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shiratoriさんの日向千尋は仕事が続かないの長文感想

ユーザー
shiratori
ゲーム
日向千尋は仕事が続かない
ブランド
スミレ
得点
72
参照数
1187

一言コメント

日向千尋がいい女すぎて悶絶!? マジ、女神……降臨!!!(音声ドラマの感想あり。追記:3/28,29、4/12)

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

履歴(2021年)
 3/26:初稿(「はじめに」、「プレイした感想」(工事中)、「不明点」、「注意点」、「おわりに」(工事中)、「備忘録(音声ドラマ「仕事が続かなかった千尋ちゃんの平凡な日常」について)」)
 3/28:工事中部分を完成(「プレイした感想」、「おわりに」)
 3/29:追記(「“全然”の意味と使い方を考察」、「不具合」)
 4/12:追記(「おわりに」に長文タイトルについて記述)

○はじめに
最近、ダウンロードできる作品しかプレイしていません。本作もダウンロード版をチョイス。そのため、予約しても予約特典の色紙とかはありません。売ることを考えたらパッケージ版の方がお得なのでしょうけれど、面倒なので私はパス。

最近の私は主人公が社会人な物語を優先しているため、本作もその基準に則って選択しました。従って、他の方々みたくシナリオが「早瀬ゆう」だからっていうのとは違います。そのため、体験版もしっかりプレイして確認した後、購入に踏み切りました。

実際にプレイしてみると、体験版は二回目のエッチ直前までを収録していたみたいですね。

本作の感想って、もう一言感想に書いたことが全て。本作をプレイすべきかどうかの判断は、体験版をプレイしてみて、日向千尋を「天使」と思ったのなら購入を検討、「女神」と思ったのなら、もう購入するしかありません(笑)。

因みに、本作は主人公の名前を変更できるのですが、私はデフォルトの「拓人」のままにしました。だって、体験版をプレイした時に、最初のエッチシーン後の二人の会話で、

 千尋「あんた大分疲れてたのね~。夕べは隣でイビキ凄かったんだから」

と書いてあって、私、イビキなんてかかないから、この主人公と同一視したくないって思ったもので(笑)。あと、マラの大きさが……(›_‹)。


○プレイした感想
★序盤
「はじめに」にも書きましたが、私の一言感想が全てだと思っています。これ以上、何を書けっていう話なのですよ、本当にもう。拓人自身も、千尋のことを次のように分析しているのです。

 拓人「あいつの女子力普通に高すぎィィ……!!」
 拓人(千尋のヤツ、何であれで男いないんだ……? マジで疑問なんだが……)
 ト書き:美人で可愛い、愛想も良いのでトークも弾む。
 ト書き:おまけにあの胸、尻、ルックスはプロポーションも含め非の打ち所がない。
 ト書き:さらには料理も出来るし、良く気が利く一面も……
 ト書き:こんなの、男からすれば理想の結婚相手じゃねーか……!!

これ以上、何を感想で主張すれば良いのでしょうか? こんな感じなので、拓人は千尋とセックスすることしか、頭にないし。もう、死んじゃえリア充……なのDEATH!!!

因みに千尋視点で考えると、「拓人のペニスはデカイ」となります。エッチする度に千尋は「大きい大きい」との御託宣――千尋は女神だから(笑)――を下すのですが、よくよく絵を見ると、手の三握り分の長さは優にあるので、少なくとも18cm以上はありそうってことになります。このデカマラにメロメロになったのか? もう、死んじゃえリア充……なのDEATH!!!

実際はゲームの話であってリア充は何の関係もないのですけど……ネ! もう、実在しないゲームの登場人物達に嫉妬するようになったら、人間、お仕舞いですかね(笑)。

★中盤
拓人から千尋への最初の告白 ⇒ 失敗
 拓人「そこまで言うんだったら、もう俺と付き合おうぜ」
 千尋「ごめん……」
 ト書き:エエエエッ!?
本当に「エエエエッ!?」ですよ。その理由が、これ。
 千尋「付き合うなら単純に、良い彼女になれるっていう自信がないだけ……」
後日、再度告白。その結果が、これ。
 拓人「頼むからもう付き合ってくれよ」
 千尋「えー。何それ今の告白~?」
 千尋「検討はしてみるけど、告白ならちゃんとデートした後に言ってくれないと嫌」

何度告白しようが、振り続ける本当に面倒臭い女、千尋。どこが、いい女だよって感じなのです。
しかし、それでも拓人の千尋への評価は、
 拓人「お前って、ホント良い女だよなぁ……」
 拓人「いや、だってお前俺には超優しいし」
 拓人「床上手で話も上手くて、俺は最近ホント千尋といると楽しいぞ?」
新たな追加評価である「床上手」が加わるのでした。まあ、エロゲーだから仕方がありませんよね(笑)。

そんな二人の関係はというと、次のとおり。
 拓人「おいおい、じゃあ今の俺はお前のなんなんだ?」
 千尋「ペットかな?」
 千尋「あはは。わがまま言って泊まってもらってるんだもん。この場合は私の方がペットかも」
そのため拓人は、ペット生活の維持よりも進展を目指すことに方針転換。因みに、この時点での拓人の千尋への評価は、次のとおり。
 ト書き:千尋は気遣い上手な上に家事万能。
当初の「料理も出来るし、良く気が利く一面も」から「気遣い上手で家事万能」にレベルアップしちゃったのでした。

★終盤
ヒーロー(拓人)が、ヒロイン(千尋)の殻を破り開放する過程が描かれます。具体的には、千尋の不安解消に同棲を提案します。
 ト書き:裏ではもし別れたら……なんてことを1人で考えていた千尋。
 拓人「大丈夫だよ。俺は別れない。ずっと一緒にいるからさ」
しかし、千尋の不安は解消しない。その結果、
 拓人「もう俺たち、一緒に暮らそう」
 拓人「もちろん同棲するからには、結婚が前提だ」
 拓人「だから、これはもうプロポーズだと思ってくれて構わない」
 拓人「こうでもしないと、千尋はずっと不安に思うだろ?」

うわ~、重い、重すぎる千尋。いつのまにか当初のいい女から、超面倒臭い女に変身。まあ、ライターさんとしては、ストーリー的にドラマとしてのメリハリをつけたいがためですけどね。頭では分かっていても、受け入れ難い自分がいる。これはライターさんの術中に嵌ってしまったと言っても過言ではないでしょうね。この時点での千尋の自己評価は、次のとおり。

 千尋「『自意識過剰』」
 千尋「正直、今でも全然治ってないんだけど……その、私相手の評価を常に気にしちゃう人なんだよね」
 千尋「だから、自分から付き合ってとか、同棲したいとかそんなことも言い出せなくて」
 千尋「勝手に色々想像して、落ち込んだりして……」
 千尋「その度にあんたから言われたこと、思い出して頑張ってた」
 千尋「だから、実家も窮屈になって飛び出しちゃった…少しでも、その……こんな自分を変えたくて」

千尋って頑張り屋で頑張るために自分への負荷を自ら上げていくタイプなのだけれど、その負荷がある一線を越えると、その負荷の全てを放り投げてしまう性格なんだよね。だから、結果的に仕事が長続きしない。さて、こういう人間を世間一般的には果たして評価できるのだろうかっていうと、たぶん従来の日本的心情では評価できないとなるでしょうね。だって、最終的には任された責任を放り投げてしまうのだから、信用なんかされないよね。

こういう人、実際に存在するんですよ。私の新入社員時代(入社初年度)の経験では、沖縄出張中に商談資料を持ったまま仕事をほっぽらかしてそのまま行方不明になってしまった先輩がいて、その先輩が後日、他の会社の面接を受けてその会社から人物照会の問い合わせが来て所在が判明したっていう事件がありました。当時は、何で仕事をほっぽっていなくなってしまったのだろうかって、入社1年目で色々と考えてしまいましたよ。私もとんでもない人生経験いろいろ積んだなあと、今更のように思ってみたり。

これから考えると、千尋の仕事が続かないなんて、きちんと手続きを踏んで辞めているのだから、私に言わせればおままごとレベルの不誠実さですよね(笑)。しかも全部バイトだし。正社員なのに仕事で出張中に仕事が嫌になって行方不明、しかも数ヵ月後に他の会社に就活ってあり得なくね? でも、あり得ない様な事が平然とあり得るのが、この世の中なんですよ、まったく。

思わず話が脱線してしまいましたが、この時点での拓人の千尋への評価は、次のとおり。
 ト書き:千尋は優しい。
 ト書き:他人には見えない感情の波を、その表情から感じとり……
 ト書き:それだけ昔から、千尋という女の子にはホッと出来る空間と時間が足りなかったんだと思う。★1
  :
 拓人「人に誇れる結果なんて、なくてもいいよ」
 千尋「そ、そうかな……でも、私と一緒にいたら……いつかは疲れちゃわない……?」★2
  :
 拓人「人を好きになることに、理由はいらない」★3
 ト書き:恋愛は感情だ。
 ト書き:理屈なんて後からいくらでも用意出来る。
  :
 拓人「好きだ。千尋」
 千尋「ちゅっ……ン……」
 ト書き:俺たちはこの数年越しの恋愛を……
 ト書き:今こうして、社会人の恋愛として享受した。★4
"★番号"は、私が思う大団円の締めにおけるキーポイントです。因みに★3の考え方は、私は間違いだと思います。明確な理由がないから結婚しても離婚することになるのではないかと。
  :
  :この間の同棲生活を描いたのが、
  :音声ドラマ『仕事が続かなかった千尋ちゃんの平凡な日常』です。
  :つまり、本編では大人の事情で同棲生活部分を端折ったってことですネ!
  :
そして、三年後の結婚式。
 ト書き:自ら率先して自分の自信をアピールする、そんな女性にすっかりと成長していた。
 ト書き:千尋のお腹の中には、俺たちの子供がもう宿っていた。
良い話だったのに、千尋を成長させすぎだろ。他のモノまで成長させちゃって(笑)。オチは「できちゃった結婚」なのかよ。


○不明点
ところで、一点だけ不明な点があります。それは千尋がバイトを辞めた理由です。これについて、千尋と拓人は、次のように会話しているのです。

 千尋「女一人で小さな店から立ち上げたとかで、仕事は全部現場で覚えろの一点張り」
 千尋「そのせいでさ、今はどこの飲食も人手が足りないのに、次々新しいバイトがあの店長のせいで辞めて行っちゃって……」
 拓人「なるほど、それで意見を言ったらクビになったのか」
 千尋「そういうこと」
 拓人「それで最後は、駅前で啖呵を切って店と店長からバイバイしたと」

ここでは、駅前で女店長と揉めた結果クビになったと拓人は解釈し千尋もそれを肯定しているのですが、本作の冒頭では、

 千尋「昨日も言いましたけど、私、バイト辞めます」

といきなりかます場面から始まっており、クビになったのではなくて、千尋自身が電話で女店長に対して自ら辞める宣言をして今週末までは責任持ってバイトしろとなり、辞めた日の勤務後に女店長と口論した場面が、上記の駅前での状況なわけです。これは何でこういう相違にしたのか。拓人がクビにされたと解釈したので、千尋は訂正するのが面倒くさくなったと考えれば良いのでしょうか? 私、こういう整合性の取れない内容には、とても敏感に反応してしまいます。


○注意点
本作最初の選択肢(最初のエッチシーンでの「中に出す or 外に出す」)ですが、セックス後の翌日朝の会話が微妙に異なっているので、絵だけでなく文章もちゃんと回収しましょう(笑)。

★最初のセックス後の翌日朝の会話
拓人「ご、ごめん。本気で謝る! 俺昨日、する時ゴムとか用意してなかっただろ……!?」
拓人「いくら流れとは言え、その……! お前にはいきなり生でしちゃって……!」
<中出し選択のシーン後の翌日>
 千尋「あの、中出しまでキメたあんたがそれ言う?」
 拓人「いや!! ホントにすまない!! マジで俺ああいうこと慣れてなくて……!!」
 千尋「わかってるわよ。お互い初めてだったんだから」
<外出し選択のシーン後の翌日>
 千尋「気にしないで? 最後は結局外に出してくれたんだし」
 拓人「いや!! 気にするだろ、というかお咎めなしとかお前俺に甘すぎないか?」
 千尋「じゃあ何? 生でした代わりに私にどうして欲しいわけ~?」

因みに、何で選択の相違で後々の文章に違いが生じると分かったかというと、中出し選択後のその後の会話文が、「中出しまでキメた」となっていたからです。つまり中出ししなかったら、この文章は成立しないので、外出しだとこの場面での会話文は違ってくる筈だと判断できました。逆に外出しを最初に選択していたら、「最後は結局外に出して」で気が付いたでしょうね。


2021/3/29追記
○“全然”の意味と使い方を考察
私は、言葉の使い方で、思い悩むことが多々あるのですが、その一つに“全然”という副詞があります。この言葉、否定でも肯定でも用いられるため、とても困る状況だと思います。近年の研究では、もともとは否定でも肯定でも使われていたものが、昭和20年代後半から「本来否定を伴う」という規範意識が急速に広がったとのことでした。

本作のライターさんも、ご多分に漏れず、両方の意味で使っています。
例1)肯定の場合
 千尋「私、あんたのなら平気……じゅぶっ、んちゅっ、全然、平気だよ……?」
例2)否定の場合
 拓人「お前、ちゃんと実家には帰ってるのか?」
 千尋「全然」

例1)の場合は、「全然」の後に肯定の文が続いているから、解釈を間違えることはないのですが、例2)の場合はどうなるのでしょうか。この文章では、この後に拓人が、
 拓人「全然って、最後に帰ったのは?」
と千尋の“全然”を否定だと解釈したのですが、もしかしたら千尋は肯定の意味で使ったのかもしれないですよね。

このように、“全然”が肯定でも否定でもあり得る(「シュレディンガーの猫」みたいですが)となると、“全然”が単独で使われた場合、肯定なのか否定なのか判断に迷う場合もあるのではないかと、私は考えてしまうのです。もしそうなら、こんな曖昧な言葉を日常生活で使うのは、非常に危険なのではないかとすら思ってしまいます。まあ大概の場合は、話の流れから判断がつくとは思うのですが、場合によっては大いなる誤解を生む可能性も否定できません。

そのため、何らかの制約が必要なのではないかと、私は思うのです。例えば、“全然”を単独で使う場合は必ず否定を示すとか。この制約があるだけでも、無用な誤解を減らせるのではないかと思ったのでした。


2021/3/29追記
○不具合
本作は短いので、殆ど不具合はありません。それでも、二点ばかり気になる部分がありました。

一点目:誤字脱字
千尋「えッ……あ、やぁ……! あッ、あっ……ンッ は、あぁ……!」
 ⇒「ンッ」の後に「!」または「、」または「……」が脱字(読点と三点リーダーの場合は直後のスペースはカットが必要)していると思われます。

二点目:声優さんの読み間違い?
千尋「今日は、ありがとうね」
ト書き:俺に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で。
ト書き:千尋がしみじみとそう呟いた。
 ⇒声優さんは「ありがとね」と読んだ。これは微妙ですね。声優さんは「う」を読まない方が良いと判断したのだろうけれど、しかし、テキストは「う」がありますからね。「う」があるのとないのとでは、微妙にニュアンスが違ってくる気がします。その結果、たぶん、読み方での感情表現も微妙に違ってくるのではとも思うのです。

調べたところ、YAHOO!知恵袋では次のようになっていました。
 ------------------------------------
 質問:「ありがとう」と「ありがとね」 異性の友達に送る時に、あなたはどっちを使いますか?
 ベストアンサー 2009/1/13 22:47
  ありがとう ですかね(^^♪
  彼氏だったら「ありがとね」にしますけど、友達だったら普通に「ありがとう」にします。

 質問:“ありがとう” と “ありがと”、ニュアンス教えて欲しい。
 ベストアンサー 2018/10/11 7:37
  有難き幸せ:戦国武将が主君に対する言い方
  ありがとう:丁寧な言い方
  ありがと:親しい間柄の相手に言う言い方
  あり~♪:もっと仲の良い相手に言う言い方
  あ~と:言葉を覚えはじめた幼児の言い方
 ------------------------------------

女店長と千尋の口論直後は、拓人の慰めに、
 千尋「馬鹿、ありがと」
と会話しているのですが、この後、拓人の自宅に押しかけて二回目のエッチ前の千尋の言葉が、
 千尋「今日は、ありがとうね」
なのです。つまりこの時点では、千尋と拓人はセフレになりつつあるのだけれども恋人未満って感じで、この微妙な空気ただよう二人の空間の機微を、ライターさんは感謝の言葉の言い回しによる微妙な違いを使い分けることで、表現しようとしたと考えられます。

以上から考えると、ライターさんは意識して「ありがと」と「ありがとう」を使い分けていると推察できます。それを声優さんの勝手な判断でテキストどおりに読まないことが、果たして正しいことだったのかどうか。私は、非常に疑問を感じざるを得なかったですね。


○おわりに
プレイし終えて思ったのが、本作冒頭での主人公(拓人)が手掛けたプロジェクトの完了会における、主人公の当初の人物描写は、
 拓人「お姉さァァァァん! メガコーラ一つァァァァッ!!」
 ト書き:ああ、もうダメだ、今夜は俺が今最も推している配信者、桃見栄ルルミちゃんのライブ配信に間に合わない。
 拓人「童貞ですよ?」
 拓人「風俗は断固お断りだ!」
という酒は飲めず、風俗にも行けずに童貞、そして桃見栄ルルミちゃんのライブ配信に一喜一憂するという軟弱者設定なのです。この状態から千尋を射止めるのですから、おかしくないって思いますよね、普通。まあ、ストーリー上は、こんな情けない主人公に頭にきた千尋が、童貞を卒業させてやるっていう強引な展開で、いきなり最初のセックスシーンに持ち込むのですが……。

この突然のビックリ展開で、恋愛関係もない冒頭の段階で千尋によって脱童貞、風俗不要を実現させてからの拓人は、冒頭での軟弱者設定どうなっちゃったのっていう無双状態ですよ、まったくもって。拓人が嫌っていた上司の『脱童貞論』が、実は正しかったと拓人自ら証明してどうするのって感じですよ、まったくもって。そういえば「桃見栄ルルミちゃんってどうなっちゃったの?」って感じなのです。つまり、拓人にとって日向千尋は「あげまん」なのです。

そもそも、本作のタイトル『日向千尋は仕事が続かない』ってテーマでもなんでもないですよね。単に、これまで千尋は仕事が続かなかったってことを示しているだけなのですから。それよりも、私に言わせれば『日向千尋はあげまんだった!』としてくれた方が、よっぽど本作を理解できたと思います。タイトルの付け方って何種類かに類型化できるらしいのですが、本作のタイトルは、
 ・主人公やヒロインの名前を入れる
 ・(難解な)長文タイトルにする
を採用しているみたいですね。長文タイトルの場合は、最も効率的に読者に「この小説読みたい!」と思わせることができる文字数は13字らしいのですが、本作のタイトルはそれを踏襲しているわけですね。因みに、最近のラノベは50字以上もある“難解”どころか“イミフ”な長文タイトルが氾濫していて、2021年01月24日の痛いニュースでは、『【小説】 なろう系のタイトル、人間の欲望が垂れ流しだと話題に』と話題にされる始末。こんな長いタイトルをつけた作家の方々、将来は悶絶してのたうち回り、この過去の黒歴史を無かったことにするんだろうな、きっと。

ところで、私は、早瀬ゆう氏の作品って、共作の『あざスミ -あざとくてスミに置けない彼女-』しか知らないのですが、「友達から恋人への過程を重視」ってのが基本スタイルなのでしょうか? 本作では「セックスから始まる二人の関係」って感じですけどね。

さて、最終的な評価点ですが、今回の点数を考える上で、自分のサマリーにおける点数の判断基準をもう少し明確にする必要があると判断したため、今までの私の一言情報を更新し、基本的にはボリュームと内容の価値が設定価格と比較してどうなのかを判断基準とするように変更しました。

そのため、本作はロープライスですので、それを念頭において考えてみました。その結果、ある程度は面白かったけれどもボリューム、内容とも価格並みの価値しかなかったと判断し、72点としました。理由は、ボリュームは若干不足気味だし、内容は少女漫画にはこの手のレベルの話がごまんとある気がしたのと、それらを凌駕する何かが本作にあるとは、とても思えなかったからです。

もし、音声ドラマ内容で綴った同棲編の内容をもう少し膨らませて、本編またはアフターストーリーとして組み込まれていたのなら、私は80点台を付けたと思います。私は、本来ライターさんは同棲編を本編に入れたかった筈ではないのかと推察しているのです。でも"すみれ"側としては、そのボリュームではロープライスでは実現不能と判断したのでしょう。だから仕方なく、同棲編は音声ドラマとして売り出すことにしたっていうのが、私は真相のような気がしてなりません。

ところで、本作に対する最初の一言感想登録、2021年03月26日01時58分02秒の投稿なのに、「総プレイ時間:3h」ってどういうこと!? 一番入手が早いと思われるFANZA GAMESでのダウンロードでさえ、26日0時からなのに……。因みに、私の総プレイ時間は16時間です(私の場合、最初の投稿時はプレイ途中で時間未指定だったので、完了してから時間を入れたため、投稿時間と総プレイ時間の整合性がとれていないのですがね。16時間もかかっているのは、メモって考えている時間も結構あるし、基本、エロシーンとかもスキップしないで普通の速度で再生し続けているからです)。


○備忘録(音声ドラマ『仕事が続かなかった千尋ちゃんの平凡な日常』について)
3/26現在、あちこち工事中(3/28で解消)のため、お詫びのしるしに他の方々がたぶん書かないであろう音声ドラマ内容について、以下に記します。

海外ドラマの『24 -TWENTY FOUR-』に倣ったのかは分かりませんが、15分前後の話が8話(同棲3か月目のとある日曜日の朝から翌日の朝までの1日を8分割。8話目だけ3分強)で構成されています。
通常価格500円のところ2021/3/26 00:00までは80%OFFキャンペーン価格の100円でした。当初私は、本体だけ予約して音声ドラマは保留としていたのですが、DMMポイントの有効期限切れ案内メールが来てしまったため、ポイント消化のために買ってしまいました。

個人的には、総収録時間109分37秒(1時間49分37秒)の音声ドラマに500円はちょっと躊躇いが生じる価格でしたが(音声ドラマって、初回版や予約での特典付録みたいな企画がよくあるのだけれど、しょうもない内容が殆どなため)、100円ならモーマンタイ。そもそも全額ポイント消化でお金かかってないし。

結論から言いますと、お金を取っている分、本音声ドラマはそこそこ聴ける内容です。ダウンロード先のFANZA GAMESでの紹介ページを見ますと「◆収録内容◆」の項目が記載されており、8話のタイトルと時間は、それぞれ次のようになっています。

14:13 Track01『朝立ち上等! 寝起きのセクハラ合戦!』
16:07 Track02『朝フェラで絞り取るのは彼女の常識』
13:27 Track03『同棲中でも今さら照れるカフェデート♪』
15:36 Track04『夕食後の浴室でラブラブトーク♪』
16:06 Track05『女から誘う? イチャラブお風呂エッチ』
14:56 Track06『たっぷり彼氏を労う夜のアルコールタイム』
16:02 Track07『結婚前から子作りエッチ? 本気の正常位』
03:10 Track08『いつもと変わらない、朝の日常風景』

【総収録時間 109分】と記載されているのですが、正確には109分37秒なので、37秒は切捨てですネ!

「【高音質wavファイル(48000Hz 24bit)】と【mp3データ】の2種類を同梱。それぞれ効果音ナシverも収録していますので、お好みに合わせてご堪能ください」となっているため、結局4種類あるわけです。どうりで圧縮されてもダウンロードサイズが2GBもあるわけだ(wavのファイルサイズが効いているよね)。

私の視聴は、勿論wav(48kHz/24bit)の効果音アリverにしました。実際のところ、私の耳では、ファイルサイズが12倍も違うwavとmp3の再生音の違いなど、音楽でもない音声ドラマ程度では、ヘッドフォンで聴いても全く区別がつかないのですがね(笑)。まあ、本来は500円もするのだから、少しでも価格と内容が釣り合うように見せるために、wavデータもつけてみましたってところでしょうかね。

「◆収録内容◆」では8話それぞれのドラマ内容が簡単に紹介されているのですが、私は最初、この内容を読まずに視聴したので、後で読んで自分のメモ内容との違いに愕然としました。私のメモ内容の方が断然面白いだろって(笑)。というわけで、shiratori視点バージョンで簡単にご紹介すると、次のとおりです。

Track01『朝立ち上等! 寝起きのセクハラ合戦!』
・日曜朝6時の状況
・同棲生活も今日で3か月
・Hは1日に3回も4回もしている
・今朝のちんちん占い
  右に反り返ってたら吉で、左に反り返ってたら凶
・学生時代、私以外の誰が興味対象だったのかを、会話でのちんちん反応で確認

Track02『朝フェラで絞り取るのは彼女の常識』
・Track01からの続きで、フェラしまくり
・いつも性欲処理させてるみたいで心苦しい

Track03『同棲中でも今さら照れるカフェデート♪』
・午後のデートで~す。今日は休みなんだから~
・千尋の自己評価
  自分で言うのもなんだけど、料理もそこそこできるし、
  金遣いも粗いほうじゃないと思うの
  変なルールを強制するようなタイプでもないし、
  無理難題を吹っかけて、いきなりリストカットに走る意味不女子でもないでしょ
  メイクは超ばっちり決めてるし
・私、あんたの笑顔の次にその目にやられたんだからね
・あんたは、私のビジュアルに強く引かれたと
・そんな私がベッドで従順なのが最高にいいって

Track04『夕食後の浴室でラブラブトーク♪』
・一緒にお風呂入ったとき、背中から抱きつくのが好きだよね
・安心するし、寝る前に抱きつかれるのも、好き
・いいよ、いっぱい触って。わたしはあんたのものなんだから
 いつも言ってるでしょ。変な遠慮はいらないって
・わたし、独占欲も強いけど、その、こうしてると、彼氏に束縛されたいっていう想いも強いんだよね
・困ったら、キスで黙らせるの、禁止
・はいはい、千尋ちゃんに毎日満足して、いい子ちゃんですねぇ~

Track05『女から誘う? イチャラブお風呂エッチ』
・Track04からの続きでクンニリングスからキスキスのセックスへ

Track06『たっぷり彼氏を労う夜のアルコールタイム』
・二人で宅飲み
・なんかみんな、あたしが尻に敷いてるっていうイメージが強いらしい
 わたしのほうが、あんたにぞっこんなのにね
・キスして、長いの
・わたし、あんたのためなら、なんだってしてあげるよ
・でも、彼氏が性欲強くて良かったぁ
・わたしだって、いっぱいあんたに抱かれたもの
・もう、ほんとにわたし、ぞっこんだね。こういうの依存っていうのかな

Track07『結婚前から子作りエッチ? 本気の正常位』
・Track06からの続きで、セックスゴー

Track08『いつもと変わらない、朝の日常風景』
・背中から抱きつくだけ

以上です。公式発表とはぜんぜん違う裏発表(私の視点)をご堪能いただけたかと思います(笑)。


The above is a long impression of shiratori.