ダジャレも重ねればシャレになるを体現したキメラ作品。次世代コラボ撒き餌ゲー。素晴らしい。
○はじめに
"本来のタイトルを短縮したようなタイトル"と"本来のタイトルのようなサブタイトル"に、二つのブランド名を重ね掛けした結果発生した、キメラ作品。しかも、ヒロインの名前まで、麻布真澄("あざ"ぶま"すみ")という徹底した念の入れよう。そのコンセプトに感服いたしました。
本作、これまで有って当然だったのに無かったシナリオが、主人公とヒロインの二つの視点で「二倍二倍!」と楽しめるも、さらに正価300円(税込330円)が100円(税込110円)で購入できてしまう発売記念キャンペーン(1月23日で終了)での追撃体制。超低価格なのに、そこらの三千円前後で売っている低価格作品よりもずっと面白いのだから、驚きを通り越して、声も出ません。
というか、これを制作した方々、ちゃんと生活できているのでしょうか? 本作のオフィシャルWebページを見ると、両ブランドの宣伝と他の作品を買ってもらうための撒き餌みたいな扱いですよね。なんか凄すぎて、"目が点"が"目から鱗"状態に……。何か新しい販売戦略を見た気がしました。
そのため、このコンセプトに90点、作品評価を70点台とし、97点としました(私の90点台は一の位が作品評価。評価基準の詳細は私のサマリーを参照)。
○主人公視点とヒロイン視点のシナリオ担当は誰かを考察
作品内容自体は、既に他の方々が書かれているのだろうから、私独自の視点での感想を書きたいと思います。まず、本サイトの一言感想を見ていると、Heroine View は SMEE 色が強いとのこと。そうすると、早瀬ゆうさんが担当した可能性が高いとなるのですが、私は、以下の理由から温泉大祐さんが担当したと考えました。何故そう思ったのかは、最初の主人公視点のシナリオで、文章中の「疑問符(?)」と「感嘆符(!)」の直後に、1文字分のスペースを空けてあったりなかったりで読みづらいと思ったのが、事の発端です。例としては、次のとおり。
真澄「え? せっかくだから、もうちょっと話そう?他に誰もいないし……二人きり、だし?」
⇒「話そう?」と「誰も」の間を1文字あけていない。
真澄「あ、怒ったの? ごっ、ごめんねっ!?」
祐一「怒る? 僕が? 何を」
⇒しかし、1文字あけている文章もある。
真澄「あ、だ、大丈夫! 普段はいい人だから!ただちょっと、ガチ気味のギャルってだけで」
⇒どうも、その後の文章をいろいろ見ていくと、最初に出てくる「!」や「?」は1文字あけるが、句として連なる次の文章からは1文字あけない場合が多いことが判明。
上記のことを気に留めながら、次に Heroine View をプレイしたところ、なんとストーリー全体に亙って、同じ文章が、全部、1文字あけるように修正されていたのです。俄然、私はここで興味を持ちましたネ! 私の持ち味って「調査と分析」だと思っているのですが、恐らく、他の方々は、こんなこと気にもしなかったことでしょう。でも、私は、凄く気になりました。ライターさんが違う可能性があると思って調べたら、「シナリオ: 早瀬ゆう 温泉大祐」とやっぱり二人いるじゃないですか。
早速、いろいろ調べたところ、次の内容がありました。
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http://www.sandglass.link/archives/54930751.html
シナリオは、SMEEから早瀬ゆうさん、あざらしそふとから温泉大祐さん。
せっかくコラボするなら、ちゃんと形にしよう、とADV制作することに決めたそうです。
また、シナリオはブランドそれぞれの方が担当されており、色はそのまま出ている、あえて統合していないとのことです。
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「色はそのまま出ている」のだから、普通に考えると、他の方々が SMEE 色が強いと指摘しているので、Heroine View は早瀬ゆうさん担当となるのでしょうが、あざらしそふと や SMEE の作品などほぼプレイしたことがない私は、敢えて温泉大祐さんが Heroine View を担当したと判断しました。
その根拠は、温泉大祐さんの Twitter の自己紹介では「『あざスミ』シナリオ協力」と、わざわざ「協力」となっているので、一から書いていないということを暗に示していると考えたからです。主人公側が最初に書かれた後に Heroine View 側(会話文はそのままで地の文を視点変更)が書かれたのは、上記のとおり、修正しまくられていたので、明白でしょう。そのため、Heroine View 側は温泉大祐さんの可能性が高いと、私は分析しました。
それにしても、Heroine View を書いたライターさん、黙って直さないで(その割には誤字脱字は修正しないで放置)、もう片方のライターさんに指摘してやれよ。あんたの文章の書き方、通常のルールから逸脱していておかしいって。まぁ、創造的な文章の場合、書き方のルールなんて存在しないって言われそうですが……。
さて、真実は如何に。お二方の他の作品、私はそもそも読んだことがないので、ストーリーの作り方や文章の癖など全く分からないため、誰か真実を知っている人がいたら、ご教示ください。
○コピーライト
起動直後の画面右下に「©あざらしそふと・SMEE All Right Reserved.」って書いてあるのだけれど、最初の発行年が書いてないから、コピーライト表記としては、はっきりいって間違っていますよね。不要な All Right Reserved. よりも、最低限必要な発行年を書けよって、いつも思ってしまいます。でも世の中、各企業のプレゼンや説明資料にしても、正しいコピーライト表記をしている方が、少ない気がしています。つまり、世の中、けっこういい加減ってことです。
○ショートカット
本ゲームは、「Alt」+「Enter」で画面サイズ切替(フルスクリーンと通常画面)ができるのですが、「System Config」のショートカット設定にはありません。設定変更対象ではないってことなんでしょうけど。私は、ゲームをしながらメモ帳によくメモるので、このショートカットは重宝しているのですが、大概のADVではこのショートカットが使えます。ただ、ガイドには記載していないゲームの方が多い気もします。これは「常識だから知っとけボケ!」ってことなんですかね。
○主人公視点側とヒロイン視点側の感想
両方の視点について、つらつらと感想を書きたいと思います。
◇主人公視点側
一種の短編小説の類なのだろうと思いました。
★ポッキー
真澄が机の上に腰掛けている絵で、右手にポッキーを持っている構図が、なんともキーポイントかな。なかなか良いです。
★声優さんの特徴
真澄「指きりげんまん嘘ついたら――えーっと……13のアイスおごって。指切った」
⇒「あっ、えーっと」と読んだ。これは「――」の部分を考慮したのかもしれない。「はっ13」は「……」を考慮かな。「――」や「……」の無音の部分をどう表現するのかは、ある意味、声優さんの力量が試される部分ですよね。
真澄「まあ……あたし、カレシいないし。そういうことだよねぇ……あはは」
⇒「そういう」の最初に何かブレスを入れているし、「あはは」は小さい声で「えへへ」と聞こえる。この声優さんは、何か特殊な才能があるのかもしれない。
★上手い文章
ト書き:半ば微睡みの中にあった意識が一瞬で覚醒する。……顔が熱い。身体を巡る血流が倍速になった気さえする。
⇒「微睡み(まどろみ)」という言葉は、なかなか良いかも。そもそも、普通は漢字でなんか書かないだろうし。それ以前に、漢字で書かれても読めないし、私。
★他人事
真澄「もー、他人事だと思って……!……今から断ってくる!」
⇒この声優さんは、「他人事」を「ひとごと」って正しく読んだけれど、最近は「たにんごと」と読む人も多いんだよね。
★秘密の共有
真澄「そ、そんなところかな…… あ、皆には絶対に秘密にしてね」
⇒帰宅途中での二人の会話シーンでの真澄の一言。テンプレですね。
★★★公園での告白シーンの絵
真澄の顔アップで目が髪の毛を上書きしているように見えるのがなんとも。他のシーンを見ると、配慮はしているらしいのですが、このシーンは微妙に対応されているようないないような感じです。ちょっと配慮不足気味かな。超低価格作品に文句を言うなよって話なのかもしれませんが、恐らくフルパッケージでも同じシステムを使っているのでしょうから、品質は同じってことですよね。
★告白シーン
祐一「だから迷ったよ。言えばきっと、今まで通りの関係ではいられなくなるだろうから」
祐一「でも……思ったんだ。これから麻布に恋人ができたとき」
祐一「このまま気持ち隠したまま、友達として笑えるのかって。僕は自分の器にそこまで自信がない」
祐一「でも、麻布は本当にいいやつだから。きっとこれからも友達でいてくれって言うかもだし。逆に、もう無理だからって離れていくかも」
祐一「まあ、どっちにしろ、麻布にウソは吐きたくなかった」
祐一「つまり何が言いたいかっていうと。……僕と、付き合ってください」
⇒主人公はけっこう男らしい
★ギャルと黒髪
真澄「……あの。お付き合いが始まるわけなんですケド」
真澄「黒髪に戻した方がいい?」
真澄「あ。ギャル、好きなんだ?」
祐一「……まぁ。今の麻布に告白したわけだし」
真澄「ふふっ。キミが喜んでくれるなら、このままでいよっと」
⇒普通の定番設定では、黒髪に戻してギャルっ子とのギャップを印象付けさせるのだろうけれど、ギャルのまま。まぁ、超低価格だもんねぇ。そこまで、作りこめないか。立ち絵も含めて、いろいろ変更が必要になるだろうしね。
★最初のエッチシーンへの導入部分
真澄が祐一の部屋に来て勉強会の流れで、真澄が勉強が嫌になって祐一のベッドにダイブするのですが、もし普通のエロゲーのテンプレだったら、祐一の枕の匂いを子犬のようにクンクンするシーンにする筈です。しかし、さすが超低価格、いっきにエッチシーンへ移行となったのでした。
★会話の掛け合いが面白い
真澄「っていうか、んっ……キミ、そんなにお尻が好きなの?」
祐一「麻布のは、全部好きだよ」
ト書き:僕がそのことを伝えた瞬間、麻布がびくりと全身を震わせた。
祐一「……だからパンツ見えたときとか、割とマジでヤバかったよね」
真澄「そ、そうなんだ……っていうか、なんかさっきから、焦らされてるみたいな……ほ、本当に初めてなの?」
祐一「言ってなかったけど、僕はむっつりだから」
真澄「自分で言ったらむっつりじゃないような……」
⇒そうか。むっつりな人は、自分でむっつりと言えば、むっつりじゃなくなるのか。
★エッチの会話文も絶好調
祐一「余裕のない麻布もかわいい」
ト書き:言いながら、割れ目に顔を近づける。
真澄「えっ!? ちょ、そこ――やっ!ダメダメダメ、顔は……あ、だめぇっ!」
ト書き:逃れようとする麻布の腰と尻を、しっかりと両手で掴んで引き寄せる。
ト書き:そうして、甘さと酸味の混じり合った、フルーツみたいな香の蜜を、秘部ごと舌でぺロリと舐めた。
真澄「あ゛っ! ああぁっ……ダメって……ダメって言ったのにぃ……!」
ト書き:ビクッと腰が大きく跳ねて、けれど僕にしっかりと掴まれた麻布はどこにも逃げられない。
ト書き:ただ、下腹部を舐めたら快楽に、ぶるぶると腰を震わせるだけだった。
真澄「舐めていいなんて……言ってないのにぃ……」
祐一「美味しそうだったから……っていうか、おいしかった」
真澄「ふえっ……!?てか、おいしいとかナイでしょ……?」
⇒なんか日常会話っぽくて面白いです。セックスシーンとはとても思えない。
★「ヘンタイ」と「むっつり」
祐一「雄にとって……少なくとも僕にとって、麻布の蜜は、甘露なんだって」
祐一「だから溢れてきたやつ、全部舐めたい。麻布をもっと味わいたいんだ」
真澄「へ、ヘンタイなの……?」
祐一「ヘンタイじゃなくてむっつりだよ。あと麻布のこれガチでおいしいから、もっとよく舐めさせて」
⇒「ヘンタイ」と「むっつり」は、同義語であることが、よく分かりました。
★声優さんの読み方
真澄「そーだよ……はぁぁ……やばぁ……やっぱりこれ、恥ずかしすぎる……」
⇒「あぁやばぁ」と読んだ。その前の「はぁぁ」もちょっと捻った読み方して工夫している。というか、「そーだよ」から、全部、読み方、変えてますね。この声優さん、なかなか良い技量を持っていそうです。
★ぜんぜん
祐一「痛い?」
真澄「ぜ、ぜんぜん……っていうか、はっ……やだこれ……気持ちイイ……」
⇒この「ぜんぜん」は、本来の否定を伴った使い方ですよね。最近、肯定で使われる場合の方が圧倒的に多いように感じているので、ちょっと新鮮。
★香り
ト書き:繋がった部分から分泌される愛液は益々溢れ、ぶつかり合ったところからあちこちに飛散している。
ト書き:たちまち、部屋の中は、若い雄と雌の香りに満たされ、それが濃厚になっていった。
⇒本作のライターさんは、他のテンプレライターさん達みたく、「におい(匂いでも臭いでも)」という言葉に執着しないですよね。その代わりに、「香り」という言葉で間接的に「におい」を連想させる方法をとっています。なかなかの策士です。
★においとニオイ
このライターさんは、「におい」と書かないことを言及していたら、いきなり次の文章が……。
ト書き:麻布のおかげで甘いにおいがしていた僕の部屋。
ト書き:それがいつしか互いの様々な体液で、この上なく淫猥なニオイを漂わせる空間になっていた。
祐一「真澄……わかる? 部屋中すごいニオイだよ。でも真澄のニオイ……凄く好きだ……!」
⇒このライターさんは、漢字で「匂い」や「臭い」とは書きませんね。つまり、良い香り(こうばしい)でも悪い香り(くさい)でもなく、「(甘い)におい」であり「(淫猥な)ニオイ」なんですね。「におい」から「ニオイ」という"ひらがな"から"カタカナ"への変遷も、意識して書いていますし、素晴らしいです。絶賛します。
◇ヒロイン視点側
ヒロイン視点(Heroine View)は、少女漫画ノリですね、当たり前ですけど。面白かったのですが、主人公視点との共通部分を除くと、余り書きたい感想はありませんでした。まぁ、視点が違うだけで、ストーリーは全く同じですから、仕方がありませんね。書きたいことは主人公視点で書いてしまいましたから。
ところで、ぜんぜん関係ありませんが、「heroine」と「heroin」は同じ発音らしいです。やっぱり女は麻薬なのでしょうか(笑)。
★男の発想
真澄「次の撃墜記録のために粉かけてるんしょ? ……だって。ほんと、そういうのやめて欲しい……」
ト書き:零戦かよアタシは。
ト書き:大体撃墜数って何だ、アタシは何と戦ってんだ何と。
ト書き:むしろアタシは祐一君に撃墜されたい。
⇒最初に「ヒロイン視点は少女漫画ノリ」と書いたのですが、これは、少女漫画のノリじゃないよね。男の発想だよね。
○誤字・脱字・衍字や声優さんの読みとテキストの不整合
こんなに短い作品なのに、けっこう間違いが多いです。両ブランドの撒き餌として機能させたいのなら、最低限、品質管理は徹底させないといけないのではないかと思うのです。こんなに短い作品なのに、それなりに品質管理されたフルパッケージ並みの数の間違いがあっては、試供品としての体を成さないのではないかと思ってしまいます。試供品としての位置づけなら、余計に完璧を期すべきなのです。私だったら、その程度の品質管理で制作された作品に対して、手を出したくはありません。それでは、本作で私が気がついた分を全て挙げてみると、次のとおりです。
◇主人公視点側
・衍字
ト書き:というかこのこのセルフ突っ込み自体がすでに陰キャの極みみたいなところがある。
⇒このこの。最初、「この子の」なのかと思ってしまった。しかし、これでは自分を「この子」と他人扱いしていることになるので、やっぱり衍字だと判断しました。
・脱字
真澄「ちょ……こらぁ! 無視するぁ!」
⇒声優さんは「無視するなぁ!」って読んだ。声優さんが正しいと思う。
・声優さんの読み間違い
真澄「じゃあ決まり! すみませーん」
⇒「すいませーん」と読んだ。まぁ、どうでも良いレベルなのだが……。
・脱字?
ト書き:麻布に、まっすぐにかっこいいと言われて、上がらないヤツがいるだろうか?いや、いるわけがない(反語)
⇒個人的には最後に句点は必要だと思うのですが、このライターさんのポリシーでは、カッコの後はつけないとなっているのでしょう。
・脱字
真澄「……あの。お付き合いが始まるわけなんでケド」
⇒「ですケド」が正しい。声優さんは正しく読んだ。
・衍字
ト書き:ただ、下腹部を舐めたら快楽に、ぶるぶると腰を震わせるだけだけだった。
⇒だけだけ
・誤字・衍字
ト書き:二人で笑い合った後、僕は僕はペニスの先端を、麻布の蜜に塗れた割れ目にあてがった。
⇒①「僕は僕は」。これは衍字。
②「塗れた」。これは「濡れた」の誤字だと思ったのですが、「まみれた」かもしれないと思い至りました。ただ、「まみれる」の意味は「きたないものが一面について汚れる。体や物の方々に、きたない汚れがつく。泥・汗などが一面にくっついて汚れる」だから、これだと、麻布の蜜は、汚いということに……。これは、ライターさんの意図とは違う気がしたので、やっぱり「濡れた」の誤字だという結論に、私の中では決着しました(笑)。
・声優さんの読み間違い?
真澄「もう無理ですごめんなさいっ!」
⇒声優さんは「ごめんなさ~いっ!」って読んだのだけれど、ライターさんは、恐らく文章どおりの読みを期待していた筈。ただ直後の、「ト書き:ギブアップして、彼のベッドにダイブする。」から考えると、声優さんの読みの方が、この場面にはフィットする気がします。
・声優さんの読み間違い?
真澄「そ、そんなのわかんない……でも。キミのさわり方が、すっごくえっちなのは、わかる。声、出ちゃうの……」
⇒声優さんは「すごく」と読んだ。でも、私はライターさんを指示かな。ここは「すっごく」だよね。
・衍字
祐一「うん。ところでこれ、実はまだ、まだ半分も入っていないんだけど」
⇒「まだ」がダブっている。どちらかは不要です。ただ、ライターさんが、これが正しいと言うのなら、そうですかとしか言えませんがね。
・誤字
ト書き:それにしても、お互いの舌で愛を確かめ合いことがこんなにも気持ちがいいなんて……。
⇒確かめ合う
・ルビの間違い
真澄「膣内に……なかに欲しい……お腹のなかも、ぜんぶっ……キミのモノに、したい、からぁ」
⇒「膣内」にルビが振ってあって、「で」となっていました。どうも、少し前の「祐一『そろそろ射精そうなんだ……だから』」の「射精」に対するルビの「で」を引きずってしまったみたいですね。
ところで、声優さんは「なかに」と読んでましたが、ライターさんの意図では「ちつないに」かもしれませんよね。なぜなら、わざわざ次で「なかに」としているので、言い換えたことを示したかったとも考えられるからです。
それにしても、エロゲーでは、通常、「膣内」は「なか」としか読みませんが、誰か「ちつない」と読む声優さん、いないのでしょうか? そもそも「膣内射精」は「ちつないしゃせい」とは読むけれど、「なかしゃせい」と読む人はいないでしょう。
・誤字?
ト書き:……けれど、手で腕を。卑肉でペニスを掴まれて、こんな泣きそうな顔でお願いされたら……!
⇒「卑肉」ってなんだって話です。普通に考えると、女性器や膣を示す「秘肉」の間違いってことになるのですが、「卑猥」って言葉もありますからね。「卑肉」が女性器や膣を示すと言われたら、そうなのかもって気もします。
◇ヒロイン視点側
主人公視点で書かれていた共通部分の間違いは除外しています。さすがに、「?」と「!」を修正しまくるだけあって、ここを担当したライターさんは、間違いが少ないですね。
・衍字
真澄:(この厚焼き卵、超美味しいそうでしょ!?)
⇒声優さんは「超美味しそう」と読んだ。ただ、ライターさんは本当に「美味しいそう」が正しいと思っている、もしくは「『美味しいそう』と言わせたかった=真澄はバカだってことにしたかった」のかもしれない――そんなわけないか!
因みにYAHOO知恵袋では、
「おいしそう」(様態):見たり、聞いたりしたところ、おいしいだろうと感じられる
「おいしいそう」(伝聞):おいしいと読んだり聞いたりした
となっておりました。
・三点リーダーの後の句点の有無
ト書き:アタシの友達は、勝手に祐一君を冴えないヤツとか陰キャだとか……
ト書き:でもしばらく経って考えてみたら、アタシだけが本当の祐一君を知っている……
⇒このライターさんは、地の文の文末の三点リーダー直後に句点を打たない派ですね。私は、文章が締まらないように見えるので、句点を打つ派です。因みに、Web上で調べると、次のような解説を見つけました。
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地の文の文末に三点リーダーを付けるときに句点をどうするかについてですが、明確なルールがあるわけではないので、打っても打たなくてもどちらでもいいということになります。ただし、現在流通している出版物においては句点を打っているものがほとんどです。
〇〇〇……。
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○おわりに
「330円(セールで110円で購入)のクオリティではない」との一言感想を偶然見て、キャンペーン終了2日前に、思わず「ポチッとな!」で購入してしまったのだけれど、費用対効果は絶大な作品だと思いました。上記の一言感想書いた人には感謝です(100円で買えたから余計に)。目にしていなかったら、恐らく、絶対に買ってはいませんでしたね。
とは言っても、宣伝用なのにお金をとるのかって議論もあるのかもしれません。でも、メーカーからしたら、本作の売価なんて DMM の利用料みたいなもので、実質、只で配っているのと同じ感覚でしょう。
私にとっては、作品自体の評価より、この作品を制作した目的は何なのかに、一番興味が湧いた作品なのでした。本作を褒めはしたけれど、だからと言って、両ブランドの他の作品を買うかというと、たぶん買わないだろうなぁ。そもそも、興味があったら、とっくの昔に買っていただろうから。それから考えると、今回のコラボが成功したのかどうかは、やはり、フルプライスのコラボ作品制作まで発展しないと、評価が難しいですね。
とか考えていたら、思い出しました。以前、低価格作品を評価するために購入した作品群の中に『アイカギ ~アフターデイズ~』があったことに。内容、何も覚えていません。メモを見たら、殆ど何も書いていません。つまり、あざらしそふと の作品って、私の中ではその程度ってことですかね。
今回、SMEE 色が強いと言われる作品を制作したのは、実は正解だったのかもしれないと思ったのでした。