ErogameScape -エロゲー批評空間-

shiratoriさんのコイノハ -恋のシェアハウス-の長文感想

ユーザー
shiratori
ゲーム
コイノハ -恋のシェアハウス-
ブランド
スカイロケット
得点
63
参照数
1843

一言コメント

共通ルートは、ヒロイン4人の主人公を巡る心理戦が見られて、とても面白いです。個別ルートは……。(追記:1/1,3,8,11,14,15,18,23)

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

2020年
 12/26:初稿を登録
2021年
 01/01:「個別ルートについて」と「真ルートについて」を追記
 01/03:「陽向ルートについて」を追記
 01/06:「個別ルートについて」の記述に間違いがあったため修正
 01/08:「晶ルートについて」を追記
 01/11:「彼方ルートについて」を追記
 01/14:「みんなでイチャイチャについて」を追記
 01/15:「総評」を追記
 01/18:「品質について」を追記
 01/23:「その他、気になったこと」を追記

○はじめに
私は、この五箇月間、全くエロゲーを買っていませんでした。今年は、8月に本作の体験版をプレイして以来(ただし諸般の事情でエッチシーンだけは未プレイ)、本作一本に絞りました。つまり、相当に期待していました。なんか体験版をプレイして、面白そうだと強く感じたもので。

尚、今回からパッケージ版を買うのは止めて、ダウンロード版にしました。もう、パッケージの管理や処分が面倒だし、ダウンロードだと発売日の午前0時から入手してプレイ可能ですからね。それでなくても、他の人の何倍もの時間をかけてプレイする私にとっては、少しでも感想を書くまでの時間を短縮できないと、他の人の感想に置いていかれてしまうので。


2021/01/15追記
○総評
本作、良いのか悪いのかの二択で評価するのなら、明らかに悪いです。悪い理由は多岐に及ぶのですが、この後、各ルートの感想で基本的な事柄は書きつくしましたので、敢えて一つの言葉に集約するのなら、「品質」が悪いです。勿論、良い部分もあるのですよ。例えば、
 ・共通ルートのシナリオ
 ・各個別ルートのエピローグのシナリオ
 ・エロシーン全体の4分の3
などです。そのため全体の評価点数は、
 共通:72点
 個別+アフター:42点
 エロ:75点
と考え、(72+42+75)/3 で 63点 としました。私としては、個別+アフターのシナリオなど30点でも良いかなって感じなのですが、エピローグに相当する部分だけはきちんとまとまっていたのを、最大限に考慮しました。自分の評価内容から考えると、本作は抜きゲーに分類される作品となるでしょう。ただし、抜きゲーとするには、声優さんのエロシーンの演技は下手だし(特に陽向なんか最低)、ハーレム関係の出来は良くないし、まあ、エロゲー初心者向け抜きゲーとするなら、最低限は納得できるかもしれないといったレベルです。

「品質」で思い出しましたが、今現在の旬の時事ネタ、某ビール会社と某コンビニ会社の共同開発ビール、パッケージデザイン中の単語のスペルを一文字だけ間違えただけでの発売中止騒動がありましたよね。実際の中身の品質には問題ないのと食品ロス回避で、目くじら立てるほどのものではないとの世間の追い風を背景に、一転して発売決定となりました。

某ビール会社と某コンビニ会社にとっては、突如、元寇の神風のような宣伝効果が発生、災い転じて福となすとは正にこの事ですが、しかし、世の中そんなに甘くはないでしょう。特に某ビール会社の方は、今後のビジネスの現場では、確実に評判を落とすことになるでしょうね。なぜなら、この世には「ハインリッヒの法則」というものがあるからです。そのため、某ビール会社の仕事全体の品質に関しては、今後、計り知れない疑問を世間から問われることになると思われます。

見る人は見ています。本当に食品の安全、大丈夫なのだろうかと。何しろ、商品の顔であるパッケージデザインの不具合ですら何重ものチェックを素通りするザル検査体制であることが露呈してしまったのです。そのため、取り扱い食品の安全検査だってザルなのかもしれないと思われてしまっても、仕方がないでしょう。実際、そう考える方々、世の中に沢山いると思いますし。

翻ってエロゲー業界、実際の商品であるテキストの誤字・脱字・衍字の間違いなど、日常茶飯事状態です。本作を例にすると、例えば次の文章。

 ト書き:冷蔵庫遠くにドアが開くよから缶ジュースを取り出すと、こちらに戻ってきた。

最初、何を書いているのか必死に解読を試みましたよ。しかし、分からないので、意味を成す文ごとに分解してやっと気がつきました。「遠くにドアが開くよ」という全く無関係な文章が挿入されていることに。しかも、全く同じ間違いがもう一箇所あったのです。

 ト書き:真が忙しくなれば陽向は無遠くにドアが開くよ理をしてしまう可能性は十分にある。

さすがに二箇所目は、即座に間違い内容が理解できましたが、もう、呆れ果てて物も言えません。因みに、二箇所目は本作のシステム自体の不具合も露見するのですがね。本作のゲームシステムのバックログは、1行36文字表示なのですが、文章の途中で意図して改行しない36文字以上ある文章の場合、36文字目がバックログのスクロールバーに重なるという不具合があるのです。これなど、昔からこの不具合を抱えていると思うのですが、一向に直す気もないみたいです。

そもそも、スカイロケットがどういったコンセプトの作品を出すブランドなのかも、まったくもって不明なのです。第一作の『琥珀色のハンター』と第二作の本作では、作品傾向が全く違います。本当に、当たるも八卦当たらぬも八卦の、宝くじみたいな博打ブランドなのです。違うといえば、面白いことに、第一作と第二作ではエロ文章の言葉規制の考え方も違っていて、第一作では伏字とピー音だらけだったのに、第二作の本作では次のように無修正ですし、声優さんの音声も普通に再生されていました。

 陽向「わたし、イクから、中に、出してっ、いっぱい、おまんこに、精液、欲しいのっ」

この一貫性のなさは、何に起因しているのでしょうか。私は『琥珀色のハンター』の感想で、「律儀に伏字(例:おち●ぽ、おま●こ)と“かぐや消し”に躍起になるその情熱には、恐れ入るばかりです。さすが、理事長を就任させているNEXTON。その情熱を、もっと別の方向にシフトさせた方が良いのではと、他人事ながら思ってしまいます。今やソフ倫加盟でも伏字、ピー音無視のゲーム(寧ろそれを宣伝材料にしている)だってあるのに、時代を無視するその感性。ある意味、尊敬に値します」と書いたのですが、NEXTONもやっと方針転換したんですかね。

それにしても、片や実際の商品の中身の問題でもないのに表記の一文字だけ間違えて発売中止の重大案件扱いの業界、片や実際の商品の中身であるテキストにいくつもの記載上の不具合があっても無修正で発売し、発覚しても修正パッチすら出さないような業界。このあたりに、エロゲー業界のマーケットシェア激減の鍵があるような気がしてなりません(笑)。


○共通ルートまでの感想
私は、共通ルートに16時間かかりました。共通ルートの構成は、<開始後すぐにオープニングムービー>⇒<選択肢1>⇒<選択肢2> となっています。二つの選択肢内容は、それぞれ次のとおりです。

<選択肢1>
私の場合、いきなり「GEME OVER」。あれあれあれ~で、目が点ですよ。そもそも、この<選択肢1>、陽向と一緒にお風呂のシーン直後に、
 伊織「結城さん、これどうしたらいいんでしょう」
となって、唐突に表示されるので、選択内容を検討する余地もないのです。驚き桃の木山椒の木ですよ、本当に。まぁ、実際は、ゲームオーバーなのは確かなのですが、本作のゲームオーバーではなかったのですけどね(何、意味不明なこと書いてんだこいつと思われた方は、本ゲームをしてください(笑))。いや~、久しぶりに驚きの演出でした。その後の晶と真の伊織のインポをめぐる会話が、また笑える。面白いです。因みに、<選択肢2>まで進めた感じでは、この<選択肢1>は何のフラグにもなっていないみたいです。単なるドッキリ演出ですかね。

<選択肢2>
「誰と一緒に過ごす?」選択肢です。四人のヒロインのうち、一人を選択(各ヒロインの人物画にマウスカーソルを持っていくと陰影からハイライトするので選択)できます。左から右へ「真、彼方、陽向、晶」の順にヒロインが並んでいるので、私の方針としては、この順番で選択していこうと思います。これが個別ルート直通なのか、この後も同じような選択画面がいくつもあるのかは、現時点(12/26)では、未プレイのため不明です。ところで、画面の右上に大きな○の中に「?」がある選択不能箇所があるのですが、これはどこかの時点で選択できるようになるのかもしれません。

実のところ、<選択肢2>に辿り着くまでに、ヒロイン四人とも、伊織への高感度はMAX直前状態なのです。この感じだと、個別ルートなんて有り得なくて、ハーレムルートしか有り得ないような状況なのです。一体全体、ここからどうやって個別ルートにするのか、というよりできるのか全く予測できません。極端な話、一人を選んだら、伊織は他の三人に殺されるんじゃないだろうかというレベルなのですから……。


次に本作の良い点と悪い点を述べます。

(良い点)
私は、『セックスオープンワールドへようこそ!』の長文感想で、「エロくないお馬鹿な会話より、もっとヒロイン達とのストーリーに絡んだ心を読みあう、心理戦的な会話を楽しませろよって思ってしまいます」と書いたのですが、私が期待する主人公とヒロイン達との心を読みあう心理戦ではなかったのですが、各ヒロイン間の心を読み合う心理戦は、曲がりなりにも実現しています。そのため、私にとっては本当に読んでいて楽しいですし、面白いです。

因みに、私が望む真の心理戦の世界とは、ヒロイン間の「恋の駆け引き」限定みたいな、単純なありふれた箱庭の世界ではありません。SF好きの私にとっては、権謀術数を駆使するレベルでの腹の探り合いと駆け引きを伴う心理戦を展開するストーリー世界のことです(最近のWeb小説でいうと『リビルドワールド』ですかね)。まぁ、本作では「恋の駆け引き」程度で終わってしまっているのが、本当に残念な所ですけどね。そのため、共通ルートまでは70点台が妥当と評価しました。

(悪い点)
二点あります。

一点目:視点の変更
シーンの切り替えで、ぽんぽん一人称視点を切り替えるのは、本当に止めて欲しいです。何を読んでるのか訳が分からなくなりますから。わざわざ視点変更警告を出すゲームもあったりしますが、私に言わせれば、そんなアラートを出すくらいなら、そんな文章を書くなよって感じです。

本作では、簡単な画面エフェクトを使ったシーン切り替え描写だけしかしないので、体験版の時から、地の文を読んでいて「あれあれあれ、今、私は何を読んでるの?」状態ですよ。

私の希望としては、地の文は、普通の小説みたく三人称視点で書いて欲しいのですが、ゲームのシナリオってプレイヤーと主人公を同一化させることを目的として、一人称視点になっている場合が、殆どだと思います。私は、その意味では、一人称視点でも許せはするのですが、複数のヒロインも含めて、地の文の一人称視点を変更されては、なんか本来の目的から逸脱しているのではないかと思ってしまいます。

そもそも、エロゲーにおいて男性プレイヤーが女性のヒロインと同一化して感情移入できるものなのでしょうか。勿論、世の中には女装趣味の男性もいるので、そういう奇特な方もいるとは思いますが、少なくとも私は、解離性同一性障害ではないと思っているので、そこまで変態にはなれそうもありません。

ラノベになるようなWeb小説を読むと、地の文は、主人公だけ一人称視点にして、それ以外の登場人物に視点を移す場合は三人称視点にするとしている場合もあります。私が許せる視点変更文章は、ここまでですかね。


二点目:各シーンの連携が変
各シーン間の繋がりが変な箇所がいくつかあって、なんか困ってしまいます。例えば、陽向の学校でのプリントぶちまけドジシーンから突然、
 ト書き:結城さんからのメッセージで、『家に財布忘れたから持ってきて』とあった。
となり、この直後のシーンでは、別の日の早朝の不動産屋との転居話に切り替わったりするのです。唐突に学校の下校シーンになったりとかもあって、なんだこりゃって感じです。なんか、いろいろ伏線を張るシーンを入れようとして、おかしくなっているような気もします。ライターさんの元文章のプロットがそもそもおかしいのか、制作時にゲームとして構成するために編集しているうちにおかしくなったのか、どっちなんでしょうね。まぁ、唐突にゲームオーバー演出を組み込む選択肢を用意する制作スタイルが、全てを物語っているとも言えるのですが……。


○ライターさんの特徴
・意外性の追求
これは、ライターさん自身の個性なのか、本作のために敢えてそうしたのかは不明ですが、本作の場合、ギャルゲーとしてのテンプレ設定における各イベントシーンにおいて、男女の役割分担を逆転させたり変更させたりしています。いくつか具体例を挙げると、次のとおりです。

例1)脱衣所でのハプニングイベント
伊織の裸に晶が遭遇するという、女の裸を男が見てしまうというテンプレを、男の裸を女が見てしまうシーンにしてしまう。

例2)入学式での初登校時の真と伊織の会話イベント
真と伊織が一緒に登校する場面で、女が躓いたのを男が支えるというテンプレを、男が躓いて女が支えるシーンにしてしまう。
 真「前見て歩かないと危ないよ」
 伊織「うん、そうだ――うわっ」
 ト書き:前を見ようとした正にその瞬間、躓いた。
 真「だから危ないって言ったのに……」
 ト書き:転んだと思ったけど、源さんの腕に抱えられている。
  :
 真「普通こういうの逆だと思うんだけどなぁ」

例3)入学式の下校時の真と伊織の会話
男女のテンプレ会話を逆転させてしまう。
 真「一緒のクラスでよかったね」
 伊織「うん、心強いよ」
 真「その台詞も逆じゃないかなぁ……」

例4)陽向のプリントぶちまけドジからの押し倒しシーン
この場面、男女の役割を逆転ではなく、男女の組み合わせを、女同士の組み合わせに変更しています。テンプレだったら、伊織と陽向の男女の組み合わせになるのがお約束ですが、陽向と真の女同士の組み合わせにしているのです。ただ、このシーンの目的は、伊織が陽向のパンツと真のお尻を見ることにあるので、伊織の一人称視点です。つまり、第三者の視点での客観的な見方ではなくて、伊織とプレイヤーを同一化させて、プレイヤーが自らの意思で見ているってことを重視させているわけですね。

・とんでも文章

★真と陽向の五十メートル走の記録
陽向「でも私と二秒も違うんだよ二秒。真ちゃんが前回り受け身でスタートしてもまだ私の方が遅く着くんだよ?」
伊織「そう言う風に言うと凄い差がある気がしてくる」
陽向「量子化出来るとか?」
真「できません……」
 ⇒このライターさん、凄いです。「前回り受け身」からの「量子化」っていう発想が凄い。何が凄いって、言っていることがまるで分からないことが(笑)。そもそも「前回り受け身」でスタートって、一度、転がってから走り出すってことですよね。柔道の「前回り受け身」から立ち上がって走り始めるまでに二秒かからないってことなのでしょうか。
  その後の「量子化」発言が、そもそも女学生の言葉とはとても思えないです。恐らくですが、時間的にも量的にも不連続の値(つまり、とびとび)になることで、二秒短縮できるだろうってことを言いたいのだと思われるのですが、陽向って天才なのかもしれないです(ここまでの設定上は、一番勉強ができない馬鹿ドジ扱いになっているのですが……正に馬鹿と天才は紙一重とは言い得て妙ですね)。その会話についていって、「できません」と言う真も凄いです。取り敢えず陽向は、中二気質十分の素質の持ち主であることは分かりました。

★肉離れ
真「急に走ると肉離れとか起こすしね。若いから大丈夫だろうけど」
陽向「若者の肉離れ」
 ⇒このライターさん、飛ばしますね。陽向の「若者の肉離れ」ギャグが面白い。これ、二重の意味を持たせていて、表の意味は若いのに肉離れってどうなのよってことですが、裏の意味は、若者が肉を食べなくなっていることを意味していますよね。陽向、やっぱり貴重な存在。このままボケ専で突っ走って欲しいものです。陽向の個別ルートは、ちょっと期待大になりましたが、単なる幼馴染テンプレになっていないことを祈るのみです。

★アウトブレイク
伊織「あの、二人とも俺を気にしてくれるのは嬉しいんだけど、学園では授業に集中しよう……?」
陽向「伊織くんは学園でのプライオリティを間違えている!」
伊織「いや、その……授業料払ってるしさ……」
陽向「一理あるね」
真「……心理だよ」
陽向「だって授業に集中してたら、アウトブレイクが発生した時にとっさに対処できないよ?」
真「アウトブレイクの心配するなら、体育してるクラスの打球が伊織に当たる心配をした方がよっぽど建設的だと思うけど……」
陽向「ほう、真ちゃんはそういう心配をしてると……」
真「し、してない、してないから!」
ト書き:なんだろうこの会話……。
 ⇒本当に、なんだろうこの会話ですよ。アウトブレイクって陽向のぶっとび発想会話に、真面目に応答している真も凄すぎですけどね。さりげなく、陽向が真に対して心理戦を仕掛けているのが何とも……。陽向の個別ルートが、この感性を保持したまま進んでくれると楽しそうなのですが、果たして……。

★ヒロイン間の心理戦
心理戦の例として、陽向が真に対して伊織を嫌いじゃないでしょって振りながらの会話文は、次のとおり。
陽向「だよね。今度は真ちゃんも一緒にお風呂入る?」
真「今度はって、入ったことあるの?」
陽向「小さい頃はいつもだったし、最近も入ったよ」
真「わ、わたしはまだ、はだかを見せる勇気は……!」
陽向「あはは、何言ってるの真ちゃん。水着で入るんだよ」
真「陽向と話してると大事なものを失っていく気がする……」
 ⇒この作品、共通ルートは、ヒロイン間での伊織を巡っての心理戦で明け暮れることで成り立っているので、基本面白いのだけれど、ここでも陽向の真に対する心理戦が面白すぎます。ここでは初心(うぶ)な真に対して陽向が弄んでいるわけですが、真の伊織に対するこの時点での親愛度を引き出して確認しようとする手腕は、見事です。


2021/01/01追記、01/06修正
<個別ルートについて>
ヒロインの攻略順ですが、<選択肢2>のヒロインの並びって、単にパッケージ絵やタイトル画面に描かれた各ヒロインの絵をそのままの順で「真、彼方、陽向、晶」と並べただけで、その並び順に選択上の意味は何もないのだと気がつきました。

また、真ルートを最初に完了した時点で、タイトル画面の「AFTER STORY」と「EXTRA」が開放されました。そこで、「GALLERY(CGモード)」の共通ルートのCG開放状況を確認してみたところ、ここでの並びは「真、陽向、晶、彼方」の順になっているらしいことが分かりました。そのため、この順での攻略に変更することにしました。理由は、GALLERYの並び順に攻略するのが、私の基本方針だからです。

そういえば、開放された「AFTER STORY」には、各戸別ルートごとの項目が表示されています。各項目は、各個別ルートが完了するごとに、該当する項目が選択可能になる仕様です。ここで仕様上のネタバレになるのですが、上記で私は、<選択肢2>の時点で「ハーレムルートしか有り得ないような状況」だと書きました。ところがなんと、「AFTER STORY」には各戸別ルートと一緒に、そのままずばりのネーミング(ハーレム)が表示されていたのでした。

やっぱりハーレムルートあったんだ。というか、ハーレムルートこそが本来のルートでしょうね。そもそも私には、それ以外の各個別ルートが存在できる状況が、全く想像できませんでしたからね。そうすると、<選択肢2>の「?」は、ハーレムルート選択である可能性が大です。

ところが、確認してみたところ、真ルート完了後も、<選択肢2>の「?」は選択不能で「?」表示のままです。にも拘らず、「AFTER STORY」にはまだ存在すら不明のハーレムルートの選択不能状態のアフターストーリーが見えているのです。本来なら「AFTER STORY」のハーレムは、ヒロイン四人の各戸別ルートが全て完了するまで、「?」表示でなければならない筈です。なぜなら、大本のハーレムルートは未開放で、その存在すら未公開の状態なのですから。これは仕様上の大チョンボではないでしょうか。


2021/01/01追記
○真ルートについて
私は、このルートに23時間をかけました(アフターには別に80分)。時間がかかったのは、このルートは悪魔のルートだと分かって(もしかしたら他のルートも?)、それを検討、評価するのに多大な時間を要してしまったためです。何が悪魔かって、そもそも私は、本作の主人公が生理的に受け付けられなくて嫌悪感を覚えてしまったのですが、その原因が、沢山あるセックスシーンを通して、本作の本質が調教・陵辱ものであるということが、はからずも判明してしまったからなのでした。

当初私は、本作はエロゲー初心者向けというより超初心者向けエロゲーとして相応しいというのが世間一般の評価になるのではないかなんて、軽い気持ちで考えていたのでした。しかし、とんだ勘違いでした。その本質は、調教・陵辱ものに等しく、さらに非常に危険な存在だと考えられます。これが初心者向けとして定着してしまったら、本当にやばいなと思いました。

真ルートは、真とのセックスを通して主人公の伊織が精神的に成長していく物語なのですが、その成長の方向性が悪魔的なのです。例えば、
 真「伊織はさ、どんどん変わっていっちゃうよね」
 伊織「ん?」
 真「二ヶ月とちょっとだけど、随分変わった。
   最初からは信じられないくらい自信を持つようになってる」
これは、伊織が真とのトレーニングで体力が向上したことに起因した精神の向上を言っているのですが、真実は違います。真とのセックスを通して、調教・陵辱の教祖として堂々としてきたというのが、実態なのです。

そもそも私は、現状のNEXTONの本質は、Liquidブランドを筆頭とする調教・陵辱もの制作にあると思っているのですが、そこに初心(うぶ)なエロゲー初心者を誘(いざな)うバイブルとしての存在が、本ゲームの目的であり本質なのだと考えるにいたりました。少なくとも、真ルートを見る限りでは、本ゲームをプレイしたエロゲー初心者は、数年後には立派なLiquid信者になっていることでしょう(笑)。

そのため非常に危険。その危険度は、宗教やマルチ商法の勧誘、はたまたサブリミナル効果を狙った宣伝広告に匹敵します。それを巧妙に隠して、見た目は単なるギャルゲーであるかのように装っているので、本当に質(たち)が悪いのです。だから出来が良いとも言えるのですが……。

どうやばいかというと、例えば仮に、もし性犯罪行為に及んだ輩がいたとして、その性犯罪者の持ち物に、本作以外にLiquid作品があったとします。その場合、世間はLiquid作品が諸悪の根源だと糾弾するでしょう。しかし実際は、その犯罪者の心にその衝動の息吹を植えつけたのは、本作だったみたいな。そのため、真犯人(本作)は、ぬくぬくと難を逃れてその魔手を磨き続け、誤認逮捕者(Liquid作品)に罪を擦り付けたみたいな感じになる恐れがあるのが、本作なのです。

そもそもLiquid作品など、所詮はフィクションと割り切ってプレイするのだから何の問題にもならないのですが、本作は違います。Liquid作品だと思わせないで、Liquid作品の精神の真髄を、プレイヤーの心に何のわだかまりもなく植えつけてしまうのです。そのまま発芽しなければ問題ないのですが、不幸にして発芽してしまったら、さあ大変ですよ。しかも、何で発芽したのか原因不明扱いになってしまうのですから、最悪です。

本作のライターさん、セックスシーンだけは怖すぎです。

実際に、精神を蝕まれて、調教・陵辱万歳とか叫んで、事に及ぶ輩が増えるんじゃないかと思うと社会悪です、本当に。残りのルートもこんな感じなら、早急に発禁処分にすべき作品です。全部プレイし終えたら、私の心も精神汚染されて、調教・陵辱万歳とか叫んでいるかもしれません(笑)。

具体的に、主人公の間違った成長の成果内容を示すとすると、セックス直後に精液、愛液まみれで汚れた伊織のペニスに対する真のお掃除フェラのシーン。

 ト書き:ペニスはびくびくと脈打って、口の中に精液をはき出していく。
 ト書き:真はそれを嫌な顔をすることなく、受け止めてくれた。
 真「んぷっ……ふぅ、んんっ……むふぅぅ……」
 ト書き:注がれたものの感触を確かめるように、真は少しもごもごと口を動かす。
 ト書き:それをぼうっと眺めながら、俺の胸は不思議な達成感に満たされていった。★
 真「んんっ……こくっ、こくんっ……」
 ト書き:口に出した精液を、真は全て飲み干してくれた。
 真「ふはっ……はぁ……どろどろ……おいしい……っ」
 ト書き:飲むだけでも大変だろうに、真は笑顔でこっちを見てくれる。
 ト書き:その笑顔は、俺以上に満足げなものだった。★

「達成感に満たされていった」に、主人公が悪魔の調教師として成長したことが現れていると思います。その後「その笑顔は、俺以上に満足げなものだった」と、真への調教結果に対する達成感を再確認した主人公は、本当に教祖(=クズ)だよね。そうして、一人称視点によって同調し同一化されたプレイヤーの心をさりげなく蝕んでいく――セックスの醍醐味は調教と陵辱だよねと。真との初セックス後、セックスする度に主人公の悪魔度が励起されいくので、最終的にはリアルとフィクションの区別が付かなくなっていったプレイヤー達は……。頭が痛い。このライターさんには、Liquid以外でセックスシーンを書かせてはいけないと、真剣に思いました(笑)。

なお、肝心のストーリーについては、真のバスケ部復帰以降の話をカットしたのは良くなかったです。一番、興味津々で盛り上がるストーリーになった筈なのに、カットなんて有り得ないでしょうに。少なくともストーリーに関しては、ぜんぜんフルプライスに値しません。その結果、エピローグでは、

 真「これまでやりたいことやらせてくれてたんだよ? これからは、私がお手伝いする番」
 伊織「今度はシェアハウス一つじゃなくて、島一つだけど」
 真「一所懸命にね」
  :
 伊織「いつまでも、仲良くいようね」
 ト書き:あの日見た、老夫婦のように。

となっていたのですが、「やりたいこと」って何だったんだよって話ですよ。ただ、一生懸命と一所懸命の違いの説明や老夫婦シーンのイベントをここで持ち出して、伏線回収した構成は悪くないです。悪くはなかったのですが、真のバスケ部復帰以降の話がないものだから、ドラマ性の欠乏は如何ともしがたく、そのためエピローグ内容の唐突感は否めませんでした。

因みに、真ルートのアフターストーリーは、全く期待はずれでした。真と伊織によるゲームの話など蛇足としか言いようがないですし、そもそも内容がさっぱり理解できませんでした。真のお姉さんの話は、ちょっと期待が持てたのですが、真のお姉さん、全く登場しないで終了って、何ですかこれ。複数の話を意味もなくまとめた小話集といった感じです。短いのに、誤字脱字が五箇所もあるし、ライターさんにとって、完璧なやっつけ仕事って感じです。これだと、残りのアフターストーリーも期待できそうにありません。

そもそも、これってアフターストーリーの範疇なんですかね。Wikiを見ると、アフターストーリーは和製英語で後日談(後日譚)を意味し、後日談とは「本編が一段落したその後(本編に対して時系列で)に聞いたり判った話(従って内容は本編の時系列で前の場合もある)」と書いてありました。本作の本編はエンドロール後にエピローグがあり、私のイメージではエピローグより後の話がアフターストーリーのように思えるのですが、本編には書いていない話を後から振り返ったと考えれば、後日談ではあるのかもしれません。

※真ルートだけで1万字弱メモったので、本当はもっと書きたいこといっぱいあるのですが、早く残りのルートを完了しないといけないので、現時点では諦めます。


2021/01/03追記
○陽向ルートについて
本ルートは11時間弱で済みました。真ルートの半分以下ですね。あまり思い悩むこともありませんでした。つまり、つまらなかったわけですね――最も期待したルートだったのに。

陽向ルートの陽向って、いざ伊織を恋愛の対象と認識すると、伊織との距離感が掴めなくなって思い悩み、行動が変になってしまうという設定なんですよね。つまり、幼馴染でいつも一緒だったから、いざ好きって思った途端、お互いの距離感が掴めずっていうよくある幼馴染テンプレ設定。

それにしても、どうしてここで幼馴染テンプレを引っ張り出すかなぁ。陽向のぶっとんだ会話を楽しみにしていたのに、冒頭からいきなりシリアス調で、茫然自失です。

本当に、「馬鹿と天才は紙一重」の陽向は、どこいっちゃったのって感じなのです。私は「馬鹿と天才は紙一重」の陽向を存分に味わえると思って、本作の各個別ルートの中で一番楽しみにしていたのに、とんだ期待はずれのシナリオでしたよ。本作の制作者達って、ユーザーが求めるストーリーを悉くひっくり返しますよね。梯子を外すのがそんなに楽しいんですかね。いつか怪我をしますよ、本当に……。

そもそも、陽向ルートでの陽向の悩みって、伊織に一番だと認められて恋人になったのに、自分には一番になる要素が何もないことに気がついたってことが発端なわけです。陽向と伊織は、次のように会話しています。

 陽向「私は……凄い人になりたいって思ってた。こんな子、絶対に手放したくないって伊織くんが思ってくれるくらい、凄い人になりたかった」
 陽向「伊織くんは私が一番だって言ってくれたけど、私が一番だめなんだって、悩んでた」
 陽向「だから、私なりに考えて、いろいろ挑戦しようと思った。みんなに教わって、成長できたらって、一番だから、一番すごくないとって」
  :
 伊織「仕事や社会のことで言えば結果が全てかも知れないけど、人はそれだけじゃないよ」
 陽向「でも、何もないのも、心苦しいよ……」
 伊織「そう思うのなら、これだけは誰にも負けないっていうのを、探していけばいいんじゃないかな」

私に言わせれば、誰にも負けないもの既に持ってるでしょ――「馬鹿と天才は紙一重」っていう貴重な才能を。これを生かしたシナリオをなぜ書けなかったのか。制作者は馬鹿なの。まぁ、馬鹿なんでしょうね。だからエロゲー業界は斜陽産業になってしまったのですから。現状は過程の積み重ねの結果に過ぎないってことが、良く分かる事例ですよね、これは。ナンバーワンよりオンリーワンなんて戯言(ざれごと)、聞きたくなかったです、本当に。

なお、エピローグだけはグリーンフラッシュを肴に綺麗にまとまっていました。これは褒めても良いです。因みにアフターストーリーには60分を費やしましたが、真のアフターストーリーでいろいろ頭の中を整理できた関係で特段、感想はありません。

<陽向ルートは陽向主導>
真ルートの伊織は悪魔でしたが、陽向ルートの伊織は至って普通。というより受動的といった方が良いでしょうね。そのため、セックスも陽向主導で進行し、お誘いも指示も陽向からが基本です。
例1)
 陽向「アソコ、おちんちんで、いっぱいになっちゃうよぉ……形、分かっちゃうっ、ぎゅって、くっついてる……」
 伊織「んんっ……すごいよ、陽向の中……俺のをすぐに捕まえてくるっ……」
  :
 陽向「もっと、強くて、いいよ……?」
 伊織「でも、陽向が心配だよ……」
 陽向「強いの、今日だけでいいから……」
 伊織「……わかった」
 ト書き:きっと断りきれないだろう。強く欲しがる陽向に、俺も早々に折れる。

例2)
 ト書き:ふと見ると、陽向の体がびくりと震えるたび、釣られてお尻の穴がひくついているのが見えた。
 伊織「……陽向、ちょっとごめん」
 陽向「んぅ? ……えっ」
 ト書き:お尻の穴でするプレイもあるとは知っていたので、好奇心に負けて、指で軽く触れてみる。
 陽向「ひあぁっ」
 ト書き:指先が触れたか触れないかのタイミングで、陽向が素っ頓狂な声をあげた。
 陽向「ひぁっ、やぁっ、だめっ、そこ、ちがうのっ、そこは、やなのっ、だめなのっ」
 伊織「気持ちよさそうな反応だったけど」
 陽向「感じちゃう、かもだけど、そこは、やだっ、無理なの……お願い……」
 伊織「う、うん、わかった」
 ト書き:本当に嫌そうだったので、触れるのをやめる。

素直な伊織が陽向ルートの特徴だよね。これが真ルートの伊織だったら、

 陽向「そこは、やだっ、無理なの……お願い……」
 ト書き:目に涙を溜めながら、振り返る陽向。
 ト書き:俺はそんな陽向の顔を、嗜虐の笑みを浮かべながら見つめ、
     一気にペニスを捩じ込んだ。
 陽向「ひあぁっ!? やめてぇ~!!!」
 ト書き:絶叫の調べの余韻に浸りながらも俺は、
     陽向のケツ穴を何度も何度も穿つのだった……。

みたいな文章になっていたと思われます(笑)。

因みに、プロポーズも当然、陽向から。陽向ルートの伊織は、本当にモブだな。

 ト書き:もう日が沈む。陽向は心のどこかで、諦めているんじゃないかと感じた。
 陽向「だから、この先も、ずっとあなたといたい。ずっと一緒にいて、あなたを見ていたい」
 陽向「本物の光は見れなかったかもしれないけど、私はちゃんと、沢山の思い出をもらったから」
 陽向「お父さんとお母さんとは少し違うけど、私は私のグリーンフラッシュを見せてもらったから」
 陽向「ずっと、その光を見てから想いを告げるつもりだった。でもその思い出(ひかり)はもうあるから」
 陽向「私と、結婚してください」
 ト書き:いろいろな言葉が頭に浮かぶ。でも、まずは返さないといけない言葉を選んだ。
 伊織「はい、お願いします」

まぁ、陽向主導だからね。そのおかげで、伊織が悪魔にならずにすんだのだけれど。セックスも全て陽向から誘ってるわけだし。

※残り、個別ルートが二つと、?ルートが一つですね。先は長い。もう、個別ルートはセックスシーンだらけで、プレイするのが面倒くさくなっている自分が哀れです(笑)。


2021/01/08追記
○晶ルートについて
本ルートは17時間かかりました。それも4日間もかけてです。毎日、数時間がやっとの、読み進めるのが本当に辛いギブアップ状態ですよ。しかも晶ルートは、これまでプレイした二つの個別ルートよりはストーリーがきちんとしていたにも拘らずです。それはあたかも、つまらないストーリーをきちんと書いたために、“つまらない”の累乗、指数関数的に“つまらなさ”が私の中で増幅されていったかのような感覚でした。これは、エロシーンにおいても顕著で、これまでの二ルートよりもエロくなかったです。

では、ストーリーが他よりきちんとしているのに、“つまらない”とはどういうことなのかって思われるかもしれませんね。私の体験でたとえ話をするとすると、高校の夏休みの宿題で読書感想文を書くというのがあって、読書感想文なら純文学しか有り得ないよねと勘違いして見栄を張り、しかし厚い本はちょっと、ここは少し薄めにと思って、本屋の書棚で本のあらすじを読みまくった挙句、「いつの間にか、見ず知らずの罪で逮捕」という内容に、当時のSF好きの私は、マイベストSFの一つであるシェクリイの『ロボット文明』をダブらせて手を出してしまったカフカの『審判』に、一日二十ページ読み進めるのがやっと、読了までに二週間を要した思い出が、走馬灯のように蘇りました。

私は、SF大好きなのにも拘らず、もっと薄いカフカの『変身』に辿り着けなかった当時の自分を、のちに呪ったものでした。そもそも、国語の成績が、五段階評価で三以下でしかなかった私に、純文学作品などおこがましかったのです。

さて、本ルート、そもそも、きちんとしているといっても、他の二ルートよりはって程度で、しかも所詮はエロゲーのシナリオですからね。純文学作品と内容を比較検討するだけ時間の無駄ですが、私が読み進められない本質は同じです。つまり、“つまらない”。

ただし、“つまらない”と感じたのは、制作者側も同じだったみたいですよ。エロゲーにおいて、この“つまらない”ストーリーを打開する対策は、私のこれまでのエロゲー経験からの知見に基づく制作者側の小手先テクニックを考えると、「エロシーンで選択肢を提供して、少しでもメリハリを出そうと試みる」というものです。本ルートでは、単にエロシーンに選択肢を入れるだけでなく、選択肢そのものを増やし、かつ選択内容もバリエーションを増やすという対応を試みていたのでした。

これまでのところ、本作での個別ルートは、どのルートもストーリーそのものは“つまらない”ので、当然の如く、どのルートもエロシーンに選択肢が用意されています。通常は、「中に出すか、外に出すか」みたいな単純なものですが、本ルートは違いましたね。おまんこやお口の穴に対する選択肢だけでは、本件での“つまらない”の累乗には対処できないと感じたのでしょう。そのため、第三の穴に着目したわけです。本ルート、最初の選択肢が「上の穴 or 下の穴」ですからね。ただし、この選択肢は重要です。なぜなら、ここで「下の穴」を選択しないと、以後、「下の穴」関係の選択肢が一切出てこなくなるからです。

選択肢の数や内容もこれまでの二ルートとは段違いでした。三箇所の穴関係以外にも、どこでエッチするかの場所の選択や、体のどこを揉むかの選択やら、いろいろバリエーションを持たせて、遊べます。因みに、最初の段階で「下の穴」を選択しないと、お尻の穴関係のバリエーションに飛んだ選択肢を拝めないので、本ルートは、さらに“つまらない”ことになってしまうことでしょう。

もう、エッチ関係だけの選択肢では間を持たせられないと考えたのか、髪の色の選択とかもあったりするのです。これは、本ルートのエピローグに効いてくるのですがね。ADVとしての本領を発揮したルートなのでした。まぁ、本領を発揮せざるを得なかったルートともいえるのですが……。

ところで、陽向ルートで、お尻の穴関連のエッチイベントがありましたが、あれは晶ルートへの伏線だったのですね(つまり、伊織はアナルセックスが好き)。どうやら、この作品の個別ルートは、他のルートのための伏線を張るようにも構成されているようです。晶ルートには、シェアハウスでの過去の住人二人の言及もあるのですが、ここでは登場しませんでした。そのため残りのルート(といっても彼方ルートと?ルートしかありませんが)に、登場するのかもしれませんね。従って、ヒロインの攻略順は、とても重要だと感じています。やはり「真、陽向、晶、彼方」の順でないといけないと思いました。

そういう意味では、シナリオはいろいろ頑張ってはいると思うのですが、如何せん、ストーリーが薄すぎます。これまでの二ルートよりは頑張っているとは言っても、晶と母親とのすれ違いを問題にされても、これがメインを張れる題材なのかと問われると、違うと言わざるを得ません。しかも、これまでの個別ルートと同じく、肝心の題材の話はカットなので、ドラマ性は極度に低くなってしまい、それをエピローグの場面で、問題は解決しましたなんて結果だけを綺麗にまとめられても、気分は駄々下がり状態ですよ、まったく。あと、個人的には、主人公の伊織が悪魔傾向に戻ったのも、ちょっと。もうねぇ、精神的に受け付けないのですよ、この主人公。

まあ、こうなった原因は、ライターさんの所為(せい)というよりは、ストーリーより個別ルートでのエロ連発シナリオ(全体の八割がエロシーンというボリューム感)を求める企画側にあると思うのですがね。ある意味、ライターさんはその犠牲者だとは感じています。

本当に、エロゲーの主流がこうなってしまったのは、何故なのでしょうか。こういった作品を買う人がいるからでしょうが――つまり私ですね(笑)――しかし、現実には市場規模は駄々下がり状態。その打開が求められているのに、改善策等の是正対策は取られない。わけが分かりません。もう、縮小均衡で構わないってことなんですかね。

最後に、晶のアフターストーリーは35分で済みました。だんだん短くなるのは、なぜなのだろうか(笑)。晶の妹の話もあるのですが、当然の如く、妹は登場しないで終わり。もうね、アフターストーリー、見切りました。

※本ルート、ストーリーがこれまでよりはましで、二万字弱メモったので、書きたいことも沢山あるのですが、残りのルートに早く着手するため、内容に触れるのはやめにしました。


2021/01/11追記
○彼方ルートについて
本ルートは8時間で済みました。私が8時間ということは普通の人だったら数時間で終わってしまうということですね。内容的には、これまでの個別三ルートよりは、普通の出来です。というか、これまでよりも更に、山なし谷なし起伏なしの、何(なん)にもなしの無し無しづくしです。

ここでのストーリーの原動力って、彼方は年上で大人の社会人(しかも個人事業主で生活不安定)、そのため、他の同居人三人とは違って、歳の差と時間を合わせた付き合いは困難という問題になるわけです。この薄い二点の問題で、山あり谷ありの葛藤あるストーリーを作る必要が本来なら求められるわけですが、このライターさん、考えるのは時間の無駄とばかり、さっさと妥協して山も谷もないシナリオにしたわけです。というか、他のルートもみんな同じ傾向なのですが、本ルートでは特に顕著でした(ただ、ライターさんを擁護すると、ボリューム全体の八割のエロシーン化が求められているわけで、残り二割でドラマ性のあるシナリオなんか書けるかって話ですよね。ライターさんがストーリーを紡ぐ能力がないわけではないことは、共通ルートを見れば明らかです)。

そのため、晶ルートでも説明しましたが、ストーリーが“つまらない”状態に陥った場合の対策、そうです、

 『アクセントとしての選択肢を多用しメリハリを付ける』

を実施することになったのです。その成果としての最初の選択肢が、

 <安定した仕事に就いた方が安心できる>
 <いずれ俺が養うから好きな方でいい>

の二択です。「何これ?」ってな感じですよね。これは、彼方がフリーの個人事業主なので、今より時間管理ができて生活の安定する正社員になった方が良いのではという話の中での選択肢です。しかし、何のフラグにもなっていないらしく、どっちを選択しようが、その後のストーリーには何の影響もないみたいでした。まぁ、ちょっとしたアクセント用選択肢ですかね、たぶん。

その後のエッチシーンの選択肢でも、「体位の上下」や「主導権どっち」とか、バリエーションでの変化を付けるべく涙ぐましい努力をしているのでした。しかし、そうまでしても、起伏無しストーリーを打破できないと制作者達は悟ったのでしょう。最後は、エピローグへの分岐選択まで用意しておりました。

本ルートは、これまでの個別ルートとは違って、本来は書くべきだったのだけれどもカットしたみたいな題材がそもそも無かったので、本当にあっさりした内容でした。そのため、私は冒頭で「普通の出来」と書きました。このライターさん、どのルートもエピローグだけは簡潔に良くまとまっているので、結果的に、本ルートでは、エピローグへの分岐選択が程よく効果を発揮することになったのでした。

ところで、私は、彼方ルートで明確に理解できたことが二点あります。

 一点目:私が伊織を嫌いな理由
 二点目:個別ルートの存在が変

では、一点目から解説いたします。

ずっと違和感があったのですが、伊織って基本、言葉遣いは敬語です。敬語といっても主に丁寧語ですけどね。彼方ルートでは、彼方が年上で社会人だから、伊織と彼方の会話では、伊織の言葉遣いの丁寧さが余計に顕著になるのですが、それでやっと、伊織の言葉遣いのおかしな点に気がつきました。

伊織って、自分のことを「俺」と表現するのですが、にも拘らず、敬語なのです。私の中では、違和感満載ですよ。別にフィクションなんだから、そういう人物設定でも良いでしょうてな話ですが、だとしても、一般常識から考えると、有り得ない設定です。違和感程度で済めば良いのですが、現実問題として、私は、このような言葉使いに対して嫌悪感すらいだいてしまいます。つまり常識がない馬鹿だと。さらに言えば、このような言葉使いを容認する文章を書く、ライターさんの能力さえ疑ってしまいます。

ライターさんに提示された設定だったとしたら、ご愁傷様としか言いようがありませんが、自分から書いたのだとしたら、一般常識がない馬鹿なのではないかと思ってしまいますし、世間一般からそういう烙印を押されてしまっても仕方がないと思います。

逆に、メーカーから提示された設定だったとしら、その設定の妥当性を検証すべきだったと思います。伊織が嫌悪感を覚えさせたい人物設定だったとするなら、「俺」と「敬語」の組み合わせは、アリだと思います。しかし、これまでのストーリーを見る限り、伊織は同居人の四人から好印象を持たれる人物設定のように思われます。だとするなら、最低でもメーカーには、こんな設定はおかしいと意見くらいはするべきだったと思います。実際に、世間から馬鹿の烙印を押されるのは、メーカーではなくシナリオを書いたライターさんご自身になるのですから。

以上から、私の中では、「俺」なのに敬語な伊織に対する嫌悪感が増幅し、結果、伊織が嫌いとなったのだと、自己分析できました。

因みに、私は、次の文章での言葉遣いに、「俺」と「敬語」を同居させるライターさんの言葉に対するスタンスを垣間見た気がしました。

ト書き:お金の負担は、彼方が自分でやりたいことをやらさせてもらうからその分自分が多く負担すると言って聞かなかった。
 ⇒「やらさせてもらう」は、言葉として正しくないでしょう。「やらせてもらう」または「させてもらう」になると思います。そもそも、「やる」と「させてもらう」は、どちらも「行う」ことを意味するので、二重表現ではないですかね。


次に二点目について解説します。

これは、伊織がヒロイン四人の中から一人を選んで恋仲になっているのに、他の三人との同居は継続したまま、さらに言えば、一人を選択した後も残りの三人からは好印象を持たれたままなのです。本ルートでは、これに関して、以下のように説明しているのです。

ト書き:どちらにしても、特定の誰かと付き合って、他のみんなとの関係が終わらなかったことには、感謝してもしきれない。
 ⇒他の三人も伊織に好印象なのに、どう頭のネジが飛んだらこのような状況になるのか、理解できません。こうなる理由と世界観を作りこんだ世界を創造した舞台を提供してくれないと、納得できませんよね。

彼方「私に秘密にしなかったら、みんななら別に大丈夫だよ? 遥かでもいいし」
 ⇒彼方に限らず、陽向もハーレムOK状態だし、頭のネジが外れてるとしか言いようがありません。上記でも書きましたが、ある特定の一人が選ばれたのに、そういう考え方にいたる過程の書き込みが明らかに不足しています。

ト書き:あの後さっとお風呂に入ってから、一緒にベッドに入った。
ト書き:二度目のお風呂だったし、みんなにも見られたけど、特にからかわれなかった。
ト書き:気にしてないのか、空気を読んでくれているのか……。

(彼方と伊織が一緒に同じ部屋から出て来たことに関連して)
ト書き:彼女と一緒にリビングに向かう。
    最近は一緒に部屋から出ても、誰も何も言わなくなっていた。

 ⇒シェアハウスで同居中に、同じ空間でセックスしまくっているのに、容認されまくりだなんて、普通、有り得ないでしょう。普通じゃない設定の場合、それが違和感なく有り得るようにするのが、フィクションとしての醍醐味だとするのなら、この作品、それを完全に放棄しているよね。
  少なくとも、現状の世界観と設定だけでは有り得ない。普通は揉めて、シェアハウス生活が崩壊だよね。

陽向「妾も三人いると伝えた方がいいですね」
真「いや流石にそれをご両親に言うのは……」
晶「妾の部分を否定しないあたり真も毒されてる」
彼方「うちは言っても大丈夫そうな気がする。寧ろ、遥も貰ってくれとか言いそう」
陽向「おお……」
真「うーん……なにが正解なのかわからなくなってくる……」
晶「正解なんて人それぞれだよ。誰かに迷惑をかけないなら、人の在り方なんて勝手でいい」

 ⇒結局、これが答えだとするなら、「誰かに迷惑をかけない」仕組みを構築する必要がありますよね。現実には、社会との繋がりを抜きにしては語れませんから、この考え方自体が他の不特定多数の迷惑になっている可能性すら有り得ます。そのため、例えば、このシェアハウスで閉じた世界を作り込むとかの対応が必要ですかね。ハーレムルートはあるみたいですから、これを理屈上どうやって解決して辻褄合わせをするのかが、本作に対する私の興味の本丸になるかと思います。


ところで、晶ルートで指摘した以前の住人の二人ですが、彼方ルートでも登場せず、二人のプロフィールがもう少し分かった程度でした。
 彼方「家事は基本奈緒と翼が全部やっちゃってた。
    料理は翼で、他は奈緒。特に翼はノリノリだったよ」
それにしても、晶ルートでは、「渡辺奈緒と瀬戸翼」という氏名まで作り込んでいたのに、ぜんぜん登場しない二人。他のエロゲーでは、氏名がなくても生徒A、生徒Bとかで登場したりする場合があるのに、キャラ絵と声の手配を省きたかったのでしょうね、きっと。


最後に、彼方のアフターストーリーは、45分かかりました。これまでの中では一番、普通に読めました。少なくとも、内容は普通に理解できましたから。それにしても、普通がこんなに素晴らしいだなんて……(笑)。

追伸
個別ルートを全てプレイし終えたので、「?」選択肢を確認したところ、
 「みんなでイチャイチャ」
の表記に変わりました。それにしても、「みんなでイチャイチャ」となっているのに、アフターストーリーは「ハーレム」表記なんですよね。この一貫性のなさは何を意味しているのでしょうか。


2021/01/14追記
○みんなでイチャイチャについて
私は、「みんなでイチャイチャ」選択で即ハーレムルートだと信じて疑わなかったので、いきなり次の選択画面(誰と一緒に過ごす?)が表示されてビックリですよ。私は、上記で「みんなでイチャイチャ」と「ハーレム」という表記上の一貫性のなさは何を意味するのって書いたのですが、やっと理解できたのでした。なぜなら、新たな選択画面には、
 <真・陽向>
 <晶・彼方>
 <全員>
の三つが表示されていたのです。なるほど、<真・陽向>と<晶・彼方>の3Pルートは、ハーレムに値しないというわけですね。納得です。私は、それぞれ4時間15分、4時間30分、2時間45分をかけました。因みに<全員>は、<真・陽向>と<晶・彼方>を完了しないと選択できない仕様です。<全員>が完了した時点で、やっとアフターストーリーの「ハーレム」が開放です。

しかし、3Pルートはちょっと面食らいましたね。なぜなら、私は、本作での個別ルートの存在が変だと論じてきたのですが、四人から一人選択が二人選択になったところで、変なことには変わりありませんからね。結局は、残りを切り捨てたってことにしかならないのですから。

こうなった原因は、共通ルートの構成にあります。普通だったら、攻略したいヒロインの好感度を上げる選択肢を用意して、複数のヒロインから特定の一人に絞っていく過程を見せることで、個別ルートの存在に違和感がないようにするわけですが、本作の場合、共通ルートの完了時点で、各ヒロインはMAX直前の均一な好感度なのです。だから、普通だったら全員選んでハーレムか、どろどろの恋愛劇か、誰も選ばず虚しい人生かの三択しか有り得ないのですが、本作では全員を選ばなくても、みんな仲良し小好し状態です。この理由付けが明確になっていないから、もやもやとした状態に陥ってしまうわけです。

さて、この現状を踏まえて、今回の三つの選択内容を検証すると、それぞれ冒頭で、3Pルートはヒロイン二人と既に関係済み、全員ルートはヒロイン四人と既に関係済みという前提条件を宣言した上で、話しが始まります。もうねえ、ご都合主義満載なのですよ。例えば、<真・陽向>ルートでは、

 ト書き:本人たちはそういった状況にあることを了承済みで、俺が相手を一人に絞ろうとすることを嫌がった。
 ト書き:甘えてしまっている自覚はある。
 ト書き:でも、彼女たちはとても仲がいいし、本人たちがそれが良いと言っているのだから、甘えさせてもらうことにした。

でた~。伊織の責任放棄。これ、今は良いとして将来はどうするんでしょうね。社会的責任は?って思ってしまいますよね。さらに、

 ト書き:二人のことが好きだと言うのはワガママなんだろうけど、でもそれに二人が応えてくれて、それがいいと言ってくれる。
 ト書き:なら俺はきっと、少しくらいワガママになってもいいんだろう。
 ト書き:ただ、二人が尽くしてくれるのが当たり前なのだと思ってしまわないように、気をつけていこう。

いや、ワガママでいいと言っている時点で、もうどっぷりと当たり前だと思ってしまっている状態ですよね、これ。その挙句の伊織の考えはというと、

 ト書き:綺麗な花嫁さんに憧れるのは、きっと自然なことだ。
 ト書き:ただ今の俺たちの状況でお嫁さんというのは、簡単にはいかない。
 ト書き:もっとも、いつまでこの状況を続けるつもりでいるのか、二人は、どう考えているんだろう。
 ト書き:例えば、この家を去る時が来たら、二人はどうするんだろう。
 ト書き:特殊な関係だけど、俺はワガママだから、この関係がずっと続けばいいだなんて思ってしまっていた。

結局、伊織って自分で考えて行動するタイプではなく、基本、周りに流されて行動するタイプだよね。そういうところが、また、頭にくる。つまり、責任を自分から取りにいかない性格なわけだ。

ただ、<真・陽向>ルートだけは、「馬鹿と天才は紙一重」の陽向がいる分だけ、ハーレムが許される将来設計を明示できていたのは、良かったと思います。つまり私が求めた興味の本丸である、ハーレムを成立させるための方針や方策が提示されていたのです。具体的には、次のとおり。

 陽向「少し話したことがあるかも知れないけど、私たちの地元って、少し特殊なんだ」
 陽向「男の人が少なくて、女性が多いの。そういう土地柄なんだと思うんだけど……」
 陽向「昔からね、一人の男性が複数の女性と親密になることが当たり前の町なんだ。あ、でも姦通はだめだよ」

これまでも各ルートを通して伏線を張りつつ情報を小出しにしておりましたが、この設定を拠り所に、ハーレムが許容できるとしたわけですね。ただし、伊織と陽向の故郷に済むのが前提となりますが……。ところで、姦通とは「社会的・道徳的に容認されない不貞行為・性交渉のこと」ですが、ここでの「姦通」とは何を意味するのでしょうね。「一人の男性が複数の女性と親密になる」が、伊織と陽向の故郷以外では既に姦通扱いになってしまうと思うので。結婚してなきゃOKってこと? それとも合意なきセックス(つまり強姦:レイプ)を意味するのですかね。

 陽向「だから、伊織くんの両親と私の両親は、伊織くんに私と真ちゃんがくっつくことを何とも思わないよ」
 真「そうなると、問題は私の家族だけ?」
 陽向「真ちゃんが私たちといたいなら、家族の説得しないとね」
 真「お姉ちゃんが、たぶん、味方になってくれる」
  
アフターストーリーの真のお姉ちゃんの存在理由、ここでの伏線のためだったのか。

 陽向「もしダメだったら、法的には真ちゃんが――」
 ト書き:真が婚姻関係を結んで、陽向が内縁の妻になれば、真の家への面目は立つ。
 ト書き:陽向はそう言おうとしたんだろう。

もう、後は真の問題だけだと矮小化してしまう手腕は、「馬鹿と天才は紙一重」の陽向らしいです。

 陽向「みんなももっと自分を解放して自由になればいいのに」
 真「陽向は教祖とかに向いてるかも」

伊織や陽向が育った郷里は、何らかの教祖の血が流れているのかも。だから、伊織は悪魔にもなれるのだなと納得。結局、共通ルート以外にも個別ルートやアフターストーリーも使って、伏線をいろいろ張り巡らしていたというところですかね。そこはライターさんを褒めるべきことかも。本ゲームのルート開放の仕様を考えると、

  共通⇒個別⇒3P⇒ハーレム
   (⇒は継承を示す)

といった感じでしょうか。まるでオブジェクト指向ですね(笑)。しかし、残念なことに<晶・彼方>と<全員>のルートは継承の仕方に問題があったらしく、私には三人や五人で暮らす具体的な計画に基づく未来をきちんとイメージすることができませんでした。所詮は、夢見るルートなんですよね。夢だから曖昧模糊。例えば、<晶・彼方>ルートでは、

 伊織「俺も、ずっと二人と一緒にいたいです」
 晶「どうしてそう思ってるのかまで自分では理解できてないけど、私もそう思ってる……」
 彼方「単純なことだと思うけど。好きだから、じゃない?」

お互いに好きだから皆で一緒になのか。でもそうすると、結婚問題とかはどうするのかなって思って読み進めると、

 彼方「晶はどうするの?」
 彼方「法的には結婚は出来ないと思うけど」
 晶「しなくてもいいよ。そりゃ、二人ともが出来るならそういうのも悪くないって思う」
 晶「けど、この関係を壊すほど拘ることじゃない。法的に扱いが変わるだけで、やれることは殆ど一緒なんだ」
 彼方「事実婚だと税金の控除とかがなくなっちゃうとは思う」
 晶「そういうのも含めて、一緒にいることの方が大事だって思う」
 晶「でも、苗字とか、結婚式とかは、ちょっと残念かなとは思う……」
 彼方「苗字は大変だと思うけど、式はどうにかなるよ」
 晶「指輪は、買ってくれよな」
 伊織「はい。頑張ります」

一緒にいるだけなら、法律なんて気にする必要はないってことですかね。現実の世界に捉われているお姉さんたち二人の考えは、飽くまで現状の法律の枠内でってことになるなのか。やはり、陽向の継承が弱いと、もっと踏み込んだ意見は出てこないってことなんでしょうかね。また、<全員>のルートでは、赤ちゃんができたらどうするといった議論もあって、

 陽向「赤ちゃん出来ても、面倒を見てくれるお母さんが多くていいですね!」
 晶「私たちは楽しいと思うけど、子供はどう思うんだろうな。やっぱり世間とは違うからさ」
 ト書き:俺たちは今のままで構わない。
 ト書き:けれど、子供が出来たとしたら、周りとの関係がどうしても気になってしまう。
 陽向「それなら、私たちの地元に行きましょう」
 陽向「あそこなら、周りの子供も同じ環境だから、大丈夫」
 晶「悪くないと思うけど、即決出来る内容じゃないな」
 彼方「私も即決出来ないなぁ。前向きには考えたいけど」
 真「私は、親さえ説得できれば……」
 伊織「みんな今までの生活の基盤がここにあるわけだから、中々難しいよ」
 陽向「でも、絶対考えないといけないことだよ?
    ずっと一緒にいたくても、ずっとこの家にいるわけにはいかないから」

晶と彼方は年上なので思考の基本が大人。そのため、現状との折り合いをどうつけていくかを先に考えてしまう。教祖体質の陽向は、郷里の環境(ある意味ゲットー)さえあれば全て解決っていう一貫したスタンス。しかし、伊織にとっては引きこもり生活空間に逆戻りってことだから、地元を出て自身の変革を志向したことに対するアンチテーゼ。そのため、本来のあるべき姿とは違う気がします。

こう考えていくと、本作は、本来けっこう奥深いテーマを内包していると言えるのではないでしょうか。それを、セックスで明け暮れる生活に貶めているのですから、エロゲーとはなんと罪深き存在なのかと思ってしまいました。

追伸
ハーレムのアフターストーリーは15分で完了しました。各アフターストーリーの中で一番面白いと思っていたら、速攻で終わっちゃったよ。短かっ!? びっくりだよ、本当に。


2021/01/18追記
★品質について
ここでは、次の二つについて考えてみます。

 (1)声優さんの読みとテキストが不一致:テキストを正とした場合
 (2)テキストが変:誤字・脱字・衍字や内容が意味不明などの場合

総評で「品質が~」とか書きましたが、本作品自体は言うほどこれらの不具合はあるわけではありません。本作の品質問題の本質は、これまで述べてきたとおりもっと別な所にあるのですから。ここで挙げている不具合の内容も、単純な誤記や声優さんの読みがテキストと微妙に違う(例えば、本作のライターさんはほぼ「ら抜き言葉・い抜き言葉」で押し通しているのに、声優さんが本来の言い回しにしてしまった)などが主です。とはいっても、気になる間違いはあって、それはこの後、記載しておきたいと思います。

では、私が具体的に気がついた範囲でカウントした結果は、次のとおりです。

<声優さんの読み間違い>
・共通:5
・個別(アフターを含む)
 (真):6
 (陽向):1+1(アフター)
 (晶):0
 (彼方):2
・ハーレム
 (真・陽向):0
 (晶・彼方):6
 (全員):1
 (アフター):0

<誤字・脱字・衍字>
・共通:5
・個別(アフターを含む)
 (真):1+5(アフター)
 (陽向):1(アフター)
 (晶):2+1(ルビ)
 (彼方):1
・ハーレム
 (真・陽向):2
 (晶・彼方):2
 (全員):0
 (アフター):0

共通の状態が本来の品質を示すと考えると、個別やハーレムは意外に少ないとも思えるのですが、個別やハーレムはエロシーンが主ですからね。もうねえ、しんどいのよ、エロシーン、音声を全部普通に再生しながら進めるのは……。そのため、何か間違いがあったとしても、チェック漏れしている割合が高いかもです。

これまでに挙げた以外で気になった間違いは、次のとおりです。

(誤字脱字の例)
晶「普段自分から触りに行くのに、いざ伊織から触られると恥ずかしいとか難儀なやつだ」
彼方「だって、触られ慣れてないし……」
 :
晶「わ、私は伊織に触れるのはそんなに気にならないから」
彼方「あ、一人だけくっついて貰おうって思ってるな」
 ⇒声優さんは素直に「触(ふ)れるのは」と読んだのだけれど、内容の流れから「触(さわ)られるのは」が正しいと分かる。「ら」の脱字によって発生した問題ですよね。一つの文章としては意味は通るけれど、会話文全体からだと、正反対のことを言っていて意味不明になっています。

陽向「なるほど。彼を知り己を知れば百戦殆からずですね」
 ⇒「彼」のルビが「か」となっていたのですが、正しくは「かれ」ですよね。

(初デートからの帰りのシーン)
ト書き:予想通り荷物が沢山になったので、バスで帰って来た。
 :
ト書き:乗る時に降りる駅を教えてもらっていなかったら、危なかった。
 ⇒「駅」ではなく「停留所」。バス停に駅ってなんだよ。

彼方「だいじょうぶ、持っててって、いわれたから……
   これからもらうの……」
 ⇒「待っててって」が正しい。声優さんは正しく読んでいた。

(声優さんの読み方が変な例)
アルバイトをどうするのかって話の中で
彼方「晶は何するの?」
晶「どっかのファミレスのキッチン」
彼方「そっか。料理上手だもんね。食べに行くから安くしてね」
 ⇒「料理上手」って一つの言い回しだと思うのだけれど、彼方の声優さんは、「料理、上手だもんね」と読んだ。彼方の声優さん、いろいろ読み方が普通じゃないです。

晶「とりあえず、私は先に行ってるから、話し終わったらこいよ」
 ⇒「話し、終わったらこいよ」みたく読んでいました。「話し終わったら」が一続きの言葉なので、普通は「話し終わったら、こいよ」だと思うのです。そもそも、前の文章の「行く」に対応するのは「来い」であって、「終ったら来い」ではありません。私が変なんですかね。どうも、最近の声優さん達のクリエイティブ?な言語感覚にはついていけそうもありません。

(文章が変な例)
ト書き:丁度リビングに入ってきた真と陽向を捕まえると、何か耳打ちをしていた。
 ⇒カウント対象にはしていませんが、本来は「何か耳打ちをしていた真と陽向を捕まえた」場面になると思われるのですが、この文章からだと「真と陽向を捕まえた後に、真と陽向は耳打ちをし始めた」と解釈できてしまうと思います。


○その他、気になったこと
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<共通>
★ノマドの是非
伊織「フリーでやってるって、とても憧れます。喫茶店でPC広げてるイメージです」
彼方「ノマドだっけ。公共の場で仕事の画面広げて大丈夫なのかなとは常々思ってるけど……」
伊織「PCの画面見られるだけでダメなんですか?」
彼方「だめ」
 ⇒これは事実ですね。会社の上長とか新幹線でPCを開くのも禁止とか言ってましたからね。つまるところ、公共の場でPCを開く人って、仕事ができる人ではなくて、セキュリティ意識がとても低い人と思われてしまう可能性が大だともいえます。

★声優さんの効果音
彼方「二人だけの秘密……」
 ⇒「(はッ)二人だけの」と読みました。(はッ)の部分は吐息として発したのですが、勿論、会話文にはそんな指示はありません。従って文章だけから考えたら、勝手に文章を付け加えたとなるのですが、(はッ)は言葉ではないから、効果音だと考えれば良いのかな。声優さんは会話文の前後関係から考えて、良い仕事をしたとなるとは思いますが、本来は、ライターさんがもっと分るように文章を書くべき(例えば、先頭に「――」なり「……」を付けるとか、地の文としてそれを仄めかすとか)だったと思います。つまり、ライターさんが悪い(笑)。

★ソファーへの座り方
伊織の誕生日会後に、皆でソファーに座る(晶は、諸事情で伊織の膝の上にゴロンだけど)シーンの絵を見ると、伊織以外は、足を揃えて左右のどちらかに足を横に流して座っていますね。でも、実際に椅子で足を横に流して座っている女性って、殆ど見たこと無いですけどね。つまり、日本の女性は足が短いってことなのでしょうか。本作でのヒロイン達は、みんな淑女ってことですかね(晶だけ不明ですが……)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<真>
次の声優さんの読みとテキストの相違について考えてみたいと思います。
  晶「日常的にFPSする人の反射神経は舐めない方がいい」
声優さんは「人(ひと)」を「人間(にんげん)」と読んで、その時、私は思いました。「普通こんな読み間違いをするものだろうか。何か指示があった? でも文章のリズム的に変な気がする。そもそも「人」と「人間」は何が違うんだ?」とかいろいろと考えてしまいましたよ。調べてみると、いろいろな意見がありました。

人 :二足歩行の言語を話し、ただ、食べて、寝る動物
人間:人の間で自分のお役割で人に喜んで頂くためにどう貢献できるか?
   を考え続け、実行できる人

『間』とは「関わること」
  空(から)と空(から)、無いものが関わるから『空間』
  時と時が関わる(繋がる)から『時間』
  人と人が関わるから『人間』
という意見もありました。でも、辞書的には、間(かん)とは、
 1 物と物、場所と場所とを隔てる空間的な広がり。また、その距離
 2 ある時点とある時点とのあいだ。あるひと続きの時間
 3 すきま。間隙 (かんげき) 
 4 心の隔たり
という意味で、「関わること」という意味なないような。そもそも、現状の「間」は俗字で「閒」が本来の字であり“門を閉じても月の明かりがもれる 「すきま」 の意味を表したもの”だそうです。月の字は欠けた月を象形したものですから、欠けるから「すきま」の意味が出てきたわけですね。

ただし、私にとっては、「空(そら)」と「空間」は意味がぜんぜん違うイメージだし、「時(とき)」と「時間」や「人(ひと)」と「人間」の違いは、「概念」と「実体」の違いといったイメージがあります。従って、私のイメージに従うのなら、実体である人間と読んだ声優さんは、正しいのかもしれないと思ったのでした。それにしても、単なる声優さんの読み間違いから、えらく深掘りしてしまった。こんなことだから、ゲーム完了までに時間を要してしまうのですが……。

★フルプライス作品なのにロープライス作品なみの展開の速さに唖然
真「何にでも一生懸命で、私に無いものを持ってて……。
  自覚したら、もうどうしようもなく好きになってた」
真「本当はね、もっとね。時間かけて、あなたといっぱい遊んでからだと思ってた」
 ⇒真の言葉が、この作品の全てを物語っているよね。つまるところ、本作は、ストーリーの量に関しては、価格とボリュームがぜんぜん釣り合っていない作品であるといえますね。単にエロシーンの量で、ボリュームの埋め合わせをしているだけの作品といえるかと思います。

★「想い」じゃなくて「体」だろ
真「それでも、頭ではわかってても、だめなの、我慢できないくらいに想いが強くなって」
 ⇒私なら、エロゲーなのだから、この場合の最適解文章は「頭ではわかってても、だめなの、体が……我慢できないくらいに」だと思うのですが、マジで。

★女性的な考え方をする伊織
伊織「真が俺のことを好きだって言ってくれたから、俺は真の手を握っても大丈夫だって思える」
ト書き:真はその手を取って、握ってくれた。
伊織「特に俺は度胸が無いから、言葉にして確かめないと、前に進めない」
 ⇒伊織、ヘタレすぎて、私は感情移入できそうもありません。「言葉にして確かめないと前に進めないと思っているのに、ヘタレで言葉にできないので女性からの言葉を待つ」とか、こんな面倒臭い奴の相手などできません。そもそも、普通は「言葉にして確かめない分からない」って、女性側の意見じゃないのって思ってしまいます。真と伊織って、行動と考え方が男女で逆転しているよね。

★意味不明なギャグ
伊織「陽向が頑張ってベリーハードでクリアして喜んでたら、
   ベリーイージーでクリアした子が、
   簡単だったって陽向に言ってたような気がしてきた」
陽向「そう! まさにそれ!! 伝説の呂布」
伊織「風説の流布ね」
 ⇒「伝説の呂布」ってのは何かゲームに関係した意味を持っている言葉なのでしょうか? 知見がないので分からないのですが、そもそもギャグになっていないような。なぜなら「風説の流布」とは金融用語で、「虚偽の情報を流して、証券取引などの相場を動かそうとしたり、人の信用を損ねたり業務を妨害したりすること」です。ベリーイージーでクリアした子が簡単だって言うのは、そもそも当たり前のことなのだから、虚偽じゃないでしょ。ベリーハードをプレイしていないのに、ベリーハードでプレイしたけど簡単だったと言ったのなら、虚偽だけれどね。

★声優さんの読み方の検討
陽向「気をつけます……」
 ⇒声優さんは「気をつけま~す」と読んだのだけれど、これは最後の「……」を考慮した結果だと思います。ただ、「……」が「ま~す」と読むことなのかどうかは、要検討でしょうね。ライターさんの意図は、もしかすると、気まずそうに「気をつけます」と最後に含みを持たせるように、普通に読んで欲しかったかもしれないですよね。実際に「ま~す」と長音を入れたかったら、「ますー」などのように書いた可能性の方が高いと思われますから。それとも、声優業界的には、文末に「……」がある場合は、長音入れて読めっていう暗黙の了解事項があるのでしょうか? 声優養成学校では、この場合、どういう風に教えているのでしょうね。

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<陽向>
★ビジネスの基本
伊織「“面倒くさい”はビジネスを考えるヒントだって、彼方さんが言ってた。如何に楽をするかを考えるのは悪いことではないんじゃないかな」
 ⇒企業における改善活動の基本の一つですよね。私のイメージだと、海外の企業は大胆な改善を実行するけれど、日本の企業は、重箱の隅をつつくような改善をするといった感じです。

声優さんの読み間違い
陽向「男子三日会わざれば括目して見よ的な」
 ⇒「括目せよ的な」と読んだ。これは何か指示があったのかな?

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<晶>
★お菓子作り
陽向「穴の開いていないドーナツになってしまった」
ト書き:陽向の声に振り向くと、出来上がったお菓子を眺めていた。
    パンみたいになっているけど、ドーナツらしい。
ト書き:ドーナツと言うと穴が開いているイメージだけど、
    そうじゃないドーナツもいっぱいある。
真「別にいいんじゃない? ちゃんと出来てるし」
陽向「でも、これではドーナツ化現象の説明が出来ない……」
真「言いたいことはわかるけど……」
 ⇒久しぶりに登場、「馬鹿と天才は紙一重」の陽向。相変わらず、陽向の言葉に反応している真はすごい。因みに、ドーナツ化現象とは「都心の居住人口が減少し、郊外の居住人口が増加する現象」のことです。つまり陽向は、穴が開いていないドーナツでは、ドーナツ化現象を説明できないと言っているわけですね。

★二人だけの秘密
伊織「晶さんのお尻、気持ちよかったです……」
晶「わたしも、きもちよかった……もう、へんたいだ……」
伊織「二人ともが気持ちよかったならそれでいいですよ」
晶「ふたりだけの、ひみつだからな……」
 ⇒はっきり言って、伊織が望んだから晶が伊織のためにって話であって、晶が本心からしたかったわけではない。基本、晶ルートの伊織も、女を依存体質する悪魔だよね。

★エッチ時の悪戯
伊織「最近、悪戯をしてるのがもしかして嫌なんじゃないかって気になってます」
晶「エッチの時とか?」
伊織「はい」
晶「恥ずかしくてあまり言えないけど、たぶん、私ちょっとMなんだろうし……。
  気持ちいいことの方が多いから気になってない……」
伊織「嫌な思いをさせてないようでよかったです」
 ⇒いやいや、作中の登場人物が何を思おうが、プレイヤーである私は不快感満載ですから。
晶「一応言っておくけど、今くらいなら丁度いいだけで、エスカレートしたらたぶん不快だからな」
伊織「肝に銘じておきます……」
晶「相談してくれれば、検討はする……」
伊織「相談します」
 ⇒相談しないで、封印しろよ。本当に嫌いだ、その考え方が。自分が嫌だと思うことでも、相手が良いと思うのなら、自分の満足度を最優先してやってしまって構わないという考え方だからね。本当に伊織ってクズだよね。

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<真・陽向>
★このルートは、内容が良く書けていました。その証拠に、エッチシーンで選択肢がなかったですから(笑)。

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<晶・彼方>
★「挿入って」の読み
ト書き:挿入ってきたペニスに、彼方さんの膣壁が、優しく纏わりついてくる。
 ⇒ここでは「はいって」と読むとは思うのですが、ツイートで以下のアンケート結果を見ました。世の中、暇人が多いなって思ってしまいました(笑)。
  ドンブリ@Donburi1202・2016年6月4日
   「挿入る」をぱっと見た時に
   「はいる」と読むか、
   「いれる」と読むかでタチネコに差があったりしませんかね…!!!
  ハッ!こういう時こそアンケート…!
   タチで「いれる」と読む 33.2%
   タチで「はいる」と読む 10.1%
   ネコで「いれる」と読む 42.3%
   ネコで「はいる」と読む 14.4%
  645票・最終結果

★期末考査に向けた勉強会
晶「文系科目はあまり教えるって感じでもないしな。
  古文とかは先生がいると効率が段違いだとは思うけど」
陽向「昔のことはいいんです! 私達は今壊れて行く日本語と
   どう向き合っていくかが大事なんです!」
 ⇒ライターさんの文章も、ら抜き、い抜き言葉だらけで壊れつつあるみたいですけど(笑)。

★冥王星は惑星じゃない
陽向「水金地火木土天海冥……」
陽向「冥王星は太陽系惑星の中でも最弱……」
晶「もう惑星じゃないからあながち間違いでもない」
 ⇒改めてこう書かれると、時の流れを感じてしまいます。今や冥王星は惑星ではなくなっていて「準惑星」という新しいグループに分けられているそうですから。惑星は8個になって教科書も書き換わっているみたいですね。

★3Pセックスの意義
ト書き:二人と仲良くやっていくために少しずつ距離感が変わっていくのは、とても喜ばしいことだった。
 ⇒セックスを通して二人との距離感をつめるという意味があったのですね。

★「話してる」の読み方
晶の声優さんは「話してる」の読み方を、他の所でも全て「はなししてる」と読むのだけれど、
 晶「そうなの? っていうか、本人置いてけぼりで話してるけど……」
上記の文章に限っては「はなしてる」の方が、会話文としてリズム的に良いのではと思ってしまいます。ただし、次の文章では「はなししてな」としか読みようがないですけどね。
 晶「そうだな。あの時もそういう話してな。ちょっと前なのに、随分と前な気がする」

因みに、知恵袋では次の Q&A がありました。
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「話してる」というのは「はなしてる」「はなししてる」の両方読めるんでしょうか?
書き手として、どちらかで読ませるようにコントロールすることはできないのでしょうか?

ベストアンサー 田 田子さん 2015/10/19 23:41
「話してる」は「話す」という動詞の連用形「話し」+「て」+「いる」=「話している」の崩れた形です。「話し」の「し」は必要です。
「話してる」のもう一つは名詞「話」+サ変動詞「する」の連用形「し」+接続助詞「て」+補助動詞「いる」=「話・している」の略です。全く同じ形になります。
 どちらかで読ませるようコントロールすることは無理でしょう。生徒に上記のことを教えて、認識を持たせるしかないように思います。
 しかし、もし複合サ変動詞を漢字と仮名で書き、動詞の方を仮名書きにするような手段を取ればよいという考えを私は持っています。
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以上

The above is a long impression of shiratori.