、またまた意図せず残業させてしまいました。次のパッチがもし出ることがあったら直してねと書いて連絡したので、まさか速攻で直すとは思ってもみませんでした。
 ただ、私一人のためのパッチなら何も問題はありませんが、同じバージョンなのに内容に相違があるのは、既にダウンロードした方がいるかもしれないのですから、問題ではと思うのですけどね。実際のゲーム上での表記は、「ver.1.02 rev.」なのですから、rev番号を活用すれば良いのにって思ってしまいました。
 それにしても、相変わらず対応が超速だよ、MOONSTONE。もう、日本のエロゲー会社のサポートでMOONSTONEより対応が早い会社など存在しないと、私は断言したいと思います。これが、もしあかべぇのサポートだったら、「次のパッチで修正します(出すとは言ってない)」のテンプレート回答で毎回終わってしまうのですから……(経験者は語る)。


<声優さんの読み間違い関係>
例1)
クラリッサ「だから、私……変わっちゃったんですか? あ、はぁ……なんだか、これ、止めたくない……です」
クラリッサ「これ……んん、止めたくない……はぁ、ああ、手が止まらなく、なっちゃう……やぁ、んんっ!」
クラリッサ「でも、でも――止めちゃやだ、えっち……好き。お兄ちゃんに、求められるの――この、時が、好きなのっ」
クラリッサ「んふぁっ、ああ♥ お外で、こんな……気持ち良くなっちゃうの、ダメなの、にっ、はぁ――止められ、な――んんんっ!!」
クラリッサ「ん――お兄ちゃん、ふぁ――もう、ダメ……あ、ああ、私、もう、止められないです――♥♥ また、すごいの……来ちゃう、あふれちゃい、ます……」
 ⇒クラリッサの声優さんは「止める」を「とめる」と無条件に読む派ですね。ただ、いくら「常用漢字表」に従えば「止める」は「とめる」としか読めないとはいっても、「やめる」という読み方もあるくらいは、心の片隅に留めておくべきだと思います。
  さて、私は上記は全て「やめる」と読むべ案件だと思いました。理由は、次の解釈に従うことにしているからです。
   (とめる):主語が、主に主語以外の人の行為を制止する。
   (やめる):主語が、主語の行為を自ら制止する。

例2)
ユーガリット「はぁはぁ……青空の下のセックス……本当に素敵でした……」
 ⇒声優さんは「青空の下」を「青空のした」と読んだのだけれど、私は「青空のもと」が正しいと思いました。調べてみると、『風花未来ブログ(美しい言葉)』に、次の記述がありました。
-----------------------
「青空の下」の「下」は「した」と読むのは間違いで「もと」が正しい?
 結論から言いますと「した」は誤りで「もと」と読むのが正しいのです。
 ある基準があって、それより「上」が存在し、その対としての「下」を指す場合は「下」を「した」と読みます。
 一方、上に広がるものに隠れる範囲、あるいは、影響を受ける範囲を指す場合に、「下」を「もと」と読むのです。この時、対になる「上」には明確な範囲が定まっていないことに注目。
 「青空の下」の「青空は「どこまでも続いている大空を指しているため、もちろん、明確な範囲はありません。
 また、青空の「下」にいる人は、その影響を受けて「爽やかな気分」になるのです。
 つまり「青空の下」の「下」には基準点がない(下の対となる上が存在しない)ために「した」とは読まず、その影響を受ける範囲という意味で「もと」と読む……この理由さえ明確にすれば、今後、間違うことはないでしょう。
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例3)
ミュゼー「予行演習とは?」
 ⇒声優さんは「演習」を「練習」と読んだ。それで、ちょっと気になったので調べてみました。
 ⇒「演習」と「練習」は意味が違い「予行演習」は実際の状況下で、「予行練習」は実際と違う状況下でとの違いがあるとの主張がありました。
  演習:実際の状況と同じ環境で行い技術などを身につけること
  練習:状況に関係なく、技術などを繰り返して身につけること
 ⇒別の主張では、産経新聞の所に「予行は『演習』か『練習』か」という編集日誌があって、「『予行演習』と『予行練習』は地域によって、使用頻度が違うようだ。おそらく体育大会など学校行事の表記の影響で、子供の頃からのなじみが変わってくるのだろう」ということが書かれてありました。また、毎日新聞 校閲センターが運営している「毎日ことば」には、「『予行練習』は『予行演習』の誤り?」とのタイトルで、「どちらでも誤りではなく、意味の差は大きくない」と書かれておりました。
 ⇒これから考えると、ミュゼーの声優さんは「予行練習」派ですね。子供の時から「予行練習」を使用している地域の出身なのでしょうね。因みに、私も「予行練習」派です。「演習」は軍事関係を想起させ実践と本番を想定みたいな発想になると思ってしまうので、軍事関係でもない事柄に「予行演習」は変だろうという感覚です。
 ⇒なんか、声優さんの読み間違いから、えらく深掘りしてしまいました。
  
例4)
マンモン「なにって、我らが故郷と、こちらとを結ぶ、唯一の回廊でございます」
マンモン「溶岩で、おそらく回廊も塞がってしまったかと……」
マンモン「えぇまぁ……。しかし、アヴァタール地下帝国との唯一の回廊は、塞がれてしまいました。我らはもう……」
 ⇒「回廊」を「かいろ」と読んだ。正しくは「かいろう」。敢えてこれを書くことにしたのは、「回廊」の台詞が複数あって、声優さんがその度に「かいろ、かいろ」と連呼するものだから、耳がうざくなった私は、「ええい、使い捨てカイロかい」って思わず突っ込んでしまったからなのです(笑)。

例5)
クラリッサ「ん、んふぅ……んちゅ、ちゅー、しながら、赤ちゃんの種、いっぱい出して……種付けしてください、んぅ、んちゅ、んちゅ……♥」
クラリッサ「♥♥ だから、今日も……クラリッサに、い~~~っぱい、種付けして下さいね♥」
 ⇒クラリッサの声優さんは「種付け」を「たねづけ」と読むのだけれど、正しくは「たねつけ」。

例6)
クラリッサ「あれ、でもそれだとまだ増えて……いっそ動かない方が……でもお仕事があるし……」
 ⇒「あれ」を「あの」と読んだ。その結果、読みのアクセント位置が前と後の違いが出て、「あの」だと会話文としてはちょっと変な感じになっていました。

例7)
アンドレア「あぁぁ、はぁああーっ、死ぬぅ、死んじゃうぅ、はあああっ、あんたに殺されるぅ、ふあぁあっ、あぁああーっ!」
 ⇒「死んじゃうぅ」を「死ぬぅうぅ」と読んだ。


以上

That's the long impression of shiratori.